8月8日から3日間、富山の地で全日本学生選手権(インカレ)が行われる。早稲田は昨年、同大会で団体7位、そして最終班からの降格、という屈辱を味わった。そのため今年は何としてでも6位以内に入って最終班に戻る必要があるだけに、メンバーも並々ならぬ思いでインカレに向かっている。今回はその団体戦メンバー、そして個人戦出場選手を紹介する。
まずはインカレの花形である団体戦。竹中貴一主将(スポ4=福井・鯖江)は全日本個人総合選手権にも出場する実力の持ち主。大きな得点源であるとともに、持ち前の明るさでチームを引っ張る。もう一人の4年生である近藤宏紀(スポ4=福井・鯖江)は、昨年のインカレで特に苦汁をなめた一人で、鍛錬の冬に人一倍力をつけた。竹中とともに体操部の二枚看板を張る高橋一矢(スポ3=岐阜・中京)は、得点でチームに貢献するエースとしての活躍が期待される。団体戦初出場の佐藤崇太(スポ3=福井・鯖江)は、丁寧な演技が特徴で、大きな声でチームを活気づけるムードメーカーだ。南亜蘭(スポ2=大阪・太成学院大高)は、強いメンタルから生み出されるダイナミックな演技で勢いをもたらす。1年生ながらメンバー入りを果たした山田元大(スポ1=千葉・市船橋)は、強豪・市立船橋高校出身の逸材だ。得意種目の鉄棒とフレッシュさでチームを盛り上げる。団体戦は、東日本学生選手権で流れをつくった跳馬からのスタートとなる。前半で勢いに乗り、『鬼門』である鉄棒とあん馬で落下者を出さずにまとめられるか。目標である6位を達成できるかはこの点にかかっている。
確かな実力と明るさでチームを引っ張る竹中
男子個人戦には八木暁己(政経4=京都・洛南)、柏木寅治(スポ2=千葉・市船橋)、中村唯都(スポ1=愛知・名城大付)が出場予定だ。東インカレで満足のいく演技ができなかっただけに、最後のインカレに全てをぶつける八木。跳馬を武器とする柏木に、大学2試合目に臨む、つり輪を得意とする中村。団体戦の前日に行われる個人戦、チームの士気を高める演技が求められる。そして女子個人戦には、長沼園佳(スポ4=群馬・中央中教校)、内山由綺(スポ1=東京・帝京)の2名が出場する。最後のインカレとなる長沼は、4年間の集大成となる成熟した演技を披露してくれるはずだ。リオデジャネイロ五輪の日本代表である内山には、個人総合優勝の期待が高まる。得意種目の段違い平行棒と、目下強化中だという平均台に注目だ。
個人総合優勝候補の内山
今年の体操部は、「しっかり乗ってきたらいい感じにみんなつながっていく」(南)という。それだけに、落下によって流れを妨げることは最も避けたいところだ。実際に、リスクを抑えてEスコア(出来栄え点)を伸ばす方針で臨むようだが、一人一人が流れを絶やさずに演技をつなげていくことが必要だ。それが達成できたとき、きっと『輝き続ける』未来を手にできるだろう。
(記事 村田華乃、写真 大浦帆乃佳、村田華乃)