4月29日~5月2日、マレーシア・クアラルンプールにて行われたアジア選手権。日本代表としてこの大会に出場した早大、河崎羽珠愛(スポ3=千葉・植草学園大附)は、個人国別対抗戦4位、シニア個人総合予選16位(決勝進出ならず)、決勝種目別リボン9位という結果に終わった。「全種目納得のいく演技ができなかった」(河崎)、そんな悔しさを抱えて挑んだのがアジア選手権からわずか10日後、栃木県立南体育館にて開催された東日本学生選手権(東インカレ)だ。前年度の全国学生選手権(インカレ)で河崎の優勝を阻止した立澤孝菜(国士館大)が棄権する中迎えた今大会であったが、河崎は連戦の疲れが残る中、見事優勝を果たし、危なげなくインカレへの出場を決めた。
大会1日目にはフープとボールが行われた。初めに演技を披露したフープでは、演技冒頭、投げ技の高さに観客から驚きに近い歓声と拍手が沸き起こった。細かいミスはあったものの、「演技前半は今までで1番のびやかな演技ができた」(河崎)と本人も納得の演技で、この種目、全体2位の14.850点をマークした。続く、2種目目のボールではほぼノーミスの見事な演技を披露し全体1位の点数を獲得した。この演技に河崎は、「一皮むけた」(河崎)と自信を見せている。
観客から歓声の上がったフープ
大会1日目を1位で折り返した河崎は、2日目のクラブ、リボンの演技に臨んだ。4月から続く連戦や合宿など、ハードスケジュールな生活が続く河崎にとって、そのひと区切りとなった今大会。さすがの河崎も大会2日目は疲れを見せていた。最初のクラブでは大きなミスこそなかったものの、全体5位の点数にとどまり、また次に披露した全体2位のリボンでは演技冒頭で体勢を崩し、スティックが脚から離れてしまったり、リボンが絡まったりするミスもあった。
クラブの演技を披露する河崎
しかしながらやはり河崎は強かった。彼女は疲れの残る中、個人総合1位を死守し、今大会を見事優勝で終えた。試合後河崎は、「得点よりも演技の出来を重視していきたい」(河崎)とこんな言葉を口にしている。より美しく、より強く--今日からもまた練習は続く。
(記事 脇田真悠子、写真 村田華乃、脇田真悠子)
結果
個人総合 | ||||||||
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選手名 | フープ | ボール | クラブ | リボン | 合計点 | 総合順位 | ||
河崎羽珠愛(スポ3) | 14.850(2位) | 15.400(1位) | 12.900(5位) | 13.000(2位) | 56.150 | 2位 |
コメント
河崎羽珠愛(スポ3=千葉・植草学園大附)
――まず初めに、以前患われていたいたジャンパー膝の具合はいかがですか
ケガは落ち着いてきているし、最近は全然痛みもないので徐々にコンディションは上がってきています。
――連日の試合が続いていますが、先日のアジア選手権の結果を振り返っていかがですか
アジア選手権は、全種目自分の納得のいく演技が出来ずに終わってしまいました。種目別リボンでも、決勝には進めたんですが、予選よりミスが出てしまったので全体的に見てあまりよくなかったです。
――新しいルールへの適応具合についてはいかがですか
アジア選手権が終わってから一度内容を見直して、たくさん練習してきたので、アジア選手権よりは大分落ち着いて演技が出来るようになっては来ています。新しいルールに、少しずつ慣れては来ていると思いますが、まだ部分部分を見ると体が縮こまったり、硬くなったりするのでまだまだ練習が必要かなと思います。
――フープの演技を振り返っていかがですか
バランスのところでフープをちょっと投げたかったんですが、タイミングが合わずに前転になってしまったというのと、ステップ中に(フープを)回して持ちかえるというところで、位置が飛んで行ってしまう場所だったので、そこで減点されたのかなと思います。前半は今までで一番のびやかにできていたんですが、後半は縮こまった演技になってしまって、やりたかった技が出来なかったのが少し悔しいです。
――フープの最初の投げでは驚きに近い歓声が聞こえましたが
なかなかやっている人もいないし、(投げの高さが)高いとよく言っていただくので、皆さんにとって印象のある所なのかなと思います。
――試合中観客からの歓声は聞こえましたか
フープの投げのあの瞬間だけは聞こえました(笑)(笑)
――ボールの演技を振り返っていかがですか
ボールは4月の代表選(第36回世界選手権第18回アジア競技大会日本代表選考会)と見て、一皮むけたなと思うようなのびのびした演技ができたと思うし、自分でも納得のいく演技ができたと思います。
――クラブの演技を振り返っていかがですか
まだ部分部分でやりたかった技とか、難度に対しての体の使い方とかっていうのがまだ完全にできているわけではないので、(クラブを)落としてないという面では良かったなと思うんですが、難度について、バランスの止まりの重さとか、ジャンプの開脚の重さとかがちょっと出てきてしまったかなと思います。
――リボンの演技を振り返っていかがですか
リボンは最初ぐらついてしまって、曲がかかった瞬間にスティックが脚から離れてしまいました。そこからは切り替えることが出来ましたが、ちょっとリボンが自分に対して近くなってしまって、そこは自分が絶えなければいけない場所だったので、もう少し4種目目に対する集中力をつけなければならないなあと思います。
――今大会の総評をお聞かせください
今回はアジア選手権よりはいい演技だったので、まあまずまずの出来ではありましたが、ちょっと悔いの残る演技だったので、また次の試合にうまく続けていけたらなと思います。
――最後に今後の目標を教えてください
4種目耐えきれる演技と自分の良さを出せる演技を、楽しんで出来るように、そして観客の皆さんにも楽しんでもらえるようにしたいです。