春の嵐の中、及第点の漕ぎを披露

漕艇

 前日に引き続き行われた、お花見レガッタ最終日。激しい暴風雨の影響で、ラフコンディションの攻略がカギとなった。その中で早大は男子シングスカルでルーキーたちが決勝で、男子エイトの早大Aが順位決定戦で及第点の漕ぎを披露。女子舵手付きクォドルプルは早大Aが冷静なレース運びを見せ、見事女王の座に輝いた。

★ラストスパートで追い込みを仕掛けるも2位

猛烈なスパートを仕掛ける内田

 先日のレースで順調な滑り出しを見せた男子部のシングルスカル。ルーキー内田達大(スポ1=山梨・吉田)は、暴風雨の中でのスタートに若干の出遅れを見せる。中盤からペースを取り戻し、激しいつばぜり合いを繰り広げながら勝負はラストクオーターへ。決死のラストスパートを仕掛けるもトップ艇にわずか0.3秒及ばず。惜しくも2位でのゴールとなった。続く石田良知(スポ1=滋賀・彦根東)は5位、寺田圭希(人2=滋賀・膳所)は6位でのフィニッシュ。レース終盤での激戦となる展開に内田が「ラスト200メートルで一気に詰めようと思ったが、スピードをうまくマックスまで出し切ることができなかった」と反省するように、悪天候への順応とスピードへのさらなる執着が求められる。決勝進出という輝かしいデビューの一方で、悔しい気持ちも残る、今後に向けて課題が見つかったレースとなった。

(記事 渡部歩美、写真 田島光一郎)

★優勝でシーズン開幕を飾る

安定の強さを見せ、優勝を決めた女子舵手付きクォドルプルの早大A

 女子舵手付きクォドルプルでは、前日行われた予選、準決勝を危なげなく突破した早大Aと、勝負強さを発揮し決勝へと駒を進めた早大Bが共に表彰台を狙った。強風が吹き荒れるというコンディションの中、レースを支配したのは早大A。序盤からいつも通りの積極性を見せると、「崩れた後の立て直し方をみんなで共有した」(谷川早紀、スポ4=愛媛・今治西)ことで安定した漕ぎへとつなげる。その後も他艇から終始リードを奪うレースを展開し1位でフィニッシュ。シーズン開幕戦で好スタートを切った。目標の表彰台入りはならなかった早大Bも粘り強く前を追い5位。同種目で二艇が健闘し、女子部の層の厚さを見せつける結果となった。次に目指す舞台は2週間後に控える早慶レガッタ。女子部は25連覇という偉業達成に挑む。いつもと異なる隅田川でのレースとあり、「波を想定して一本一本丁寧に漕げるようにしていきたい」(土屋愛、スポ3=新潟・阿賀黎明)と対策にも余念はない。課題に挙げたスタートをはじめ、さらなる強化を図る。伝統の一戦を勝利で飾り、夏に向けてさらに弾みをつけたいところだ。

(記事 荒巻美奈、写真 田島光一郎)

★決戦へ向け課題を残す

終盤トップに立つ男子エイトの早大A

 準決勝に出場できなかった早大Bは予選から直接順位決定戦に回った。予選での悔しさを晴らしたいところであったが厳しいレースとなる。試合はスタートで勝負の明暗が分かれた。強風によって艇の方向が定まらないままスタートした早大Bは大きく出遅れる。他艇に一刻も早く追い付こうと奮闘するも風にあおられ思うように艇を進めることができない。後半でタイムを大きく伸ばすも結果は6艇中4位。全体22位という悔しい結果に終わった。

 早大Aは準決勝で決勝進出を逃しB決勝(7~13位決定戦)を迎えた。ラフコンディションながら早大Aは粘りの漕ぎを見せる。「スタートからどんどんスピードを出し切れるところまで出す」(長田敦、スポ3=石川・小松明峰)というレースプランの下いざ出漕。しかし風の影響もあり大きく前に出ることはかなわない。逆に前半500メートルでは東海大にリードを許してしまう。しかし、ここから早大Aの逆襲が始まった。きのう課題となった高レートの漕ぎに対応し、終盤にかけてリズムを取り戻す。残り250メートルで東海大を捉えると最後まで勝負が分からない接戦を制し、全体7位でフィニッシュした。

 風にあおられると本来の漕ぎができないという点で課題が残った両クルー。2週間後に迫る早慶レガッタで川での漕ぎを得意とするケイオーに勝つためには風への対応は必須事項だ。青松載剛主将(スポ4=京都・東舞鶴)も「このままでは絶対に負ける」と感じる厳しい結果。「もう一回ゼロからつくり上げて、絶対にケイオーには負けない」(青松)と気持ちを強く持ち、これから漕ぎに磨きをかける。2週間後に笑顔で桜橋に帰ってくる両エイトに期待しよう。

(記事 辛嶋寛文、写真 田島光一郎)

※記事中の学年は4月以降の新学年となっています。

結果

【順位決定戦】
▽男子シングルスカル2部
杉田陸弥(人2=栃木)3分59秒17【19位】
武田直己(基理3=東京・青山学院)3分58秒89【18位】
石橋広陸(スポ1=愛知・豊田北)3分51秒05【7位】
▽女子ダブルスカル
早大C(S:石上璃奈(スポ1=長野・下諏訪向揚)、B:田口えり花(商1=埼玉・浦和一女))4分05秒96【15位】
早大B(S:木野田沙帆子(スポ1=青森)、B:三上千沙(スポ1=青森))4分01秒90【10位】
早大A(S:木下美奈(スポ1=山梨・富士河口湖)B:波多野響子(教2=福岡・東筑))3分54秒17【7位】
▽男子ダブルスカル
早大(S:松永正太郎(政経2=東京・早大学院)、B:石坂友貴(政経2=東京・早実))3分38秒58【28位】
▽男子エイト
早大B(C:藤川和暉(法2=東京・早稲田)、S:正垣克敏(スポ4=熊本学園大付)、7:小坂紀夫(商4=東京・本郷)、6:藤井英貴(スポ3=東京・本郷)、5:江原大二郎(商4=埼玉・早大本庄)、4:木金孝仁(社2=東京・早実)、3:菅原拓磨(国教2=東京・早大学院)2:鈴木朋也(スポ4=東京・早大学院)、B:川田悠太郎(国教2=東京・早大学院))3分17秒60【22位】
早大A(C:中村拓(法3=東京・早大学院)、S:竹内友哉(スポ2=愛媛・今治西)、7:青松載剛(スポ4=京都・東舞鶴)、6:田﨑佑磨(スポ4=茨城・潮来)、5:是澤祐輔(スポ2=愛媛・宇和島東)、4:長田敦(スポ3=石川・小松明峰)、3:角南友基(スポ3=岡山・関西)、2:小林大河(国教4=東京・早実)、B:和田優希(教3=滋賀・膳所))3分05秒11【7位】

【決勝】
▽男子シングルスカル2部
寺田 4分08秒56【6位】
石田 3分52秒83【5位】
内田 3分46秒19【2位】
▽女子舵手付きクォドルプル
早大B(C:奥山瑞恵(教4=東京・富士見)、S:辛島瑞加(スポ4=東京・富士見)、3:坂内千紘(商4=東京・日比谷)、2:土井鈴奈(教2=埼玉・浦和一女)、B:波多野)3分44秒35【5位】
早大A(C:亀本咲季子(人2=埼玉・浦和一女)、S:土屋愛(スポ3=新潟・阿賀黎明)、3:谷川、2:佐藤紫生乃(スポ2=宮城・塩釜)、B:望月みづほ(スポ4=埼玉・大宮))3分36秒76【1位】

コメント

7:青松載剛主将(スポ4=京都・東舞鶴)

——今大会を振り返っていかがですか

いい経験になったといいますか、早慶戦に向けて気持ちをもう一度引き締めるという意味で良かったと思います。本当は優勝したかったですけど、全力でぶつかっていったからこそ見つかったものがありました。早慶戦に向けてまだまだ意識が足りてなかったなと痛感させられる試合になりました。

——見つかったものとは、具体的にどのようなものでしょうか

やはり練習不足ですね。早慶戦に向けて取り組んでいる中で、お花見レガッタの1000メートルという短い距離のレースに出場したわけで、練習からちょっとお花見に重点を置けずにいた感じがありました。早慶戦はもちろん大事なので難しいのですが、練習やレースプランからお花見は少し雑になってしまいましたね。

——きょうはきのうの反省点は生かせましたか

きのうはレートが低いという課題がありました。その点でいうとレースで生かせたかどうかは分かりませんが、みんなの気持ちの中では共有できたかなと思います。きのうは予選をレート38コンスタントで漕いで、それでは遅いということで準決勝はレート40以上で臨みました。きょうのレースも40オーバーでいきましたが、きのう一度経験したことによって少しはクルー全体で共有して取り組めたかなということはありました。でもきょうは風がすごくて、それどころじゃなかったという感じでした(笑)。なので生かせたかというと生かせていないかなという感じもしますね。思い描いたレースにはならなかったですね。

——ラフコンディションの中でのレースとなりましたが、早慶レガッタにつながるものは見つかりましたか

荒れ方もまた異なるので早慶戦につながるとは一概にはいえませんが、崩されるというところではクルーが安定してまとまれて漕げていないという部分が大きく出たかなと。本当にうまい選手やクルーはどんなに風が吹こうが気にせずスイスイ進んでいくので、その部分でもっとまとまりが必要かなと思いました。そこができれば、早慶戦にも生かせるのは間違いないですね。

——きのうとは一変、終盤勝負を制すレース展開となりましたが

きのうはある程度レースプランに沿ってできたかなという感じはするのですが、結局はそれは内で決めたことで外のことを考えずにやったことなので、そこはちょっと自分たちが間違っていたかなという気はします。ヘッドコーチにも「それでは勝てない」と言われました。明治安田生命とかもレート40オーバーで漕いでいて、別にレートが全てではありませんが、それくらいは出さないと1000メートルでは勝てないということが明確になりました。そこでレート40オーバーでいこうとなって、やはり練習からやっているわけではないので、パッと切り替えるのは難しいと思いましたが、案外うまく通して漕げました。さすが対校だなという感じですかね(笑)。

——今大会の経験をどのように生かしていきたいと思いますか

ひたすら練習でレースプランよりも高いレートで取り組む必要があるなと感じました。今回もこのような結果になってしまったので。ケイオーはもっと覚悟してレースプランを立てて突っ込んでくると思います。それを上回るくらいやらないと本番では絶対に勝てないということを実感…というより確信したので、練習のときから内容にこだわって取り組んでいかなければいけないなと感じました。

——早慶レガッタに向けて意気込みを

1週間前だったら「なんとかなる、勝てる」と言うと思いますが、2週間前といういまの状況で言わせてもらうと、このままでは絶対に負けると思います。本当にこの2週間、足も手もちぎれるくらい練習しないと勝てません。もう一回ゼロからつくり上げて、絶対にケイオーには負けない。それだけです。

4:長田敦(スポ3=石川・小松明峰)

――きょうのレースを振り返って

きのうはすごく天気も良かったんですがきょうは雨や風でコンディションが悪くて、準備として不十分なところはありましたが、レースを通してそれこそ最後は9人でまとまれたのは良かったと思います。

――レースプランはありましたか

僕たちは早慶戦が直近の目標になっているのですが、それに向けた取り組みの一環でスピードを意識しようということになっていました。スタートからどんどんスピードを出し切れるところまで出す、スタート勝負というレースプランでした。

――きのうリズムが終盤に粗くなったとお聞きしましたが、艇のリズムは修正できましたか

コンディションの関係もあってスタートがバタバタしてしまった中、後半はうまく伸びました。きのうは最後(レートを)上げようという話をしていたので、上がったのは良かったと思います。

――ストロークから4番に位置が変わりましたが感触は

前で漕いでいると思ったよりいろいろと考えて漕がなければいけなくてつらいので、そういう負担を減らしてあげようと考えています。4番はエイトでエンジンと呼ばれる場所なので、中盤以降、疲れてきた時に、僕らがしっかり艇を運ばせることを意識して漕いでいました。

――ラフコンディションの中でのレースでしたが

早慶戦もきょうくらい波はあるので、どれだけ練習しても崩すポイントはあると思います。きょうは崩した後に直せたレースだったので、早慶戦でもオール一つで直すことができるんじゃないかと思います。

――早慶戦に向けて一言お願いします

僕にとって2回目の早慶戦で、昨シーズンは残念な結果ですごく悔しい思いをしたので、ことしは応援してくれる人のために頑張って漕いで勝ちたいと思います。

3:谷川早紀(スポ4=愛媛・今治西)

——優勝おめでとうございます!

ありがとうございます!

——きょうのレースを振り返って

とりあえず最初に飛び出して他艇の背中を見続けながらレースできたので、そこに関しては良かったと思います。風もありましたが、予選のときのように全体的に崩すのではなく、その反省を生かして課題を克服できたのは良かったと思います。

——風を攻略するために何か工夫したことはありますか

崩れた後の立て直し方をみんなで共有して、全員で立て直す意識を持ちました。

——前半500メートルとゴール時の明大とのタイム差が変わりませんでした。何か作戦等ありましたか

作戦は特にありませんでした。ラップタイムとしては同じタイム差でしたが、実際漕いでいる時の感覚ではもっと差があったところから詰められたような感じがしました。500メートル越えたあたりではもう少し差があったのですが、少し詰められちゃって(笑)。でも逃げ切りました。

——何か後半詰められた原因は考えられますか

まだクルーを組み始めて浅いので、合い切っていないという部分はあると思います。後半のところの伸びをこれから詰めていきたいですね。

——ラフコンディションにおいて良い点、悪い点は見つかりましたか

とりあえず練習で風にあおられたときはフラッとして立て直しとかうまくいきませんでしたが、みんな試合になると集中力が上がってうまくいきました(笑)。試合になると変わるなと。それが良い点だとは思いますが、レースでできるなら練習からやっていくべきだろうというのが悪いところですかね。逆に言えば勝負強いクルーだといえるのでポジティブに捉えていきたいです。

——25連覇の懸かる早慶レガッタへ意気込みを

絶対に負けられないですし、それに周りも勝つだろうと思っているのは確かです。その期待に応えて勝つために私たちも練習をしているので、それを全て出して1秒でも速く漕ぎたいです。勝ったときは「やっぱりワセダが勝ったな」と周りの人たちが思ってくれるようなレースを見せたいですね。

S:土屋愛(スポ3=新潟・阿賀黎明)

――優勝おめでとうございます!レースを終えての感想はいかがですか

ありがとうございます!シーズン最初のレースだったので、緊張していて自分がどこまでできるかという不安もありましたが、早慶戦の前のレースとして(自分たちの実力を)試すという気持ちがありました。2週間ちょっとでクルーを完成させたんですが、良い結果を出せてよかったです。

――きょうのレースプランは

私たちはいつもレート高めでいくのですが、きょうはかなり風が巻いていたのでレートを抑え目に漕いでいくというレースプランでした。

――前日の2レースを受けてクルーで話し合ったことはありましたか

きのうの予選は全体1位のタイムを出して、準決勝で後半500メートルは落ち着いて伸ばすレースをしました。でもそこで明治に負けてしまって、自分たちに余裕はあったものの負けるのはちょっと悔しいなって思ったので、「あしたは勝とう」とみんなで心を合わせて挑みました。

――強風の中で行われた決勝のレースを振り返って

私も前のレースを見ていたんですけど、1、2レーンの人がかなり遅れていて、自分が2レーンだったので心配でした。でも前半から最後までいけたのでよかったです。

――前半奪った後続とのタイム差を保つかたちでのゴールとなりました。他艇への意識はありましたか

前半はかなりトヨタ自動車が出てくる予定だったんですけど、社会人は後半になるにつれて強いので、明治安田生命に負けず追い越されずに伸ばしていけたらいいなと思っていました。

――雨や強風への対策は

私たちはけっこう風に弱いので、かなり(風に)振られてしまうことがあるんですけど、振られても次の一本で立て直すということを全員で頭の中に入れてレースに臨みました。

――シーズン開幕戦で優勝し、幸先の良いスタートを切りましたね

そうですね。自信がない中で臨みましたが、このレースで社会人や大学に勝って自信をつけることができました。

――冬場のトレーニングの成果という面では手応えはいかがですか

私は故障していたことやU-23日本代表の選考に出ていたこともあって、あまり冬の追い込むというようなトレーニングにはならなかったんですが、あまり緊張などはせず今大会に臨むことができました。

――ストロークのポジションとして意識していたことは

私はJAPANの選考で落ちてしまってかなり自信をなくしてしまったんですけど、自信をなくしていたからこそ自分を追い詰めて、その追い詰められた状況で漕いでみたいという気持ちがありました。それで後ろの人たちがついてきてくれたので、ストロークは楽しかったです。

――実戦の場を通して得た課題はありましたか

私たちはスタートがあまり得意ではないので、これから荒れたコンディションでも周りの艇と差をつけられるようにしっかり練習していきたいです。

――早慶レガッタに向けてどんな調整をしていきたいですか

とりあえずコースと隅田川では全然違うので、波を想定して一本一本丁寧に漕げるようにしていけたらと思っています。

――では改めて早慶レガッタへの意気込みをお願いします

ことしは2回目の早慶戦なんですけど、メンバーの中で早慶戦に出たことがあるのが私と望月さん(みづほ、スポ4=埼玉・大宮)だけなので、この経験を生かしてあとの3人と一緒に勢いよくいけたらいいなと思います。

5:江原大二朗(商4=埼玉・早大本庄)

—―きょうのレースを振り返っていかがですか

一言で言うと自分たちの実力を出せない不完全燃焼な試合でした。

——どういったところが不完全燃焼に終わった原因でしたか

スタートがクイックスタートで各大学の名前が呼ばれないでのスタートということでした。ただ、不注意でそれに気が付かなくて自分たちは準備ができていない状態でスタートを迎えてしまい、バタバタしてしまってそこからずるずるといってしまって不完全燃焼に終わってしまいました。

——放送を聞いていると審判艇からワセダを注意する声が流れていましたがスタートではどのようになってしまったのですか

艇を真っすぐにしようと、ストロークサイドのオールを漕いでいる最中にスタートをコールされてしまいました。そのため、斜めの状態でスタートしてしまい4レーン側に突っ込んでしまったので注意されてしまいした。

——そこでかなりタイムロスがあってのこの結果ということでしょうか

そうですね。それを言い訳にはしたくはないですが、生まれてしまった差を最後まで埋めきることができませんでした。

——きょうの悪いコンディションを考えてのタイムとしてはどのような感じていますか

3分17秒だったと思うのですが、きのうは3分5秒でしたし、あのくらい悪いコンディションであろうと3分10秒までにはゴールしなければいけなかったと思います。

——風の影響はかなり受けましたか

そうですね。強いクルーというのは風があっても自分たちの漕ぎができると思うのですが、自分たちにはまだその実力がなかったために風にあおられてしまいました。

——同じレースにはケイオーの艇もありましたがそこは意識したりはしましたか

きのうのミーティングでも幸か不幸か分かりませんがケイオーに当たったという話をしました。相手はケイオーのサードクルーということでサードクルーに負けるようではセカンドに勝てる訳がない。たたきのめすつもりでいこうと話していたのですが結果負けてしまい、まだまだ勝てない。実力不足だなと感じました。

–今回はラフコンディションということで隅田川と似ている所もあったかと思いますが課題や収穫はありましたか

隅田川で勝つために重要なのはリズムを崩さず漕ぐということ。きょうはバラバラに風にあおられて漕いでしまったので、もう一度9人でまとまってどんな荒波、どんなコンディションでもリズム良く漕げる能力が必要だと思いました。

――早慶レガッタへの意気込みをお願いします

今回悔しい結果に終わってしまいましたが、それを次に生かすことが重要だと思いますのでこの結果を真摯(しんし)に受け止め、必ず勝利できるようにチーム一丸となってもう一度頑張っていきたいと思います。

S:正垣克敏(スポ4=熊本学園大付)

――セミファイナルには進めずに、迎えた順位決定戦でしたがいかがでしたか

きのうのレース展開的に、どのクルーも前半攻めて後半タイムが落ちるというかたちだったのですが、自分たちは後半のほうがタイムが良かったです。なので前半にもっと勝負していかないとというイメージできょうのレースに臨みました。ですが、悪天候や逆風が強かったこともあって、それがうまく決まりませんでした。 他のクルーがレートを落として風の影響をなくして、一本を長くというかたちで漕いでいる中、我々はレートを上げてバタバタ漕いでしまったのが悔やまれます。あとはスタートをしっかりと言っていたのにも関わらず、逆風に対応できなかったというのと、外的要因はあったのですが審判の合図を見逃してしまうという事態に陥り、スタートの時点で8人が一つになれていなかったかなと思います。まとめると8人がバラバラに漕いでしまったというのがきょうの印象です。

――ラフコンディションでのレース展開を把握できなかったということですね

悪いコンディションを把握しきれていなかったというよりは、ラフコンディションの中で自分たちがどうなるかを把握しきれていなかったですね。先が読めていなかったというのがあるのかなと思います。

――きょうのレースで具体的に意識したことはなんですか

スタートからレートを上げて、途中からももう一段階艇を加速させようと話していましたが、そこもあまり変わらなく微々たるものでした。

――後半はいかがだったでしょうか

外から見ていたコーチの話を聞くと、後半はまとまったと言われました。自分としては後半はレートと水中どちらも上げるイメージだったのですが、それがレートだけになってしまったかなという印象です。風がやんだのもあって多少安定して漕げたのもあったのですが、前半の悪いところを後半でも続けてしまったなという感じでした。

――全体的にきょうのレースは納得できていないということですね

できていないですね。きょうは自分たちの課題が全部出てきたぐらいの、かなり反省すべき良くないレースをしてしまったかなと思います。 それを1000メートル終えて言うのは簡単なのですが漕いでいる途中に自分たち上級生がこれは駄目だなというのを気づいて対応できなかったということにすごく悔いが残りました。

――早慶レガッタに向けて直していくべきところはどこですか

隅田川は波があり、ラフコンディションであることは分かっているので、うまく漕ごうと。隅田川を強く漕ぎ切ろうというイメージはあまりなくて、いかに波のある中でもうまく漕いで船を進めるか、このうまく漕ぐというところをあと2週間でやっていきたいです。そのためにはオールが水に入っていない時間でいかにリラックスできるか、また強く漕ごうというよりは漕いだ後にいかに艇を伸ばすかというところをやっていきたいですね。みんな力はあるので、力をいかに無駄にしないかというところが肝になってくると思います。

――クルーの調子自体はいかがでしょうか

実際きょうを終えて空気は重いですが、このオフでリフレッシュしたいです。きょうを除けばクルーの技術的にも気持ち的にも良い感じで調整できていたので、きょうの結果を引きずらなければ雰囲気は良いと思います。終わってすぐ自分たちもミーティングしたのですが、下を向いている暇はないと。無理やりにでも早慶戦に向けてモチベーションを上げていくということが伝わっていれば問題ないかなと思います。

――早慶戦に向けて意気込みをお願いします

個人的な話をすると、いままで早慶戦という大会で一度も勝ったことがなくて、もう絶対に勝ちたい、絶対に負けたくないというワードが出てきます。ワセダ全体、クルー全体をみるとそういう気持ちからは少しずれて、勝たせてやりたいみたいな、そのために自分ができることを最大限できればいいかなと思います。

B:波多野響子(教2=福岡・東筑)

――2日間を通して、ダブルスカルのレースを振り返っていかがでしたか

きのうの初戦では当たりがすごく良かったので、絶対に1位で上がれるという自信はあったので、上がろうと思って漕いだらうまくいかなくて。どうしたら良いだろうと考えていたのですが、その状態のまま2本目にいきました。1本目と2本目の間にクォドルプルのレースがあったので、あまり相方の木下(美奈、スポ1=山梨・富士河口湖)と長く対話する時間がなくなってしまったのでその点は申し訳なかったです。2本目を漕いだ際にできることはやったので少しも悔いはありませんが、隣(レーン)の明治安田生命についていこうとしたばかりに、一番奥のレーンにいた後輩の早大Bを見ていなくて、ラストで抜かされてしまったのは少し悔しかったです。しかしその悔しさと出来なかったことをきのうの夜にミーティングして、絶対にきょうは勝つんだという気持ちを強く持ちました。木下も「頑張りましょう」と言ってくれたので、彼女を信じ、また彼女も私を信じてくれたので、きょう1本やったら最高のレースをすることができました。練習では午前にダブルスカルの練習をした後、午後にクォドルプルの練習をしたりしていました。毎日目まぐるしく違うクルーで練習するのは、正直合わせる人が毎日違うので気持ちを切り替えるのがすごく難しかったです。でも木下は高校時代に実積を残していたので速い彼女に合わせたら大丈夫だという気持ちと、クォドルプルは4年生も強く同期の土井(鈴奈、教2=埼玉・浦和一女)も乗っているので、安心感がありました。そのような気持ちがあったからこそ、練習からうまくいったのではないかと思います。

――「1日目の1本目であまりうまくいかなかった」とおっしゃっていましたが、具体的にどのような点でうまくいきませんでしたか

予定としてはスタートで1艇身ほど先に出て、残りは気持ち良くリードして余裕を持ってレースを終えることを想定していました。実際にはスタートで出ることはできましたが、スタートの後について来られてしまって抜くことができませんでした。また中盤で自分たちのクルーは上がらないので、中盤で落ちてしまったこともうまくいかなかったことの一つです。

――その課題はきょうのレースで克服することができましたか

私はバウなので彼女の漕ぎを見ながら漕いだのですが、きょうは中盤でも彼女や自分の漕ぎが疲れてきたと感じたときには声を出して切り替えることができたと思います。

――クォドルプルを振り返っていかがでしたか

1日目の初戦が本当にうまくいかなくて、トヨタ自動車にOGが乗っていらっしゃるのですが見事にやられてしまって。うまくいかなかったという気持ちをクォドルプルの場合は午後に切り替えることができたと思います。レースを振り返ると、1本目はバタバタしていてあっという間に終わってしまったのですが、2本目は絶対にスタートで出ようと決めていました。また1本目で崩れてしまったときに立て直すのに時間がかかってしまったので、2本目は立て直そうと決めていましたが、実際立て直すことができたので良かったと思います。2本目はレースの間が20分しかなくて女子対校クォドルプルのクルーを冷や冷やさせてしまったのですが、本当にたくさんの人が支えてくれました。私がダブル終わった瞬間に(クルーが)クォドを出して私を見ててくれて「戻らなきゃ」と思い、榊原さん(春奈、スポ3=愛知・旭ヶ丘)が私の船を押さえてくれて、すぐに乗り換えました。(スタート地点へ)行く間に男子対校エイトや観客の皆さんが応援してくれたので、本当に嬉しくて疲労が飛んで頑張ることができました。2本目のレースの勝因はスタートで出てあとは気持ちをひたすら強く持ち続けたことだと思います。きょうのレースについては、正直悔しい思いが強いです。「勝とう」とクルーで決めて臨んだので、本来なら「対校クォドルプルに勝てない」、「きのう負けているので明治安田生命には勝とう」などのようなことを考えるのですが、そうではなく「対校クォドルプルに勝つんだ」という気持ちを強く持つことができたのはとても良かったと思います。その中で、きのうの反省として出てきた切り替えのやり方、コール全体に対する反応はすごく良かったです。中盤はトヨタ自動車に半艇身以上出られていたのですが、一度ほとんどその差を詰めたときがありました。そのときは本当にチャンスだと思い、すごく気持ち良かったです。最後にやはりスパートで置いていかれてしまったので、その点は課題だと感じました。

――ダブルスカルは7位、クォドルプルは5位という結果でしたが、これらの結果をどのように感じましたか

ダブルはA決勝に行きたいという気持ちが大きかったのですが、きのうの時点で駄目なときにただ落ち込むのではなく、「次は勝つ」という気持ちを持てたことがすごく大きかったので良かったです。その上できょう一番のレースをすることができ7位になれたので満足しています。木下とはきっとこれからも一緒に乗ると思うので、先輩としてもっと彼女を生かせるように、クルーを引っ張れるようになりたいです。クォドルプルはA決勝に出場できたのがとてもうれしかったです。やはり自分の疲労はたまっていましたが、その中で4年生に引っ張っていただいて戦うことができたので自信になりました。またダブルスカルとクォドルプルとダブルエントリーしてどちらも1桁の順位がついたので本当に満足です。自分でやると決めたことだったのですが、ひるんでしまう自分もいたので、たくさんの方々に支えていただいた結果でした。やり切れて本当に良かったです。

――2日間に6試合というハードスケジュールでしたが、オフシーズンのトレーニングの成果で乗り切れたのですか

1年前の自分ではできなかったことだと思います。エルゴのタイムがこの冬で20秒ほど縮みまして、高校時代の体力を超えることができたのを実感しています。メディカルチェックでは、スクワットなどウエイトトレーニングでもどんどん成長しています。苦手だったシャトルランなどの持久系トレーニングでも先輩方には及びませんが回数が上がってきたので、体力がついたことが実感できました。今回1000メートルを6試合こなすことができたので、トレーナーにはすごく迷惑をかけましたが、この冬の頑張りでやり切れたと思います。少しケガもしていたのですが、今回のレースでは気にならずにできたので良かったです。

――悪天候の中でのレースでしたが対策はされましたか

きのうは暑かったので体力を奪われないよう心掛けましたがレース間隔があまりなかったので、1レース終わったらすぐ次のレースへ臨んでいました。反対にきょうはレースとレースの間が4時間空いたので、ゆっくりミーティングをしてお風呂に入って、ストレッチをしたりみんなのレースを応援したりと自分を落ち着かせる時間ができました。そのため悪天候の中でも自分の体を良い状態へ持っていくことができたと思います。

――中日本レガッタへの意気込みをお願いします

4年生が3人乗っているので、4年生に絶対メダルを掛けられるように土井と私の後輩がエンジンとなって頑張りたいです。きょう当たった明治安田生命やトヨタ自動車ともう一度対戦するので、そこで絶対にリベンジできるようあしたからまた練習していきたいと思います。私は今まで中日本レガッタに出場したことがないのですが、出場しているのが社会人ばかりで勝つことが難しいと聞いています。しかし私と土井はまだ19歳なので、若さでワセ女の誇りを持って絶対にメダルを取りに行きたいです!

内田達大(スポ1=山梨・吉田)

――今回のレースを振り返っていかがでしたか

やはり悪天候ということもあってスタートはあまり出られず、後半の勝負となりました。ラストスパートで勝負をかけたんですけど追い付くことができず、きん差ではありましたが敗北してしまい、非常に悔しいという気持ちがあります。

――早大を選んだ理由は

僕の父と姉が早大の漕艇部だったんです。正直自分が強くなれればどこの大学でもよかったのですが、早大の艇庫に訪れた時に、設備が充実していたり、選手の方々の意識の高さというのを目のあたりにしたりして、ここがいいなと思って入学しました。

――大学の練習の雰囲気はいかがですか

僕はまだ入寮したばかりなので、あまり練習は一緒に参加したりはしてないのですが、強くなることや勝利への執着に関して非常に期待しています。

――高校と早大の違いはありますか

高校では自分の先生やコーチの方々に指示されながらやるという部分もあったんですけど、今回の大学での初レースというのは、しっかり自分の判断でやるということがあって、そういう面では高校と大学では違いますね。自分でしっかり考えてやっていかなきゃいけないんだなと思いました。

――予選と準決勝では共に1位通過で、決勝では惜しくも2位となってしまったことについてどう感じていますか

久しぶりのレースだったので、自分自身の感覚というものがついていかなかったという部分がありました。決勝は悪天候で、順応できなかったということもあります。悪天候でも勝てるように強くなっていかなければいけないなと思いました。

――今回のラストスパートの調子はいかがでしたか

高校の時のレースでのコンディションと比べると、やはりスピードが足りてないと思います。ラスト200メートルで一気に詰めようと思ったんですけど、そこでスピードがうまくマックスまで出し切れなかったです。言ってしまえば、最初にしては良かったかなとは思うんですけど、そういう考えでは通っていかない世界だと思うので、どんな時でもきちんとスピードが出せるようにしていきたいと思います。

――今後に向けて目標をお願いします

今回の初レースの経験も生かしつつ、日本国内にとどまらず、世界に向けてもチャレンジしていきたいと思っています。