アジア競技大会出場決定!河崎、悔しさも見せた総合2位

体操

 新たな刺客が現れた。「夢は2020年の東京オリンピックに出ること」--こう語るのは、今大会を制した期待の新星、大岩千未来(ちさき)(イオン)。千の未来が訪れるよう「千未来」と名付けられた彼女は、今月11日、日本体操協会が定める特別強化選手に新たに追加されるなど、その名にふさわしく今まさに未来への階段を急速に駆け上がっている。今大会は、9月7~16日にブルガリア・ソフィアで行われる世界選手権、また、8月27、28日にインドネシア・ジャカルタで行われるアジア競技大会への出場権をかけた戦いであるが、この大会から世界選手権に行けるのは、すでに出場が決定している皆川夏穂(イオン)、喜田純鈴(エンジェルRGカガワ日中)に加え、ただ1人。大会2位となった、早大、河崎羽珠愛(スポ3=千葉・植草学園大付)は見事アジア競技大会の出場権を獲得したが、惜しくも世界選手権の切符は逃す形となってしまった。

ボールの演技を披露する河崎

 ルール改正によって新ルールが適応される中、今大会は開幕した。この新ルールへの対応に戸惑いを見せる選手が多くいる中、河崎もまた、「昨年と比べてより集中力を高めないといけないし、挑戦する気持ちも高めないといけなくなった。ルール改正後は技のつながりで1つの難度、また技のつながりで難度という感じになり、技の種類も増やさないといけなくなったし、1回失敗してしまうとそこからの切り替えが難しくなってしまって大変」(河崎)と言葉を漏らす。

 大会1日目はフープとボールの演技を披露。フープでは、「何とかこらえる演技になってしまった」(河崎)と少々反省の色を見せたが、続くボールは「今までで一番いい演技ができた」(河崎)と本人も納得の演技で見事1位の点数をマークした。個人総合暫定2位で迎えた大会2日目はクラブとリボンを行った。クラブでは細かなミスが重なり、13.900点の4位。この演技には「凄く悔いが残っている」(河崎)と悔しさを見せたが、続くリボンは、他の選手にリボンに結び目ができてしまうなどのミスが目立つ中、圧巻の演技を披露、14.750点をマークし1位となった。 

リボンの演技を披露する河崎

 2日間の大会を終え、総合成績は、大岩の60.900点に1.25点及ばない、2位。あと一歩のところで世界選手権への切符を逃し、悔しい結果となったが、見事獲得したアジア競技大会への出場権に対して河崎は、「今度は国別対抗で必ず優勝したい」(河崎)と強い意気込みを示し、同じイオン勢の大岩、柴山瑠莉子(イオン)、飯田由香(イオン)ら3人と共に、4位に終わった前回大会の雪辱を誓う。

見事アジア競技大会への出場権を獲得をした(左から)柴山、飯田、河崎、大岩

(記事 脇田真悠子、写真 村田華乃、脇田真悠子)

結果
                            

シニア個人総合
選手名 フープ ボール クラブ リボン 合計点 総合順位
河崎羽珠愛(スポ3) 15.450 15.550 13.900 14.750 59.650 2位

河崎羽珠愛(スポ3=千葉・植草学園大付)※インタビューは大会2日目終了後に行いました。

――はじめに、新しくルールが改正されたということですが

昨年と比べてより集中力を高めないといけないし、挑戦する気持ちも高めないといけなくなりました。昨年だと投げをやって、踊りを入れてそのあと技という感じだったんですが、ルール改正後は技のつながりで1つの難度、また技のつながりで難度という感じになって、技の種類も増やさないといけなくなったし、一回失敗してしまうとそこからの切り替えが難しくなってしまったので大変です。

――昨日の演技についてお聞かせください

最初のフープで思った以上に時間が長かったので(それまで)ずっと動き続けてばててしまい、何とかこらえる演技になってしまって、自分の思っていた演技にならなかったのがちょっと悔しいです。ボールは今まで試合や発表会に出させていただいた中で一番いい出来だったのでそこは満足しています。

――左膝にテーピングをされていましたが

2月くらいからジャンパー膝っていうのを患っていて、ジャンプをするときに痛くなってしまうんですが、ちょっと長引いてしまっています。 そこまで(ケガの状態)は悪くないんですが、膝が痛くならないよう、単に固定という感じでテーピングをしていました。

――暫定2位で今日を迎えることになった当時の心境をお聞かせください

まだクラブ、リボンが残っていて、巻き返しができると信じてやっていたので2日目の種目に気持ちを切り替えていました。

――今日の演技を振り返っていかがですか

今日は昨日よりも攻める気持ちで挑めたんですが、クラブで何個かミスをしてしまってすごく悔いが残っています。それからは、うまく切り替えてリボンの演技をすることができたので、そこはほっとしていますが、世界選手権の切符を取りたかったので悔しいです。

――今大会は同じイオン所属の大岩千未来選手が優勝されましたが

大岩さんは体の線がとてもきれいだし、高い難度もすごくきれいにまとめることが出来ます。私にはない難度とか技をしていることもあるし、今どんどん上手になっていっているので私もそれに続いていきたいなあと思います。

――アジア競技大会への意気込みをお聞かせください

以前韓国の仁川でアジア大会があったのですが、そこに出場させていただいていて一度アジア大会を経験しているので、どういう雰囲気かは大体予想がついています。前大会では、国別対抗の試合でメダルを逃してしまってとても悔いが残ったので、今大会は、国別(対抗戦)でメダルが取れるように攻めの気持ちで自分らしく演技をしたいです。今回してしまったミスをしないようにして、4種目ともをまとめられるように自分らしく楽しんできたいと思います。ミスを恐れずに自分を信じて1分半を楽しめるようにしたいです。