男女共に敗者復活ならず

漕艇

 全日本新人選手権(全日本新人)2日目、早大からは女子ダブルスカルと男子第二エイトが敗者復活戦に出艇。台風の影響もあり、雨風や低気温が選手たちを襲う。そんな悪条件の中、レースでは懸命に他艇を追い上げるも、力漕むなしく男女共に3位。目標としていた準決勝進出は叶わなかった。

後半失速してしまった女子ダブル

 まず登場したのは女子ダブルスカル。「スタートはきのうの予選よりも上手くいった」というバウの湯淺恵美子(社2=大分・日田)の言葉通り、序盤での加速に成功し必死に他艇に食らいつく。しかし前日に行われた予選の疲れからか、中盤から徐々に引き離されてしまう。その後レースが進むにつれ、トップとの差はますます広がった。早大はラストスパートで巻き返しを図るも、他艇のスパートには及ばず。「二人で組んでいてなかなか大会に出られない日々が続いていたので、この大会に懸ける思いは大きくあった」と湯浅が語るように、今大会に対する強い思い入れはあったものの、惜しくも3位で敗退。最終日まで漕ぎきることはできずに全日本新人から姿を消した。

バラつきが目立った第二エイト

 続く男子第二エイトは、9人のクルーのうち6人が1年生という非常にフレッシュなメンバーで登場。苦手なスタートで飛び出し、勢いをつけてレースを進行するというプランを練っていた。だがクルーキャップである田中優樹(商2=群馬・前橋)が「最初から不安要素だったスタートで少しばたついて、立て直すことに体力を使ってしまった」と振り返ったように、スタートから東大Aに大きく差をつけられる。中盤に入るも立て直すことができず、更に東大Bにも大きく先行を許してしまった。「きのうよりオールがばらついていた」というコックスの藤川和暉(法1=東京・早稲田)の言葉に表れるように、思うような漕ぐことができず敗北を喫した第二エイト。ゴール直後、クルーたちは水面を叩きつけ悔しさを露わにした。

 女子ダブルスカル、男子第二エイトは3位で敗者復活戦を終え、今季最終戦で好結果を残すことができなかった。しかし今大会に出場したのは1、2年というまだ競技歴が浅いクルーばかり。「この悔しさをバネにして、早慶戦や次の新人戦では絶対勝てるようにしていきたい」(藤川)という力強い言葉にあるように、今回見つけた課題を冬場のトレーニング期間でしっかりと改善し、来シーズンに向け成長を図る。

(記事 八木瑛莉佳、写真 細矢大帆)

結果

▽女子ダブルスカル(S:波多野、B:湯浅)…3着【敗者復活戦敗退】
▽男子第二エイト(C:藤川、S:寺田、7:田中、6:石阪、5:木金、4:松永、3:杉田、2:菅原、B:武田)…3着【敗者復活戦敗退】

コメント

バウ:湯淺恵美子(社2=大分・日田)

――敗者復活敗退となってしまいましたが、今の率直なお気持ちをお願いします

2週間前からクルーを組み始めて、練習のタイムトライアルと予選を重ねてタイムは確実に上がっていました。レース内容は良い内容だったとは思うのですが、ワセダのクルーが敗者復活で敗退となってしまったので残念です。

――きょうのレースを振り返って

スタートとゴールのスパートが強みなクルーなのですが、きょうもスタートは良く決まり、きのうの予選よりも上手くいきました。コンスタントで少しきのうの疲れを引きずってしまって周りにおいて行かれて伸ばしきることができませんでした。その後のスパートで追い上げるも追いつくことができませんでした。

――悪天候でしたが、影響はありましたか

雨が私たちのレースに合わせたように降ってきてしまって、スタート前がとても寒く体温を少し奪われてしまいました。しかし対策は十分にしていたので、万全な状態でレースに臨めたかなと思っています。

――シーズン最後のレースでしたが、今シーズンを振り返ってみていかがですか

今大会はストロークの波多野(響子、教1=福岡・東筑)のデビュー戦でしたが、二人で組んでいてなかなか大会に出られない日々が続いていたので、この大会に懸ける思いは大きくありました。しかし敗者復活敗退ということで残念に思います。波多野は入学以来成長を見せているので、今回の悔しさをバネに来シーズン頑張って欲しいと思います。

――冬場のトレーニングに向けて強化したいところはありますか

今回コンスタントがなかなか伸びなかったので、持久力とフォームを崩さないところが課題だと思います。夏にスプリント系をたくさん行ったので、冬は持久力を高めて漕ぎを崩さないでいけたらと思います。

7番:田中優樹(商2=群馬・前橋)

――きょうのレースを振り返って

全体的に風が強くてばたばたしてしまって、風に不慣れな感じが負けにつながってしまったかなと思います。(早大Bが)負けてしまった東大A、Bは風でも崩さずにぐんぐん進められていました。ばたつきが焦りを生んでさらにばたつきを呼んでという悪循環になってしまったかなと思います。

――スタートから大きく引き離されてしまいました

最初から不安要素だったスタートで少しばたついて、立て直すことに体力を使ってしまいました。コンスタント入ってもばたばたばたばたしてという感じで、立て直す体力が残っていませんでした。

――レースプランは後半型だったのですか

スタートで出たかったです。スタートは苦手なんですけど、500㍍で何が何でも出ないと勝ちがないかなと思っていました。きょう本来勝たなくてはならなかった東大Aとは、前日のタイムが自分たちより15秒も速くて、勝つためには最初にすっと出ないといけないなと思っていたんですけど、出れなかったですね。

――きょうのような逆風に対して以前から苦手意識がありましたか

クルーを編成してから時間が短かったおというのがあって、ばたついた後のフォローの経験が少なかったかなと思います。

――このレースを通して逆風の対策はたてられましたか

自分の中ではどうしたらいいかというのはあるんですけど、それをクルーに共有できるかというと、自分の中で必死になってしまったというのもあります。

――クルーキャップとしてどのようにチームをまとめましたか

1年生が6人乗ってて勢いがあるチームだったので、自分が勢いを殺さないようにと思っていました。特にまとめるために意識はしなかったですね。自分は大学から入って始めたので、船に関して繊細な感覚を持っているものが1年生の中にもいて、特にまとめるためにどういう風にしたというのはなかったですね。

コックス:藤川和暉(法1=東京・早稲田)

――きょうのレースを振り返っていかがですか

結果は満足のいかないレースでしたが、実力は出しきれたかなと思います。

――スタートの早い段階で東大Aと差をつけられてしまいましたね

やっぱり認めたくはないですが、実力の差がありました。500メートル地点で1艇身以上離れてしまって、これはまずいなと思って、東大Aを見ながら東大Bに抜かれないようにしていました。

――全体のレースプランとしてはどのように考えていましたか

250メートルまでスタートスパートを入れて、600か700メートル地点でミドルスパートを入れ、1250メートル地点でもう一度スパートを入れました。最後の400メートルでラストスパートを入れて、残り100メートルをパワテンとして考えていました。プランは全て遂行できました。

――きょうは逆風気味でしたが、影響はありましたか

もちろんあったと思います。きのうよりオールがばらついていて、エントリーが乱れたり、大きく崩したところがあったので、逆風に慣れていなかったという感じがしました。

――冬のトレーニングに入りますが、どんなところを強化していきたいですか

次に大会に出るとしたら早慶戦になると思います。川のレースはまたコースとは違うので、川の中でどうやってラダー切っていけばいいかとかどうコールかければいいかとか、そういうところを磨いていきたいと思います。

――次のシーズンに向けて一言お願いします

この悔しさをバネにして、早慶戦や次の新人戦では絶対勝てるようにしていきたいと思います。