【連載】インカレ直前特集 『Row out!』 第11回 B:佐藤紫生乃女子主将×B:土井鈴奈×C:亀本咲季子

漕艇

 熱戦必至の全日本学生選手権(インカレ)がいよいよ幕を開ける。早大女子部は大学ボート界に君臨する女王として、大会8連覇を目指す。ことしのチームを担う最上級生からは、漕手の佐藤紫生乃女子主将(スポ4=宮城・塩釜)と土井鈴奈(教4=埼玉・浦和一女)、コックスの亀本咲季子(人4=埼玉・浦和一女)の三人が出場予定。大舞台で勝ち続けてきた三人が見る今シーズンのチーム状況、そして勝つためのノウハウとは――。最後のインカレを前に、その胸中に迫った。

※この取材は8月28日に行われたものです。

「まだまだ完成には遠い」

丁寧に質問に答える土井。後輩と優勝を目指す

――最高学年としてのシーズンも残り少なくなってきました。時間が経つのは早いと思いますか

亀本 普通ですかね。時間通りという感じです。

土井 ことしは大会の時期がずれて、私の一個上の先輩方が引退してから自分たちの代が1年以上あるという状態だったので、去年先輩方が引退したときはまだ長いなと思ったのですけど、そこから考えるとここまで来るのは早かったなと感じます。

――ここまでのシーズンを振り返って

佐藤紫 まだまだという感じですかね。チームとしての実績や実力はまだまだ完成には遠いかなという感じはあります。

――どういった点がまだまだと感じていらっしゃるのでしょうか

佐藤紫 女子だけに特化しても全体であってもそうなのですが、直感的にまだまだチームが一つになりきれていないという感じがあります。そういう心のばらつきが生活にも表れるのだろうし、練習とかにも出てきてしまっているのも少なからずあると思うので、そういった部分でまだまだ日本一を目指す部として究めていかなければならないと思います。

――お三方とも出場した4月の早慶レガッタでは勝利を収め、いい出だしとなったのではないでしょうか

佐藤紫 早慶戦で勝つのは当たり前と言うか、勝たなければいけないレースだったので。悪くはない出だしだとは思うのですけど、そこで自分たちのチームを把握して、もっともっと危機感を持って再出発できるようなレースにできたと思います。

――ことしからエイトになったことでより多くの選手が勝利の味を知れましたね

土井 早慶戦を経験できる人数が増えたということは大きかったのではないかと思います。私もことしのエイトの早慶戦が自分にとって最初で最後の早慶戦になったのですけど、やはり陸で声援を送っていると分からないことを今回出て感じることができたので、今回一緒に出てくれた後輩たちも来年につなげてくれるのではないかと思います。

――5月の全日本軽量級選手権(軽量級)では悔しい結果に終わりましたが、あのレースでつかめたものは

佐藤紫 軽量級に出たのはこの中では私だけなのですけど、監督(内田大介監督、昭54教卒=長野・岡谷南)も結構おっしゃっているように、早慶戦後の練習からクルーを組んで急激にレースペースを重視して高いレートで漕ぎ込むことに特化してしまったので、少しローイングが短くなってしまって。レートだけ挙げているのになかなか船が進まないという悪循環に陥ってしまいました。その反省を生かして、急に上げていくのではなくてしっかり低いレートで長く強く漕ぐことをクルーで意識しながら、徐々にレートを上げていくという反省を踏まえた練習ができていると思うので、結果は良くなかったのですが今につなげて生かせていると思います。

――6月の東日本選手権では満足のいくレースができたのではないでしょうか

土井 個人的な話になるのですけど、自分の教育実習とかぶっていた関係もあって、ダブルスカルで出場しました。1年生の組んでくれた子とあまり練習時間がない状態のレースになったので、少し彼女を不安にさせてしまって私も少し不安な部分があったのですけど、その中でも二人で練習を重ねて、これだったら勝てると思いながらレースに臨むことができたので、その点では良かったと思います。木下弥桜(スポ1=和歌山北)と組んだのですけど、すごくパワフルな子で自分も一緒に漕いでいて刺激を受ける部分が多くて。インカレ選考や今につながっているので、自分としては収穫の多いレースだったと思います。

――ここまでの大会を通して感じた技術面での課題は先ほど挙げていただいた反省点に集約されていると

佐藤紫 そうですね。

亀本 まだまだ底上げが必要だと思いました。やはり去年とは違って明らかなトップ選手がいないので。一人一人がレベルアップしていかないと、チームとして成績を残すためには一人に頼れない状況なので、全員で勝ちに行く姿勢がもっと必要だと思いました。

――精神面での課題はありますか

佐藤紫 無くはないかな。

亀本 まあノーコメントで。

一同 (笑)。

――新戦力の台頭、もしくは成長を実感する選手は

佐藤紫 南菜月(教1=新潟南)は入部当初からどんどん実力を付けてきてくれて、インカレにも出ますし、そういった面では新しい力が入ってきてくれたなと感じます。(1年生の)他の二人では、木下弥桜はすごく実力がある選手なのでワセダに入ってもっと活躍してほしいなと思いますし、大野絢乃(スポ1=愛媛・松山東)はリハビリしているのですけど、まだあと3年もあるのでしっかり完治させてから、ボートをもう一回気持ちを落とさずに一日一日を大切にして頑張ってくれればいいかなと思います。

土井 私も南菜月の成長は本当に感じていますが、後は今一緒にクルーを組んでいる田口(えり花、商3=埼玉・浦和一女)は高校のときも自分の後輩で漕いでいて。そこから考えると、私はいま選考に出ても彼女より順位が下になってしまうぐらい彼女は力をつけてくれたなと思います。

亀本 私も南ちゃん(菜月)ですかね。

――技術面での課題は夏の間で改善が見られていますか

佐藤紫 どの人とどう組んでも、すぐそんなにばらつくことなく漕げるようになってきたという点は、チーム全体としての成長かなと思います。

4年生から見た女子部

数多くのレースでクルーを勝利に導いてきた亀本

――練習漬けの中、休みはありましたか

佐藤紫 私は来月に試験があるんですよ。なのでその勉強をオフの日にやっています。ここ最近は台風が来ていて、みんなもあまりどこにも出掛けていないんじゃないかなと思います。

土井 私は少し特殊なので、今も平日は練習時間を変えさせてもらって、毎日大学の研究室に行って研究室漬けのオフを過ごしているんですけど、私個人的にはあまり休みという感じではないです。

亀本 私は結構遊びまくっています。台風の中でも遊びに行きます。むしろ空いているからいいかなと。

――最近のマイブームは

土井 最近AAAにはまっています。ちょっとテンションが下がる時は行く電車の中でAAAを聴いて、気分を上げて向かっています。

――皆さんも気分を上げるためにやっていることはありますか

亀本 私はストレスをその日のうちに消化するということが目標なので、毎日1時間ぐらい走ったり歩いたりしています。

佐藤紫 そうなんだ!

土井 すごい(笑)。

亀本 好きな曲を聴きながらそういうことをすると、体重も減るし食べても罪悪感がないので、そうやってストレスをコントロールしています。

――チームメートの皆さんも知らなかったのですか

土井 そうですね。毎日走ったりしているとは…。

――佐藤選手は何かマイブームなどはございますか

佐藤紫 マイブームは特にないんですけど、強いて言うならレベルアップモーションという、自分に足りないものを自由に練習するという練習メニューがあって。その時に男子と一緒にロードバイクに乗って、スカイツリーより向こうの新砂まで自転車で時速30キロオーバーで行ってきました。かなりきつかったんですけど、ボート以外のスポーツに久しぶりに触れて、すごくいい気分転換になりました。

――河川敷を走っていったのですか

佐藤紫 荒川のサイクリングロードがずっと平らになっていて、そこを一列になって行ってきました。もうボート部か何か分からないですけど(笑)。

――時間はどれくらいかかったのですか

佐藤紫 片道で1時間半から2時間かかりました。往復で、4時半くらいに出て7時半くらいに帰ってきたので。

亀本 それ往復しておしまい? 何かするの?

佐藤紫 夕日を見ながら、葛西臨海公園に着いて観覧車が見えたり、荒川が広がる所で海の方を見たり。行き止まりのところまで来たらコンビニでおいしいものを食べたりして、また時速30キロ以上で帰ってくるという感じで。

亀本 誰が先頭なの?

佐藤紫 みんな代わりばんこで疲れたら交代するみたいな。男子が引っ張ってくれて私は風よけで漕いできました。

――昨年は女子部会をしていたと伺いましたが、女子部全体でやっていることはありますか

佐藤紫 ことしはやってないですね。

亀本 手料理は食中毒の危険があるのでやめたほうがいいと思います。やらなくていいと思います。

一同 (笑)。

土井 クルー飯というのはきっと各クルーでやっているんじゃないかと思います。私はちょっとまだ忙しくてできていなんですけど、これから合宿終わりにでもご飯に連れていこうかなと思います。

――ここで各学年の女子部の雰囲気について伺います。まずは4年生の皆さんの代からお願いします

亀本 自由奔放。

土井 確かに。それぞれ色がある感じだと思います。

――3年生はいかがですか

亀本 天上天下唯我独尊って言うんだっけ、ああいう人たちを。

佐藤紫 ちょっと意味調べてみよう。

亀本 『スラムダンク』の流川が言われていたやつだよね。悪い意味だったらどうしよう。あとは傍若無人とか。

佐藤紫 それ悪い意味じゃん(笑)。

土井 一人一人パワーがある子たちがそろっているという感じです。

佐藤紫 (天上天下唯我独尊は)やばい意味だった(笑)。

亀本 でもしょうがないよね、そんな感じだから。

――2年生は

亀本 仲良しクラブです。

土井 2年生は女子だけじゃなくて男子も含めて学年全体で仲がいいという感じです。1年生で入ってきた時から今もずっとそうなので、とてもいいなと思います。

――最後に1年生です。まだ入部してから日が浅いのですが、交流はありますか

佐藤紫 私はあまりないですね。一人が気楽なタイプなので私生活ではあまり部の人と一緒にいるわけではないですし、クルーでもまだ1年生と組んだことがないので、お互いに分からないことが多いです。女子3人だけを見れば、仲はいいけどお互いに言いたいことは言っているなというイメージです。

土井 ちょっと不思議な感じの子がそろっているという感じです。年も離れているので、そこでまた違う部分があるかもしれないのですけど、見ていて面白いなと笑わせてくれることが多いです。

――皆さんは4年生ですが、卒業論文の方はいかがですか

亀本 本当にやばいです。やらなければいけないけどほったらかしにするという感じです。

土井 追われております(笑)。

佐藤紫 私はゼミの先生からもそうですし、ゼミの修士課程の先輩とかからもアドバイスをいただく機会があるんですけど、「まず試験やってからでいいよ」と言われているので、まだ目次と序章しか書いてないです。試験が終わったらボートと一緒に急ピッチでやるつもりです。

ワセ女らしく勝つ

勝利だけを見据える佐藤紫女子主将

――ことしも女子部はチャンピオンとしてインカレに臨みますが、8連覇がかかっているという意識は

佐藤紫 もちろん意識しています。

――それが重圧になっていることはありますか

亀本 私が好きな芸能人が「プレッシャーはキャパオーバー」という言葉を言っているのですが、それをプレッシャーととらえるのではなくて、やはりすべきこととしてやるしかないと思います。8連覇も、いままで7連覇してきたこの大学の人でしか味わえないことなので、レアだなと思います。それをできる度量があるからこそ今この舞台に立てていると思うので、やるしかないという感じです。

佐藤紫 私は立場的な問題かもしれないのですけど、結構(プレッシャーを)感じますし、8連覇というよりかは女子だけではなく男子も含めてこの代で勝つということにすごく意味を感じます。プラスに考えるというのは私にとって難しいと感じるのですが、この代で勝つということに重きを置くことで頑張れるのかなと思います。

土井 私はプレッシャーを感じないといったら嘘になります。自分も最後ですし、去年は立てなかった舞台に今回立つことができるということと、おそらく自分のクルーが決勝で最初にスタートするので、いいかたちで次につなげるためにも、しっかり自分のやるべきことを今からやっていきたいと思います。

――他校も打倒ワセダに燃えていると思いますが、意識はされていますか

佐藤紫 他大と比べてどうというよりかは、自分たちのチームで完成させないと他大と戦う資格もないと思うので、まずはワセダでいいスピードが出せるように持っていくのが一番の目標であり目的だと思います。まずはそんなに他大を意識し過ぎずに、自分たちのクルーでできることを一日一日やっていくという感じです。

――佐藤選手、亀本選手の舵手付きクォドルプルのクルーでの役割は

亀本 去年も紫生乃(佐藤)と一緒に乗っていました。紫生乃が今回は最上級生として引っ張ってくれるので、紫生乃の方針にしっかりついていきながらも、コックスとしてクルーのタイムを客観視しながら、自分自身ができることを淡々とこなしていくという感じです。

佐藤紫 亀ちゃん(亀本)にそう言ってもらえてありがたいです。私は去年もバウだったのですけど、バウでしかできないことがあると思っていて。みんなの動きが見えますし、皆に届く声を出すのがバウなので、そういった面でみんなの良さを引き出してあげられるようなまとめ方をしつつ、自分もいいスピードの一部分になれればいいと思っています。また、亀ちゃんと一番近い距離で最上級生として乗ることができているので、そこでしっかり感じていることや考えていることを共有しながら練習できています。いいポジションだと思うし、私にしかできない役割もあると思うので、その役割を果たしていきたいと思います。

――舵手付きクォドルプルの他のメンバーに期待するところはございますか

佐藤紫 米ちゃん(米川志保、スポ2=愛知・旭丘)は、私と同じですが部の中で米ちゃんにしかできない漕ぎを持っていると思うので、それは十分に出してもらって。一番下の学年になって気を使うことも多いかなと思うのですけど、あまり気にせずにもっとダイナミックに楽しく漕いでほしいし、それを引き出してあげられるようにしたいです。

亀本 璃奈(石上、スポ3=長野・下諏訪向陽)は練習中結構盛り上げてくれるし、彼女がすごく頑張っているのが伝わってくるので、それでクルーがいい雰囲気になっているのかなと思います。あと不器用なところがかわいいです。

佐藤紫 私も石上とは全日本級のレースでは久しぶりに一緒に乗ったので、前までは結構遠慮しているなというのが印象としてありました。ですが最近はフィードバックのときも漕いでいるときもそうですし、結構自分から発信してくれるので、クルーにとって大事な存在だと思います。

亀本 美奈ちゃん(木下、スポ3=山梨・富士河口湖)は結構何でも言ってくれるところがいい。

佐藤紫 あと漕ぎがぶれずに波がないところですかね。イーブンにパワーを出し続けてくれるので、助かっています。

――舵手付きクォドルプルのレースプランと目標は

佐藤紫 レースプランはいろいろありまして、まだ漕ぎ込む時間が取れていないので立てていません。優勝しないといけないなと思っています。

――土井選手の舵手なしペアのクルーでの役割は

土井 クルーリーダーとしてクルーを引っ張っていくことはもちろん、自分はバウに乗っているので、ストロークに乗ってくれている田口(えり花)の方にしっかり合わせていきたいです。やはりストロークが思い切り気持ちよく漕げる時がその船が一番進む時なので、二人でいいリズムを出していけるように、バウとしてのポジションもしっかり果たしていきたいと思います。

――土井選手はこの種目に2年ぶりの出場になりますが

土井 このクルーになったときには気付かなかったのですけど、よくよく考えると自分はインカレと全日本(全日本選手権)ではスイープ種目にしか出場していなくて。1年生と2年生のときにはどちらもペアに出漕したのですけど、すべて3位に終わりました。その時組んだ先輩から学んだものはとても大きくて、やはり自分の中で糧になっているのですが、その先輩方とできなかった優勝というものをことしはしたいなと思っています。

――上級生として、ペアを組む田口選手にはどう声掛けしたいですか

土井 彼女は去年同じ舵手なしペアで優勝していて。先ほども言ったのですけど田口はとても成長してくれましたし、技術もすごくある子なので、本当に信頼して一緒に頑張っていきたいと思っています。うまくいかなくなったときに後ろから声を掛けて気分を盛り上げていくということも、上級生として、そしてバウとしての私の役割なので、やっていきたいと思います。

――舵手なしペアのレースプランと目標は

土井 私たちも詳しいレースプランはまだ立てていないのですが、合宿を通して考えていきたいと思います。このクルーを組んだ時に、目標はただ他のクルーに勝つだけではなくて、圧倒的優勝をしてコースレコードを出そうということを二人で話し合って決めました。もちろんレースなので他艇は意識するのですが、他艇に勝つというところを見るのではなくて、もっともっといいタイムを出すことを目標にして今練習に励んでいます。

――これからの合宿では女子部全体でどう調整していきたいですか

佐藤紫 各クルーの状況はバラバラで、調整の仕方も変わってくるとは思うのですけど、そのクルーにとって一番良い方法で調整できればいいと思います。私は方法がこうだというのは言えないと思うのですけど、目指している場所は一緒なので、どんな道でも最後はみんなで勝てるようにしたいです。監督とも相談しなければいけない部分も多いとは思うのですが、しっかりチームの方針に従って、一番を目指して頑張ります。

――佐藤選手は過去のインタビューの随所で「ワセ女らしさ」という言葉を強調していましたが、皆さんにとって「ワセ女らしさ」とは何ですか

佐藤紫 勝利に貪欲になるところですかね。亀ちゃんも言っていましたが、ワセ女にしか経験できないことは勝ちに対して多いと思うので、それをもらえている身として、もっとそこに貪欲になってガツガツいってもいいんじゃないかなと思います。

亀本 連覇している人にふさわしいメンタルと威厳ということだと思います。

土井 やはり一番勝ちが似合うのはワセ女だと思います。インカレと全日本(選手権)で、表彰台で全員一緒に喜ぶのがワセ女だと思うので、ことしも勝ってワセ女らしさを見せられるようにしていきたいと思います。

――最後にインカレに向けて意気込みをお願いします

亀本 私はワセダでのコックスとしてのラストレースになるので、日本一を勝ち取っておしまいにしたいと思います。

土井 私は去年悔しい思いをして、その思いを持ってことしはクルーに乗ることができました。自分の目標はクルーに乗るだけではなくてしっかり優勝するということがその先にあるので、今回の大会で田口と一緒に優勝したいと思っています。紫生乃もさっき言っていたのですけど、この代で勝つということを絶対に果たしたいと思っているので、しっかり自分で勝ちたいです。今回、もう一人の同期の波多野(響子、教4=福岡・東筑)は出漕できないのですが、しっかりメダルを取って波多野の首にかけられるように頑張りたいと思います。

佐藤紫 自分のクルーのクォドだけじゃなくて、他のクルーと男子も含めて勝たないとやはりうれしくないし意味ないとも思うので、勝ちます。全部勝ちます!

――ありがとうございました!

(取材・編集 高橋豪)

最後のインカレ、お三方の笑顔が必ず見られることでしょう!

◆佐藤紫生乃(さとう・しおの)

1995(平7)年1月7日生まれ。宮城・塩釜高出身。スポーツ科学部4年。ポジションは女子舵手付きクォドルプルのバウ。取材中、終始おっとりとした口調で話してくださった佐藤女子主将。後輩思いの優しい言葉もあれば、勝利に対するストイックな姿勢もうかがえました。最後の「勝ちます。全部勝ちます」というとても心強い意気込みが物語るように、8連覇に向けて誰よりも気合十分です!

◆亀本咲季子(かめもと・さきこ)

1994(平6)年4月11日生まれ。埼玉・浦和一女高出身。人間科学部4年。ポジションは女子舵手付きクォドルプルのコックス。亀本選手が各学年の印象をさらっと一言で鋭く表現した場面は、この取材のハイライトといっても過言ではありませんでした。率直な発言に似た素早く正確なかじ取りで、クルーを勝利に導きます!

◆土井鈴奈(どい・すずな)

1994(平6)年9月3日生まれ。埼玉・浦和一女高出身。教育学部理学科生物学専修4年。ポジションは女子舵手なしペアのバウ。戸田と研究室を行き来する多忙な生活を送る土井選手。文武両道を最後まで貫く姿勢は、きっと後輩たちの良いお手本になっていることでしょう。高校の後輩の田口選手との息の合ったコンビネーションで、有終の美を飾ります!