【連載】インカレ直前特集『One for Oar』 第5回 4+S:高山格 × 4+3:菅原諒馬 × 4+2:坂本英晧 × 4+B:有田雄太郎

漕艇

 今回の男子舵手付きフォアのクルーは、高山格(スポ2=神奈川・横浜商)、坂本英皓(スポ2=静岡・浜松北)、菅原諒馬(商2=東京・早大学院)、有田雄太郎(法4=東京・早大学院)と、徐銘辰(政経2=カナダ・St.Andrew‘s highschool)。5人中4人が2年生という若いクルー編成での出場となる。そんな勢いのある彼らに、全日本大学選手権(インカレ)を前にした胸中を語っていただいた。

※この取材は7月30日に行われたものです。

「自分からもっと芯を持ってやっていきたい」(菅原)

スイープ種目では初の試合を迎える菅原

――このクルーの特色はどのようなものだとお考えですか

有田 このクルーは4人中、いや5人中か。コックス(徐)がいるんですけど、諸事情によりきょうはいなくて(笑)。勉強を頑張ってます。で、5人中4人が2年生ということで非常に若いクルーで。そこに4年の自分が一人という形なので、比較的若い、勢いのあるクルーなのかなというのは自分的には感じています。

――クルーを組んでから数週間ですが、どういったクルーになろうという目標やテーマはありますか

菅原 僕らは比較的背が高いクルーなので、しっかりと長さを生かして船を進めていきたいです。それで表彰台に上りたいです。

有田 答えになってるかわからないけどね(笑)。

――皆さんの個人としての調子はいかがですか

有田 今は7月が終わって8月に入る段階で、7月は個人のレベルを全員合わせていこうと。自分の不得意を減らしていって、得意な点を伸ばしていって。クルーとして8月から最後追い込めるようにという段階なので、それぞれ個人課題は多いと思うんですけど、自分はもう大学で4年漕いでいて、ある程度スイープの技術は固まってきているので、比較的みんなを指導する立場にあるんですけど。個人としてももう少し体が他の3人に比べて小さい分、ドライブでスピードを上げていきたいなというのが目標なんですが、調子は比較的いいと思います。

高山 自分はストロークをしてて、クルーが不安定だった時期もあるんですけど、そこから(調子が)上がってきているので。ここからどんどん上がっていって良くなるんじゃないかと。今は良くなってきているという感じですね。

坂本 自分は3番というポジションでストロークの漕ぎに完璧に合わせながらミドルとしてドライブを出していく担当でもあるので。自分ではまだストロークに合わせるのが完璧ではないと思ってるので、残り1カ月で詰めていきたいなという感じです。

菅原 自分は技術的な課題もありまして。あまり(インカレまで)時間があるわけではないので、詰めていきたいです。

――ご自身の船の上での精神的な役割はどのようなものだと考えていますか

有田 自分は早慶戦の第二エイトでも自分一人が4年生で、あとは下級生ということだったので、みんなに意識して欲しかったのは、自主的にリーダーシップを発揮してほしいということで、今でもその思いは変わらなくて。自分はこのインカレと全日本選手権(全日本)で引退なんですが、今後この他の3人、コックス含めて4人は部の中心的な存在になっていくと思うので。自分の願いとしては、今回も精神的に、自主的にリーダーシップを発揮してどんどん自分から言ってきてくれる選手になってほしいなとは思っていて。きょうの練習あたりから坂本とか格(高山)とかも声を出してくれるようになってきて。諒馬(菅原)はまだ怒られていることも多いんですけど(笑)。その中でもめげずに声を出してくれてるので。精神的な役割というかそれぞれがお互いをちゃんと思ってくれてるのかなとは最上級生として感じてるところです。そこらへんを彼らがどう思ってるかは、今日聞きたいところです(笑)。

高山 早慶戦の時から有田さんとは乗ってて、自分の中では、頑張らせてくれる人だなと。それに応えようっていうのが目標というか、考えてることです。

坂本 自分は性格的にはいい方向にみんなを引っ張るのが得意な方ではないので、先ほどシートの役割としてストロークの漕ぎをつなげるという風に言いましたが、船の上で座っている並び的にストロークの声を後ろにつなげていくという役割だけは徹底してます。

菅原 先ほども言ったんですが、自発的に声を出してクルーを盛り上げていくのと、それとこのクルーになってから有田さんに頼りすぎているところがあるので、自発的に考えを言っていくことなんかは心掛けてます。

――このクルーの長所はどのような点だとお考えですか

坂本 漕ぎの面では先ほど言ったように長さだと思います。あとなんですかね、諒馬君がこの船の盛り上げ隊長で、かつ一番指導を受ける、そういう人なんですが、諒馬君と愉快な仲間たちみたいな?

有田 俺それ絶対ヤダ(笑)。

坂本 キャプテンは有田さんなんですけど、諒馬君が盛り上げてくれるし、彼を教えることでみんなが自分の中で整理できるという感じです。いい意味で諒馬君と愉快な仲間たちって感じですね。

――菅原さんはそれを受けていかがですか

菅原 クルーに頼りっぱなしになってしまっていることを痛感します。自分からもっと芯を持ってやっていきたいと思います。

――いま長所をお聞きしましたが、逆にどのような課題がありますか

高山 さっきから諒馬のことばっかり言ってるんですけど(笑)でも要というか、一番重要な要素で。いい時はいいけどまだ調子が安定しない部分があるので、そこを安定させられれば全員が一気に伸びて、かなり強いクルーになるんじゃないかと思います。

――普段はどのような練習をされていますか

有田 普段は全体のメニューが出るのでそれに合わせてやってます。自分たちは7月までは、コックスのジン(徐)もテストとかで忙しかったし、自分たちも技術的な短所にムラがあるということだったので。7月まではそれぞれの個人レベルを一定に合わせられるように、個人を指摘しながら技術を上げていくということを意識していました。8月からはドライブスピードだったり、体重移動とかの見えないところで息を合わせることだったりの細かいところに入っていく段階だと思うので。きょうが7月最後の練習だったんですが、個人のレベルを一定にするのは出来てきてると思います。ただまだムラが多いので8月も引き続いて詰めていきたいと思ってます。練習はそんな感じです。

――有田選手は先日の川内レガッタにも出場されましたが、そこから得たものはありましたか

有田 早慶レガッタ以来久しぶりに同期や対校の人たちと一緒に乗ったんですが、やっぱりパワーが凄いなと。そういうところはこのクルーで表現したい目標にもなりましたし、目を覚まさせられたというか。それと慶大もかなり強いなと並べて思いました。
あ、それとさっき聞かれたこのクルーの長所について言い忘れたんですけど、適度に頑張って適度に抜くところだと思っていて。やっぱり対校のクルーはみんな勝負にこだわるんです。それはすごく大事なんですが、やはりピリピリするんですね。それは自分には足りないところなので、出したいなと思う反面、やはりこのいい関係、水上では追い込むけど陸上ではピリピリしないとかそういった環境の中で最大のパフォーマンスを発揮できると考えてるので。そういった点を生かしつつも、対校の持っている責任感を持ちながら、部の目標である表彰台に上ることに近づきたいなっていうのは、川内レガッタを通して思いました。

――お三方は2年生ですが、1年生が入ってきて意識の変化などはありますか

高山 結構強い1年生が入ってきてるので、今はまだスイープっていう1年生がまだ慣れていない技術で差がついているんですけど、それがどんどんなくなっていくので、危機感は感じていて。そういう状態でどれだけパフォーマンスを安定させて強くなっていけるかかなと。1年生に負けてられないなとは思います。

坂本 ことしの1年生は、練習後にトレーニングルームで体幹トレーニングをしたりするのが好きな人が多いので。自分は嫌いなんですけど(笑)。ただ、そういう努力している人を見ると、自分も嫌いだけどエルゴとか漕いでみようかなという気になるので刺激にはなってるなと思います。

菅原 僕は格と同じで危機感を感じてます。技術的なことで1年生の伸びはすごいので、僕もどんどん成長していかないと追いつかれるなと思ってます。

――有田選手は最上級生になって意識の変化などはありましたか

有田 周りも非常に最上級生として意識してるなと感じることが多々あるので、自分もそこに合わせてしっかりやりたいなと思う反面、やっぱり適当な部分もあるので(笑)。それはそれで出しながらも自分なりに下級生に伝えられることを伝えてきれいに去りたいなというのは思っているところです。今菅原が危機感を感じているとか言ってますけど、自分はもうトレーニングクルーも合わせて菅原とはもう3カ月くらい乗ってるんで。その間毎日後ろから罵声を浴びせながら(笑)、成長させてきてるんですけど。最後このクルーで表彰台に上った時には、菅原が安心できるぐらいには、自分が7年間培ってきたことを渡したいと思うので、信用してついてきて欲しいなと思います。最後には技術面とかメンタル面とか全部伝えたいなっていうのが今の気持ちです。

「何より三人が可愛くって仕方ない」(有田)

4年生の有田が2年生を引っ張る

――ではここからはプライベートな面についてお伺いします。オフの日はどう過ごされていますか

有田 オフの日は大体学校の友達と、4年生で就職活動が終わって暇な時期なので自分が日曜日の夜に飲もうと言うとすぐに集まってくれるので、他の大学の友達と遊ぶこともあれば、最近月末になると金欠になってくるので家に帰ると犬が待っているので、可愛い犬と一緒に、先日父親か単身赴任先から帰国してきたので、美味しいワインとかを飲みに実家に帰ったりするというのが自分のオフの過ごし方ですね。

高山 オフと言っても日曜の夜くらいしか遊べる日が無くて、他の日は授業とかがあるので、日曜日の夜は先輩に誘われにいったりして、先輩を連れて行って一緒にごはんを食べるという感じですね。なんか、いい感じにウロウロして、先輩のいるところに行って、「一緒にご飯に行く?」と言ってもらいに行く、と言うような活動をしていますね。

坂本 僕は…。

有田 彼女の家にいく?

坂本 本当に金曜日が午後オフで、僕は金曜日に学校が無かったので朝、9時くらいにはもうやることが決まって、オフという感じだったんですけど、10時くらいまでずっとゲームをやって寝たら、次に起きたのが17時だった、というように寝ていることが最近非常に多くて、勿体ないことをしているな、って思います。

有田 (菅原に対して)何してんの?

高山、坂本 後輩ご飯に連れて行ってたよね

菅原 そうですね、後輩とご飯行ったり、もしくは先輩にご飯に連れていってもらったり、色々美味しいお店を…。

有田 この間恵比寿のどこ行ったの?

菅原 恵比寿の肉寿司です。五千円払いました。

有田 男二人でね。男二人で恵比寿の肉寿司食べに行くっていう…。

坂本 完全に謎メンでしたね。

菅原 でもめっちゃうまかったっすよ。

有田 そりゃうまいだろうけどさ。

菅原 そういう感じで、僕は美味しいものを食べることが僕の中で一番の救いというか、一番大切にしてます。

坂本 美食家なんだね。

有田 ごめんな、今度食べに行こうな。

菅原 結構このように食べることが好きなので、そうやって過ごしています。後まぁ、古着のお店に行くことが好きで、新宿とかたまにぶらついたりしています。

有田 へぇ、そんなお洒落な。

――部内で流行っていることなどありますか

有田 わかんない、俺部内に疎いから(笑)。

坂本 少し前まで、部屋にある大きなテレビを使ってサッカーゲームが流行ってましたね。

高山 部屋な。

坂本 部内と言うより部屋なんですけど、部屋のみんなでやっていました。

高山 部内かぁ、あります?1年生はみんなでスイッチしてますね。

坂本 部内で流行ってること掃除チェックって言ったら怒られるかな?

有田 部内…何が流行ってるのかな。二人部屋だから部内のトレンドに乗っかれてないっていうね。

高山 特にこれっていうのは…。

坂本 遊戯王とか?

一同 うーん…。

有田 だって、家族の中で流行っているものって言われたって困っちゃうでしょ?そんなじゃない?

――皆さんがそれそれハマっていることはありますか

坂本 僕はAmazonで買い物をすると心が踊ります。あの、帰ってくる時に荷物が届いてないかなぁ?って楽しみにしてます。

――最近何か買われましたか

坂本 えーっと、君の名は。のブルーレイを買いました。結構買うか悩んだのですが、ケータイと5分間格闘した末に、普通に買いました。あと、買ったばかりのイヤホンを実家に帰った時に忘れてきました。 

高山 何の話だよ。僕のハマっていること…

――何か趣味とかでも

高山 まぁ、でもそんなにやれる事がないので、さっき言っていたようにサッカーゲームだとか。

菅原 僕は一応一眼レフ持っているんですよ、でも最近あんまり外に撮りに行く機会が無くて、最近はひたすら分解して中を掃除したりとか、後は今まで撮った写真を編集したりとか静かにしています。そうやって黙々とやるのが結構楽しいですね。

有田 最近ハマっていることは、4年生ほぼもう授業がないので毎日が日曜日みたいな感じなので、ずっとベッドでYouTube見るくらいですかね。最近なんかダンスサークルとか、ショッカーズとかに異常に詳しくなってきて、おすすめにも出てくるようになったとか、後は魚をさばき始めました。わざわざ包丁をAmazonで買って、さばく用の出刃包丁を。でもまだ二匹しか捌いてないんですけど。YouTubeで有名なYouTuberが魚を捌いているのをまねてやっているというのが最近の自分の中のトレンドかな。

高山 いつYouTuberになるんですか?

有田 もう一年欲しいね。

――2年生のお三方から見て有田選手はどのような先輩ですか

高山 怖い面もあるけど、理不尽ではなくて、言いたいことがあるんだな、と伝わるので、その熱さが伝わってくるので面白い人ではありますし、水上ではかなり激アツな人なんですけど、陸上に出たらすごく切り替えてくれて、ずっと面白くて、一緒にいて楽しい人です。

坂本 そうですね。陸上だとずっと彼が言ったように朗らかで、ずっと面白いことを言って笑わせてくれたりだとか、水上での有田さんは去年入った時は怒っているイメージだったのですが、意外と自分が言われている時って、怒られてどうしよう、と言うよりは意外と有田さんに言われると何か結構厳しい言い方をされても我慢できるというのは不思議な人だなー、と思います。

有田 諒馬はどうなの?一応小学校から一緒だからね。小中高大一緒なんですよ。

菅原 まぁはい、結構長い付き合いで色々とご指導をしていただいているのですが、有田さんはとても面倒見がよくて、僕もそうなんですけどクルーの一員としてクルーの方向を正そうとしてくれて、物事の切り替えがうまい人で、練習に入った時はすぐにパッと切替えて全員で船を進めていこうってなる反面、陸上では凄くリラックスさせてくれて、そこら辺がすごい人だなーと思います。

――有田選手はそれを受けていかがですか

有田 本当にありがたいなと思っていて、本当に水上でも三人にはすごく助けられていて、自分がこう言っても自分で最初は一回受け入れて、その後自分たちなりの表現をしてくれたりして、よくここまで言ってもひねくれたりふてくされたりしないなー、って。自分ならふてくされていたり、うるせーよ!とか先輩にも言うタイプなんですけど、そういうのが一切ないのが大人だな、と思います。だからこそ本当にこのクルーで勝ちたいと毎回思うし、改めてこのクルーなら勝てるな、って。今まであんまりここの時点で勝てるな、って心象を抱くことは無かったのですが、この身長の高さや持ち前のポテンシャルを持っても、この雰囲気が上手く合致すれば、本当に勝てるなって思いました。何より三人が可愛くって仕方ない。2歳離れているし、こんなに素直にやってくれる子ってあんまりいないと思うし、そこは体育会と言えどもやはり可愛さがあって、最後まで頑張りたいと思うので、きょうこういうのが聞けてよかったです。ただ8月くらいからは優しくなろうかなー、って思っているので、そこには期待してほしいですね。

「(同期は)大体みんなキャラが濃い」(高山)

高山はストロークとしてリズムをつくる重責を担う

――競技以外の点でお互いの尊敬できる点はどこですか

有田 俺はいっぱいあるよ。

坂本 有田さんは本当に話すのがうまいと思います。すごいな、と思います。

有田 口は回るからね。

坂本 スラスラと言いたいことが言える感じで、格くんは、食べ物とか一緒に食べに行った時いちいちセンスがいいというか。

高山 それめっちゃ推すよね。

坂本 横浜出身なんですけど、横浜を感じさせることがよくあります。

高山 何の関係もない。

坂本 みんなが普通にメロンソーダ頼んでるのに1人だけなんかアイスのっけてるみたいな。

高山 なんか…。

坂本 伝わんないか。

高山 伝わらないと思う。

坂本 で、諒馬くんの尊敬する点はポジティブな点。

有田 鈍感だよね。

坂本 でも、結構彼も今はなんかよくわからないですけど、自主練とか頑張ってるのよく見ますけど、やっぱり彼はちょっとポジティブでナルシスト気質な所があるのでやっぱり頑張っている自分をかっこいいと思いながら頑張れる、といういいサイクルを持っているのが羨ましいです。

高山 確かに。

菅原 坂本くんは、一言多いんですけど、坂本は気分のアップダウンを面に出したりしないので普段からすごくリスペクトしてます。後、普通に話が面白い。坂本と一緒にいると楽しい。格はもうなんか格to僕の罵詈雑言というか、強い言葉が多いんですけど。

高山 そんな?

坂本 たまに強いなー、って思う。

菅原 格もすごいなんかブレないというか、あまり周りに流されることなく自分の意志で動けるというか、僕は周りに流されやすいので、リスペクトしてます。有田さんは僕の持っていないものをすべて持っていて、特にコミュ力だと思います。すごくて、真似したいなと思っています。

有田 基本的な考えとして、全ての人に尊敬しているのですが、こいつ俺とちげーな、という所は尊敬するタイプです。坂本は今までネガティブ発言が多いのかな、と思っていたのですが、水上にいくとそういうのが一切なくて。

坂本 でも、競技面以外でって言われました。

有田 競技面以外ね…そういう所もあったけど、これもきょう気付いたんだけど、坂本といると面白いなーって。すごく深く考えていることがどうでもよくなる、って所があって、リラックスさせるところはあるのかなーと。後、自分と全く違う思考回路を持っているので、そういう所は面白いと思っていて、全日本までのあと2カ月は本当に坂本の色んなところを見ていきたいな、と思います。
格はもうセカンドの時から乗っていて、本当に大人だなと思いますし、本当に(誰に対しても)接し方を全く変えないし、自分の言いたいことをしっかり言えるし、ここで一言欲しいって時にプライベートでも陸上でも絶対に言ってくれるし、非常に頼りになるし、そこら辺は適切なフォロワーシップをすごい持っているな、と思います。
諒馬に関しては、鈍感なのかわかんないけど、何を言われてもめげないというか、本当に愚直に何でも受け入れるところはすごいと思うので、その点は最後まで持っていてほしいと思いつつも、もう少し自分から考えながら発信してくれるのがあれば、素晴らしいのかな、と思います。それぞれ個性が違うんですけど、それがいいのかな、と思います。はい、じゃあ高山一言で。

高山 諒馬は素直、有田さんは尊敬、坂本は情緒不安定だけど…

坂本 さっき冷静って言われたのに…。

高山 部屋とか一緒なので普段から一緒に接していて、かなり情緒不安定でこいつ何言ってんだって時もあるしまともだなって思う時もあるし、すごい激しくて後はズバズバ言ってくるので、そこ言う?みたいな所を言うのは才能だな、と思います。

――お三方は2年生ですが、2年生はどのような学年ですか

高山 2年生は仲がいいですね。俺はそう思ってる。自分は一緒にいて楽しい。

坂本 まとまって遊びに行ったりはしないけど、特に男同士はすごく仲いいです。

――部内でキャラの濃い選手といえばどなたですか

坂本 徐銘辰選手です。彼は28歳で、一回り違うので、これまで経験してきたことが僕らとは違うので、視点が違っていて、例えば爆竹か何かのどんどんって音が聞こえたりすると、「わぁお戦争!」とか言ってすごく変なことで笑わせてくれる人です。

高山 大体みんなキャラ濃い…。

有田 まぁでも28歳で韓国からきて、日本語も英語もペラペラで、この間クロアチアへ行った時も通訳として大活躍で、すごいバイタリティをもっているな、と思います。キャラというか、それこそまさに尊敬というか。ジンがいれば分かりやすかったんですけどね。本当にすごいな、って思います。あとちょっと変態。そういう所含めて面白いキャラだな、って思います。

――長期のオフができたらしたいと思っていることはなんですか

高山 どっか行く。とりあえず愛媛。この間のオフは沖縄に行っていたのですが今度は愛媛に、同期に愛媛出身の人がいるのでその人の家に行ったりとか、あと愛媛に無人島があるらしいので行ったりとか、そういう計画を立てています。

有田 (菅原に)写真でも撮ってこいよ。

菅原 そうですね、他には食べ放題ですかね。

高山 それ長期じゃなくてもできるよね

有田 そんなこと言うなよ。だからきついって言われるんだよ。

坂本 僕は京都に行きたいです。理由は昔家族で行った時に楽しかったからです。誰と行くかはまだ決めていません。でも僕は一人でJリーグを観に行ったりとか、一人でどこかへ行くことが多いので、でもせっかくの長期オフなので誰かを見つけて行こうと思います。

有田 長期オフというか引退になってしまうのですが、社会人になる前に色々行きたいなと思って、今思っているのは、日本国内は試合でしか行ったことがないので、沖縄も行ったことないしこのインカレが終わったら旅行に行くっていう予定をゼミの友人と立ててて、あともう一つやりたいのが、エアーB&Bという民泊で、テラハみたいな所を16人くらいで借りてどんちゃん騒ぎしたいんですよ。オーシャンビューが綺麗で。ここを借りてどんちゃん騒ぎしたいっていうのがあります。

――テスト期間ですが、勉強の方はいかがですか

高山 まぁ大丈夫でしょう。

坂本 僕もまぁ、スポーツ科学部っていうよく分からない学部なので。

有田 出席が大事なんでしょ?

坂本 そうですね。評価は悪いと思いますが一応大丈夫です。

有田 (菅原に)できた?

菅原 そうですね。商学部なんですけど、生物学をとってしまって大変です。

高山 すごく謎。4年生でとれよ。

有田 自分は、法学部なんですけど、4年目にして初めてテストがほとんど無くて、後は持ち込みの教科一つだけだったので、ようやく4年生を迎えられたな、って感じられた良いテスト週間でしたね。

「一発鮮烈な印象を残せるようにしたい」(坂本)

坂本はクルー内で唯一のインカレ初出場だ

――ありがとうございます。ではここからはインカレについて質問していきたいと思います。インカレまでひと月を切りましたが部内の雰囲気はいかがですか

有田 本格的にインカレまで30日くらいになって、全員が目標を意識して少しずつ引き締まっているようと思っていて。合宿が始まるので、そこに向けて船の準備とか心構えだったりをしてるのかなというのは最近感じることですね。ただ、みんなそんなにピリピリとはしていなくて。いい雰囲気だなとは思います。

――坂本選手は初のインカレということですが、意気込みはいかがですか

坂本 僕は実力が無くて試合に出られなかったとか、まあいろいろあって初めての全日本級の大会なので、一発鮮烈な印象を残せるようにしたいと思います。

――坂本選手以外の3人は去年もインカレに出場していますが、去年と変わった点などはありますか

高山 前回は1年生で何もわからずにやってきた感があったんですが、今は生活にも慣れてきてやりたいことがやれるようになってきているので、そこは結構変わったなと思って。あとは艇種が変わったのが一番大きくて。去年は舵手付きペアだったので、そもそも日程的に漕ぐ本数が少なくて。決勝には出られたんですけどそこでは歯が立たなくてというのがあったので、今回は表彰台に上りたいなという気持ちがかなりでかいです。

菅原 去年はスカル種目だったんですけど、ことしはスイープ種目でインカレに出られるということで、去年は準決勝で敗退してしまって、全日本でも結果を残せなくて、自分の実力不足を実感しました。今回この(表彰台を)狙えるクルーに乗せてもらえたのはチャンスだと思っていて。このチャンスを生かして自分を成長させていきたいと思います。

有田 自分は去年と同じ種目なので。去年に比べて勝つということを意識してこれから1か月臨みたいです。あと去年はやはり最後追い込んで精度を上げきれなかったという反省点があるので、ことしは一刻も早く精度を上げて一定のレベルで毎回同じ漕ぎをできるようにしていきたいので。もっとタイムなど定量的なデータをそろえて狙うところをしっかりと狙って最後悔いが残らないようにやっていきたいなと思います。

――ことしのインカレで注目している大学などはありますか

有田 どこも舵手付きフォアを出してくるのでどこもそうなんですけど、やっぱり(体が)大きいなと思うのは日大ですね。うちも大きいと思うけどあそこまで横幅は大きくないので。まあどこを意識するとかはまだないんですけどとりあえず自分たちの立てた目標を常に意識したいというのがありますね。

――では最後にインカレでのクルーとしての目標をお聞かせください

有田 インカレでの部としての目標が対校エイト優勝と2種目が表彰台に上がるということなので。自分たちはその表彰台に上るということを前提の目標にして、より高いレベルで優勝というのを狙っていきたいなと思ってます。最初このクルーを組んだ時は表彰台に上がることが目標だったんですけど、ここ最近思うのは、やはり優勝しないと終われないでしょと。そういう気持ちが非常にあるので、そこは全員で最後まで全員で目指していきたいなと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 坂巻晃乃介、金澤麻由)

仲良さげなクルー姿をアピールしてくれました!

◆高山格(たかやま・いたる)(※写真左)

1997年(平9)8月26日生まれ。神奈川・横浜商高出身。スポーツ科学部2年。ポジションは舵手付きフォアのストローク。有田選手曰く、誰に対しても臆することなく自分の意見を言えるという長所を持つ高山選手。ぶれないその姿勢は、艇のリズムを作るストロークというポジションにぴったりなのかもしれません!

◆坂本英皓(さかもと・ひであき)(※写真右)

1997年(平9)11月4日生まれ。静岡・浜松北高出身。スポーツ科学部2年。ポジションは舵手付きフォアの3番。高山選手とは寮でも同じ部屋で、息はぴったりの様子。自身初のインカレではその相性の良さを生かしてストロークの漕ぎを後ろに伝える役割を果たしてくれるでしょう!

◆菅原諒馬(すがわら・りょうま)(※写真左)

1997年(平9)12月11日生まれ。東京・早大学院高出身。商学部2年。ポジションは舵手付きフォアの2番。菅原選手のまっすぐな性格はクルー全体にいい影響を及ぼしている様子。彼のポジティブさがあればインカレに向けたハードな追い込み期間も乗り越えられるはずです!

◆有田雄太郎(ありた・ゆうたろう)(※写真右)

1995年(平7)8月26日生まれ。東京・早大学院高出身。法学部4年。ポジションは舵手付きフォアのバウ。最上級生としてクルーをまとめる有田選手。普段から下級生にもリーダーシップを発揮するよう言い含めているようです。インタビュー内でも明快な受け答えをするにとどまらず、下級生に意見を促す姿が印象的でした!