【特集】関東学生交流戦直前特集 宮田雅博

体操

 スポーツ科学部生がほとんどを占めている体操部の中で、唯一の『リコキャン』生である宮田雅博(創理4=神奈川・山手学院)。本格的に器具を使った練習を始めたのは大学に入ってからだが、今では全6種目をこなすまでに成長を遂げた。そんな宮田は今週末の関東学生交流戦(交流戦)で引退する。宮田にとっての大一番、どんな心境で試合を迎えるのだろうか。体操のことや研究のこと、さらには将来のことを伺った。

※この取材は10月1日に行われたものです。

「継続することが大事」

試合に向けて、演技の完成度を高める宮田

――今日の練習では、鉄棒をかなり入念に確認されていましたね

 一番不安というか、演技が完成していないのが鉄棒なので。もう(試合まで)時間がないので、集中して、必要な分だけやろうと思って鉄棒を中心に練習していました。

――現在のコンディションはいかがですか

 コンディションはそんなに悪くないんですけど、あんまり練習できていないというのもあって、不安なところは多いですね。

――練習頻度はどれくらいでしょうか

 (体操部の練習日には)毎日来ているんですけど、平日は学部の研究室があって1日1時間くらいしか練習できないので、土日をメインに練習しています。平日は来れない日もあるんですけど、継続することが大事だと思うので、1時間しか練習できなくても行くようにしています。

――練習時間があまり確保できないことについて、焦りはありますか

 他の部員と(練習時間を)比較することはあまりないんですけど、試合まで時間がかなりないので。それで焦りはありますね。

――研究室での研究とは具体的にどのようなことをしているのですか

 ロボットの遠隔操作に関する研究をしています。今はパワーショベルなどの建設機械で、人が機械に乗って操作するよりも作業効率が下がってしまうのを何とかしよう、っていうような研究をしています。

「思い出すだけで泣けてきてしまう」

同期が最上級生として臨んだ全日本学生選手権(インカレ)を振り返る

――早大体操部を一言で表すと

 人数が少ないというのがかなり特徴だと思うので、団結力があると思います。

――体操部の良いところは

 みんなが仲良いところだと思います。あと環境に恵まれていると思います。少人数だけど器具もちゃんと揃っていて、先生方も熱心に指導してださるので。

――では逆に、「ここは直したほうがいいんじゃないか」というところはありますか

 先輩と後輩の距離がちょっと近すぎるかなっていうのは最近言われています(笑)。でもその辺はしっかりしようと次の代も言っているので大丈夫だと思います。

――宮田選手にとって、同期の3人はどんな存在ですか

 誰も欠けてほしくはないですね。みんなそれぞれ良いところがあって。誰かいなくなったら悲しいです。他の部活動と比べたら同期の人数が少ないと思うんですけど、だからこそ絆が強いというか。僕は強いと思っています(笑)。

――8月に行われたインカレ(全日本学生選手権)は、どんな思いで応援していましたか

 僕は出場していないのですが、同期が臨む最後のインカレということでかなり思い入れがありました。思い出すだけでちょっと泣けてきちゃうんですけど(笑)。力的には団体3位をとれるチームだったと思うので、かなり悔しかったです。出場していない僕も試合後は泣いてしまいました。責任もあると思いますし、結果が悪かったというのもあって、いろんな思いが込み上げてきました。

――体操をやっていて良かったこと、得したことはありますか

 体力や筋力をつけるために体操を始めたので、その点ではかなり効果があったと思います。

――体操を始めたきっかけは

 たぶん、兄がやっていたのでその流れで始めたんだと思います(笑)。

――オフの日は何をしていますか

 ずっと研究ですね。平日は研究室から部活行って、土日はずっと部活みたいな感じです。

――息抜きの時間がなさそうですね

 練習にあまり来れてない分、体力には余裕がありますね。今のところ、そんなにきつさは感じてないです。

――研究室で頭を使ってからの練習は大変そうですが

 ことしの3月から研究室に入ったんですけど、入りたての頃は結構きつかったです。今は慣れてきて、うまく両立できていると思います。

――息抜きやリフレッシュ方法を教えてください

 部活がリフレッシュの一環、みたいなところはありますね。あとは友達と話したり、漫画を読んだりとかが多いですかね。最近麻雀を始めました(笑)。前から興味はあって、研究室に詳しい人がいたので教えてもらいました。

――体操部の皆さんとはやらないのですか

 やりたいと思ってるんですけどね、実現はしていないです(笑)。岸本(邦秀、スポ4=兵庫・市尼崎)はできるみたいなんですけど機会がないです。

――試合前のルーティンはありますか

 とにかく自信を持つようにしています。技が大したことないからって縮こまることがないように、自信を持つように心がけています。

――体操部内の推しメンは

 個人的に、一番応援したいと思っているのは崇太(佐藤崇太、スポ2=福井・鯖江)ですね。すごく努力家で、いいやつなので。ちょっと不器用なところもあるんですけど(笑)。そういうところも含めて推しメンです。

――引退後は何をされる予定ですか

 とりあえず、卒論を書き終わるまでは研究に集中するつもりです。卒業したら院に入って。後はそんなに決めていないですね。

――将来の夢は何ですか

 まだ定まってはいないんですけど、ジャンルを問わずいろんなことをできるようになりたいんです。だから、勉強してできることを身につけたいです。研究で結果を残すこと自体はあまり大事じゃなくて。研究を通して自分のスキルなどを増やしていくのが目的なので。そのへんはしっかりやっていきたいですね。そういうことをしていく中で、やりたいことが見つかればいいなと思っています。

――現在興味をもっていることは

 クリエイティブなことをしたいので、難しい話ですけどゲームを作ったりしたいなと思います。

「自信を持って、悔いのないようにしたい」

関東学生交流戦(交流戦)で競技生活の集大成を見せる(写真左)

――競技生活最後となる試合を控えた心境はいかがですか

 (試合は)まだ終わってないですけど、すごくあっという間だったなと。実感はないですね。思い返すと悔いはいっぱいあるんですけど(笑)。とりあえずは、今できることをやろうって感じです。過ぎたことは仕方がないので。

――次の試合にかける特別な思いはありますか

 自信を持って、悔いのないようにしたいです。

――緊張はしますか

 緊張はしますね。通し練習の前とかはいつも緊張します。

――練習で意識して取り組んでいることは

 構成自体はきょねんとあまり変わってないので、こなしとか着地を丁寧にやろうと心がけています。

――不安要素はありますか

 鉄棒が全体的に不安ですね。あとは、平行棒と鉄棒で入れたい技があるんですけど、まだ通しで入れられないので…。

――自分の演技に対するこだわりをお聞かせください

 自分ができる一番きれいな演技を出せるようにしています。

――試合に向けて、具体的な目標はありますか

 点数的に、きょねんの自分を超えたいです。あとは、後悔しないように自信を持って演技したいと思います。

――どんな演技をしたいですか

 周りの人から「こいつ4年間頑張ったな」って思ってもらえたらうれしいです。

――最後に、意気込みをお願いします

 (試合まで)残された時間は少ないですけど、頭を最大限に使って、自分が納得できる最高の演技をしたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 大浦帆乃佳)

交流戦に向け意気込みを色紙に書いていただきました!

◆宮田雅博(みやた・まさひろ)

1994年(平6)10月10日生まれ。神奈川・山手学院高出身。創造理工学部4年。インカレの話題になると涙ぐみながら話してくださった宮田選手。とってもチーム思いで、真面目で、温厚な性格の持ち主なのだという印象を受けました。研究が忙しい中でも練習を怠らなかった宮田選手は「継続は力なり」を体現してくれることでしょう。交流戦で最高の演技、期待しています!