新星が躍動、予選突破決める! 

体操

 ついに今季も体操のシーズンが訪れた。まず、先陣を切って登場したのは女子体操部だ。東日本学生選手権(東インカレ)の予選となる今大会。ワセダからは長沼園佳(スポ1=群馬・中央中教校)が出場した。女子の多くがケガで大会を欠場する中、若手が活躍を見せる。全種目で高得点をマークすると合計点47.300、個人総合11位。シード選手を除く総合2位で予選通過を決めた。

 ワセダの名を背負っての初舞台。1種目目は跳馬だった。「一瞬で終わるので気持ちが楽だった」と語るように、表情から固さは見受けられない。高さ、美しさは他の選手を凌(しの)ぐ出来だった。この跳馬で自信を手にし、苦手の段違い平行棒でも落ち着いた演技を見せる。「大会会場でまったく降り技が決まらなくなり不安だった」と語るが、本番では危なげのない演技を見せ、笑顔で観客に手を振った。

不安の段違い平行棒の降り技を成功させた長沼

 3種目目は得意の平均台。試合の合間にも入念に練習を重ねていた。しかし、最初の離れ技で足を踏み外す。なんとか落下は免れたものの、顔色は2種目目までとは違い笑顔が見られない。その状況の中でも長沼は冷静だった。1つ息をつくと、いままでの自信ある顔に戻る。しっかりと演技を立て直すと、着地も乱れることなく止める。最終種目の床も、音楽に合った舞いと高さある跳躍を決め、最後まで大きなミスなく試合を終えた。

得意の平均台で自信を取り戻した長沼

 

 終始、落ち着いた演技で頭角を現したルーキー長沼。東インカレの切符を手にし、目標の全日本学生選手権(インカレ)出場まであと一歩となった。まだ戦いは始まったばかりだ。近年、陰りを見せていた早大女子体操部。長沼の入部が必ずや女子体操部活躍の起爆剤となるであろう。

(記事、写真 三上雄大)

女子個人総合
選手名 跳馬 段違い 平均台 ゆか 合計点 順位
長沼園佳(スポ1) 12.500 10.750 12.400 11.650 47.300 11位
コメント

長沼園佳(スポ1=群馬・中央中教校)

――きょうの試合を振り返って

大学に入って初めての試合だったので、まずはミスを少なくすることを心がけました。さらに、コーチの先生が「のびのびとやれ」と声をかけてくれたおかげで落ち着いて演技に臨むことができました。

――まず初めに得意種目と苦手種目を教えてください

得意種目は平均台で、苦手種目は段違い平行棒です。

――それではきょうの試合内容に移ります。1種目目の跳馬は気持ちとしてはいかがでしたか

跳馬は自分の中で、一瞬で終わるという比較的気持ちが楽な種目だったので、そのおかげで気持ちをうまくコントロールすることができました。

――先ほど口にしていた苦手種目の段違い平行棒はどのように乗り切りましたか

跳馬で少し自信がついたので、苦手種目ではありましたが、まずは降り技だけを考えて演技していました。(降り技が)大会会場でまったく決まらなくなってしまってそこが不安でした。ですが本番では決めることができて良かったです。

――初めての大学での試合の感想などあれば聞かせてください

平均台は本当に何も覚えてないくらい緊張してましたが、それ以外では落ち着いて試合を進めることができて良かったです。

――今後の目標を教えてください

東インカレでは、技を増やしてさらに成功率も上げて、練習と同じように演技できるように努力していきたいと思います。得点をもっと取って、インカレの舞台に立ちたいです。