【連載】早慶レガッタ直前特集『逆襲』 第5回 4:藤井英貴副将×B:和田優希

漕艇

 入部し初めて対校エイトのメンバー入りとなった藤井英貴副将(スポ4=東京・本郷)と、昨年の早慶レガッタ以来となる対校エイトのバウに復帰した和田優希(教4=滋賀・膳所)。最上級生としてクルーだけでなく部全体を盛り上げ、支えている二人。ラストイヤーとして臨む伝統の一戦に懸ける思いを伺った。

※この取材は3月8日に行われたものです。

「仲間を信じられなかった」

副将として自身の役割についても語った藤井

――お二人はスポーツ科学部と教育学部だということですがどのようなことを勉強されていますか

藤井 建前上、スポーツマネジメントを勉強しています。

和田 どこまで詳しく言ったらいいか分からないですけど、一応生物の専修なのでいま研究室に所属してやっているのは、始めたばかりですけど遺伝子をちょっといじってあげるとタンパク質が生成されて、植物個体がどうなっていくかを調べています(笑)。

――単位はいかがでしょうか

藤井 あした発表なのですが、落としたのが1教科までだったら来年はゼミ1コマだけで済みそうです。

和田 いまのところは順調にきているのですが、もしかしたら単位数は足りているんですけど、要る単位がちょっと危ないかなっていうのはあります。もし大丈夫だったら卒業論文と卒業研究に集中できるかなっていう感じですね。

――オフの日はどのように過ごされていますか

藤井 就活が解禁されてしまったので就活に行ったり、就活のない日は練習したり。それさえない日は寝ていますね。

――あまり外には行かれないのですか

藤井 行く元気があれば練習するか、まあだいたいないので用事がない日は寝ていますね。

和田 日曜日とかはその日しか飲めないのでちょっと飲むのもありかなって感じなのですが、基本的にオフの日はちょっと離れて高校の同級生と遊んだり最近していますね。

――昨シーズンを振り返ってみていかがですか

藤井 昨シーズンの最初は早慶戦の第二エイト。沈没からの敗北を喫して、全日本大学選手権(インカレ)は彼(和田)と一緒に舵手なしフォアに出まして敗者復活戦で負けてしまって。全日本選手権(全日本)でまた彼と一緒に出て、6位っていう順位を新人戦で優勝した時以外で初めて順位をつけることができて、やっと一安心つけたかなと。一歩一歩歩んでいるボート人生だなと思いながら過ごした一年でしたね。飛び級をすることは全くないボート人生だなと思いながら過ごしていました。

和田 一年間を見て高校からボートをやっているので結構長くやってきた中では足踏みしていた一年間だったかなと。春は対校(エイト)で早慶戦始まったのですけどそれも負けてしまいましたし、そのあとも舵手なしフォアでインカレと全日本と出て、ぶつかり合いながらも楽しくやってはいけたのですがいまになって一年間の成果というか、体力的な上昇はあったのですが技術的に意識が足りなかったのかなと思っていま苦しんでいます。そういったところをもっと向上心を持ってやっていけたのではないかと思いますね。でも藤井君と盛り上がりながらやっていけた(舵手なし)フォアはすごく楽しかったですし、全日本も最後決勝にはいけなかったのですがかなりいい展開でレースができたので満足する結果となりました。

藤井 個人的に先輩に恵まれたというか4年生のすごみを痛感した一年間でしたね。

――具体的なエピソードなどありますか

藤井 第二エイトのときは江原さん(大二朗、平27商卒)というクルーキャプテンを中心としてクルーの一体感をつくっていこうというチームワークを中心としながらのクルーづくりというのを学んで、夏はインカレと全日本と小林大河さん(平27国教卒)という方でどちらかというと口下手で背中で引っ張るような男だったのですが、そういう引っ張り方もあるんだなと。ある意味両極端な先輩を間近で見られたというのはすごく良かったのかなと上級生になって思いましたね。

――昨シーズンに点数を付けるとしたら何点くらいですか

和田 難しいですけど、厳しめに60点くらいですかね。80点超えると自分が満足しちゃうので。とりあえず、楽しくできたというところを加味して60点で止めさせていただきます。

藤井 きょねんだけの結果でいきますと50点かなという感じですね。今後その50点をどうするかが重要だと思っているので良いところは見習って、悪いところは反面教師にしてどれだけ生かせるかっていう。だから引退したときにきょねんは100点と言えるかどうかが今後の課題で、いま何点かというのは正直評価できないですね。引退したときに3年時は何点だったと言いたいですね。

和田 就活みたいやな(笑)。

藤井 俺いつも失敗をどれだけ糧に次失敗しないかだからさ。失敗は成功のもとじゃん。

――昨年の早慶レガッタを振り返って敗因はどのような点にあるのでしょうか

藤井 一言で言えば仲間を信じられなかったというところかなと思います。地力は互角、もしくは多少どちらかが勝っているというところだったので。ある意味、陸でのチームワークはものすごく固まっていたクルーなのですが、水上でどれだけつらいことを全員でやっていけるかというところがポイントなのですけれども。どれだけ全員で乗り切れたかっていうのを考えたときにそこまで実は乗り切れていなかったのではないかなって。その時に個々がつらかったときにまとまれば勝てるっていう成功体験がなかったので個々になっちゃったというのが一番の敗因でそれが結果的に仲間を信じられなかったのかなと思いますね。

和田 信じるとか信じないとかにつながってくるのかなと思いますけど、例年ちょっと対校の方が暗いというか。結構日頃言っていることなのですが、自分は第二エイトに乗って一勝挙げているのですが、その時はみんなが言いたいこと言い合ってしょっちゅうけんかとかになっていて、いい意味でやかましいクルーだったのですが、それが対校となるとクールにいく傾向があるので。それ自体は悪いことじゃないのですが、もっといい意味で活力があるというか生き生きとしたクルーをつくっていけないとレース本番で結局コールがあってもあんまり反応しないというのになってしまって。そのことは前主将の青松さん(載剛前主将、平27スポ卒=現東レ滋賀)なんかも反応しろよって怒ってらしたので、そういうのを日頃からやっていけてなかったのが雰囲気の面でありますね。技術的な部分もワセダってプライドが高いというか。対校乗っている人ってスポーツ推薦がほとんどを占めていて、プライドが高くて。おのおのがそれを通してしまうとそれ以上の向上がないというか、向上心を持ってやっているとしてもちょっと一回自分の概念を捨てて新しくいろいろとやってみるというのも大事なことだと思うので。結論からいうとケイオーに比べてパワーはあってもそれを隅田川のラフコンディションで生かして艇を進めるっていうのにつながっていかなかったのかなと思うので、まずは基本的な漕ぎでしっかり隅田川でもワセダの持っているパワーっていうのを全部出し切れるようなパフォーマンスができれば勝てるのではないかなと思います。

「安心してついていける」

身ぶりを交え明るく受け答えする和田

――前回の早慶レガッタ後、内田大介監督(昭54教卒=長野・岡谷南)に代わられたと思うのですがそのことで変化などありますか

藤井 個人としては部としてもつながるのですが、目指す方向性を明確に示してくれるところです。いままでは選手主体で自主性っていうことを掲げていたのですが、結局トップがビジョンを提示しないのでぶらついていたというか一貫性がなかったです。そこが内田監督をはじめとしたコーチ陣が意思統一をしてビジョンとか方向性をしっかり示してくれたので安心してついていけるというのがすごく大きいと思いますね。それで部と個人でつながるのですが、コーチングスタッフの充実ということがすごく大きいなと思っていまして、しっかり付きっきりで対校エイトにしろ、何にしろ練習を見てもらえるというところですね。もっというと僕は大学からボートを始めて正直ほとんど学べていませんでした。コーチ陣から何も教えてもらっていない。そういうのをものすごくこの部に対して、未経験とか実力ない人をないがしろにして誰もコーチングしない組織ってどうなのと思っていたのですが、そういうところをしっかり内田監督が下から、1年時から育てるっていう一貫した指導体制でコーチングスタッフが担当を割り振られてしっかり指導してくれるというのはすごい大きな変化なのかなって思いますね。短期的に見たら分からないですけど、これが4年後、5年後ってなるときにこういうことが花開いてくるのかなと思います。あと個人的に内田監督大好きです。父の日にプレゼントしたいくらい。

和田 監督が就任されて組織としての整理というかいままで役割が不安定で目指すところも目標もチーム全体で一応選手だけで決めていたりはしていたのですが、一つの方針に従ってコーチ陣からの指導があったかというと不安定な部分がありました。監督が代わって指導体制が整って一貫した指導をしてくれるので藤井君が言っていたようについていきやすいですね。あとコーチ陣の人数が当時と比べたら倍くらいに増えているのでそれもいいことだなと思っていまして、それによって1年生や未経験で入ってきた人とかもしっかり指導してもらえるのだなと安心していますね。

――内田監督の印象はどのようなものでしょうか

藤井 熱くて頑固でおちゃめな人ですね。岡本剛前監督(昭45法卒=大阪・上宮)も良い方だったのですがコーチングをなさるタイプではなくて。ヘッドコーチはレギュラーのチームを担当していて。ボートを教えてもらえなかったっていうところは強くなるために来ているのに何しているのだろうって思っていましたね。でもそういうところを全部教えてもらって、内田監督が来てやっとボートを学び始めたなという感じがしています。

和田 個人的に監督は親父って感じですね。第2の親父というか。

――マネージャーの方がご飯を作っているとお聞きしましたが好きなメニューなどありますか

藤井 メニュー名は分からないですけど作ってくれるのは何でもありがたいですね。

和田 ごはんとみそ汁は毎回付けてくれるので、あとたまにカレーとか。自分的に一番好きなのはおかずというか、そぼろですね(笑)。というのは朝ってあんまり胃にものが入りにくいというかそんなに食べられる訳ではないので、いかに食べやすいかっていうとそぼろをご飯にかけて食べるのがスマートというかありがたいですね。負担が少ないので。

――相模湖合宿ではどのような練習をされていますか

藤井 コースがなかなか直線で取れることが(戸田では)ないので、相模湖では2キロ取れるのでそれを生かしたメニューです。休まずロングで漕ぐような練習をします。

――相模湖合宿の成果などはありますか

和田 小波は比較的少ないので静水に近い状態で漕げるということで技術的な部分、きょねんなんかはそこに狙ってフォーカスしていけたのかなと。全日本の前なんかは技術的な精度が向上したのかなと個人的には実感したのですが、藤井君どうですか?

藤井 2000メートルをロングでしっかり漕げたっていうことと、相模湖はずっとモーターをコース内に出せます。だから付きっきりで監督が教えられたのはすごく大きいのではないかなと思いますね。

――最上級生としてどのようなチームにしていきたいですか

藤井 一言でいえば全員で喜びを分かち合えるチームにしていきたいと思いますね。

和田 かっちりしたチームっていうのがワセダらしいのかなと思いますけど個人的に自分がそういう人間じゃないので、柔軟にというか日常生活は楽しいものにしていってそこから船の上とメリハリつけてやっていければいいのかなと思います。陸でもあんまり楽しくなかったら正直やってられないと思うので。いかに楽しく毎日を過ごせるかは結構大事なことだと思うので、良い雰囲気の部というか活力のことばっかり言っているのですが明るい部というか元気のある部にしたいですね。勢いがあるからワセダは怖いなと他の大学が思うような部に引っ張っていけたらなと思います。

――藤井選手は副将としての役割をどのようにお考えでしょうか

藤井 僕が考える大前提として副将に求められていることとはみんなが過ごしやすい部の雰囲気づくりを下で支えること。その上で僕が副将に選ばれた理由はいくつかの要素があるのだと思うのですが、一番はある意味ゼロからスタートして一歩一歩積んできたわけで下の人たちの気持ちが分かるし、分かろうとしているし、分かろうとすることが僕に求められていることなのかなって思います。ずっと対校エイトに乗ってきている人の気持ちは分からないですけど、ある意味、日の目を見てきていない選手の気持ちは勝手に分かっているつもりなので、分かっているつもりではなくてしっかり分かろうとする、何かしらのかたちで実行するということが求められていることなのかなって。それが僕の副将として求められていることで、新しく部に何かいままでなかったことをもたらすことが求められていると思いますね。

――お互いの印象は

藤井 努力家だなと思うと同時に自信家だなと思いますね。どうしてこんなに自信あるのかなって。僕はあんまり自信持てないのでいろんな意味ですごいなって思いますね。

和田 あんま褒めてないよね(笑)。

藤井 いや、違う。自分にないものだからすごいなって思う。

和田 結構自信ないけどなあ。藤井は俺の中で矛盾していて。すごく真面目なんですよ。でもくだけるときはくだけるというか。幅が広いです。日頃からものすごく真面目で部のことになると人一倍で、冷蔵庫に栄養ドリンクため込んだりするので。いろんなプロテイン調べたりとか、就活もそうなのですが。強くなるために日々考えながら、人生のことも考えながらやっているのですが、遊ぶときは遊んでいますね。なので、良い意味でめりはりのある人だなと。あと、良いお父さんになりそうですね。

藤井 和田もなりそうですね。

和田 ありがとうございます。

――長田敦主将(スポ4=石川・小松明峰)の印象はどのようなものでしょうか

藤井 不器用な人だなあと(笑)。生粋の不器用だなと思います。

和田 背中で語る一番の典型例というか。水上では結構言いますね。特に誰かに自主練をしろとは言わないし、自分から進んでやって誰に見せようとするわけではないのですが、こうやって部を引っ張っていこうとしているんだなっていうのは伝わっています。背中で語ると同時に不器用ですね(笑)。

 圧倒的勝利でリベンジを

仲の良さから団結力も感じられた

――対校クルーの雰囲気は現在どのような感じでしょうか

藤井 雰囲気は例年よりは多少いいのかなっていう気はするのですが、まだまだ改善すべき点は多いなって思いますね。

――具体的に改善点とはどのような点でしょうか

藤井 まずはもっと風通しをよくすることです。風通しを良くするために必要な要素はたくさんありますが。あとはもっと仲間意識をしっかり持った方がいいのかなって。良くも悪くも個々が強くて活躍できちゃうのでここで個じゃなくてまとまりとか集団っていうイメージをもうちょっと全員で植えつけられれば違うのかなって思いますね。

――和田選手はいかがでしょうか

和田 例年に比べてものすごくバックアップが強いので、足蹴りが入ったりしたときに一気に全員が力を出して低速が伸びるというところがいいところです。雰囲気的にも藤井君が4番にいることもありましてバウフォアの方から盛り上がってやっていけているなとは思うので例年に比べてことしはいけるイメージが頭にあります。自分もそうなのですがまだまだ技術的に甘いというかパワーで押してしまうクルーだなっていう感じも同時にしているので、そこはあと40日近くで詰めて丁寧にやっていけたらなと思いますね。

――対校クルーに選ばれた時の心境はどのようなものでしょうか

藤井 ついにやったなの一言ですね。

和田 きょねん対校(エイト)にずっと残っていてインカレで落とされちゃったので帰ってきましたという感じです。いつもバウなのでやっと対校のバウに戻ってきたなって。安心はしていないですけどここで頑張ってやろうというか。一気に認めさせてやろうという感じでしたね。

――選考はどのようなことをされたのですか

藤井 何段階かありまして、対校エイトに関しては実力があるトップ6名は選考なしで決まりました。残りの2枠を監督、コーチ陣の判断とエルゴのスコアを加味した上での実力を判断して各サイド2名、計4名で2枠を選ぶという選考でした。選考内容はペアで1900メートルを2本やってその持ちタイムで決まりました。

――早慶レガッタに向けて特別な練習はされていますか

和田 普段やらないこととして一番大きなことは隅田練習だと思うのですが、まだことしは一回もやっていないので今後それをやっていくっていう。あと方針としてはモーターで川を荒らして波の対策をします。波のある環境の中でも自然に漕ぐことができるように練習を積み重ねていくことになるのかなって思います。

――『隅田見聞』をされたと思うのですが実際にご覧になっていかがですか

和田 船の部分から広く見渡したときにちゃんと奥までいろんな方向を見ながら説明を受けたのが初めてだったので、そういう意味ではイメージしやすくなりました。今までのレース経験に上乗せしてもらった情報という感じでしたね。

藤井 いつも漕手としての目線だったのでコックスからの目線で景色を見られたというのは良かったのかなと思います。まだ実感は湧かないですけど。今後うまく生かして行けたらなと思います。

――理想的なレースプランはありますか

藤井 個人的に思うのは『圧倒的勝利』というのを部で掲げているので最高の勝ち方はケイオーに一瞬も出させないということですね。ことしアウトで出るので艇身差をもらってスタートします。なので、一瞬もケイオーを前に出させないで勝つのがベストだと思いますね。

和田 対策としてコーチ陣から説明があり、いつもワセダはスタート自体は失敗しないのですが、序盤から中盤にかけてケイオーに出られてそれが長引くとケイオーに負けています。だから長引かずに後半入ってからワセダが出れば勝てるという。データ解析してみてなのですが。なので、ことしワセダがやらなきゃならないことは中盤以降しっかりワセダが出ていることを狙いたいなと思います。その中で本当の理想を言えばスタートからどんどん上げてとにかく付けられるだけ付けて、最後の年なのでケイオーを思いっきり泣かせてやるくらいの勢いでいってやりたいなと思いますね。

――コースのポイントとなるところはどこだとお考えですか

和田 始めてすぐのカーブはポイントじゃないかなって思いますね。そこで自分たちがアウトで出て、ケイオーはインなので大きいカーブだとケイオーは一気に伸びてくるはずなのですが、そこでいかにワセダが離せるかで相当差がつくと思うのでそこを狙っていけたらなと思います。

――ご自身のシートで必要とされていることは何だとお考えですか

藤井 シートの役割は2点あって、リズムをつなぐことと声を出すことですね。できたらエンジンと呼ばれるので水中を強く出せればいいかなって思います。

和田 ずっとバウで、バウが一番声を出してクルー全体を明るい雰囲気にしていけたらなって思っていたのですが、ようやく確信をもって気付けたのは俺がどれだけ声を出しても前の方は聞こえていないっていうので諦めまして。4番にせっかく藤井君がいるのでもっと後ろで俺が声を出すことによって後ろが良い雰囲気になっていけば船全体も良い雰囲気になっていくのではないかなと思います。まずはバウフォアを明るくできるような声掛けができればいいなと思います。

――ケイオーの印象や強みはどのようなものでしょうか

和田 正直今年のケイオーは読めないなって思います。今までのケイオーとは明らかに違いますね。漕ぎもそうですし。監督が向こうも代わったはずなので最近見ていても明らかに今までとは違う漕ぎをしているので正直今は何とも言えないのですが。体力的なスコアを見ている分にはワセダとはそんなに差はないので、彼らの漕ぎが変わったことではたして船のタイムがどう変わっていくのかと。あとは実際ラフコンディションになった時に彼らの漕ぎでどれだけ変わるかですかね。良くなっていくのか、逆に波に翻弄(ほんろう)されやすくなっているのかっていうのは分からないですけど。

藤井 ケイオーの強みは隅田での勝ち方を知っているところですね。選ばれた結果であるクルーはワセダ以上に背負うものが大きいクルーですので、ある意味まとまりとかは例年以上に強いのかなと思いますね。

――大勢の観客がいる中でのレースだと思うのですが最後に意気込みをお願いします

藤井 早慶レガッタで漕ぐために入部したので沈まないように頑張ります。漕ぎ切りたいですね(笑)。

和田 2年前実際に勝って、第二エイトでもすごくうれしかったですし、その感覚を味わうために早慶戦に出ると言っても過言ではないくらいに気持ちが良いものだったので対校のメンバーでその気持ちを味わって観客をはじめサポートしてくださった方に感謝できるように全力で漕ぎ切りたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 黒田菜々子、八木瑛莉佳、写真 須藤絵莉)

◆藤井英貴(ふじい・ひでき)(※写真左)

1993年(平5)6月29日生まれのB型。178センチ、74キロ。東京・本郷高出身。スポーツ科学部4年。ポジションは対校エイトの4番。色紙をお渡しすると、「いつも本郷って書いているんだよなぁ」とおっしゃっていた藤井選手。今回はアレンジバージョンを披露してくださいました。その情熱的な漕ぎで、必ずや対校エイトを勝利に導いてくれるでしょう!

◆和田優希(わだ・ゆうき)(※写真右)

1993(平5)年7月24日生まれのA型。170センチ、70キロ。滋賀・膳所高出身。教育学部理学科生物学専修4年。ポジションは対校エイトのバウ。時折笑いを交えながらも、一つ一つ丁寧に答えてくださった和田選手。持ち前の明るさを生かし、バウとして後ろから力強く対校クルーを盛り上げる姿に注目です!