漕艇部2021シーズン開幕、新1年生も大会デビュー/第69回お花見レガッタ

漕艇

 漕艇部の2021シーズンが始まった。早慶レガッタ2週間前に開催されたお花見レガッタには、早慶レガッタへの出場がかなわなかったメンバーや、入学式を終えたばかりの1年生が参加。それぞれが成長と課題を感じる大会となった。

息を合わせて漕ぐことができた女子ダブルスカル

 予選が行われなかった女子舵手なしクォドルプルを除く4艇全ては、1日目の結果、順位決定戦に進んだ。2日目のレース、まず順位決定戦(F決勝)に出漕したのは、男子シングルスカルの筆島一輝(先理4=東京・早大学院)。予選時からスタートを改善した筆島だったが、中盤でスピードを落とし過ぎてしまい、そのまま6着でゴールとなった。
 続いて順位決定戦(B決勝)出場したのは、2年生ペアの女子ダブルスカル。風の影響もあり、ばらつきがみられた1日目の予選からしっかりと修正し、息を合わせ「まっすぐきれいに漕ぎ切れた」(桐原初菜、文構2=早稲田佐賀)。さらにスピードの切り替えもプラン通りに行った早大は、他艇を突き放しトップでゴールした。

共に1年生の男子ダブルスカル

 共に大学で初めての試合となった1年生ペアの男子ダブルスカルは順位決定戦(B決勝)に出漕。1日目準決勝の反省から、「500メートルに入る手前からスパートをかけるという作戦」(遠矢陸人、スポ1=熊本大学附属)で挑んだ2人。作戦通りにスパートするも、中盤でつけられていた差を巻き返しきることはできず、4着となった。
 また順位決定戦(B決勝)に進出した男子舵手付きクォドルプル。「早慶戦には乗れなかったという悔しさがみんな一人一人にあって、その分早慶戦の組に負けない、早慶戦につなげる大会にしていこう」(下平翔太、スポ3=東京・小松川)と、悔しさを胸にレースに臨んだ。序盤はいい形で進んだ早大だが、後半ばらつきも出てしまい、3着フィニッシュとなった。
 1年生二人を含む舵手なしクォドルプルは、予選が行われなかったため、決勝に初レースとして臨んだ。スタートで他艇に先行されるも、「今日は練習の成果が今までで一番出せた」(猪野日向子、スポ1=岐阜・加茂)と振り返るように、他艇にくらいついた早大。それでもスタートでの差を埋めることはできず、3着でのゴールとなった。

女子舵手なしクォドルプルには1年生が二人も同乗した

 調整期間が短い中での試合となったが、出場したクルーそれぞれがある程度手ごたえを感じられたことは、大きな収穫だ。1年生にとっては、ここから漕艇部の4年間が始まる。今回見つかった課題を克服し、全日本大学選手権(インカレ)などでの、さらなる活躍が期待される。2021シーズンもスタートしたばかり。まずは2週間後の早慶レガッタの完全優勝、そして日本一へ、早大一丸となって挑戦していく――。

(記事 樋本岳、写真 樋本岳、内海日和、吉岡直哉)

結果(2日目のみ記載)

【男子シングルスカル】

【順位決定戦(F決勝)】

筆島一輝(先理4=東京。早大学院)
4分1秒98 【6着】

【男子ダブルスカル】

【順位決定戦(B決勝)】

S:遠矢陸人(スポ1=熊本大学附属)
B:松並大智(基理1=静岡・沼津東)
3分30秒79【4着】

【男子舵手つきクォドルプル】

【順位決定戦(B決勝)】

C:下平翔太(スポ3=東京・小松川)
S:川名航平(政経3=東京・早大学院)
3:瀬口篤優(社学2=東京・早実)
2:峯龍生(政経3=東京・国際基督教大高)
B:白仁隆介(社学3=東京・早実)
3分28秒62【3着】

【女子ダブルスカル】

【順位決定戦(B決勝)】

S:桐原初菜(文構2=早稲田佐賀)
B:田中紗貴(スポ2=埼玉・早大本庄)

3分55秒35【1着】

【女子舵手なしクォドルプル】

【決勝】

S:猪野日向子(スポ1=岐阜・加茂)
3:片上日菜子(スポ1=愛媛・今治西)
2:長谷川理実(政経2=東京・早実)
B:大槻のりか(スポ4=宮城・佐沼)
3分29秒10【3着】

コメント

【男子シングルスカル】

筆島一輝(先理4=東京・早大学院)

――今日のレースを振り返っていかがですか

早慶戦の代走などの関係でレース前の準備があまりできていなかった分、イマイチなレースとなりました。しかし、出せるものは出せたのではないかと思います。

――今日のレースプランを教えてください

スタートのところで他艇が見える位置につけて、そこから粘ろうと思っていました。中盤でコンスタントにスピードを落としていく際に、落ち過ぎてしまったのがよくなかったですね。

――今大会の位置付けはどのようなものでしたか

自分の腕試しのような大会でした。

――予選から改善できたことはありますか

スタートのところはよくできたのではないかと思っています。

――反対に今日のレースの改善点は何でしょうか

予選の時と変わっていないのですが、コンスタントのところであまり長く漕げなかった点が一番の改善点です。

――ラストイヤーになる今年の目標は何ですか

僕は理系で研究などもあるので、その両立のために、今大会はシングルスカルで出場しました。うまくそれらを両立させて、最後のインカレでの目標は最終日まで残り、順位をつけることなので、しっかりそれを実現できるように頑張っていきたいです。

【男子舵手付きクォドルプル】

C:下平翔太(スポ3=東京・小松川)

――今日のレースを振り返っていかがですか

スタートはいつも通り良い形で出られて、良かったかなと思ったのですが、後半になってくるとやっぱりクルーの期間の短さが出て雑になってきた部分がありました。だから後半はまだ修正するところがたくさんあったかなと思いました。

――今大会の位置付けはどのようなものでしたか

早慶戦には乗れなかったという悔しさがみんな一人一人あって、その分早慶戦の組に負けない、早慶戦につなげる大会にしていこうと思いました。

――予選からの改善点は

昨日のレースは中盤以降疲れでタイムが落ちるということがあったので、そこはみんなで声をかけあって落ち着いて一本一本力強くいこうという風にしていきました。

――今日のレースで見つかった課題はありますか

まだ経験の浅さというか、一人一人の課題が顕著なところがあったので、次の九月や十月にある全日本までに課題を見つけて潰していき、一人一人成長していってほしいと思いました。

――今シーズンの目標をお願いします

早慶戦で完全優勝してもらって、全日本ではエイトで、コックスとして優勝してインカレでもエイトで優勝して、全部優勝して監督を胴上げしたいなと思います。

【男子ダブルスカル】

遠矢陸人(スポ1=熊本大学附属)

――今日のレースを振り返っていかがですか

昨日の準決勝の後半でリズムが崩れてしまうところがあったので、そこを改善するために500メートルに入る手前からスパートをかけるという作戦でした。しっかりスパートをかけられましたが、最後相手を差し切れなかったので、そこが次への課題だと思いました。

――今大会の位置付けはどのようなものでしたか

2人とも一年生なので、大学ボートのデビュー戦、自分たちの出せる実力を出し切ろうと考えていました。

――予選から改善できたことはありますか

昨日まではスタートが上手くいかなかったのですが、きょうはスタートをうまくリラックスして伸ばすことができたかなと思います。

――今日のレースで見つかった改善点は何ですか

相手に出られたときに気持ちをもちこたえる部分だったり、最後もう一段上げて差しきる力だったりがまだまだ足りないなと思いました。

――どんな4年間にしたいですか

仲間にも恵まれて、レベルが高い環境で練習ができるので、勉強も部活も充実して四年生の最後にはインカレ、早慶レガッタ、全日本全て優勝して笑って終われるようにしたいです。

――今シーズンの目標は

まだまだ自分にも足りないところがあると思うので、しっかり自分の課題を見つけてその中でインカレの最終日に残って決勝で戦えるようにしたいです。

【女子ダブルスカル】

S:桐原初菜(文構2=早稲田佐賀)

――今日のレースを振り返っていかがですか

風の影響などもありますが昨日の予選に比べて、決勝Bでいいレースができました。特に二人で動きを合わせることができたので今シーズン初の試合としてはトータルとして良かったと思いました。

――レースを終えて田中紗貴(スポ2=埼玉・早稲田本庄)とはどのような話をされましたか

最初に一着でゴールできたことを喜び合いました。それと同時に昨日の予選ではミスが目立っていた中、今日は無事にしっかりと漕ぎ切れたので、2人で安堵したねというような話をしました。

――レースプランについて具体的に教えてください

500メートルとラスト250メートルで切り替えて一本を強く長く水を押していくことを目標にしていました。実際には前半で突っ込み過ぎてしまったところはありましたが、しっかりと切り替えることができました。また、途中で声を出して中弛みしてしまった所を直すことができ、レースプラン通りになったので良かったです。

――お花見レガッタという大会は桐原選手にとってどのような位置付けですか

昨年は出場する予定だったのですが、コロナの影響で開催できなかったので、大会の規模なども分からずに最初は探り探りの状態でした。実業団の選手も大学生も高校生など幅広い所属の選手が参加できる大会だったので、楽しめました。また、シーズンで最初の大会として重要な大会でもありました。

――予選から改善できたことは何でしょうか

昨日は少し二人の息が合わずに、バタバタしてしまったのですが、今日は合わせていくことができました。また、昨日は風もあってまっすぐ漕ぐことが難しかったのですが、今日はそこでロスすることなくまっすぐきれいに漕ぎ切れたので、よかったと思います。

――今日見つかった課題はありますか

速いペースで漕いでしまうと、オールが重くなってしまい、反対に自分たちを疲れさせてしまいます。今日は1000メートルのレースだったので問題はなかったのですが、2000(メートル)のレースになった時にそこはまだ課題だというところはあります。

――今シーズンの意気込みを教えてください

今シーズンは今日のように田中選手と組むとは限らないのですが、自分たちの出せるベストを出して、早稲田の目標である総合優勝に近づけるように頑張っていきたいと思います。

【女子舵手なしクォドルプル】

S:猪野日向子(スポ1=岐阜・加茂)

――今日のレースを振り返っていただけますか

大学のデビュー戦となり、1年生が私を含め2人乗っていました。違う高校から集まっているので、初めは全然漕ぎが合わなかったのですが、やっていくうちに成長を感じ、そして今日は練習の成果が今までで一番出せたかなと思います。

――本日のレースにおいて目標はありましたか

本当は中大に勝ちたかったのですが、決して遅くはないクルーであるので、今までやってきたことをすべて出し切ろうとしていました。500メートルでパドルを入れたのですが、そこで全員の息が合い、船の進みを感じられて楽しかったです。

――本日のレースから見つかった課題などはありますか

最初に先行されてしまい、徐々に差を広げられてしまった形だったので、スタートからしっかりとスピードに乗っていけるようにすることです。ラストももっと上げられるようにしたいと思います。

――これからの大学生活をどのような4年間にしたいですか

早く先輩方に追いつけるように精一杯努力し、先輩方と一緒のクルーに乗って、日本一になれるようにしていきたいと思います。

――では最後に、今シーズンの目標と意気込みをお願いします

まず今日出た課題を克服し、早く先輩方に追いつき、今年も日本一を取れるようにしたいです!