【連載】インカレ直前特集『One for Oar』 第3回 4+C:徐銘辰 × 2+C:菱谷泰志

漕艇

 異色の経歴を持つ留学生・徐銘辰(セオ・ミョンジン、政経2=カナダ・St.Andrew‘s highschool)と、小学生の頃から漕手を続けながら、コックスへと転向した菱谷泰志(スポ1=鳥取・米子東)の二人。早大漕艇部に新たな力を加えたコックス二人に、共に初となるインカレを直前に控えた現在の心境などを伺った。

※この取材は8月2日に行われたものです。

「任されたからには日本一目指してやっていきたい」(菱谷)

漕手からコックスに転向した経歴を持つ菱谷

――現在のクルーに決まった時の心境を教えてください

 今のクルーは早慶戦のセカンドのクルーとほぼ被っていて、メンバーが大きく変わらないのであまり新しい気持ちではありません。ただ、今回は1人2人メンバーが変わっているので、早慶戦のようないい結果をインカレでも出さないと行けないなというプレッシャーもありますね。

――ほぼ同じクルーということは連携なども取りやすいですね

 クルーのリーダーが有田さん(雄太郎、法4=東京・早大学院)なんですけど、早慶戦と同じなので、クルー全体の課題解決の方法とか練習中の流れとかは似ています。

――菱谷選手はいかがでしょうか

菱谷 コックスの先輩が徐さん含めて2人いて、インカレでコックスが乗る種目は3種類で、同期にもコックスが1人いるので4人コックスがいて、インカレに出るのかオッ盾(オックスフォード盾レガッタ)に出るのか分からなかったんですけど、インカレの方に乗るということになって。(舵手)付きペアという種目が早大は2,3年に1回優勝しているので、そこはプレッシャーではあるんですけど、任されたからには日本一目指してやっていきたいと思います。

――最近はどのような練習をなさっているのですか

 みんなの動作を合わせることが重要になってくると思います。僕は試験勉強の都合で2週間一緒に乗っていなかったんですけど、きょうからまた一緒に練習して、その分船も変わるし、それによって重さも変わることでそれに適応しなければならない状況だと思います。ただ、大会もすぐあるので、適応に長く時間を使えないので、自分が乗ってない間に個人の課題は解決出来たという意識で、これからは自分のコールでみんなの動作を合わせていくことが大事になってくると思います。

菱谷 付きペアという種目はほかの種目とは違って物凄く重たくて、特殊なところがあるので、漕ぎ方もスピードよりも重たいものをしっかりと進めていくことを大事にしていて、そこに練習ではフォーカスして取り組んでいて、力強くできるから重たいものをしっかり運べるという意識で練習しています。

――重たいというのは船全体が重たいということでしょうか

菱谷 船も重たいですし、漕いでる人が2人いる中で漕がないコックスが1人乗っているので、漕いでるときの重量感というのもありますし、スピードもほかの船に比べて出ないので、その重さにあった漕ぎを目指してやっています。レートもほかの船に比べて上げづらいですし、水中も重たいのでちょっと一手がなくなっただけで弱くなってしまうので、確実に一つ一つ課題を潰していって重たい船に対応していきたいと思います。

――ここからは過去の話になるんですが、お2人はなぜ漕艇部へ入部しようと思ったのでしょうか

 僕の場合は日本の部活に興味があったので入部しました。韓国では部活にそこまで真剣にならないというか、国家代表の選手にならないのになぜ運動するのという意識が強い国なんですけど、中学生のときなどに漫画などを観ると、日本の漫画で『SLAM DUNK』などを読むと、ただ部活なのにみんな試合で勝って泣いたり、うれしかったりするわけで、僕はそれを理解できませんでした。で、日本に来てから日本の文化を知りたいという気持ちになって、その中で部活が目に入りました。日本を完全に知るためには部活を経験してみないとということもありましたし、軍隊を出たんですけど、団体生活が懐かしかったこともあって、漕艇部はきついと言われたので、これはやる価値があると思い入部しました。

菱谷 僕は小学校2年生からボートをしていて、早大の漕艇部に来たくて現役のときに受かっていた大学を蹴って、浪人して来たんですよ。高3の時にエイトで男子も勝つし、女子も全種目インカレ制覇していて、僕はスポーツ科学部なんですけど、学びたいことと一緒にボートでも日本一を目指したいと思ったときに、当てはまったのが早大で、やるからには日本一になりたいと思って選びました。

――実際に入部されてみていかがでしょうか

 めちゃめちゃきついことは間違いないです(笑)。韓国の軍隊もきついんですけど、日本はまた違う意味できついです。軍隊はみんな入りたくない状況で入ったわけで、責任感というのがない雰囲気なんですけど、部活は自分で入りたいと決めて入ってきたのが理由なのか、若いのにしっかりと自分の責任を持って、意外とおとなしいところが結構あって。とにかく部活はすごいなと思いました。

――韓国と日本の両方で集団生活をされたということですが、具体的にどのような違いがありましたか

 そもそも雰囲気が違いますね。入りたくない気持ちで入ったところはみんなきついというか、ストレス発散のためにお互いにいじめることもあるし、摩擦も結構大きくて、先輩後輩の関係も自由ではないのでいつも緊張しなければならない雰囲気の中でした。ただ、部活はやりたいことをやる環境なのか、雰囲気も自由で、先輩後輩もあるんですけど、常識のなかでの先輩後輩関係という感じですね。雰囲気の面では軍隊のほうがきついです。

――菱谷選手は入部されてからいかがでしょうか

菱谷 早大は設備がものすごい整っているので、練習環境としてもすごくいいですし、練習に関しても中学や高校と違って、練習でみんなが積極的に「もっとこうしたほうがいいんじゃないか」と言ったりだとか、練習終わってからみんなで話し合ったり、ビデオ見ながら話したりとか、大学のボートだなとは感じますし、高校は練習終わって家帰ってまた集まる感じなんですけど、ここは練習終わってもお風呂も一緒ですし、ご飯も一緒に食べたりとか、リラックスしているときも一緒にいますので、合宿生活だからこその良さというのも感じますね。

――コックスを始めたのはいつ頃からでしょうか

 コックスを始めたのは昨年の7月からですね。その前はボートに関わったことは全くなかったので。

菱谷 僕は小学2年生から高校の最後のインターハイまでずっと漕手でやってて、高3のときに国体でコックスに転向して、大学でもコックスでやってます。今まで漕手をやっていたからこそ生かせることもあると思うので、そこがコックスになろうと思った一番の理由ですね。

――コックスをやってみての感想はいかがでしょうか

 コックスをやってみて難しかったのは、漕いだ経験がないのに、みんなの動きを理論的に頭で想像しながら把握しないといけないところですね。ただ、ある意味では長所とも思っていて、漕いだことがないから違う観点で漕手の漕ぎが見れる、船の進みを感じられるところがあって、漕手は細かい動きを気にする反面、僕は全体的な動きを見ることができる。だから漕手とは違う意見を出せるということが、未経験者としての長所じゃないかなと思います。やりがいとしては、影響力があることですね。前か後ろに座っているだけのように見えるかもしれないんですけど、実は一つ一つの練習での発言に影響力があって、発言力もあるし、クルー全体をコントロールする立場であって、漕ぎに関してもアドバイスできるような立場なので、自分としてはこれ以上にやりがいのあるポジションはないな、と感じてます。

――漕手を経験したことがない分、漕手とのコミュニケーションが重要になってくるんですね

 「お前、漕いでないじゃん」って思われたらダメなので、なんか自分が思ったことをいうときも、漕手の気持ちを考えながら言うコミュニケーション力も大事かなと思います。

――菱谷選手はいかがですか

菱谷 僕は逆に漕いでいたからこそ漕いでいないときに漕ぎがいいのか悪いのかというのは、漕いでない状況で感じるのは難しいなと思いますし、モニターみたいのものがついていて、一分間に何回漕いでいるかとかスピードも見ますし、漕ぎも体で感じるし、ブレードの動きも見るし、周りの安全確認で周りも見るし、相手も見るなど、いろんなものを客観的にみるというのが、言い方悪いですけど、今までただ漕いでいた状況からすると、いろいろなものを見なければならないので、それが難しいなと感じていますね。

――漕いでいるときと全体を見るときでは見えているものも違ってくるんですね

菱谷 コックスっていうのがリーダーというか、船長という感じなんですよね。今までは漕いでいるエンジンのほうだったんですけど、今度は船長としていろんなものを見て指示を出していくっていうのが今までとは違うので、そこが難しいところでもありますし、やりがいでもありますね。

――徐選手は早慶レガッタでは第二エイトに乗り勝利を収められましたが、そのときの感想を教えてください

 めちゃくちゃうれしかったとしか言えないです。練習の時から結構きつくて、あと負けちゃいけないっていうプレッシャーがある中でしたが、このレースは楽しむという気持ちでできました。特に今も忘れられないのが、ゴールに入る前、後ろの艇が俺らのより遅いとわかって、これは勝ったと思いながら最後の10本数えている時ですね。部活ではあまり涙を流したくなかったんですけど、嬉しくて涙が出そうになって。でも最後の年のためにとっておこうと思って、流してはないです(笑)。うれしくて涙が出るということが初めてわかりました。

――練習がきつかったとおっしゃっていましたが、試合前には練習量が増えていたのですか

 そうですね。隅田川で練習したときが3回くらいあって、それが特にきつい練習でした。夜中の4時に艇庫から川まで漕いでいくのですが、寒かったですね。寒い中で1時間くらいかけて向こうに行って、2時間くらい練習してから、また漕いで帰ってきたんですけど、低レートでも大変でしたね。こういう練習もあって、勝てたときはうれしかったですね。

――早慶レガッタは初めての本格的なレースでしたが、勝利という結果で自信はつきましたか

 それはありますね。早慶戦ってカーブが結構あって。カーブの曲がり方が大事になるんです。練習の時は何回かうまくいかないことがあって、自信がなくなったりプレッシャーになったりしました。けど、本番では練習の時になかった橋の矢印を見ながら狙って曲がることができました。テレビ番組でも結構いいことを言っていただけて、こういう風に曲がればいいのだと確信ができたので自信になりました。

――レースに出ない期間はどんなことをされていましたか

 レースシーズンでないときは、みんなの様子を見ながら艇に対してアドバイスを出したり、艇の整備をしたりしました、正直、勉強との両立が大変で、授業のために時間を取ることも多かったです。

――現在2年生でいらっしゃいますが、漕艇部の2年生全体の雰囲気はいかがですか

 簡単にいうと、いい感じです。個人的に思うのは、まず若い。僕よりも若いこともあって、ちょっと馬鹿馬鹿しいと思うときもある。馬鹿達が集まって仲良くやっている感じです。そういう代ですね。

――特に仲のいい方はいらっしゃいますか

 自分で言うのもあれですが、全体的に仲がいいです。漕艇部に入った時は、留学生で年の差もあって緊張してうまくやっていけるかなと思っていました。まだコックスとして慣れていない時の練習は、同級生に怒られることもありました。ただ、時間が経つにつれて自分のコックスの実力がつき、みんなからの信頼を得ながら関係も良くなっていった感じです。今は問題なく生活できていますね。

――続いて菱谷選手ですが、現在1年生ということで、早稲田の漕艇部に入り3カ月が経ちました。感想はありますか

菱谷 やっぱり、チーム一丸となってやっているのだと感じます。壁に目標も貼ってあって、日本一に向かってみんながやっているのだなという印象があります。

――目標を見ることで気持ちがつくられているのですか

菱谷 はい。寮の階段やトイレの壁にも貼ってあるので、絶えず目に入りますね。あまり暗唱しようとか意識しなくても頭の中に入っているのが大きいと思います。目標がチームを一体としているように思います。

――漕艇部に入部してから、どのような役割をなさっていますか

菱谷 1年生の仕事は、他の大学に比べて少ないと思います。ただ、決められたものだけでなく、やっといた方がいいかなと思うことはやるように心がけています。

――練習の中で心がけていることはありますか

菱谷 僕の今のクルーは、3年生と2年生の先輩と一緒ですが、水上に出たら先輩後輩関係なく、僕はこうした方がいいと思います、とか積極的に意見を言うようにしています。

――小学2年生から漕艇を続けられていて、大学生になり、練習や生活などで比べて大きく変わった点は何ですか。

菱谷 大学では、高校の時よりも考えて練習しているな、と感じています。乗艇中も、方向を変えてターンをする時に、今こうだったから次はちょっと変えよう、というような会話が高校の時よりも多いと感じます。毎回クルーで集まりミーティングをして、コーチを交えてフィードバックをいただくのですが、練習が終わった後も夜にビデオで漕ぎを確認することもしていて、みんなが積極的に考えているのだと思います。

――1年生全体の雰囲気はどのようなものですか

菱谷 2年生に負けないくらい仲がいいと思います。週末とかも学年でご飯行こうよって話すこともありますね。男女の仲も他の学年に比べていいと思います。先輩方からも「1年生は仲が良くて羨ましいな」と言っていただけることもあるくらいです。

――特に仲のいい方はいらっしゃいますか

菱谷 同じ部屋同士だと仲がいいですね。夜テレビ観たり、声かけあってご飯行ったり、一緒に行動することが多いので。寮生活のいいところだと思います。

――お二人のオフの日の過ごし方を教えてください

 僕は4年以上付き合っている彼女がいて、漕艇部に入部する前は一緒に住んでいたんですね。でも、寮生活が始まったので、オフになると映画を観たり美味しいもの食べたりしています。あとは寝不足などで寝ていますね。

菱谷 僕は彼女がいないので(笑)。結構同期のみんなと買い物とかご飯に行くことが多いですかね。

――お二人は互いにどんな印象を持っていらっしゃいますか

 菱谷くんは責任感があって大人だなっていう印象ですね。自分が菱谷くんの年齢の時はこんな感じではなかったです。部の中でもいい奴だなって思います。

菱谷 僕は、5月に長野の諏訪湖で行われた招待レースに出たのですが、レースが終わって帰る時には徐さんからLINEにメッセージが届いていて。その後詳しく話を聞いてくれましたね。徐さんも大学からコックスを初めて、僕も大学から本格的に始めたので、コックス初心者としてのコメントをいただけました。兄貴的なポジションで信頼しています。

「常に一番いい練習を狙って雰囲気を調整する」(徐)

さまざまな国を渡り歩いた徐は、現在28歳という異色選手だ

――お2人とも初のインカレとなりますが、インカレに対してどのようなイメージを持っていますか

 昨年はインカレではなくオッ盾に出たんですけど、そのときは楽しもうという気持ちの方が大きかったんですけど、インカレとなるとなぜかわからないんですけど、必ず勝たないといけないというイメージがあって、とにかく表彰台に上がろうという印象ですね。オッ盾よりも真剣で、クルー一人一人も勝利のために敏感になることがあって、ストレスのあるガチな競技だなという印象です。

菱谷 僕は高3の時に大学のレースに対して興味が大きくなってきたときに、早大の男子エイトが日大の10連覇を阻止して優勝して、女子も初の完全優勝を成し遂げて、強いワセダを高3の時に見て、早大に行きたいと思った一つのきっかけなので、今度は高校生が早大に入りたいなと思うきっかけとなるレースにしたいですね。

――クルーの雰囲気は現在いかがでしょうか

 正直に言うと、みんな上手くいってるのかと不安な部分があって、きょうの練習は上手くいったんですけど、例えば練習が上手くいった日は1日リラックスできるような雰囲気なんですけど、逆にうまくいかなかった日はどうしても気になるんですよね。練習終わっても機嫌悪くなりますし、それによって個人個人落ち込むこともあって、勝つことが目的ではあるんですけど、正直言うと各自自信はない。だからもっと頑張って練習していくべき雰囲気だなと思います。

――大会までの期間が短い分、ナーバスになってしまう部分があるんですね

 そうですね。今はだいたい30日くらいですけど、自分が乗らなかった2週間もあったわけで、一回の練習も無駄にせずに、インカレのとき最大限のパフォーマンスを発揮しなければならないという責任感を感じていると思います。

――菱谷選手はいかがでしょうか

菱谷 僕らのクルーは順調に仕上がってきているのかなと思っていて、コーチ陣からも一番仕上がり早いし、良いんじゃないかと言ってもらってて、ここから段々レースペースに近づくなかで、このいい成長曲線をそのまま描いていけるよういきたいと思っていて、来週からインカレへ向けて合宿があるので、そこで一気に仕上げていきたいと思います。

――ちょうど合宿の話が出ましたが、合宿ではどのような調整をしていきたいと思いますか

 先程も言ったんですけど、これから修正するのは個人の課題ではなくクルーの課題を潰すということで、練習の流れとしては大会に近づくほどレートが高くなる印象ですね。今はまだ低レートで丁寧にしたことを高レートでもみんなで合わせてやらないといけないという練習に変わるんですけど、今までやってきたことをそのまま出せるように、クルー全体の統一感を伸ばしていきたいと思います。

菱谷 僕らはトップスピード、短い本数でレースペースに近いレートで漕いでいくと結構いいスピードが出てるので、 しっかりいいスピードというのを段々長い距離漕げるようにしていって、2000メートルがレースなので、その2000メートルでいいスピードで漕げるように練習していけたらと思います。

――それぞれのクルーの長所はどこだと思いますか

 みんなメンタルが強いことですね。リーダーがきつい方で、わぁーって言う人なんですけど、何回言われてもそれに負けずまた展開して自分が言われたことを修正していくっていう意志を持ってるのかなと思ってます。まだ個人の課題はあるんですけど、おそらくそれを十分つぶせるようなクルーなんじゃないかなと思います。

菱谷 僕らは練習中や練習後のフィードバックで、クルー3人でそれぞれ自分の思っていることを思ってることを言うっていうのがいいことだなと思いますね。それぞれ3人同じ船に乗っても感性は違ってくるので、個々で思ってることを言って、みんなで共有することで次の練習や練習の後半に向けていい練習ができているかなと思います。

――クルーの中での自分の役割はどこにあると思いますか

 僕は毎回の練習の効率を上げるって言うことで、雰囲気づくりも重要なポジションで、例えば1回1回の練習を盛り上げないと、みんながやる気のない練習とやる気のある練習では雰囲気が違いますね。自分の役割としては常に一番いい練習を狙って雰囲気を調整するポジションではないかなと思います。

――雰囲気づくりのためにしていることなどはありますか

 主にコールなので、雰囲気を上げるコールとしてはたまに英語のコールを入れたり、とにかく気持ちよく漕げるようなリズムを入れながらコールを入れていますね。ただ喋るだけではやる気も出ないし、声の強弱とかリズム感とか、みんなが盛り上がって、このコール欲しがるなというコールを予想して、それを入れたりすることで、疲れたなかでも最後まで力を出せるような感じに練習を誘導しています。

――菱谷選手はいかがですか

菱谷 ペアって言ったら舵手なしと舵手付きの両方があって、僕が乗ることで船も重たくなるので、なしペアにない付きペアの良さを僕がコックスで乗ることで出せていけたらなと思っていて、やはり漕いでない分、漕ぎを冷静に見られるので、練習で漕ぎが悪くなったときにコールを入れてやっていくと、練習中のフィードバックで「菱谷がコールを入れてきたときからよかったよ」と漕手が話し合ってると、ちゃんといいレートでいけたんだなと嬉しく思いますし、レースのときもコックスが乗ってるからこそ勝利に導けるコールやレース観で勝ちに繋げていけたらなと思います。

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――最後にインカレへの意気込みをお願いします

 もうすぐレースがあるので、休んだ分が無駄になるのは絶対避けたいです。なので、必ず1日1日無駄にせずに発展して表彰台に上がりたいと思います。

菱谷  僕は日本一の一言に尽きるなと思っていて、やはり早大は2、3年に一回優勝してる種目なので、そこはしっかりプレッシャーと責任感を持って日本一を獲りたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 新開滉倫・赤根歩)

出会って4カ月ながら非常に仲の良さそうな姿を見せてくれました!

◆徐銘辰(せお・みょんじん)(※写真右)

1988(昭63)年12月16日生まれ。167センチ。52キロ。カナダ・St.Andrew‘s highschool出身。政治経済学部2年。ポジションは舵手付きフォアのコックス。今回の対談では落ち着いた雰囲気で語ってくれた徐選手。中学時代の頃から日本の漫画に親しみがあったそうで、スラムダンクなどを読んでいたそうです!

◆菱谷泰志(ひしたに・やすゆき)(※写真左)

1997(平9)年8月5日生まれ。173センチ。53キロ。鳥取・米子東高出身。スポーツ科学部1年。ポジションは舵手付きペアのコックス。ハキハキと丁寧に質問に応じてくださった菱谷選手。自身が早大へ憧れるきっかけとなったインカレの舞台での、力強いコールにぜひご注目ください!