第62回お花見レガッタ 予選 3月30日 埼玉・戸田ボートコース
早慶レガッタ完全勝利に向けシーズン開幕!
「良くも悪くもこれが現実」(新藤耕平主将、スポ4=山梨・富士河口湖)。4月21日(日)に行われる早慶レガッタを前に、漕艇の新シーズン幕開けを告げるお花見レガッタが戸田ボートコースで行われた。早大からは女子舵手付きクォドルプル、男子シングルスカル、男子ダブルスカル、男子第二エイト、男子対校エイトの8艇が出場。 結果は、女子舵手付きクォドルプル2艇が相手を寄せ付けないレース展開であす行われる決勝進出を早々と決めたのに対し、早慶レガッタに出場するクルーで臨んだ男子エイト陣がまさかの完敗。両艇とも順位決定戦に回り、同組でワセダ同士の激しい戦いが行われる。一方、男子シングルスカルは新入部員の是澤祐輔(スポ1=愛媛・宇和島東)と竹内友哉(スポ1=愛媛・今治西)が決勝進出を果たし、見事デビュー戦を飾った。
予選を圧巻の1位通過を果たした女子舵手付きクォドルプルA。予選同組の社会人・明治安田生命を警戒したものの、「ワセダの女子は最初に頭を取ってそのまま逃げ切るというのが王道」(大泉環、文構3=埼玉・大宮)というレース展開で、最後は強敵に1.5挺身の大差をつけた。決勝では女子舵手付きクォドルプルBとの「ワンツーフィニッシュで勝ちたい」(大泉)という言葉通りの有言実行で、ことしも女王の強さを示したい。
圧倒的な漕力で完勝した女子舵手付きクォドプル
例年、早慶レガッタに出走する男子部の艇はこのお花見レガッタにエントリーしてこなかったが、ことしはその大会に出場。チームが切望する早慶レガッタの完全勝利(女子舵手付きクォドルプル、第二エイト、対抗エイトすべて勝利)への本気度が伝わってくる。しかしふたを開けてみると、その結果は決して喜べるものではなかった。今大会は1000mというスプリントレースであり、3750mの長丁場を争う早慶レガッタに向けて調整している早大クルーにとってたしかに厳しいレースではあった。また隅田川で行われる早慶レガッタに合わせてコース用の艇を使用しなかったことも、伸び悩んだ要因の一つである。そういった要素を含んだとしても中大や東北大にまで手の届かないレース展開に、選手たちは早慶レガッタの先にある長年の悲願、「日大を倒すということが、このままでは口だけになってしまう」(高橋拓哉、政経3=東京・早大学院)と危機感を募らせた。対校エイト、第二エイトともに「個々の力だったら間違いなくワセダも負けていない」(新藤主将)この窮地を脱するためには、新藤主将が語る「ユニフォーミティー」(漕艇で、クルー全員の気持ちと動きが統一されていること)を発揮し、まずあすのレースで真の力を存分に出して勢いをつけたいところだ。
終始、本来の漕ぎを取り戻せなかった男子エイト
あすは男子シングルスカル2部の決勝に高校での実績が十分な是澤、竹内が初の表彰台に挑む。早大に更なる層の厚みをもたらす期待の新人のレースにも注目である。昨年の早慶レガッタでは、女子舵手付きクォドルプルが23連覇を達成し、『ワセ女』の真価を証明した。今大会でも、その力を出し切り“本番”に挑みたいところである。一方、男子エイトはその伝統の一戦で、対校・第二共に慶大に敗れるという屈辱的な結果に終わった。「隅田の借りは隅田でしか返せない」――歴代の漕艇部員が語ってきた言葉をいま実行するときである。あす、男子エイト2艇は順位決定戦という同じ舞台で激突する。己の力を最大限に引き出し、三大早慶戦のひとつである早慶レガッタに向けて弾みをつけたい。
(記事 佐藤裕樹、写真 辛嶋寛文)
※記事中の学年は新年度のものです
結果
▽男子シングルスカル
(田中優樹)予選 4分15秒28…3着(順位決定戦進出)
(是澤祐輔)予選 3分59秒14…1着(準決勝進出)
準決勝 3分52秒68…1着(決勝進出)
(竹内友哉)予選 3分57秒54…1着(準決勝進出)
準決勝 3分58秒98…2着(決勝進出)
▽男子ダブルスカル
(S藤井 B武田)予選 3分43秒75…4着(順位決定戦進出)
▽男子エイト
早大A(C:高橋 S:長田 7:青松 6:田崎 5:新藤 4:佐藤 3:正垣 2:山下B:江原)
予選 3分5秒75…4着(準決勝進出)
準決勝 3分3秒80…6着(順位決定戦進出)
早大B(C:中村 S:角南 7:小坂 6:鈴木 5:白濱 4:森下 3:杉山 2:長山B:和田)
予選 3分6秒73…2着(準決勝進出)
準決勝 3分14秒94…6着(順位決定戦進出)
▽女子舵手付きクォドプル
早大A(C:大泉 S:山根 3:大石 2:望月 B:土屋)
予選 3分38秒22…1着(決勝進出)
早大B(C:奥山 S:谷川 3:坂内 2:湯浅 B:辛島)
予選 3分45秒74…1着(決勝進出)
コメント
【男子対校エイト】
COX:高橋拓哉(政経4=東京・早大学院)
――決勝に進めなかった率直な感想は
自分たちの現状を思い知らされた試合でした。このままじゃいけないなと思いました。いくら1000メートルのシーズン序盤とはいえ、中大、一橋大にも足元に及んでいない。このままでは、日大を倒すということは口だけのことになってしまうので、一つ一つ勝利を積み重ねていく。あした、しっかり気を引き締めて早慶レガッタ勝利に向けて進んでいきたいです。
――レース展開については
1000メートルはかなり短いので、200メートルまでスタートスパート、200メートルコンスタント、600メートルラストスパートという感じでしたね。コンスタントがたったの200メートルなのですが、その中でいかに艇を進められるかというのが勝負でした。しかし、スタートスパートで焦り、コンスタントもそのまま艇を伸ばせず。あしたはそこを改善したいです。
――スタートでの焦りはどんなところからくると思いますか
やっぱり、スタートで出られてしまうので、一本の伸びにこだわらなければいけないのにも関わらず、回転にこだわってしまいました。艇が伸びないまま次の一本、次の一本になってしまいました。もっと一本を意識して艇を伸ばしたいです。
――艇を変えて臨んだレースでしたが感触は
座面が高く、自らの位置も遠いので、エントリーも上手くいかず、空漕ぎみたいになってしまいました。あしたそこは調整したいです。コース用の艇ではないので難しい部分もありましたね。
――きょう見つかった課題は
アップは上手く出来ているのでそれを試合に上手く持っていくことが大切だと思います。
――あしたに向けて
自分たちのレースをして、自分たちの力を100%発揮して結果を出したいと思います。
5:新藤耕平主将(スポ4=山梨・富士河口湖)
――3週間後に早慶レガッタを控えている中、きょうは苦しいレースでしたが
良くも悪くもこれが現実だと思います。
――どのようなレース展開を想定していたか
1000メートル(普段の大会は2000メートル)のスプリントレースだったので、駆け引きとかそういうのは抜きにして、自分たちのやるべきことをやってその結果早くゴールできたらいいねということをクルーのみんなには言っていました。
――その「やるべきこと」というのは
この地点まで、どういうリズムで行って、どんな入れ替えをして、どこでスパートに入るかとかですね。
――同じ組には社会人もいましたが
力と経験があることは分かっていて、だからこそスタートで飛び出して僕たちがレースを引っ張っていきたいというイメージだった。でも、思ったより水が重くて、船と合っていない感覚でした。個々の力だったら間違いなくワセダも負けていませんし、爆発力もある。そこはチームの力というかユニフォーミティー(漕艇で、クルー全員の気持ちと動きが統一されていること)の差なのかなと思いました。
――では、中大や東北大に負けたことに関しては
(負けたことで)逆にワセダの今の立ち位置が分かったと思います。(中大や東北大とは)攻めて攻めてもう一回くらい攻めてたぶん届くか届かないかの差だと思うので、そういう意味では、良い大会良いモチベーションを保つ要素になっています。
――最後に、順位決定戦に向けて意気込みをお願いします
きょうは少し戸田の水に嫌われた感じがするので、あしたは必ず戸田の水を味方につけて1位で帰ってきたいと思います。
【男子第二エイト】
3:杉山史門(スポ4=静岡・沼津東)
――レースを終えての心境は
1本目は勢い良く、気持ち良く漕げたので良かったんですけど、2本目で少しばたついちゃって思い通りにいかない部分があって。そこが少し心配なんですけど、明日はのびのびとしていきたいなと思います。
――きょうのレースプランは
攻めの姿勢を忘れずにということで、レースプランというのは特になくて。スタートで出る、落ちたらあげる、落ちたらあげる、最後は絶対にあげる。この4つの約束でやっていきました。
――向かい風がありましたが、影響は
あまりありませんでしたね。
――レースを振り返って
1レース目では隣の一橋大から半艇身差リードして、遠くにいた明大から半艇身リードされたところで500メートルを通過したんですけど、そこから調子が上がってきて、スピードに乗って、最後は1秒差まで詰めて2着になりました。2レース目は、序盤東北大と少し競っていたんですけど、自分たちが力んでしまっところでリードを奪われてしまって。そこからグイグイ押してしまったレースでした。
――予選と準決勝でタイムに8秒程の開きが出てしまいましたが、その要因は
序盤に東北大にリードを奪われて、焦ってしまったことが1番大きいと思います。
――今季最初のレースでしたが、収穫や課題は
勢いに乗ったら強いクルーなので、いかに勢いに乗せるかという部分がこれから重要になってきて。勢いがある分、逆に勢いがなくなってしまったときに弱い部分が出てしまうところが弱点なので、そういうところで焦らずに落ち着くということを意識してやっていきたいと思います。
――杉山選手はことしが最終学年で、副将という立場でもありますが、個人での目標は
インカレで優勝というのが、チームとしてはもちろんですけど、個人的にも目標です。それをどの種目でやるかというと、やはりエイトで。今回は対校エイトに乗れなかったんですけど、手の届くところにありますし、ワセダというチーム自体も強くなってきて。いままではインカレ優勝というのも紙面上での目標だったと思うんですけど、いまはメンバーが揃って良いチームになって、手の届く位置にインカレ優勝があるので、そこを狙いたいと思います。
――最後にあしたに向けての意気込みを
1つでも良い順位を取るのが目標なんですけど、まずは身近にいる対校エイトを倒して、早慶戦に向けて波に乗っていきたいなと思います。
【女子舵手付きクォドプル】
COX:大泉環(文構4=埼玉・大宮)
――決勝進出を決めた率直な感想は
そうですね。明治安田生命を警戒していました。なので、一位通過というのは予想以上だったので、みんなで喜びました。
――レース展開としては
元々ワセダの女子は最初に頭を取ってそのまま逃げ切るというのが王道なので、そこは意識しました。あとは、中盤でダレないように意識しましたね。実際のレースでは、スタートで出られたのですが、中盤には明治安田生命に詰められ、なんとか逃げ切りました。
――逆風の強かったですがコンディションについては
冬場はシングルスカルだったり、ウエイトといったことをしてきたので、逆風の中でも強く押すことができました。そこについては満足しています。
――決勝で明大と当たりますが
今回ミーティングをしましたが、あまり明治の名前は出てこなかったですね。きょうのレースで明治安田生命を倒しているので、他艇を意識することはあまりないですね。それよりは、カシオペアというセカンドクルーがいるのですが、そことワンツーフィニッシュで勝ちたいという話がよく出ましたね。あとは自分たちの課題を解消するだけです。
――きょうの課題は
いままではエントリー周りを意識して、かかりだしを意識してきました。それ以上にきょうはファイナルでのもたつきが気になったので、ファイナルで押し切ってクリアなファイナルを作りたいです。
――最後にあしたに向けて意気込みを
シーズン初戦なのでしっかり優勝します。そして、女子部全体でワンツーフィニッシュを狙います。