学年は違うが、ともに全日本学生選手権(インカレ)における初の団体戦を迎える佐藤崇太(スポ3=福井・鯖江)と山田元大(スポ1=千葉・市船橋)。早稲田の名を背負うことを、特に強く意識するであろうインカレ団体戦に挑む心境を伺った。
※この取材は7月22日に行われたものです。
「体操を本当に好きなんだな」(佐藤)
今年の1年生について語る佐藤
――今シーズン、これまでの大会を振り返っていかがですか
佐藤 今シーズン、春先は種目別トライアル(全日本種目別選手権トライアル)という平行棒1種目だけの試合に出て、その時は冬の練習をしっかり出せたっていう気はするんですけど、5月末の東インカレ(東日本学生選手権)では直前に体を痛めて練習ができない時期もあったりして、練習で詰め切れていない部分が試合に出たかなっていう感じはあって、ちょっと詰めの甘さっていうのが所々出た感じがあります。
山田 自分も種目別トライアルに鉄棒1種目で出させてもらって、結果はあまり良くなくて。東インカレは、内容は大きなミスも個人的にはなくて、それなりに良い試合はできたんですけど、やっぱりそれでも順位は全然、というか下だったので、まだまだちょっと練習も足りないし、Dスコア(技術点)ももっと上げていかないといけないなと思っています。インカレに合わせて頑張っているところです。
――山田さんが入部して4カ月程になりますが、お互いの印象はいかがですか
佐藤 僕は、元大(もとひろ)って言いにくいので、普段結構「もっち」と呼んでいるんですけど、もっちは、フレッシュというか、1年生っていうのもあって、やっぱり元気ですよね。元気があって練習の中でも声を出したりとか、演技の部分でもこういう元気を出して雰囲気を盛り上げてくれるので、1年生のパワーっていうのを感じます。
山田 いや全然、でも崇太さんの方が僕より声を出していて(笑)。いつも盛り上げてくれて。シーンとしてても、崇太さんは声出して体育館中を盛り上げてくれるので、本当にやりやすいです。僕もそれを真似していつも声を出しているんですけど。本当に頼もしくて、真面目です。
――1年生の印象はいかがですか
佐藤 今の1年生みんなに言えるのが、体操を好きだなっていう、本当に好きでやっているんだなって感じがして。練習が終わっても1年生みんな疲れているとは思うんですけど、トランポリン跳んだりとか、トレーニングしたりとか。体育館にいない日でも、体操のビデオを見たりとか、体操の話をしていて、体操を本当に好きなんだな、という印象はありますね。
――後輩のお二人からみて、竹中主将はどのような主将ですか
佐藤 うーん(笑)。
山田 独特な雰囲気がすごいですね。ちょっと特殊な感じです。
一同 (笑)。
佐藤 自分は3年なので、1年の時の藤原主将(昇平、平27スポ卒=現相好体操クラブ)、2年の時の浅野主将(祐樹、平28スポ卒=現早稲田大学大学院)に比べると本当に、自由にやりなよ、という感じはあります。
山田 そうですね。いつもみんな失敗とかして落ち込んでいる感じの雰囲気でも、貴一さんは、「おいおい〜、次からやれよ、頑張れば良いんだよ」みたいな感じで(笑)。
佐藤 気さくな感じで盛り上げてくれるみたいな。
山田 むしろやりやすいです。失敗したときとか。
佐藤 固くなりすぎないというか。まあ言い方はあれなんですけど、かしこまりすぎていないので、選手も緊張しすぎない。雰囲気を和ませてくれるような感じはあると思います。
――山田選手の同期はどのような方たちですか
山田 みんな結構仲良いんですけど、自分的に男子は授業も一緒にとっていたりして結構みんな仲良くて、ご飯も一緒に食べて本当に一緒にいることが多いですね。みんな体操に熱心で、本当に体操の動画ばっか見てて、一緒に体操の動画を見たりして、自分もですけど体操が本当に好きだなと感じます。あと女子で、同期にオリンピックに出た選手がいるっていうのは本当に大きいことで、やっぱりそれはすごく刺激になって自分も頑張んなきゃなっていつも奮い立たせています。
「暇があったら体操の動画を見ている」(山田)
1年生ながら団体メンバー入りを果たした山田
――大学は慣れましたか
山田 一応慣れたんですけど、まだまだっていう感じです。
――今はテスト期間ですが
山田 高校と違って持ち込み可とかあるじゃないですか。だからあまりやらなくていいんじゃないかと思っちゃって(笑)。まあいけないんですけど。
佐藤 今までとは違うもんね。
山田 そうですね。だから色々先輩に教えてもらったりして、結構勉強しています。頑張ります(笑)。
――お二人の最近のマイブームは何ですか
佐藤 マイブームですか・・・。
山田 これちょっと難しいですね(笑)。
佐藤 まぁ・・・自分は、ちょっと前から何ですけど、電車とかバスとかで移動の間に、本を読むようになって、色々読書するのが自分の中でマイブームですかね。
――どのような本を読んでいるのでしょうか
佐藤 結構、小説が多いんですけど、体操選手が書いた本を読んだりとかして、あ、この人こういうこと考えているんだなあとかって、ちょっと勉強にもなるので、色々知識を蓄えながらっていうつもりで読書しています。
山田 僕は暇があったら体操の動画を見てて、それ以外は・・・何もしてない(笑)。
――休日はいかがですか
山田 休日は結構、出来るだけ本当に早く寝るタイプで。だから暇をあまり作らないようにして、暇だったらもう寝る、という感じですね。休日だったら22時とかに寝ちゃいます。
佐藤 自分も(寝るのは)早いです。
――遊びに行ったりはしないのでしょうか
山田 僕はあんまりしないですね。
佐藤 体操部は月曜日と木曜日が練習が休みなんです。でも自分もあともっちもだと思うんですけど、学校が始まってからだと授業が結構入るんですよね。
山田 教職もとってますし。
佐藤 そうですね、スポ科の授業プラス教職の授業となるとやっぱ、授業で忙しいので・・・。
山田 遊びに行けないですよね。
佐藤 そうそう。
「雰囲気良く最後の種目までやっていけるように」(山田)
初のインカレ団体戦へ思いを語る佐藤(左)と山田
――ここからはインカレの話に移りますが、昨年のインカレはどのような大会になりましたか
佐藤 昨年のインカレは自分は団体にメンバーに入るっていうのを目標にやっていたんですけど、最後選考で漏れちゃって、1、2年の時は個人でインカレで出たんですけど、確か鉄棒からスタートしてつり輪まで4つ目までは大きいミスなくいってたんですけど、跳馬で大きいミスを一つしてしまって、そのまま平行棒でもちょっとミスが出てしまって、インカレという大きい大会でノーミスでやりたかったんですけど、それができなくて、ちょっと悔しさもあって、その悔しさを晴らすっていうつもりでこの冬、一年間ずっと練習してきました。
――インカレまで2週間あまりですが今のお気持ちはいかがですか
佐藤 だいぶこのインカレに向けて練習を積んできて調子も上がってきてはいるので、1年で一番大きな大会っていうのもあって、結構普段の練習でも自分の中でピリピリしているというか、緊張感は高まっているって感じですね。
山田 東インカレの前までは結構、東インカレに向けてモチベーションも上げて頑張って、東インカレが終わってちょっとして、一回集中が切れた感じの時期があって、今もあんまり本調子じゃないというか、モチベーションが上がった状態までいってなくて、もうあと2週間なんでちょっとここで切り替えて、ちゃんとインカレに合わせていけるように頑張っています。
――特に力を入れて練習していることは何ですか
佐藤 今自分は団体メンバーとして練習しているっていう状況なんですけど、団体で通し練習、試合と同じ形で演技をするってなった時には、声を出したりとか選手とハイタッチをしたりとか励ましたりとかで試合に近い雰囲気を作っていく。で、緊張を高めて、普段の練習から良い練習をしていくっていうのは意識してやっていますね。
山田 雰囲気は結構大事にして、ミスがもし出たときも、結構自分は落ち込んじゃうタイプなんですけど、やっぱ貴一さんとか励ましたりしてくれて、出来るだけ本当に雰囲気良く最後の種目までやっていけるように今練習でも頑張ってます。
――ここに注目して欲しいというアピールポイントはありますか
佐藤 一応今のところは全種目でトップバッターなので、全種目ノーミスでこなして、後ろの人たちにバトンを渡すっていう役目なので、流れをしっかりと作っていきたいと思って、ちゃんと自分のノーミスの演技に注目して欲しいなと思います。
山田 1年生なんで、そこまではっちゃけられないんですけど(笑)。
一同 (笑)。
山田 謙虚さも忘れずにちょっとはっちゃけるくらいで、演技がちゃんと上手くいった時は、表情もよくして、チーム全体で盛り上げられるように。1年生なんで、下から上げていくところを見て欲しいです。
――具体的な目標があれば教えて下さい
佐藤 僕は、今3年で、次の4年のインカレが最後になると思うんですけど、その4年のインカレで、最高の形で終われるように、3年のインカレの時点で試合の雰囲気にしっかりと慣れたいです。あと、ノーミスで終わることはもちろんなんですけど、点数も今シーズンまだ80点っていう点数を取れていないので、その点数を取って、チームに貢献したいなって思います。
山田 自分は、U21に入ることが一番の目標で、それと同じくらい団体で6番にするために自分も頑張って、ノーミスでいければU21と団体と、欲張りなんですけど両方良い結果でいきたいです。個人の目標では、U21に入るのも大きな目標なんですけど、それと同時に来年の全日本の個人の権利を取れるように頑張りたいと思っています。
――最後に、初のインカレ団体戦に向けて意気込みをお願いします
佐藤 さっきも一応言ったと思うんですけど、トップバッターとして、流れ作っていきます。
山田 1年生の若さで、盛り上げていきたいです。
――ありがとうございました!
(取材・編集 成澤理帆、村田華乃)
今回の色紙のテーマは「体操をやる上で大切にしていることは?」
◆佐藤崇太(さとう・そうた)(※写真右)
1997(平9)年1月19日生まれ。159センチ、52キロ。福井・鯖江高出身。スポーツ科学部3年。対談中、後輩の山田選手をフォローする場面がよく見られた佐藤選手。面倒見のよさがうかがえました。『人事を尽くし』てきた佐藤選手の丁寧な演技に注目です!
◆山田元大(やまだ・もとひろ)(※写真左)
1998(平10)年12月16日生まれ。164センチ、57キロ。千葉・市船橋高出身。スポーツ科学部1年。昨年の高校選抜において鉄棒で優勝を勝ち取った山田選手。1年生らしい若さあふれる演技、特に鉄棒は要チェック!