強風の中、入賞を決める

自転車

 強風のなか6月3日、4日埼玉県利根川河川敷で全日本学生選手権ロードタイムトライアルが行われた。ワセダはチーム、個人両方の種目で出場した。チームTTでは目標としていた6位には届かなかったが個人TTでは中川拳(スポ2=北海道・帯広三条)が6位、孫崎大樹(スポ3=京都・北桑田)8位となり入賞を決めた。

 6月3日に行われたチームタイムトライアルにワセダからは八田衛(スポ4=鳥取・倉吉東)、孫崎、中川、小野寛斗(スポ1=神奈川・横浜)が出場した。大学ごとに時間差でスタートし、全長60キロの往復コース。前半はあまりタイム差がつかないため、例年通り後半勝負のプランを立てて臨んだ。ワセダは全体の9番目で出走。「途中風向きが変わってキツかった」(中川)と前半は風に苦しめられ、1周目を7位で折り返すと、巻き返しを図りたい後半にアクシデントに見舞われてしまう。残り半周で孫崎と中川のパンクが重なり、ラスト1キロで踏んでいくつもりが減速したまま7位でゴール。「(パンクするまでは)ほぼ目標通りに走れていた」(孫崎)と振り返るだけに悔しいレースとなった。

隊列を整える孫崎

 個人ロードタイムトライアルは31.2キロ競う。河川敷ということもあり、強風を直接うける厳しいコンディションの中でのレースとなった。この状況下では小野、山本真寛(社1=岩手・紫波総合)らルーキーは苦戦する。山本はレース途中にアクシデントに見舞われ、タイムは50分以上をを要してしまい順位も92位と不完全燃焼に終わった。小野は順調に走り切り46分台のタイムを出したものの、上位には食い込めなかった。なかなかタイムを出すことができない中、小野、孫崎が奮闘する。孫崎はチームスプリントでは最後にパンクに見舞われたこともあり、思うような走りができなかったが個人ロードではペースを崩すことなく淡々とペダルを踏むことを意識する。風の中でもうまく自転車を進め43分台の好タイムを記録し8位入賞を決めた。中川もここまでの強風の中でのレースは初めてだったもののあえて、速度を意識することなく、一定のパワーで踏み続ける作戦を立てる。このプランがうまくはまり中川も43分台でフィニッシュし6位となった。
 

スタートをする中川

 夏に行われるツール・ド・北海道の推薦枠は4校あり、ワセダは現在5位につけている。出場権は次戦の全日本学生選手権個人ロードレース(個人ロード)での結果次第。今大会で中川、孫崎が入賞を決め、チーム状況は確実に良くなっている。結果が求められるレースでいかに力を発揮できるかが重要となってくるだろう。

(記事 喜柳純平、萩原大勝 写真 喜柳純平)

結果

▽男子4キロチームパシュート

早大(孫崎、八田、小野、小野) 7位 1時間21分20秒48 

▽男子個人ロードタイムトライアル31.2キロ

中川拳 6位 43分17秒86
孫崎大樹 8位 43分27秒984
小野寛斗 41位 46分25秒126
山本真寛 92位 53分54秒790

コメント

孫崎大樹(スポ3=京都・北桑田)

――チームTTのレースではどのような作戦をたてていましたか

作戦は今までの歴代タイムのリザルトを見ていてもこういう風だったら前半後半一定のペースで走って、みんな1週目は大体タイム差がないので後半勝負になるので、そこの後半をしっかり自分たちが踏んで行けるようにということで1週目は無理しすぎずに2週目を頑張るっていう設定で走りました。

――目標タイムはありましたか

目標タイムは全然決めてなくてその日コースに来てみないと風が分からないので大体予想はできますが、目標タイムは1時間20分前後になりますので、その辺タイムというよりかは平均時速、パワーであったりで調整しようと思っていました。

――平均時速はどのくらいを目標としていましたか

47キロを目標としていました。

――今大会の位置付けは

ツールド北海道の出場枠がこのチームロードと個人戦ロードと昨年のインカレ等のチームでの順位がそのまま北海道への出場権がかかっていました。僕らは昨年インカレで3人しっかりと25位内のポイント獲得圏内に入って大学対抗4番手につけていますので、ここでも6位以内を実力的にも6位以内は行けると感じていましたので、その辺をきっちりとっていこうという感じでした。

――結果について

最後僕と中川がパンクをしてしまったのでラスト1キロ少しのところでパンクしてしまいました。最後1キロ踏んでいこうと考えていたので、たらればの話になりますがあれがなければ順天堂大学の6位には勝って6位には入れていたと思います。ほぼ目標通りに走れていたので、最後は少し運に見放されたというかもっと余裕をもって走っていれば良かったです。

――個人戦ロードに向けて修正点などはありましたか

そうですね。思った以上に自分が走れていないので、その辺しっかり休んで明日もう1度集中して走りなおしたいと思っています。

――個人TTを振り返って

3週間後の全日本選手権に出場するので、それの予行のつもりでした。入賞を目指して走っていたので結果は入賞に絡んでいるかどうかぐらいですので、まあまあの結果かなと思っています。

――風が強かったですが、影響はありましたか

自分はそんな風が強くてもそんな嫌ではなくて、むしろ今回は一定の同じぐらいの風速でしたのでそれを淡々と踏んでいけたのであまり影響はなかったです。

――昨日は脚が重いと語っていましたが個人TTではどうでしたか

昨日のが刺激になったのか、割と脚は回ったのできようはそんなに悪くなかったです。

――2日間を振り返って

そうですね。やはりTTバイクに乗っている時間が短いのでTTバイクでの実践的な練習をぜんできていませんでした。そのため最初の10分.20分は我慢できても後半だっだりページングが良くなかったりしていたので、来年はそこをつめていけたらと思います。

――次のレースに向けて

来週の個人戦でツールド北海道の大学推薦枠が決まります。僕らはいま推薦される4校の中で、5番手につけていてその前の4校とあまりポイント差はないので十分巻き返せますし、来週は自分の得意な分野のロードレースですので、しっかりポイントを稼いでツールド北海道を決めたいと思います。

中川拳(スポ2=北海道・帯広三条)

――きょうの目標タイムは

速度的には去年の優勝がアベレージ47キロだったので最終的に47キロでゴールできたらってことでやっていました。順位としては表彰台を狙っていました。

――レースを振り返って

予定としては1周目を抑えて入って2周目でペースを上げていくみたいなイメージでした。1周目の行きが向かい風で帰りは追い風だと思ったんですけど、途中から風向きが変わってキツかったです。あと練習ではいつも20分ぐらいのローテでの練習を沢山やってたんですけど、1時間を超えるやつをなかなかできていなかったので、1時間越えが未知の世界でしたね。

――きょうの調子はいかがでしたか

おそらくパフォーマンス的には今持っているものは出せたかなと思うので、まだまだ力不足だったなと感じます。

――2回目のTTとなりましたが

去年は序盤に頑張りすぎると後半に頑張れなくなってしまうと感じたのでそこは気をつけていたつもりだったんですけど、それでも後半に脚がつり始めて少しキツくなってしまう場面があったので、また来年そこを修正していかなきゃなと思います。

――個人TTを振り返っていかがでしたか

そうですね。初めてこんなに風が強い日にTTを走るということで昨日のチームTTの疲労もあったので不安な面もありました。不安要素があった部分もありましたがこんなに風が強いと思っていなかったので、帰りにギアがなくなるだろうと走る前から予想できて、実際走ってみて帰りは脚が回りきってしまい大きいギアをかけたかったなと思いました。それはもう走る前から予想ができていたので、他の選手も行きは少し抑えめで向かい風ではそんなに差はつかないので前半は抑えて帰りに踏むという作戦が良いと言われていました。僕は行きも踏みすぎないけどそれなりに踏んでいくイメージで帰りのハンデを行きでうめようと思っていました。ペースも速度ではなくパワー(踏む力)を重視して力を常に行きも帰りも一定で帰ってきてラストで上げれるようにしようとしました。一定で走ることはできましたが、最後のラスト数キロで上げたいところでしっかりあげれなかったので昨日もパンクで終わってしまったこともあり、若干不完全燃焼で終わってしまい、今日も準備不足もあり歯がゆい気持ちはあります。準備をもう少しできればそれだけでも順位は変わったのではないかなと思います。またトップの選手とはまだ2分くらい離れていてそれは明らかに実力差なので来年に向けてもっと伸ばしていけるよう頑張りたいです。

――風の影響はありましたか

風はかなり風はありましたが全員同じ境遇の中で走っていますので僕だけがハンデを背負うわけではなかったかなと思います。

――きょねんもこの大会を走っていますが成長した点などはありましたか

きょねんよりもTTバイクは窮屈なポジションで走りますがその中で体感の強化に力を入れてるおかげか昨年よりも少し踏んだ時の体幹のブレが抑えられていていました。ただ体幹はさらに強化しなければならないですしポジションもさらに空力を意識した攻撃的なポジションをとれるようにして、パワーも上げたいのでまだまだ改善の余地があります。

――次走に向けての意気込みを聞かせてください

来週は個人戦ロードでツールド北海道にワセダがでれるかどうか決まる大事なレースですのでしっかり来週の日曜日に良いコンデションで走れるよう調整していきたいです。

小野寛斗(スポ1=神奈川・横浜)

――レースを振り返って

この1ヶ月くらい筋トレを練習してきて、最初の1週は飛ばしすぎず4人でしっかり同じペースできざむ他の学校などを気にせず自分たちのペースで走っていました。最後行きの向かい風の部分でペダルを踏んで速度を上げて最後の半周は我慢することを目標としていました。実際風邪か向かい風なのか追い風なのか分からなくて最初は4人でうまく回れていたのですが最後の残り半周でパンクが重なってしまいました。もしそれがなければ結構良い順位でゴールできたのではないかなと思います。

――最後ゴール前はスピードが落ちていました

そうですね。最後あの時にパンクしてしまってそれさえなければという感じでした。パンクした人のペースに合わせて走っていたので、仕方がなかったです。

――調子はどうでしたか

この前はオープンロードで全然駄目でしたが、このレースに合わせてきたので調子は悪くなかったです。

――目標タイムはありましたか

目標タイムはありませんでしたが、平均時速47〜48キロを目標にしていました。

――今回のレースでコースの特徴などはつかめましたか

そうですね。すっとアップダウンもなくて平坦なコースなので、向かい風では我慢して追い風のところでしっかり踏めればなと思います。