いよいよ明日、全日本学生選手権(インカレ)が始まる。体操部唯一の新体操部員である河崎羽珠愛(スポ2=千葉・植草学園大附)は、昨年の同大会で個人総合2位。今年こそ優勝を目指す河崎に、その意気込みを伺った。
※この取材は8月5日に行われたものです。
「今のところはまだ良い状態ではない」
今シーズン前半を振り返る河崎
――今シーズンを振り返っていかがですか
きょねんの12月の初めに足の手術をして、2か月間くらい入院してたんですけど、選考会が復帰戦で、手術後初めての試合ということだったので、すごく不安もあったし、どうなるのかなっていう気持ちだったんですけど、とりあえず乗り越えてユニバーシアードの権利を取ることができたので、そこはすごくほっとしました。次の東日本学生選手権では、演技がまだ自分のものになってないっていうことが演技に出ちゃってて、まだ練習不足っていうこともあったので、ベストな状態ではないということになってしまいました。しばらく試合がなくて間が空いたので、先日の全日本クラブ選手権(クラブ選手権)が2か月弱ぶりの試合で、その間すごく練習を積み重ねてきたので、少し自分のものになってきたっていうのもあって自信もついていたし、できるっていう感覚もあったんですけど、後半2種目で崩れてしまったので、今のところはまだ良い状態ではないかなという印象です。
――国際試合もありましたがいかがでしたか
ソフィア杯は今年初めの海外試合ということで、自分でも挑戦的な気持ちで臨みました。その時もまだ何か所かミスがあったんですけど、ボールとクラブの2種目で決勝に残ることができてすごい嬉しかったし、残るっていう気持ちもなかったので、とりあえず楽しんで、自分の今できることを出し切ろうって思って臨んだので、すごく楽しかった試合でした。
――大学1年目だった昨シーズンと比べていかがですか
きょねんよりも、演技の中で違うキャラクターを出せるようになったというか、「魅せる」っていう感情とか、踊り込むっていう演技ができるようになったかなと思います。
――今シーズンの4種目はどのように演技をつくったのでしょうか
今回は先生方と相談して曲を選んだんですけど、ロシアのコーチが練習場に来てくれて、一緒につくっていただきました。今までの演技よりもスムーズに動けるし、少しでもやりづらかったら、「じゃあこういう動きはどう?」ってアイデアも豊富で、演技づくりも楽しんでできたし、あまり難しい技は入れずに、前回の演技に入っていた技とかを使ってつくっていただきました。
――特に気に入っている種目はありますか
4種目とも好きなんですけど、特に好きなのはクラブです。タンゴの曲調のものは今まで何度か使ったことがあるんですけど、今回の曲はリズムとかが好きなタイプの曲だったので、踊っててすごく楽しいです。
――シーズンの途中でリボンとフープの衣装を交換されましたが
リボンの衣装を、クラブ選手権のフープで着てた青いのを最初着ていたんですけど、ちょっと違うねって先生方となって、それで交換しました。
「学校生活をより楽しめている」
大学も楽しみつつ練習に励む
――大学2年目になりましたが大学生活はいかがでしょうか
きょねんよりも大学に行く回数が増えたので友達も増えたし、学校生活をより楽しめているなと思います。
――週何回学校に来ていますか
今は週3回ですね。後は1日練習しています。
――好きな授業はありますか
スポーツ方法実習のダンスの授業で、最初の方は先生が作って下さったのをみんなで覚えてグループで発表するっていう感じだったんですけど、後半はまたグループに分かれてダンスを作る授業で、それで新体操とダンスを組み合わせて踊ったのがすごく楽しかったです。
――クラスメートに体育会の人は多いですか
そうですね。ダンスの子と今一番仲がいいんですけど、話も通じ合うし、お互い分かり合えることが多いです。
――練習は週に何回していますか
今は夏休みなので週6で、学校があるときは週5回です。
――どのような練習をされているのでしょうか
朝からだと、バレエやって、アップをしてから演技の練習を2,3時間やって、お昼休憩を取って後は技の練習って感じです。
――同じく世界で戦う内山由綺選手(スポ1=東京・帝京)が体操部に入ってきましたが、交流はありますか
入学する前に知り合ったんですけど、内山選手も世界に向けて頑張っているので、私もそれについていこうって感じで(笑)。ご飯とかはまだ行けてないんですけど、体操部で集まるときは仲良くしています。
「自分のいい演技を第一に」
自分も観客も楽しい演技を目指す
――昨年のインカレはどのような大会になりましたか
昨年は足の痛みがちょうど試合と被ってしまって、すごい悔しい思いをしたんですけど、今大会はそれがないので、万全の状態で行けると思います。
――2週間後に控えた現在の心境はいかがでしょうか
練習はしっかり積み上げてきているので、昨年よりは縮こまった演技とか怖がった演技はないと思うので、頑張りたいです。
――緊張をほぐすために何かしていることはありますか
ほぐすっていうよりは動いて緊張を解消しちゃうっていう感じで、本番前に動いて動いて、投げ技確認してってやってから臨みます。
――自分のアピールポイントはありますか
投げ技と表現力だと思います。
――具体的な目標があれば教えてください
目指すは優勝ですが、まずそこに到達するまでは、自分の演技をしっかり集中して、落とすことのないようにすることと、観客のみなさんに楽しんでいただければいいなと思います。
――最後に、インカレに向けての意気込みをお聞かせください
2回目のインカレなんですけど、優勝とは言いますがそこにこだわっちゃうと崩れてしまうと思うので、そこは心の中に抑えておいて、まずは自分のいい演技を第一にして楽しんでいきたいと思います。
――ありがとうございました!
(取材・編集 村田華乃)
今回の色紙のテーマは「新体操をする上で大切にしていることは?」
◆河崎羽珠愛(かわさき・うずめ)
1997年(平9)9月26日生まれ。千葉・植草学園大附高出身。スポーツ科学部1年。技に加えて表情も得点になる新体操。「ただの表現ではなく自分も心から踊れるようにしたい」と語って下さいました。『踊る心』を大切に、今年は優勝を目指します!