全日本選手権(全日本)1日目は、予選に出場した全艇が敗者復活戦に回るという結果に終わった早大。2日目はその6艇に加えて好成績を残すことが期待される女子舵手なしクォドルプルと女子エイトの2艇が決勝に進出すべくレースに臨んだ。
前日に引き続き、女子シングルスカルの大崎未稀(スポ1=福井・美方)が早大で最初に登場。3艇出漕した組の中で2着までに入ることができれば準決勝進出となるが、東北大の西原に先行を許し、予選で同組だった中大の渕上と2着の座を巡って競る展開に。終盤に詰められはしたものの、ラストスパートで迫りくる渕上を振り切り、準決勝に駒を進めた。そして、その後のレースでは女子部が優勝することを目標に掲げる2艇が満を持じて出漕。しかしどちらのクルーも強豪に力負けを喫し、あすの敗者復活戦で挽回を期すこととなった。女子舵手なしクォドルプルは、2位争いを演じた仙台大をコンスタントで差を詰めて最後は逆転した点をプラス材料としていきたい。スタート前に横風にあおられて船が曲がるアクシデントの中で、最初の500メートルでは2番手につけるまずまずの出だしを見せた女子エイト。コックスの澤田夏実(スポ4=東京・小松川)が「私たちの強みである前から押し込んで一本で伸ばすというのが出せなかったリズムになってしまった」と振り返ったレース後半の反省点を修正し、あすこそは決勝への切符をつかみにいく。
女子の花形種目・エイト
男子部は舵手なしペアと舵手なしフォアが準決勝進出を決めた勢いそのままに前日のリベンジを果たしていきたいところであったが、残りの3艇の結果はさえなかった。舵手なしクォドルプルと舵手付きフォアは初日からの悪い流れを払拭しきれずどちらも組最下位に。花形種目であるエイトは、レース序盤にいい位置につくことができた前日とは一転して風の影響を受け出遅れてしまうと、中盤以降の追い上げもむなしく4着でフィニッシュ。「悔しさはあるんですけど、今回全日本を迎えるにあたってできることはやれた」(井踏直隆副将、文構4=東京・早大学院)と、悔しさはあれど悔いはない。この3艇に乗っていた伊藤大生主将(スポ4=埼玉・南陵)をはじめとする計5名の4年生は、この日で引退を迎えることとなった。
3人の4年生が引退となった男子エイト
現体制での集大成となる全日本も残すところあと2日。あすのレースに臨むこととなった5艇は、敗退が決まった部員の思いも背負ってスタートラインに立ち、一つでも上の順位を目指したい。
(記事 石井尚紀、写真 加藤千咲)
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結果
【予選】
▽女子部
【エイト】
C:澤田夏実(スポ4=東京・小松川)
S:木下弥桜(スポ3=和歌山北)
7:北村綾香(スポ4=滋賀・膳所)
6:米川志保女子主将(スポ4=愛知・旭丘)
5:三浦彩朱佳(文2=青森)
4:青木華弥(教4=東京・本所)
3:宇都宮沙紀(商2=愛媛・今治西)
2:尾嶋歩美(スポ2=埼玉・南稜)
B:南菜月(教3=新潟南)
7分07秒50 【2着 敗者復活戦へ】
【舵手なしクォドルプル】
S:安井咲智(スポ2=東京・小松川)
3:藤田彩也香(スポ2=東京・小松川)
2:宇野聡恵(スポ1=大分・日田)
B:松井友理乃(スポ2=愛媛・今治西)
7分03秒79 【2着 敗者復活戦へ】
【敗者復活戦】
▽男子部
【エイト】
C:徐銘辰(政経3=カナダ・St.Andrew‘s highschool)
S:井踏直隆副将(文構4=東京・早大学院)
7:坂本英皓(スポ3=静岡・浜松北)
6:菅原諒馬(商3=東京・早大学院)
5:伊藤大生主将(スポ4=埼玉・南稜)
4:田中海靖(スポ2=愛媛・今治西)
3:堀内一輝(スポ2=山梨・富士河口湖)
2:藤井拓弥(社3=山梨・吉田)
B:尾崎光(スポ4=愛媛・今治西)
6分10秒53 【4着 敗者復活戦敗退】
【舵手付きフォア】
C:山田侯太(商2=東京・早大学院)
S:高山格(スポ3=神奈川・横浜商)
3:瀧川尚歩(法2=香川・高松)
2:鈴木大雅(スポ4=埼玉・県浦和)
B:土屋夏彦(スポ3=山梨・吉田)
7分13秒04 【4着 敗者復活戦敗退】
【舵手なしフォア】
S:中川大誠(スポ2=東京・小松川)
3:鈴木利駆(スポ2=静岡・浜松西)
2:舩越湧太郎(社2=滋賀・膳所)
B:川田翔悟(基理3=東京・早大学院)
6分35秒82 【2着 準決勝進出】
【舵手なしクォドルプル】
S:川田諒(社3=愛媛・松山東)
3:牟田宜平(商3=兵庫・三田学園)
2:伊藤光(文構4=東京・神代)
B:大野一成(法2=東京・早大学院)
6分59秒72 【6着 敗者復活戦敗退】
【舵手なしペア】
S:金子怜生(社4=東京・早大学院)
B:飯尾健太郎副将(教4=愛媛・今治西)
7分07秒57 【1着 準決勝進出】
▽女子部
【シングルスカル】
大崎未稀(スポ1=福井・美方)
8分41秒01 【2着 準決勝進出】
コメント
【男子エイト】
5:伊藤大生主将(スポ4=埼玉・南稜)
――今回のエイトのメンバー決定にあたって監督、主将、副将で話し合われたとお聞きしたのですが、このクルー構成の意図を具体的に教えていただけますか
インカレ(全日本大学選手権)で出し切れなくて負けたというよりはちゃんと自分たちの力を出し切って負けてしまったというところがまずあって、3年生がインカレ後に海外遠征に行ってきたので、そこで得たものは必ずあると思ってそれを生かすために3年生メインのクルーとして、それを再現できる4年生というかついていける人間を乗せたという感じですね。
――きのうの予選を受けてきょうはどういったレースプランを想定されていましたか
きのうのレース自体はそんなに悪くなかった感じはしたので、予選の課題がいくつかあったところをどうやってのばしていくかということをきょうのレースの課題にしていました。
――きのうの予選での課題とはどういった点ですか
タイムだけで見ると4クオーターが他のクルーよりもだいぶ落ちていたところがあったので、4クオーターがだめというよりは2、3クオーターで力を使いすぎてしまった、無駄な力を使ってしまったというところなので、そこをリラックスして4クオーターに多少なりとも余力を残して臨むというところですかね。
――実際のレース展開はいかがでしたか
ちょっとばたついてしまったのかなというのが正直なところで、1クオーターで風が強い中でちょっとバタバタしてしまったかなというのは反省ですね。
――今後競技を続けられる予定はありますか
ありません。
―― ワセダでの4年間はどんな4年間でしたか
自分自身ちゃんと集中できた場であって、後輩になにか残したかというとまだ自分にはわからないんですけど、とりあえず自分は成長できる場になれたなと思ってすごく感謝しています。
――全日本選手権を共に戦ったエイトのメンバーに伝えたいことはありますか
こう言うと後で怒られるかもしれないんですけど、正直自分は全日本にエイトを出すことに反対していて、というのも社会人が強くなっていくところでインカレで結果があまり振るわなかった中でエイトに行くのはあまりにも無謀だと反対し続けた中でエイトを組んで。最後終わったときにやっぱりやらなければよかったなと思わなかったところまで、クルーの雰囲気を作ってくれたり力を出してくれた後輩に感謝しています。
――今年1年間主将として過ごされてきて感じたことはありますか
ついていく、ではなくなるんですよね主将って。自分が1、2、3年生の頃はすごく強い主将の人がいて、この人についていこうと思っていたのがいざ自分になって、そういう中で自分がこの人についていこうと思える主将になれたかなという…。ちょっと微妙だったかなと今になれば思います(笑)。
――次期主将は藤井拓弥選手(社3=山梨・吉田)だとお聞きしたのですが、どういった点を期待しますか
すでに自分よりしっかりしている部分が見受けられるので、逆に硬くなりすぎないようにしてほしいですね(笑)。自分の性格とやりたいことをなるべく貫くようにということは決まった時に伝えました。
――最後に後輩たちに伝えたいことがあればお願いします
自分たちの代は周りに合わせながらも自分の意見を貫くということをしていたので、ちゃんと自分たちの軸を持って競技生活に臨んでほしいなと思います。
S:井踏直隆副将(文構4=東京・早大学院)
――レースを終えて今の率直なお気持ちは
体力的には出し切ったと思うんですけど、レースの運び方というところでまだまだできたかなというところで反省点は残るレースになったかなと思います。
――悔いが残るということですか
悔いというとちょっと違うというか。悔しさはあるんですけど、今回全日本(全日本選手権)をエイトで迎えるというところでできることはやれたのではないかなと思っています。
――きょうのレースでは序盤はあまり他艇との差がなかったかなと思うんですけど、展開を振り返っていかがでしたか
悪い位置ではなかったんですけど、本心としてはもう少し並んでいたかったというのが正直なところですね。
――きのうのインタビューの際も後半に課題があるとおっしゃっていましたが、きょうのレースの後半はいかがでしたか
むしろきょうのレースは逆で、予選に比べて少しスタートがばたついてしまったというところと、逆にラストスパートはきのうよりいいものを出せたので、きのうのいいところときょうのいいところが両方出ていれば、という感じです。
――今回で引退という形になりますが、漕艇部での4年間を振り返っていかがでしたか
途中ケガとかもして、結果を出すというところで部にはなかなか貢献できなかったかなと思うんですけど、その分後輩が僕らのできたことできなかったことから学んで来年につなげてもらえばいいのかなと思います。
――今年1年間副将として、最高学年として過ごされていかがでしたか
特に僕自身副将という肩書きの中で、例年の副将に比べても実力がある方ではなかったので、そこのギャップにはずっと悩んではいたんですけど、最後こういった機会の中で自分が伝えられるところを後輩に少しでも残せたのかなと思います。
――早慶戦では第二エイトに乗られていて、最終戦の全日本選手権ではエイトに選ばれ、1年間技術的な面で伸びたと思う部分はありますか
特に去年の全日本から今までの1年間の中で前半はケガをしていた間のブランクというか自分の調子を取り戻すというところで結構精一杯だった部分はあったんですけど、その時に比べて今の方が自分の漕ぎで確信を持てている部分はあるかなと思います。
――4年間一緒に過ごされてきた同期の方に思いはありますか
時折意見が分かれたりすることもあったんですけど、色々思う中で一番はこの代でよかったなというのは確信をもって言えます。他の代に比べても仲がいいところは多いかなと思うんですけど、感覚としては友達というのはなくて一緒に4年間戦ってきた仲間だと思っていて、4年間ボートをしてきて一緒に戦ってくれる存在として大きかったので、そのつながりは引退して顔を合わせる機会がなくなっても大事にしていきたいなと思います。
――後輩たちにはどういった競技生活を送ってほしいですか
かなりシビアな目標に向かって取り組んでいるので、楽しいことよりもつらいことの方が多いというのはある意味当たり前で、しっかりそこを受け止めて、監督コーチ陣を含めた部全体で話し合うというところを恐れずにチーム一丸となって、あと1年今の3年生には部を引っ張っていってほしいと思います。
B:尾崎光(スポ4=愛媛・今治西)
――きょうのレースプランは
きのうのレースは前半バタついてしまって、無駄な力を使ってしまったかなっていうところがあって、最後の最後でこっちが疲れてしまって他のクルーに競り負けてしまうという展開でした。きょうは前半にできるだけ無駄な力を使わず、しっかり自分たちがレースをつくっていこうということをレースの狙いとしてやっていました。
――実際に漕いでいかがでしたか
風のコンディションもあってなかなか良いリズムがつくれなくて、そのままずるずるといってしまったかなという感じです。逆に、きのうできなかった中盤からの伸びっていうところはすごく良くなったので、結果論なんですけど、前半バタついたところがもったいなかったなとすごく感じます。
――きのうからどのように修正しましたか
きのうは全体的に漕ぎが短く、すごく効率が悪くなってしまって、一本一本しっかりと船を進められなかったので、自分たちで漕ごうとするのではなくて船を進ませるという感覚を意識しました。
――結果はどのように受け止めていますか
インカレ(全日本大学選手権)の結果を踏まえてクルーの変更もあって、短い期間での挑戦だったので、正直なところ少し厳しいかなと思ってたのですが、思ってたよりしっかりと全日本選手権という舞台で戦うことはできたのかなと思います。何かあとひとつふたつきっかけがあれば最終日で戦えたのではないかなと感じました。自分としてはもう少しできたのではないかなと思います。
――今回のエイトはインカレとはメンバーが変更されましたが、実際に漕いでいかがでしたか
インカレのクルーとメンバーが変わったというのが大きな変化としてありますが、もう一つ大きな変化としてコックスの方から目指すべき漕ぎを変更するという意見があって、インカレの時とは全く別のクルーに変わった感じがします。自分自身もその新しい漕ぎになかなか慣れることができなくて、最後まで探りながらという感じで、この1か月間すごく大変だったかなと感じます。
――今回のレースが学生として臨む最後のレースになったと思いますが、レースを終えて感想はいかがですか
僕自身大学に入って、1、2、3年生と早大の対校エイトとして戦える実力がなかったので、苦しい時期を過ごしたんですけど、最後こうやって対校エイトとして少しでも早大に貢献することができたんじゃないかなと感じました。
――この1年は早慶レガッタで対校エイト、全日本軽量級選手権(軽量級)でタイトル獲得などありましたが、振り返っていかがですか
この1年間は久しぶりにボートが楽しいと感じられることがあったかなと思います。先ほども述べましたが、僕自身ボートに対して苦しい思い出しかなくて、大変な時期を過ごしてきたので、対校エイトに乗って早慶戦で勝つことができたのもそうですし、軽量級(全日本軽量級選手権)の舵手なしペアが初めてのタイトルだったので、それもすごくうれしかったです。苦しかった時期を過ごしてきた分、ボートが少し楽しく思えたかなと思います。
――今後も競技は継続されますか
いえ、自分はきょうをもってボートは引退です。
――漕艇部の4年間で得たものはありますか
自分の中で意識が変わったことは、何をするにしてもひとつひとつを楽しんでやらないといけないなというのをすごく感じました。ボートのこともそうですし、すごく良い同期を得ることができまして、その中で何をするにしても一緒にしていたら楽しいですし、楽しむことによっていろんなことが良い方向に行くことを、同期に支えてもらって感じたので、楽しんで何かをするということは、大学4年間で変わったことかなと思います。
――後輩や同期に伝えたいことはありますか
同期とはいろんなことをしました。一緒に苦しい時期を過ごしたこと、楽しい経験をしたこと、悪いことも一緒にしましたし、支えられて自分も成長できたかなと思います。同期がいなかったら僕は対校エイトに乗ることは絶対にできなかったと思うので、素直にありがとうと伝えたいと思います。後輩には自分らしさを大切にしてほしいなと思います。特に一緒に部屋で過ごしてきた二人もしっかりとした自分を持っていると思うので、そのようなところは部のために曲げることなく、そういう人たちにこれから部を任せていけたらと思います。
【男子舵手付きフォア】
2:鈴木大雅(スポ4=埼玉・県浦和)
――きのうの予選を受けてきょうはどういったレースプランを持っていましたか
きのう出た課題は、あのとき悪かったというよりはずっと悪いのが続いてしまったという感じだったので、それを直そうというものだったんですけど、きょうもちょっと改善しきれずにこういう形になってしまいました。
――きのう山田侯太選手(商2=東京・早大学院)が練習のときからの悪い部分が出てしまったということをおっしゃっていたのですが、きょうもそういったところを引きずってしまったということでしょうか
レースではない練習のときの水面が穏やかだったり風がなかったりそういうときにはすごくいいものが出ていたんですけど、ちょっとコンディションにやられがちではあったかなと思います。ちょっと水面が揺れたり風が出てきたりすると再現できなくなるというか、そこはちょっと弱みで、きょうも同じでいいものが再現できなかったという感じでした。
――4着という結果についてはどう受け止めていますか
練習の段階ですごい艇速が出ていたので自信はあったんですけど結果は惨敗ということで、正直いいところなしで負けたなと思います。でも振り返ってみてちょっとコンディションが悪くなるだけでガタついているところもあったので、そこを詰め切れなかったという点ではこういう結果になってもおかしくはないとのかなと思います。正直レースの前はこういう結果はあまり想像していなかったんですけど、終わってみてから考えると色んな要素が足りてなかったのかなと。
――6月の東日本選手権の際にも、ほぼ同じメンバー構成で下級生と舵手付きフォアを経験されていますが、そこからの成長があれば教えてください
あの時は自分はストロークを漕いでいて、メンバーも1人だけしか変わらないんですが、あの時に比べると今回レースのときは再現できなかったんですけど、イメージがすごく合っていたというか、目指しているところが同じで。できているできていないという感覚がすごく合っていたので、きょうもどこができていなかったかと聞けばみんな同じことを答えると思うんですけど、そういう体の中の感覚とか、何がいい悪いとかがすごくみんなわかっていて、そこはいい部分かなと思いました。違いに気づかないと改善できるものも改善できないので、その違いに気づけるようになっているし、それに対してどうアプローチしていけばいいかというのも後輩たちはよくわかっているので、それはこれからも大事にしてほしいなと思います。
――今後競技を続けられる予定はありますか
ないですね。
――ワセダでの4年間を振り返っていただいて、印象的な試合はありますか
いいレースで言えば4年の早慶戦かなと思います。あのレースは練習で狙っていたものがそのまま出て勝ったというレースだったので、かっちりはまったレースでしたね。
――4年間共に過ごされた同期にはどういった印象を持っていますか
自分は正直みんなと仲良くという感じではなかったんですけど、一緒にクルーを組んだりすると一つのクルーを仕上げるという目的に対してはみんな貪欲で、そういう部分では自分も臆せずにぶつかっていけたのかなと思っています。割と自分勝手な言動もあったと思うんですけど、それでも見捨てられなかったなというか、思いっきりお互いぶつかれたのではないかなと思います。
――最後に後輩たちに一言残すとすればなにかありますか
現状に満足しないでほしいというのが一番かな。突き詰めていけばどこまでも求めるところはあって、いつでも改善点というのはあって、それを本当に一つ一つ潰して100回やって100回できるようにならないと本当にいい成績というのは残せないので、そうじゃないと今回のレースのようにコンディションに左右されたりだとかするので、そういうところではまだ本当の実力ではないんだなと思うので、本当に細かいところまでこだわって際限なく突き詰めてほしいなと思います。
【男子舵手なしクォドルプル】
伊藤光(文構4=東京・神代)
――きょうのレースプランはどのようなものでしたか
きょうは敗者復活戦で2艇上がりだったので、あまり後半のことは考えずに前半でしっかり出しにいって、あとはもう付いていくという感じだったので、結構最初からレート高めでいって、でもちょっと船のバランスが悪くてコンスタントがあまり伸びなくて、レートが高くなってた分漕ぎが短くなっていたのかなと思います。
――きのうの予選はスタートが決めきれなかったとのことでしたが、きょうはいかがでしたか
きのうよりもレートを高めにして、きのうは0~500メートルまで少し離されてたので、それをなくして残りの艇に付いていこうということだったんですけど、レート高めで付いて行けたのでそこは良かったと思います。
――中盤以降はいかがでしたか
後ろのバウに乗ってる大野一成(法2=東京・早大学院)が声をかけてくれて、「一本長く」であったり、「背中を使って」というコールがあったので、そこは結構切り替えることはできたんじゃないかと思います。
――先ほど「船のバランスが悪く」とおっしゃっていましたが、具体的にどういった感じですか
多分おのおののフィニッシュがちょっと合わなくて、個人個人の漕ぎが出てしまって、オール入れるタイミングが合わなかったのかなと思います。
――今回のクルーはいかがでしたか
僕と牟田宜平(商3=兵庫・三田学園)は大学から始めた身なんですけど、大野一成と川田諒(社3=愛媛・松山東)は高校から始めていて、そこの未経験と経験者の差が結構あって、大学から始めた身としてはテクニカル的な部分では劣っているので、ひたすら合わせて、ミドルペアだったので船のエンジンになるということで、ひたすら漕ぐというところを意識してやっていました。3年生と2年生だったんですけど、個人個人しっかりとした人たちだったので、そこは結構やりやすかったです。
――全日本大学選手権(インカレ)では納得のいかない結果になってしまったと思いますがここまでどのように切り替えましたか
インカレに比べて全日本(全日本選手権)の期間があまりなかったので、まず1か月で仕上げるところまで仕上げていくというところと、残された1日1日を大事に過ごしていくというところです。インカレ期間は夏休みで丸一日ボートに捧げられるんですけど、全日本期間は学校も始まって、限られたところで練習するしかないんですけど、そこでワンモーションの質を上げていきました。
――早大として臨む最後のレースでしたが、レースを終えていまのお気持ちは
一言ではあまり言えないですね。最初の1年は何もわからなくて、ただ必死に付いていくという1年生で、2年生になるとだんだん部活のこととか練習のこととかわかり始めて。だけどケガとかいっぱいしてしまって。肋骨の疲労骨折も4回くらいして、結構苦しくて。3年生の冬から就活も始まってきて、ボートにも捧げなきゃいけないということで、両立は何とかギリギリできたのかなと思います。気づいたら4年生になってて、だけど確かに歩んできた道のりは長かったのかなと思います。きょうが最後の試合だったんですけど、引退といえど自分自身の人生はこれからも続くので、これから新たなスタートでもあるのかなと思います。この4年間を大事にしてこれから生きていきたいと思います。
――漕艇部での4年間で得たものは
みんなと過ごした思い出です。結局ボートがうまくなろうが、スピードが速くなろうが、終わってしまったら何も残らなくて、最後に残るのはみんなと過ごしてきた時間であったり、見つめ合ってきた自分であったり、辛い練習を乗り越えてきた時間であったり、そういう時間とか思い出が残ると思うので、そういう意味ではいろんな人にボート部を通じて出会えて、後輩や同期であったり先輩たちと出会えたことが一番大きかったかなと思います。
――今後も競技は続けられるのですか
続けないです。
――最後に、同期や後輩に伝えたいことはありますか
後輩には1日1日を大切に過ごしてほしいと思います。ボート部の生活ってルーティンになってて、毎日同じような日の繰り返しに思えてくるんですよね。朝練習して、学校行って、帰ってきて練習して、その次の日も同じような繰り返しで、1日1日を疎かにしてしまう感じがあるんですけど、でもその1日はもう二度と戻ってこない1日なので、その1日を大切にしてほしいなと思います。同期には僕は一番お世話になったというか、辛い練習を乗り越えられたときに同期がいてくれたのが一番大きかったですね。「ここみんなで頑張ろうぜ」とか「ここ光頑張ろう」とか言ってくれる人って社会人になってからはいないと思うんですよ。だからそう言ってくれる人っていうのは大きいのかなと思いますし、今後ずっと大切にしていきたいと思います。
【女子エイト】
C:澤田夏実(スポ4=東京・小松川)
――クルー編成の経緯を教えてください
今年の女子部の目標を、エイトと舵手なしクォドルプルで優勝するということに定めていました。インカレ(全日本大学選手権)の時に1、2年生が頑張ってくれて女子舵手付きクォドルプルで優勝してくれて、全日本(全日本選手権)が終わった直後に新人戦(全日本新人選手権)が始まってしまうので、インカレでは舵手なしクォドルプルで頑張ってもらって、その他のスイープで冬にトレーニングをしていた上級生やパワーのある米川(志保女子主将、スポ4=愛知・旭丘)を乗せて、エイトで高い順位を狙っていこうということでこのクルーになりました。
――このクルーの強みはどういった点にあると思われますか
いいリズムが出た時にすごくパワーがあって、一本一本力強く進めていけることが強みだと思います。
――全日本選手権が始まるまではどのような準備をされてきましたか
インカレからすごく短い期間で、急に8人でまとまらなければいけなかったので、毎回の練習で一つでも課題をクリアできるように、後輩からもしっかりと意見を出してもらいました。特に何をという感じではないんですけど、監督やコーチが見つけてくださった課題やクルーで出た課題を一つ一つ丁寧に解決してきた感じです。
――きょうのレースプランはありましたか
練習で出ていた私たちの一番いい船の進み方を他のクルーがいる中でも出していこうということは前々から話していたことなんですけど、プランとしては私たちの強みである一本で力強く伸ばすというところを淡々と漕いでいけば大丈夫ということで、自信を持って勝負をしていこうという話はしました。
――インカレで好成績を収めていた立命大は意識されていましたか
立命大は去年の女子エイトで優勝していたので、戸田で練習している大学ではないんですけど、優勝するとなると必然的に立命大を意識していました。
――レース前半はその立命大に次ぐ2位でスタートしました
スタート地点は結構横風があって、スタートするまでの「よーい」の時点で船が曲がってしまっていて、スタート直後から私が舵を結構切らなくてはいけない状態になって、ちょっとそこでバランスを崩してしまったので、タイム的には500メートルの通過タイムは2番手ではあったんですけど、クルー的には納得のいかないスタートになりました。ただ、私は納得のいかないコンディションの中で立命大に半艇身から1艇身くらいのところまでスタートのところで詰められたのは評価をしていいことだったと思うので、環境が変わるあしたはみんなが納得のいくスタートをしたいです。
――後半は立大と北陸電気工業に逆転を許しました
後半は先程言った私たちの強みである前から押し込んで一本で伸ばすというのが出せなかったリズムになってしまったという反省が出ていて、練習で2000(メートル)を通したことはあるんですけど、その時と比べて力強さを最初から最後までつなげられなかったので、そこが最後の方になって落ちてきてしまった要因かなと思います。きょうは一番いいところを出していけなかったので、あしたそこを修正していきたいです。
――敗者復活戦ではどのようなレースを見せていきたいですか
きょうのレースでは最後の最後で北陸電気大立大に差されてしまったので、あしたの敗者復活戦ではその立大と当たって、1位上がりで決勝ということなので、立大を意識するレースになると思うんですけど、スタートは立大よりも出られているので、後半で自分たちの強いところを出して、攻めたレースを見せていきたいと思います。
――改めて今回の全日本選手権での目標をお願いします
部の目標である優勝を狙っていくのですが、きょうは立命大に大きく離される結果に終わったので、そこは冷静になって、立命大を意識して優勝を狙っていくんですけど、一つでも上の順位を狙えるように自分たちの強みを出していければと思います。