【連載】早慶レガッタ直前特集『精華の誇り』【第4回】7:髙山格×5:菅原諒馬×2:川田諒

漕艇

 第4回に登場するのは、髙山格(スポ4=神奈川・横浜商)、菅原諒馬(商4=東京・早大学院)、川田諒(社4=愛媛・松山東)だ。ラストイヤーにして初めて対校エイトに選出された三人は何を思うのか。早慶レガッタへの意気込みや対校エイトの強みを語っていただいた。

※この取材は3月14日に行われたものです。

「クルーを支えたい」(菅原諒)

昨年からの変化を振り返る菅原諒

――新体制になって半年経ちますが、雰囲気はいかがでしょうか

川田諒 (今までで)一番いいです。やりやすいです。

菅原諒 ちゃんとトップダウンというか、指示がしっかり上から下までスムーズに通ってるのではないかと感じます。

――藤井主将(拓弥、社4=山梨・吉田)は同期のみなさんから見てどのような主将ですか

川田諒 こだわりは強いです。練習とか結果とかへの。

――主将から指示があることが多いのですか

川田諒 今自分たちは(藤井主将と)同じクルーなので特にそうなんですけど、ちょっとできてないかなというところを許してくれない感じはあります。「できるまでやろう」みたいな。

髙山 もうちょっとほめてくれてもいいのにね。

川田諒 ずっと「そんなんじゃだめ」って言ってます。

菅原諒 ストイックってやつですね。

――昨年の早慶レガッタを振り返っていかがですか

菅原諒 僕は2年生の時がサードで、昨年がセカンド(第二エイト)で、今年は対校に乗らせていただいてるということで、ようやく順々に対校に乗ることができました。付属校上がりで高校時代は周りと比べるとあまり優秀な成績とか残せていなかったので、そんな自分でもしっかり勝つことができるんだというのを示したいなと思います。

川田諒 僕は2年も3年もセカンドにすら乗れてなかったんですけど今年やっと出られて、素直に出られることがうれしいんですけど、運よく対校にも乗せてもらえたので、せっかく出るからには是が非でも勝ちたいです。

髙山 2年も3年もセカンドで出てて、セカンドの良さとかはわかってるつもりですし、周りから見てる対校のイメージとか良さも悪さもわかってると思うので、それを対校に乗って変えていきたいところは変えていきたいし、セカンドの良さで対校になかった部分も結構あったと思うので、それを持っていけたらいいなと思います。

――昨年と比べて、ご自身が成長したと感じる部分はありますか

川田諒 早稲田が好きになりました(笑)。他は何だろう…。練習に臨む危機感というか、もうラストイヤーなのでここで選考で負けちゃうと早慶戦に出れんし、対校に乗れんしみたいなのがあります。昨年までは「来年あるしな」という気持ちもあったんですけど、今年はそういう危機感は昨年に比べたら自分の中にあった変化かなと思います。

菅原諒 もちろんクルーを前から引っ張ってくれるのは主将でチームキャプテンの藤井なんですけど、最上級生になったので、自分なりにもクルーを支えることがしたいなと思って、自分から主将の声をつなぐようにしたり、励ますようなコールを入れたりしています。自分はあまり前でチームを引っ張るタイプではないので、後ろから支えるようにという意識は昨年より芽生えたかなと思います。

髙山 なんだろうな。前より頑張れる時間が増えた。ウエイトはめっちゃ変わりました。筋肉が付きました。毎回ちょっとでも上がるようにしてパワーを付けています。

――みなさん4年生ですが、4年生はどのような特徴のある学年ですか

髙山 常にあおり合ってる。

川田諒 そうですね。仲間か敵かで言ったら敵かもしれない。

一同 (笑)

川田諒 ひとつではないですね。常にあおり、けなし、さげすみ。そこに反発して伸びていく。

菅原諒 でもこいつとこいつはだめみたいな組み合わせは特にないよね。

――お互いの印象を教えてください

川田諒 格(髙山)はね、シティーボーイ。

菅原諒 (出身が)横浜だもんね。

髙山 菅原はまじで時々本当にうざい(笑)。 好きなんだけど。

菅原諒 人間やっぱりプラスの側面だけではないので、これはしょうがないです。

川田諒  菅原はMです。

菅原諒 川田くんはルールに敏感です(笑)。

川田諒 僕だけなんか褒められて終わってる(笑)。

「油断はできない」(川田諒)

早慶レガッタへの意気込みを話す髙山

――現在は早慶レガッタに向けてどのような練習をなさっていますか

菅原諒 まだ基礎ですね。

川田諒 漕ぎを改造しようとしていて、まだそれがハマり切っていないのでちゃんと自分たちのものにしようというフェーズです。

――今年の対校エイトの強みは

川田諒 圧倒的仲の良さ(笑)。今までの対校と違って、練習以外の時でも一緒にいる時間はわりあい長いような。招集が掛かって集まるんじゃなくて、自然発生的に集まって一緒に練習のビデオを見て、「ここをこうしたい」みたいなのが。昨年までは意見の出し合いをしようって時に集まってたんですけど、今は2人が(練習の動画を)見てたら3人、4人って集まってくる感じです。

――今年の慶大の対校エイトにはどのような印象がありますか

川田諒 背が大きいです。

髙山 でも俺らも大きいよ。

菅原諒 昨年とメンバーがそんなに変わらないですね。

川田諒 あと、向こうは完全優勝を2年連続かまされてるので、かなり懸ける思いはあるんだろうなと。油断はできないなと思います。

――対校エイトの中でそれぞれご自身にはどのような役割があると思いますか

川田諒 僕はムードメーカーです。

菅原諒 僕は受け皿みたいな感じです。格は?

川田諒 ストロークの坂本(英皓、スポ4=静岡・浜松北)が結構メンタルブレークしやすいので、(髙山は)それを励ましてくれてると思います。

――技術的な面での強みはありますか

川田諒 技術じゃないんですけど、体重に対するコスパはいいかなと思います。絶対的なパワーは出せないんですけど、体重の割にパワーは出せると思うので、そこの効率の良さが強みかなと思います。

菅原諒 僕も技術的というよりは、結構ラストスパートが得意なので、辛いラストで上げなきゃいけない時は、ラストみんなで上げる時は自分が起爆剤になる感じですね。

髙山 比較的クオリティーは安定してるかなと思います。

隅田川は初となる川田諒

――今年の早慶レガッタでの注目ポイントはありますか

髙山 勝ったらゴールの後、何かする?(笑)聞かれてるのはそういうことじゃないよね(笑)。

川田諒 自分たちのキーポイントは、スタートで(慶大に前に)出られるとしんどくなるのでしっかり頭を取りにいこうと。(早大の方が)ちょっと前に出てスタートなので、すぐアウトカーブがあってそこで抜かれやすいと思うので、そこで行かさないところを見てください。

川田諒 あとは顔?(笑)結構みんな顔で漕ぐので、ゴール付近のパネルで見てもらえたら(笑)。

――対校エイトの中でキーマンを挙げるとしたらどなただと思いますか

川田諒 坂本(英皓、スポ4=静岡・浜松北)です。日によってむらがあるから。

髙山 いい日は本当にいいけどね。後ろからいろいろ言われてだんだん元気がなくなっちゃう。

川田諒 でもそれを言ったら藤井と坂本じゃない?喧嘩するんですよ、端と端で(笑)。格はできてるところをほめたりするんですけど、藤井はこだわりが強いのでずっと怒るんですよ。そうすると坂本が「うるせえな」って(笑)。

――今年の早慶レガッタで勝利するためにポイントになってくるところは

川田諒 メンタル。勝ちたいと思った方が勝つと思うので、勝ちたいと思えばどうにでもなると思います。

菅原諒 (隅田川は)まともに漕げるコンディションじゃないしね。

髙山 そういう意味では結構メンタル大事だよね。

菅原諒 カーブに差し掛かる前に慶大よりも出ておいた方が有利ですし、カーブを境にうまく相手を置いていくこともできるので、そこはコックスの舵の影響もあるんですけど。それがもし成功したらそのあといい流れに乗れるので、最初のカーブは重要かなと思います。

――みなさんは今回で最後の早慶レガッタとなりますが、特に思い入れなどはありますか

川田諒 昨年おととしは出られなかったんですけど、今年は出られて親が来てくれるので、親の前で勝ちたいなというのはあります。

菅原諒 (早大)学院の時から早慶戦には出ていたんですけど、やっぱり大学の対校エイトに憧れていたので、今回その舞台で勝負できるっていうのはすごいうれしいし、本当に勝ちたいなというのが正直なところです。

髙山 今まではセカンドでは出てたけど対校には乗れてなかったので、今年はやっと対校に乗れるのでそこで勝ちたいなと思います。

――今年がラストイヤーとなりますが、この1年に対してはどのような意気込みがありますか

川田諒 今まで4年生の代が辞めていく時に、「まじでラストイヤー、一瞬だから。」って言って辞めていくんですよ。「あ、そうなんですね。」っていうテンプレートのやり取りがあるんですけど、僕たちは言わないようにしようと。ラストイヤーを長く味わって、「もうこれ以上は無理」ってなってから辞めたいです。練習が辛いので、ちゃんと練習やってたら絶対長く感じるので一瞬なわけがない。毎日壁スクワットというのをやれば絶対に短いことはないです。壁スクワットをやってラストイヤーを味わいます。

菅原諒 ボートをやるのはこの1年が最後なのでこの1年最後までやり切りたいというのが一番です。あとは自分の最高成績がラストイヤーで出せればなと思います。

髙山 しっかりやり切って悔いなく終わりたいというのと、ちゃんと対岸に着けて表彰式に出るというのが目標です。

――改めて、早慶レガッタへの意気込みをお願いします

川田諒 三人で一緒に言おう(笑)。せーの 。

三人 絶対勝つ!

――ありがとうございました!

(取材・編集 加藤千咲)

◆髙山格(たかやま・いたる)(※写真左)

1997(平9)年8月28日生まれ。180センチ。73キロ。神奈川・横浜商高出身。スポーツ科学部4年。冬場はウエイトトレーニングに力を入れ、パワーが付いたという髙山選手。念願の対校エイトに選出された今回の早慶レガッタではその成果を示してくれることでしょう!

◆菅原諒馬(すがわら・りょうま)(※写真中央)

1997(平9)年12月11日生まれ。180センチ。83キロ。東京・早大学院出身。商学部4年。早大学院時代からの憧れていたという早慶レガッタへの出場機会をついに獲得した菅原諒選手。晴れ舞台で、持ち味であるパワーを最大限発揮してほしいです!

◆川田諒(かわだ・りょう)(※写真右)

1997(平9)年4月8日生まれ。173センチ。67キロ。愛媛・松山東高出身。社会科学部4年。ご自身の役割は「ムードメーカーです」と話す川田諒選手。この対談でも積極的に質問に答えてくださいました。早慶レガッタ当日もクルーを盛り上げてくれることでしょう!