4年生。最高学年にして、実力的にも精神的にも部の支柱となる存在だ。今回はその4年生で、対校エイトに乗る三人、石橋広陸(スポ4=愛知・豊田北)、佐藤修平(文4=秋田)、得居亮太(法4=東京・早大学院)に対談してもらった。4年間で磨いた実力、深めた絆、そして最後に見せたい姿――。三人の思いは、いかに。
※この取材は7月30日に行われたものです。
後輩の育成をしたい
春に引き続きエイトのバウで出場する得居
――最近はどんな練習をされていますか
得居 うっちー(内田達大主将、スポ4=山梨・吉田)が(U23世界選手権から)帰ってきたので、やっとエイトを組んで練習しているっていう感じですね。
――クルー練習は始めたばかりということでしょうか
佐藤 最近だね、片手で足りるね。4日、5日くらいですね。
――合わせる練習からというところでしょうか
石橋 そうですね、合わせるところから。
――現在の心境はどのようなものでしょうか
佐藤 えーもうつらいっす(笑)。でもイメージはしてるよねもう。倒すべき相手の。
石橋 まあそうだね。
――少しさかのぼらせていただきます。早慶レガッタでは完全優勝という成績を収めました。改めてどう感じますか
得居 やっぱり、完全優勝はできたんですけど、漕ぎの内容とか、ユニホーミティーという面では慶大にまだまだ足りていないのかなと。そういう点では反省点があったので、今回はそこをしっかりできればいいなと思います。
佐藤 そうですね、結果は結果で良かったんですけど、もうだいぶ昔の話になってしまったので、そこはあともう切り替えてというか、ゼロから積み上げている感じですね。シートも早慶戦から変わって、今は内田がストロークをしているんですけど、そこでまたゼロから積み上げとしてやっていますね。
得居も言ったけど、練習でできないことは試合でもできないので、練習から高いクォリティを目指してやっています。
石橋 早慶戦の感想だから、「勝ってうれしいです」とかそういうのかと思ってたよ(笑)。
僕はもう2年生、3年生と出て、失格、沈没で負けていて、やっとゴールできて勝てて、満足している部分は大きいなと思います。ただ、ビデオを見た限り、よくあれで慶大に勝ったなと思うくらいズレは大きかったので、そこはインカレで修正すべきだなというのは思いましたね。
――何かいい感覚はつかめましたか
佐藤 3750メートルを高いレートで通せたので、それを僕たちもできるんだという確信を得たかなと思いますね。
石橋 僕は正直インカレと早慶戦がつながっているという感じはなかったですけど、軽量級(全日本軽量級選手権)はかなりそれがあったと思います。
東(駿佑副将、政経4=東京・早大学院)と早慶戦のストロークペア(ストロークと7番)で出て、結果は最後日大に離されちゃったんですけど、前半はアグレッシブに攻めて、早慶戦でイメージしていた前から船を立ち上げて、前からサクサク船を動かしていくということはできました。日大の1艇には負けたんですけど、他の2艇は抑えることができて、その2艇が今インカレの対校エイトに乗っています。そこに勝てたということは、かなり早慶戦でいいものをつかめたということだと思います。今は僕のシートが変わってしまったんですけど、そういうところで早慶戦とは結びついていないかなと思います。
――得居さんはいかがですか
得居 まあ気持ちで(早慶レガッタは)勝った部分はあって、本番で一つにまとまれたということは収穫というか、決めるとこで決められるクルーになったということは大きかったかなと思います。
――早慶レガッタで敗戦した去年、おととしと比べてチームの雰囲気の違いを感じる部分はありますか
石橋 なんだろう、今まで普通の負け方じゃなくて、実力で負けたという感じがしなかったので、逆境として去年とかは燃えてたところはあったかな。結構今年のほうが「やりきった」という感じでホッとしているとこはあるかもしれないです。僕はそういう雰囲気を感じていますね。
佐藤 そうですね。早慶戦が一つの目標だったので、それを達成できたということは、僕はホッしてもいいかなとは思うんですけど、またシートも変わって、またゼロからのスタートという感じです、今は。
――夏に向けて意識して練習してきたことはありますか
石橋 (得居に)胸筋とか鍛えてんじゃん。
得居 まあまあ胸筋も鍛えてるけど(笑)。堀内(一輝、スポ2=山梨・富士河口湖)っていう2年生がいるんですけど、最近はそれを育てようかなと思っていて。
やっぱり今回最後ということで、悔いなく終わりたいなと自分は思っていて、後輩の育成とか、自分でできることはどんどんやっていこうと思いってるので、そこにいま力を入れています。
――石橋さん、佐藤さんはいかがですか
石橋 とにかく僕は一人でビデオをチェックして、どうなっているかなというのを見ています。あとは7番から移って、自分がリズムをつくっていた方から、リズムに合わせる方に立場が変わったので、そこに難しさがあります。そこをどうやってうまくクルーにあてはめていけばいいかなということに、悪戦苦闘中です。
佐藤 意識しているのはとにかく自分の意見を言い合うということですね。みんなしっかりと意識や自分の考えを持っている人が乗っているし、だからこそ自分の意見に固執しがちなところもあるので、しっかりそこをみんなで意見を言い合って、良いクルーをつくれればいいなと思います。自分は割と客観的に見ていけたらなと。
――改めて、ご自身で「伸ばしていきたい」と感じるところはありますか
石橋 そうですね…。僕はもう艇速を伸ばしていきたいな(笑)。僕はもう4年生で、インカレまであと30日とかしかないんで、体力がギュッと伸びるわけでもないし、技術もめちゃくちゃうまくなるということはないんですけど、今持っている力でいかにクルーの力を100パーセント発揮できるか、ということを今のシートで役割を果たしていきたいなと思っています。
得居 伸ばしていきたいところか…。さっき石橋も言ったように、体力もエルゴ(ローイングマシン)が10秒とか上がるわけではないから…。バウペア(2番とバウ)で船を立ち上げられるようになれればいいなと思っていて、早慶戦のときもバウに乗っていたんですけど、船の立ち上げというか、自分たちから船を動かすというところがあまりなかったです。でも、インカレクルーになったとき、良い時は自分たちで船を動かしていけるという感覚があるので、そこをもう少し意識してもうちょい東(今回は2番で出場)と二人でやっていって、前がリズムをつくりやすいようにやっていきたいなと思います。
佐藤 そうですね、やっぱり自分はみんなのスキルを最後伸ばしたいなと思っていて、客観的に練習を見られる立場なので、冷静に見るし、あと一つ感情を乗せて自分の思いも伝えるし。そこでバランスをとってみんなの力を伸ばしたいなと思います。それが艇速につながればいいと、つなげなければいけないと思っています。
早大漕艇部は圧倒的に真面目
どんな質問も真摯(しんし)に返す石橋
――では少し競技から離れさせていただきます…
佐藤 出たよ(笑)。俺もうきょうとっきー(得居)のことしゃべるから。
石橋 俺もとっきーのこと聞きてえなあ。
得居 いやなんもねーわ(笑)!
――最近のオフは何をされていますか
佐藤 もう聞き飽きたんじゃない?
石橋 修平(佐藤)は最近謎の行動多いからな。
佐藤 俺?俺なんかあったっけ?…ああアニメ見てるってことね。アニメっていっても変なアニメじゃなくてね。『ワンピース』にはまっちゃって、それで一日つぶれる。練習して、練習のビデオ見て、『ワンピース』のビデオ見て、練習して、練習のビデオ見て、『ワンピース』のビデオ見て、寝るみたいな。そんな感じ。
石橋 ずっともう、こんな姿勢(体育座り)でずっと見てるから。
佐藤 集中してるから。同部屋の後輩が入ってきても気づかない。ごめんな、こんなオフで。派手なオフだったら得居が一番してるから。
得居 ねーよ。ねーよ(笑)。でもおとといの午後オフは、ボルダリング行ったから。
石橋 おお(笑)。どこの?
得居 馬場(高田馬場)。それで多少筋肉痛が(笑)。
石橋 ダメじゃん(笑)!
得居 いやでも影響なかったから、大丈夫。でも日曜の夜から月曜のオフの暴れっぷりは石橋がやっぱり…
石橋 いやいやいや。きょう多分『ドラゴンクエスト』が届くので、ここから引きこもり生活になります。
佐藤 インカレ勝ってから買えよ!
石橋 いやいや、それは買うよ(笑)。格(高山格、スポ2=神奈川・横浜商)もゲーマーで、二人で話し合いながら、「これは絶対買いだよな」と。
佐藤 まあそりゃそうだよな、『ドラクエ』は(笑)。
石橋 多分もうそろそろAmazonから届くから。
佐藤 あ、そう、こいつほんとAmazonの消費量がすごくて。Amazonは石橋のためにあるわけじゃないって言いたくなる。
石橋 いやでも下級生も結構使ってるって(笑)。
佐藤 まあ俺らはそんなにポンポン買いにいけないから、みんな頼んじゃう。ごめんなこんな話で(笑)。
――最近の趣味はありますか
佐藤 とっきーは家庭菜園?ついに暇を持て余して野菜作り始めた(笑)。
得居 屋上で。今はナスとおくら作ってます。
石橋 結構すごいよ、ピーマンとかもしっかりできてたしね。
得居 俺と良知(石田良知副将、スポ4=滋賀・彦根東)とりったー(有田雄太郎、法4=東京・早大学院)でやったけど、俺しか水あげてない(笑)。
石橋 修平は趣味『ワンピース』でいいんじゃないの?
佐藤 趣味は『ワンピース』かな?あ、最近は、自分たちは全日本(全日本選手権)が終わったらこの部を退寮するわけで、実家に帰ったり一人暮らしするんですよ。最近は一人暮らしの物件を見るのハマってます。
石橋 えっ、もう見てるの?どこ住むの?
佐藤 いろいろ考えてる、それは。ちょっと派手に住もうかなとか、学生らしく暮らそうかなとか。物件サーフィンしてますね。
――知り合って4年目の、お互いの印象を教えてください。石橋さんと佐藤さんは春の早慶レガッタ直前特集で伺ったので、得居さんを中心にお願いします。
得居 修平は、最近いろいろ視野が広がったかなと。俺から見てね。
佐藤 おおおお(笑)。
得居 修平の言うことは納得するなと。なるほどなと思います。
佐藤 あんなに反応薄いのに(笑)?ありがたい。
得居 そうそうそう。石橋はボートに関して言うと、ずっと一線級の選手でやってきて、漕ぎの部分にも見習うところが多いです。そこをどんどん吸収できればいいと思います。
――佐藤さんと石橋さんは得居さんについていかがですか
佐藤 言いたい放題言っていいの?
得居 ダメだよ、やめてくれよ(笑)。
佐藤 とっきーはね…おとなしく見えるけど実際すごい暴れん坊なの。
得居 暴れん坊じゃねえよ(笑)。
佐藤 トリガーが外れると、感情が爆発するタイプで、一番扱いが大変なタイプかなと思います(笑)。そうだよね?
一同 (笑)。
石橋 意外に自分の芯とか軸を持っているんだなと思いますね。1年生の頃はみんなに合わせていくようなタイプなのかなと思ってたんですけど、接する時間とか学年で話し合う時間とかが増えていくにつれて、「とっきーって自分の考えとかをしっかり持ってて、みんなに客観的に伝えられてすげーな」という感じ。過ごせば過ごすほど味があるというか(笑)。
佐藤 そうだね(笑)。
石橋 最初1カ月だけとかだったら多分分からないとっきーの魅力が。4年間過ごすことによってどんどんとね。
佐藤 分かんないね。ペラい人なのかなと思ってたら、4年間過ごすと渋さが出てきて、でなんかトリガー外れて感情爆発するシーンとか見てるから。
石橋 暴れん坊のキャラが(笑)。
得居 暴れん坊じゃねーわ(笑)!
――逆に皆さんに直してほしいところなどはありますか
佐藤 もう直せないよな(笑)。
石橋 まあそれがその人の良さみたいなところもあるからね。
得居 それはある。それも含めて石橋とかそれも含めて修平とかね。
佐藤 自分らの同期っていい距離感でいるんですよ。だからそんなに「直さないとな」みたいにならない。
石橋 それがそいつだ、みたいに受け入れてるから、自然とそういうところが出ても、まあまあいつも通りみたいなところがある。だからそんなに直してほしいところはないかな。
佐藤 そんな感じかな…。あ、でも石橋のイビキは直してほしいですね。合宿で一緒に寝るのが怖い。大部屋で寝るのが怖い。
石橋 え、川内レガッタの時はどうだった?
佐藤 いややばかったよ。あ、そう!いびきだけじゃなくて、石橋って寝てる間になんか吸うの。いびきはかくんだけど、その後に「ヒュヒュヒュ」ってなんか吸ってる(笑)。
一同 (笑)。
――では、チームメイトの皆さんについて伺います。まず、主将副将の皆さんについてはどう感じますか
佐藤 (得居に)東とかどうなの?なんか変わった?高校から一緒にいるけど。
得居 うーん、ずっと一緒にいるから逆に分からない。大変だろうなあと思ったら、それもしっかりやりつつ、このクルー(エイト)も引っ張ってやってくれているのが、俺らも余計な心配とかもないし、この1年よく部を引っ張ってくれているなという感じです。
石橋 とっきーと一緒です(笑)。俺は今までの対談が良知とかうっちーとかとだったからそこで結構言っちゃった。
――主将副将になった時から変わったなと思うことはありますか
佐藤 余裕がちょっと出てきたかなって感じがする。ちょっとだけね。昔は東とか「あー忙しい!」って感じで歩いてたけど、それがなくなって大人の余裕が出たのかなと。
石橋 余裕は確かに感じるな、前ちょっとピリピリしてたもんね。
佐藤 うっちーも割と繊細な人だから、ピリつきやすかったけど、最近はみんな余裕が。まあ引退前だからっていうのもあるかもしれないんですけど。
――では、ご自身の4年生の代については、どんな代だと感じますか
石橋 確固たる思いを、それぞれが秘めているというか、ちゃんと自分のやりたいことがあって、自分の思いがあって、それを持ってる19人がそろっている代じゃないかと思います。それぞれ立場が違うし役割も違うけど、「漕艇部でこれをやり遂げたい」という思いはそれぞれ持っているんじゃないかと思いますね。それが例年よりも強いような感じはします。
佐藤 そういう決意ももちろん強いんだけど、とにかく個性も強いので、まとまりにくいですね。だけど、歯車が合えばとにかく強いんじゃないかと思います。実際早慶戦の時はそれが出たので。またもう一回擦り合わせて、多分ぶつからないと歯車ってかみ合わないと思うので。またとっきーとかトリガー外れちゃうから。
得居 やめろやめろ(笑)。
佐藤 だからそういう歯車を、しっかり合わせていきたい。もちろん妥協なくね。そしたら強い代だと思います。
得居 そうだね、この代始まった時にうっちーが「歴代最強の代にしよう」という指針みたいなものを立てたんだけど、早慶戦を経て、いろんなことをやるにつれて、それができつつあるというか…。もちろんインカレとか全日本が終わらないとそれは分からないですけど、良い方向にまとまりつつあるかなとは思うので。早慶戦も完全優勝できたし。だからこのまま突っ走っていければいいかなと思います。
――では下級生について感じることはありますか
石橋 それは修平さんじゃないですか、客観視(笑)。
佐藤 下級生について思うこと…。最近2年生と3年生の学年が分かんなくなっちゃって。他の体育会のやつにもそうなるよなって言われて。
石橋 あー、それはあるな。1年生は違うんだよね。
佐藤 1年生は違うんだけど、2、3年生でどっちが上だっけ、下だっけって。
石橋 なんか一緒に乗ってるやつと、その同期が同期に見えないっていう。…あとはもっとなんか、正直自分から積極的に来てほしいなとはずっと思っていますね。いろんな面で。
佐藤 ボートも遊びも、でしょ?
石橋 もっと自分を出していいかなって。
佐藤 「石橋さん合コン連れて行ってください」とか。
石橋 いや俺は合コンはやらない主義だから(笑)。
佐藤 おお、かっこいい(笑)。これは書いた方がいいな絶対!
石橋 (笑)。なんだろ、練習にしても、1ヵ月くらい前に下級生と乗ってたんだけど、もちろん先輩からいくことも必要だと思うんだけど、やっぱり「うまくなりたい」「勝ちたい」っていう気持ちは後輩から自然とくるはずなんだけど、それが下の代にいくほど薄いのかなという感じが…。
そこをもっと、4年生、3年生と経験ある先輩が多いから、そこを積極的に利用してほしいなというのが客観的に思うことです。
得居 石橋とだいたい同じなんだけど、俺らと一緒で、持ってる思いは強くてこの部にいると思うから、それをどんどん出してほしいというか、もっとガンガン出して、それで俺たちとぶつかったとすれば、それはそれで良い方向に行くと思うので。その思いを僕たちも引き出す必要があると思うんですけど、後輩もどんどんその思いを出してほしいなというのは個人的にありますね。
――では、漕艇部全体を見て、「ここが良い」と思うことは
佐藤 距離が近いんじゃない?すごく。
石橋 俺は他大のボート部とかより圧倒的に真面目だと思うよ。
佐藤 組織体制が真面目だね。しっかりしてる。
石橋 一番しっかりやれてると思うから。留年になりそうな人もほぼいないし、そこをしっかりできるのって、難しい。問題を起こす部だってあるわけだけど、それはうちらないよね。あったらやばいけど(笑)。
言わなくてもできるっていうのがうちらの強みじゃないかなと。門限と消灯、二つのルールしかないけど、その二つも誰かが叱らないとできないではなくて、それってなかなかできないことだと思うんだよね。
佐藤 それはあるな。いじめもないしね。そういう陰湿な問題もない。
得居 そういうのはないね。いじめはほんとにないよね。
佐藤 あってもおかしくないのにね。4年間居ていじめが1回もない。
石橋 監督が「こうしなさい」とか、主将から「こうしろよ」とか、そういう注意がなくてもできるのってすごい集団だよなと思いますね。
佐藤 まあみんな入ってくるときはとんがってるんだけどね(笑)。
――伝統的に守られているということでしょうか
石橋 先輩からちゃんとそういうのがあるんだろうね。
佐藤 それが強い。
正解を急ぎすぎず、一つ一つやりたい
不動のエースコックスとなった佐藤
――ではボートの話に戻らせていただきます。まず、先ほどのお話にもあったように、エイトではシート変更がありました。皆さんはそれについてどのようにとらえていますか
石橋 まだ回数が少ないからね。
得居 今のシートも決まったわけではないので、何ともいえない感じはある。
石橋 正直まだ今のシートでそれぞれが役割を果たせてはいないなと思いますね。
佐藤 まだ完全に機能はしてないですね。
石橋 今そのシートに乗っているだけなので、そこが発揮されると強いんじゃないかなと思います。そこは再来週から合宿が始まるので、一人ひとりがその役割を果たせるようになればいいんじゃないかと思います。
佐藤 正解を急ぎすぎず、一つ一つやりたいね。いろいろ試せるならやりたいし。柔軟にやりたいなと思いますね。
――役割の変化、心境の変化はどのようなものがありますか
石橋 僕は合わせることがメインになります。後は監督から直接言われた役割として、後輩たちをいかにバックアップするか、いかに楽に漕がせてあげるかということですね。
――得居さんはいかがですか
得居 あずしゅん(東)がストロークから2番になるので、そういう部分では盛り上げてくれるから助かっているとは思いますね。そのくらいかな。
――どのようなクルーになるかという目標はありますか
佐藤 まだ着地点は分からない。だからこそ正解は急ぎたくないです。もちろん速いクルーにはしたいししなきゃいけんだけど、まだ分からないよね、何とも言えない。
――意識する相手はいますか
得居 「ここが断然強い、優勝候補」みたいなのはいないよね。日大も速いですけど、慶大も速いし、明大も速いし、仙台大も速いと、群雄割拠してる状態なので。意識するところどこかというより…。どこも速いので頑張んなきゃいけないなという感じ(笑)。
石橋 まず自分たちのスピードを出しますね。よくOBとかに言われるんですけど、「5分40秒を出せるクルーになれ」と。まず自分たちでそれくらい出せるんだというクルーをつくらないとと思いますね。去年そこができなかったところがあって、日大とかばっかりを見てて、結局自分たちの足下を見たとき、A決勝すら行けなかったという反省があります。まず自分たちの地場を固めて、これくらいで戦えるんだというものをつくり上げる必要があるなと思います。
――最後に、インカレに向けての意気込みをお願いします
佐藤 得居が締めだから、石橋からだね。
石橋 そうなるね(笑)。僕は悔いが残らないように。これは多分早慶戦でも言ったんですけど、最後なので、もちろん勝ちたいという気持ちはあるんですけど、勝ち負けよりかは、後悔しなければと思いますね。勝った負けたは最後についてくるものなので。勝ったとしても、自分の役割を果たせなくてただ乗っていただけなら悔しいと思うので。逆にやることをやって出し切って負けたのなら悔いは残らないと思うので、そこはしっかりやっていきたいと思います。
佐藤 まあ石橋は悔いが残らないようにと言ったんですけど、自分はしっかり結果を出したいなと思います。下馬評的には僕ら一歩出遅れてるかもしれないんですけど、やってみたら強かったと、そこでしっかり結果を出したいなと思っています。
得居 集大成を見せられればいいと思います。一応全日本もあるんですけど、今はインカレに向けて。大学4年間ないし、高校も含めて7年間自分がやってきた集大成を見せられればいいと思います。もちろん優勝も狙ってるし、それに向けて自分がやるべきこともまだまだあると思うので、そこを一つずつこなしていって、結果として良い結果が出ればいいかなと思います。
――ありがとうございました!
(取材・編集 喜田村廉人)
「自由な写真を」とお願いしたところ、奔放なポーズをとってくれました!
◆佐藤修平(さとう・しゅうへい)(※写真中央)
1995年(平7)8月24日生まれ。173センチ、55キロ。秋田高出身。文学部4年。ポジションは対校エイトのコックス。自然体で、今回の対談でも会話を回してくださった佐藤選手。毎回インドアなマイブームを教えてくれます。今回は『ワンピース』と『物件サーフィン』という一クセありそうな組み合わせを披露してくれました!
◆石橋広陸(いしばし・ひろむ)(※写真右)
1995年(平7)4月25日生まれ。180センチ、72キロ。愛知・豊田北高出身。スポーツ科学部4年。ポジションは対校エイトの5番。下級生のころからチームの最前線で活躍してきた石橋選手。それゆえか、部への思いは非常に強いようで良いところも悪いところもしっかり語ってくれました。「合コンはしない主義」と併せて、真面目な姿勢が伝わってきますね!
◆得居亮太(とくい・りょうた)(※写真左)
1995年(平7)10月12日生まれ。175センチ、70キロ。東京・早大学院高出身。法学部4年。ポジションは対校エイトのバウ。最終学年で対校エイトのシートをつかんだ得居選手。対談ではいつも落ち着いた受け答えをしてくれますが、佐藤選手いわく、「感情のトリガーが外れる」瞬間があるそう。ぜひその姿も見てみたいものですね!