木下弥が4位入賞、成長の糧となった開幕戦

漕艇

 ルーキー達の初舞台となるお花見レガッタが2日目を迎えた。早大からは前日に引き続き、7艇がレースに出場。女子シングルスカルで木下弥桜(スポ1=和歌山北)が4位に食い込むなど、一定の成果を挙げたレースとなった。

 男子部からは、新入生によるダブルスカル3艇と、エイトが順位決定戦に出漕した。ダブルスカルで最初に出場となった早大Aは、終始力強い漕ぎでレースに挑んだものの、蛇行が目立ち4位でフィニッシュ。続く早大Cは、前半から他艇と横一線のデッドヒートを繰り広げる。最後までもつれ3位でのゴールとなったが、終盤の粘りが光る好レースとなった。一方、前日準決勝に出場した早大Bは、苦しいレースとなる。スパートでレートが上がり切らず、思うように他艇を追い上げることができない。5位でフィニッシュとなるも、ダブルスカルの3艇で一番のタイムを残し、今大会を終えた。男子部の最後に登場したエイトは、終始振るわないレースとなってしまう。ストロークに座った冨田剣志(スポ3=愛媛・今治西)が、「自分たちから崩してしまった部分がかなり多かった」と分析したように、焦りから最後まで漕ぎのリズムをそろえることができず、6位でのゴールとなった。

力漕するも及ばず悔しい結果となった男子エイト

 女子部では、シングルスカルが順位決定戦に2艇、決勝に1艇それぞれ進出した。朝一番から登場となった大野絢乃(スポ1=愛媛・松山東)は序盤から厳しいレースを強いられ、他艇に先行を許した。ラストはレートが上がらない中も、必死に漕ぎ進め5位でゴール。続く南菜月(教1=新潟南)は、序盤から2艇に先行されるも、ラスト250メートルを勢いよく漕ぎ進め、3艇で並んだ3位争いに打ち勝った。全艇で唯一決勝に進出した木下弥は、得意とする逆風の中で、大きく強い漕ぎを崩さずフィニッシュ。表彰台には一歩及ばず4位に終わったものの、大学初の試合で上々の結果を残した。

昨日惜しくも決勝進出を逃した南

 今回のお花見レガッタでは、今後早大に大きな力を与える新入生が多く初舞台を踏んだ。各人各様の結果となり、課題はそれぞれ異なるがトップレベルの選手も出場するレースで、新たな経験を得ることとなった。またエイトは、クルーの目標となる中日本レガッタに向けて、さらにスキルを磨くこととなる。派手な記録こそ出なかった今大会だが、出場した選手達にもたらされたものは確かに今後につながるはずだ。

(記事 喜田村廉人、写真 加藤佑紀乃、久野映)

※記事中の学年は、新年度のものです

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結果

▽男子部(順位決定戦)

【ダブルスカル】

早大A

S:髙山格(スポ1=神奈川・横浜商)

B:堀内一輝(スポ1=山梨・富士河口湖)

3分50秒52 



早大B

S:土屋夏彦(スポ1=山梨・吉田)

B:川田諒(社1=愛媛・松山東)

3分46秒86 



早大C

S:藤井拓弥(社1=山梨・吉田)

B:菅原諒馬(商1=東京・早大学院)

3分43秒52 


【エイト】

早大

C:片所宏介(社3=東京・早大学院)

S:富田剣志(スポ3=愛媛・今治西)

7:尾崎光(スポ2=愛媛・今治西)

6:寺田圭希(人4=滋賀・膳所)

5:飯尾健太郎(スポ2=愛媛・今治西)

4:山口幹太(スポ2=青森)

3:有田光佑(創理4=東京・早大学院)

2:伊藤光(文構2=東京・神代)

B:正木丈治(商2=米国・ウッドブリッジ高)

3分26秒35 


▽女子部(順位決定戦)

【シングルスカル】

大野絢乃(スポ1=愛媛・松山東)4分45秒40 

南菜月(教1=新潟南)4分16秒86


▽女子部(決勝)

【シングルスカル】

木下  4分29秒11 【4位】

コメント

S:冨田剣志(スポ3=愛媛・今治西)

――本日のレースを振り返って

自分たちがやってきたことが出せなかったということが(負けてしまった)1番の要因だと思うのですが、やはり、自分たちから崩してしまった部分がかなり多かったレースだったと思います。

――緊張などはあったのでしょうか

緊張というよりも、きのうのタイムですね。自分たちは風があまりないとき、後半の組が風の強いときで、(後半の組だったチームが)風が強いけど実力的には同じタイムを出してきていたので、全員が焦ってしまったのではないかなと思います。

――どのようなレースプランで臨んだのでしょうか

スタートとラストはいつも通りなんですけど、真ん中でしっかりまとまってもう一度再スタートするというようなプランでした。

――実際はどうでしたか

まとまって再スタートというところで一番崩してしまって、そこからはバタバタバタという感じです。

――改善点などは

いっぱいあるのですが、基本として、速く進めるために一番前でつかんで、一番後ろまで押し切るということをやっていくべきではないかなと思います。

――予選と比較していかがでしたか

どちらもよくはないのですが、風があったとはいっても、やはり予選よりもきょうのほうが崩したまま立ち上がるのが遅かったかなと思います。焦っていたのもあったのですが、8人乗っていて1人が頑張っただけでは安定しないので、全員で押してという部分ができなかったと思います。また、「ここは頑張る」というのがありすぎて、しっかり自分たちの艇を進ませるということができていなかったです。

――クルーの雰囲気は

ケガ人もいたりコックスが途中で代わったりして、良いときと悪いときの調子の波があったんですけど、火曜日くらいからどんどん良くなってきて、「さあレースに臨むぞ」という雰囲気が徐々に出てきました。

――今後に向けてどのようなことに重点的に取り組みたいとお考えですか

このエイトというのは、早慶戦に乗れなかったメンバーなので、やはりそれぞれがもっと強くなることを意識して、ということが一番です。それは体力的にも技術的にもということで、全員がやらなくてはいけないことだと思います。エイトメンバーは特に。

――今後の目標と、注目してほしいところなどは

やはり個人的には表彰台を狙っていきたいなと思います。また、冬練習に入ってメディカルチェックをしたのですが、やはり伸びているところがあったので、さらに今後も伸びていけるのではないかという期待を抱きつつ、自分でも伸びたことに満足せずにやっていきたいと思います。そして、このクルー的には中日本(レガッタ)が最終目標なので、そこに向けてやっていけたらと思います。

木下弥桜(スポ1=和歌山北)

――大学に入ってから初のレースとなりましたが、2日間を振り返っていかがですか

久しぶりのレースということで、いままで高校で培った技術や体力をパフォーマンスとして発揮するというレースになったと思います。自分の持っているいま全力で出せるものは出せたかなと思います。

――高校のときのレース変わったところはありますか

以前はスタートで出たままでゴールというかたちが多かったのですが、高校生より、大学生や社会人の方のほうが速いです。今回のレースでは、私はスタートが得意なのでスタートで出て、社会人や大学生の方は後半まで失速せず最終的には出られて、そこについていくっていうかたちになったので、自分の後半の課題ができたと思います。

――きのうの予選を振り返っていかがですか

予選は順風だったのですが、私は順風より逆風のほうが強いので、順風には課題がすごい見つかったかなと思います。

――決勝進出は目標でしたか

目標は、チャレンジャーなので自分のいま出せる全てを出すっていうことでした。それができて決勝進出ということで、自分のいまの漕ぎが少しは通用したんじゃないかなと思ってうれしかったです。

――きょうの決勝を振り返っていかがですか

少し逆風だったのですが、自分は逆風のほうが得意だったので恵まれていたかなと思います。スタートからの500メートルまでの失速など、課題を今回決勝で見つかりましたし、また次の目標ができたかなと思います。

――早大に入学を決めた理由ありますか

大学でも本気でボートをしたくて、早稲田大学漕艇部は強いということで有名で、強いところで本気でボートしたいと思ったので選びました。

――4年間の目標や、理想とする姿はありますか

高校生の頃、ボートで日本一を目標にしてやってきたのですが、それが達成できなかったので、大学では日本一というものを目指してやっていきたいと思っています。

――最後に今後に向けて意気込みをお願いします

練習も全力で、何事にも全力で取り組んでいきたいです。その練習で取り組んだ努力したことをレースで発揮できるように身体的にも精神的にも成長していきたいと思っています。