【連載】インカレ直前特集『shine on!』第1回 八木暁己副将×近藤宏紀

体操

 八木暁己副将(政経4=京都・洛南)と近藤宏紀(スポ4=福井・鯖江)は、同期として4年間、体操部で切磋琢磨してきた。戦いの場は違っていても、ともに最後の大舞台を迎える2人。インカレへのそれぞれの思いに迫る。

※この取材は7月22日に行われたものです。

「練習中もお互いにアドバイスできる」(八木)

体操部の雰囲気について語る八木

――今シーズンの大会を振り返っていかがでしょうか

近藤 いい感じです(笑)。でも、本当は4月の全日本に出たかったんですけど、全日本(全日本個人総合選手権)にケガで出られなくて、そこが悔しかったので。東インカレ(東日本学生選手権)でまあまあの演技ができたので、プラスマイナスゼロって感じです。

八木 僕は東インカレしか出てなくて、東インカレであまり良い試合ができなかったので、今のところ今シーズンはまだ良い演技ができていないなという感じです。

――最上級生として意識されていることはありますか

近藤 いまチームとしてやってるんですけど、東インカレのときに4年生が自分しかいなくて、あとみんな下級生っていうチームだったので、やっぱり自分が引っ張っていくという感じで、声をかけたりとかすごい意識して、チーム盛り上げてというのは意識していました。

八木 僕も、練習中とか練習以外のことでも出来るだけ周りを見るようにして、気になったことがあれば声をかけるようにはしています。

――同期のお二人から見て竹中貴一主将(スポ4=福井・鯖江)はどのような主将ですか

近藤 演技が力強くて、いいんじゃないですかね(笑)。僕らの体操にはないものを持っているので、体操のタイプも違うし。どうしても自分たちができないことをやったりとか、失敗しそうになっても失敗しない修正力であったりとか、そういうところが、なんていうんだろうな、見ていて頑張んなきゃいけないっていう・・・(笑)。耐えて体操やるっていうか、失敗しそうになっても失敗しないので・・・。それだけ粘り強くやられたら自分も頑張らないといけないという気持ちが生まれるので。

八木 そうですね、これまで3年間結果も残してきて、そういった中で普段の練習から後輩とかの見本となってる部分は結構あるので、そういう意味でチームをしっかり引っ張れているんじゃないかなと思います。

――ことしの体操部の雰囲気はいかがでしょうか

近藤 そうですね、いいと思います(笑)。

八木 きょねんと変わらず明るいっていう感じですね(笑)。

――では長所はどんなところでしょうか

近藤 僕のですか。

一同 (笑)。

――体操部の長所でお願いします(笑)

近藤 体操部の長所ですか…うーんない(笑)。

八木 まあ割とみんな仲良くて、練習中もお互いにアドバイスできるっていうのはきょねんより増えてきているんじゃないかなと思います。

近藤 確かに(笑)。

――では試合中も結構コミュニケーションはとるんでしょうか

近藤 そうですね、とりますね。

「実力が一番伸びている」(近藤)

八木の印象を笑顔で話す近藤

――4年間一緒にやってこられて、お互いの印象はいかがでしょうか

近藤 八木くんは真面目でかっこよくて(笑)、いい男だと思います(笑)。

一同 (笑)

八木 普段は面白くて、周りを和ませたりとかは得意ですね、僕も結構楽しませてもらってるので。体操に関しては、基本的に全部きれいだなっていうか、汚いなって思ったことが一回もなくて、そういうところはすごいなと思いますね。

近藤  体操に関しては、1年生の頃と比べると今の実力が一番伸びているのが暁己だと思ってて。これだけ伸びてるってことは、もちろんセンスだけではどうにもならない部分もあるし、努力して頭使って練習してるんだなって。勉強ができる頭の良さだけじゃなくて、体操的にも頭良いし、人間的にもしっかりしているので・・・。いい人だなって(笑)。

八木 なんだいい人って(笑)。

――オフの日に同期のみなさんで遊んだりはしますか

八木 ないね(笑)。

近藤 オフの日は授業が・・・。

八木 あんまりスケジュールが合わなくて。行っても、日曜は寮のご飯がないので、そのときにたまにご飯行ったり。

近藤 基本あんまり行かないね。

――今年の新入生はどのような印象でしょうか

近藤 マイペースな人が多いですね。

八木 元から早稲田の体操部の雰囲気っぽい子たちが来ている感じがして、みんなマイペースですけど真面目で、やることはしっかりやってると思います。

近藤 フレッシュですね。

八木 1年生やからな(笑)。

――最近面白かったエピソードはありますか

近藤 かき氷機!

八木 そうですね、7月に宏紀が誕生日で、誰かがかき氷機をあげていて、それがすごい面白かったですね。もうやってないですけど(笑)。1回か2回しかやってないけど面白かった(笑)。

近藤 面白かった(笑)。自動で氷が出てくるんですよ、でも回してもずっと氷が回ってるだけで、1時間くらいやったんですけどかき氷作れなくて(笑)。で、次の日に刃が付いてなかったことに気づいて(笑)。楽しかったです(笑)。

「チームのことしか考えていない」(近藤)

最後のインカレを迎える近藤(左)と八木

――昨年のインカレはどのような試合になったでしょうか

近藤 僕にとってはきつかったですね。でもあの大会があったからこそ、今こうやって頑張れているので。あの時の悔しさっていうのを忘れてはいけないし、今でもかみしめてやっています。

八木 きょねんは会場行ってから腰が痛くなっちゃって、結構出るので精一杯っていう感じになっちゃって。まず試合に出る以前にコンディションをしっかり整えられなかったっていうのが課題になったので、今年はそういったところをしっかり整えていきたいなと思ってます。

――インカレまで2週間あまりですが、今のお気持ちはいかがでしょうか

近藤 僕は緊張してますね。もう大きい大会がほとんどないので。体操を17年やってきて、最後の試合というか、公式戦としては最後の試合になるので・・・。きょねんならU21とかが懸かっていたのでどうしてもそっちの方も考えてチームのことも考えるんですけど、今はもうチームのことしか考えていなくて。1つミスしても次の種目で切り替えてやるとか、そういったことをちゃんとしていって、みんなで楽しく笑って終われたらいいなと思ってます。

八木 僕もインカレが最後になると思うので、大舞台で試合できるのも最後で、体操人生も終わりなので、最後は自分の納得のいく演技ができたらいいなと思います。

――特に力を入れて練習していることはありますか

近藤 僕はないですね。全体的にやっています。どっちかというと最初の方に演技して後の人につなげるということをしているので。

八木 試合が跳馬からなので、跳馬、平行棒、鉄棒って最初の3種目で失敗を出さないようにっていうのを意識して、特に平行棒と鉄棒は落下とか失敗のリスクが大きいので、今重点的に練習しています。技は東インカレの時から変わってなくて、1つ1つの完成度を上げるっていうのを意識していて、特に平行棒とかはEスコア(出来栄え点)も残せるようになってきているのかなと思うので。

――「自分のここに注目してほしい」というアピールポイントはありますか

近藤 やっぱり僕はきれいな体操ですね。E スコアが残るような体操をずっと心掛けているので、そこに注目してほしいです。

八木 僕はそんなにきれいでもないし力強くもないので、自分のできることを丁寧にというか、丁寧さに注目してほしいです。

――具体的な目標があれば教えてください

近藤 団体で6番に入ることです。

八木 団体として直接チームの点数に貢献できるわけではないんですけど、(団体戦の)前にある個人戦で、早稲田は個人も強いんだぞっていうことをしっかりアピールできるように、しっかりノーミスで団体につなげる演技をしたいと思います。

――最後に、インカレへの意気込みをお願いします

近藤  あんまり気合入れすぎたらうまくいかないので。最近手上げるのもめっちゃ落ち着かせてやっていて。いいのか分からないんですけど(笑)、何にも考えないで無心でやることを意識しています。去年とかはめっちゃ考えていて、ここがこうでとか、全部演技前に考えて、演技中もすごく考えてやってたんですけど。考えまくって失敗したらどんどん訳分かんないメンタルになっていくので、無心でやって、今まで何回も練習してきたことだから、勝手にできるだろうっていう、運動の自動化をできるように(笑)。今は無心でやっています。

八木 最後のインカレで、入学した時はこんな3回もインカレに出れるとは思ってなくて、1回ぐらい出られたらいいかなって感じだったので、とりあえず3回も出れて幸せだなって思いながら。体操人生は最後なので、今まで自分の体操人生にかかわってくれた人、教えてくれた人だったり一緒に練習してきた仲間とか、そういう人たちに感謝の気持ちとか、そういう思いを乗せて演技できればなと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 村田華乃)

今回の色紙のテーマは「体操をする上で大切にしていることは?」

◆近藤宏紀(こんどう・ひろき)(※写真左)

1995年(平7)7月6日生まれ。身長170センチ、体重60キロ。福井・鯖江高出身。スポーツ科学部4年。色紙2枚にわたって「大切にしていること」を書いてくださった近藤選手。ご自身の体操に対するこだわりが伝わってきました。そのこだわりが生み出す「きれいな体操」は必見です!

◆八木暁己(やぎ・としき)(※写真右)

1996年(平8)2月17日生まれ。身長169センチ、体重56キロ。京都・洛南高出身。政治経済学部4年。対談では、言葉を選んで慎重に話してくださるのが印象的でした。八木選手の人柄からうかがえる丁寧な演技、期待しましょう!

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