東京五輪で実際に見てみたい種目NO・1!リオ席巻したあの競技の練習に迫る

体操

 ことし8月。リオ五輪で体操男子団体が悲願の金メダルを獲得した瞬間、多くの人が心を震わせたであろう。ダイナミックな離れ技、繊細な技さばき、そして力強い着地――。体操選手は、常人にはできないパフォーマンスで見る人の心をとりこにさせる力を持っている。そんなジムナストが、私たちが通う早稲田大学にもいる。我々は体操部が活動する早大第二体育館に潜入し、練習現場に突撃取材をした。

 戸山キャンパス36号館地下2階。この場所に、豊富な体操器具が揃う練習場があることを皆さんご存知だろうか。早大体操部の部員数は20人弱と、他の大学に比べ圧倒的に少人数。その中には小さい頃から体操と共に人生を歩んできた選手もいれば、大学から本格的に競技を始めた選手もおり、バックグラウンドはさまざまだ。このように多様な競技歴を持つ部員が一同に集まり、共に汗を流している。個人競技とはいえ、チーム力が結果を大きく左右する体操。互いに励まし合い、切磋琢磨(せっさたくま)することによって大一番での勝負強さを培っていくのだ。

技を習得する際は、その技を使っている部員にポイントを聞く

 サポーターも含む部員全員で準備体操をして体を温めると、30~40分かけて各自で入念にストレッチ。その後ようやく、器具を使った練習に入る。テンポのいいBGMが流れ、雰囲気は和やかであるが、器具の前での選手たちの表情は真剣そのもの。お互いの演技をビデオ撮影し、細かい修正を重ねていく。そして、「ガンバ―!」「しっかりー!」「いいねー!」といった仲間を励ます声が、練習にさらなる活気をつけていた。

時には器具を離れて技の感覚をつかむ

 今季、思うような成績を残せていない早大体操部。全日本学生選手権では、最大の悲願であった団体3位からはほど遠い団体7位と部員全員が悔しさを味わった。シーズンはすでに終盤。リベンジを果たせる舞台は、10月末の関東学生新人戦、関東学生交流戦と11月中旬の全日本団体選手権のみ。残された日々を大切にし、『W』を背負った選手たちはきょうも練習に励む。

(記事 中村ちひろ、写真 大浦帆乃佳、田中佑茉)

コメント

柏木寅冶(スポ1=千葉・市船橋)

――全日本学生選手権(インカレ)で得た課題は何ですか

インカレで出たミスは練習から成功できていなかったところがそのままミスとなって出てしまいました。得意な種目はミスしてはいけないので、そこは練習でも確実なものにして、苦手な種目も苦手なりに練習からミスしないようにやっていかないといけないと思っています。

――現在の調子はいかがですか

インカレが終わって一段落ついた部分があり、また新人戦(関東学生新人戦)がすぐ近くにあるので、それに向けて練習しています。インカレが終わってから良くなっている種目もあるので、そこはいいかなと思っているんですけど、跳馬とかはインカレの方が良かったので、直していかないといけないなという感じです。

――良くなった種目とは

鉄棒と平行棒は個人的に良くなっているなと思います。

――今強化していることは

鉄棒で新技を入れたのでそこと、平行棒などで一つ一つの質を上げることをしています。

――他に構成を変えた種目はありますか

あん馬のコンバインと鉄棒の伸身トカチェフくらいですね。

――新人戦での目標を教えてください

ノーミスでやることです。

――演技のアピールポイントはありますか

新しい技の伸身トカチェフを見てもらいたいです。

――新人戦での意気込みをお願いします

インカレで出たミスは出さないようにしっかり準備して、ミスのない演技をしていきたいです。

南亜蘭(スポ1=大阪・太成学院大高)

――インカレで得た課題について教えてください

インカレで得た課題・・・なんやろ。絶対にミスはしないように、日頃から試合と思って練習することが一番の課題かなと思いました。

――それを踏まえて今はどのような練習をしていますか

一本一本、本気で取り組んでやるっていう気持ちでやっています。

――インカレから新人戦で難易度を上げる予定はありますか

ちょくちょくあります。あん馬とつり輪を上げる予定で、他はそのままって感じですかね。

――新人戦での具体的な目標は何でしょうか

個人で85点以上を取ることです。

――現在の調子はいかがですか

良くも悪くもないです。悪くはないんですけど、そこまで良い動きはまだできてないです。これからという感じです。

――新人戦に向けての意気込みをお願いします

新人戦の次に全日本団体選手権(全日本団体)があって、それに僕出場することが決まっているので、新人戦で良い結果を出して、その流れで全日本団体もできたらなと思っています。