【連載】インカレ直前特集『shine on!』第5回 内山由綺

体操

 実に48年ぶりの快挙だった。体操女子団体が4位入賞を果たしたリオデジャネイロ五輪。その名誉あるメンバーの中に内山由綺(スポ1=東京・帝京)はいた。長い手足を生かしたダイナミックな演技を最大の武器に、チームに貢献。そんな内山はどんな学生生活を送っているのか。そして、初めて臨む全日本大学選手権(インカレ)を目前に控えて何を思っているのか―――。

※この取材は7月23日に行われたものです。

「応援してくれてとてもやりやすい」

体操部について話す内山

――今シーズンを振り返っていかがですか

 今シーズンの試合は、オリンピックの後ということもあり正直気が緩んでしまっていた部分もあり、その緩みが全部試合に出てしまっていたという感じでした。ですがユニバーシアードの代表権は取りたいと思っていたので、そこの部分が取れてよかったと思います。

――いつも早大の体操部と一緒に練習しているのですか

 いつもではなく、週に1,2回くらいです。他はナショナルトレーニングセンター(NTC)でやってます。

――NTCではいつも一人で練習されているのでしょうか

 いえ、いつも内村航平選手(リンガーハット)はいて、他にちらほらいる感じです。夏休み入ってきているので、最近は結構います。

――早大体操部の雰囲気はいかがですか

 楽しいです。それに、自分が来る回数が少ない中すごく受け入れてもらい、応援もしてくれてとってもやりやすいです。

――早大の第一印象と今の印象のギャップはありますか

 結構真面目な人が多いと思ってました。でもみんな真面目なだけではなく、明るい感じで驚きました。

――同じ部活の先輩がいるということは初めてだと思いますが、いかがですか

 あまり敬語が使えないです(笑)。体操の中で上下関係があまりなかったので、敬語があまり使えないっていうのがあります。使うようにはしていますが、敬語がなくなっても気にされないです(笑)。

――先輩や同輩とご飯を食べに行ったりはしますか

 新歓は行きましたが、あまりないです。入ってから試合数が多すぎて、遊びに行くとかはまだ誰ともできてないですね。寮の部屋移動くらいです(笑)。

「食べて動くことが好き」

早稲田のエースとして初のインカレに挑む

――学校は慣れましたか

 学校は慣れてきたところですが、テストが慣れません(笑)。

――前回のインタビューで学びたいことがあって入学したと伺いましたが、実際はいかがですか

 結構学べています。コーチと学んだことを共有したりもしています。

――今シーズン特に足のケガが多かったですが、原因はどのように考えていますか

 やはり使い方が悪いんだと思います。膝が内側に入りやすい人がケガをしやすいと習ったので、そこを改善していこうかなと思ってます。

――大学生になってかなり生活リズムが変わったと思いますが、疲れがたまりやすくなりましたか

 そうですね。最初の方は試合も多かったこともあり大変でした。ですが今年はこのリズムに慣れて、来年どう行動するかを確認するって感じです。

――体操部にはスポーツ科学部の先輩もたくさんいますが、いろいろ学んだりすることはありますか

 同じ授業をとってる先輩もいるので、過去問を教えてもらったりしています。どういう形式のテストなのかとか、傾向とか。

 

――オフの日は何をしていますか

 オフの日に授業をパンパンに詰めているので(笑)。何もできないです。1限から3限までを所沢で受けて、5限は東伏見の授業です。あした、テストが4つあります。1個だけ捨ててるのがあるけど(笑)。楽単じゃなくて、自分の受けたい講義をとっていたらめちゃくちゃ難しかったです。

 

――好きなことは何ですか

 食べて動くことが好きですね。食べることと、汗だくになるまで動くことが好きです。中途半端に動くのが好きじゃなくて。汗を出すのが好きなのでサウナも好きです。顔にへばりつく汗が嫌で、それを早く流したいから動く、みたいな(笑)。

「優勝しないといけない」

得意種目の段違い平行棒

――インカレまで後2週間ですが、お気持ちの方はいかがでしょうか

 インカレは、早大女子が2部校なので優勝しないといけないと思っています。そして、ユニバーシアードにつなげるために、自分に自信をつけるための試合にしたいです。

 

――インカレにはどんなイメージを持っていますか

 すごく楽しそうだと思っています。大学生で仲の良い友達が楽しそうな写真を上げているのを見ていたので「いいな」って。みんなに会えるしいいなと思っていたので楽しみです。順位も大切ですけど、一緒に戦っている仲間と刺激し合って。みんなで高みを目指そう、っていう雰囲気が感じられるというか。その中に自分も入れるので、力一杯頑張りたいです。

 

――特に力を入れている種目はありますか

 段違い平行棒ですね。自分の強みでもありますし。でも、今一番頑張っているのは平均台です。あまりみんなに得意だと思われていなくて、そのイメージを払拭(ふっしょく)したいなと思って。頑張っている最中です。

 

――自分のここに注目してほしい!というアピールポイントは

 段違い平行棒の飛び技です。他の選手はあまりやっていない技ですし、自分にしかできない技だと思っているから、そこはやっぱり注目してほしいです。平均台は、安定してきたなっていうのを見せつけられるようにしたいですね。

 

――具体的な目標があれば教えてください

 優勝です。ユニバーシアードは、団体と個人と、種目別の段違い平行棒で優勝したいです。

 

――新体操では河崎羽珠愛選手(スポ2=植草学園大付)もユニバーシアードに出場されます

 そうなんですよね。そのことは話しましたし、他にもウエイトリフティングで早大から2人出るというのも聞いていますし、写真撮れたらいいねって言ってます(笑)。新体操とは時期がずれてるので会えるかどうか・・・(笑)。

 

――自由時間は取れるのでしょうか

 ユニバーシアードは割とあるらしいです。そして、選手村があってプチオリンピックみたいな感じらしいです。選手村の外に出られるかは分からないですけど。リオオリンピックの時は一歩も出なかったです。開会式も閉会式も出てないです。

 

――東京オリンピックなら出られそうですね

 もう絶対出たいです。東京だったら、選手村じゃなくて、帰ろうと思えば実家に帰れます(笑)。

 

――最後に、インカレに向けての意気込みをお聞かせください

 今シーズン、まだノーミスの試合ができていないので、まずはノーミスの試合をすること。それで結果がきちんとついてくればいいなと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 大浦帆乃佳、村田華乃、千葉洋介)

今回の色紙のテーマは「体操をする上で大切にしていることは?」

◆内山由綺(うちやま・ゆき)

1998年(平10)1月13日生まれ。160センチ。東京・帝京高出身。スポーツ科学部1年。甘いものが大好きな内山選手。スイーツの話になると、競技のことを話す真剣な表情から一転、笑顔で身を乗り出すようにして話してくださったのが印象的でした。中でも最近はアイスクリームがマイブームなのだそう。ユニバーシアードが行われる台湾では、名物のマンゴーかき氷が食べられるといいですね!

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