ルーキー小泉がポイントレース初優勝 池田も3種目で自己新

自転車

 5種目のオムニアムを2日間にわたって行う第19回修善寺カップ女子オープン(修善寺カップ女子)に、池田ゆめこ(スポ3=北海道・札幌旭丘)、小泉夢菜(スポ1=埼玉・浦和工)の2人が出場した。小泉は200メートルフライングラップで12秒139の2位、ポイントレース1位でトラック種目を終え総合2位で折り返した。池田はタイムトライアル3種目いずれも自己新記録を更新。

 東日本学生選手権トラック(東日本トラック)、全日本選手権トラック後の調整として役割が大きい修善寺カップ女子だが、池田が東日本トラックから2戦連続で自己新記録を更新した。200メートルフライングラップでは初めて13秒台を出し、500メートルタイムトライアルでも2週間前の東日本トラックから1秒5縮めた。追い越され追走を余儀なくされた3キロメートルインディビジュアル・パーシュートでも更新。着実な成長をタイムで示した。その要因として、5秒のワット計測や加速力を鍛えるスタート練習を増やしたことを挙げた。しかし、専門種目の200メートルフライングラップについて「12秒台を出したかった」と記録更新の喜びよりも悔しさを口にした池田。インコース側に寄り切る技術、遠心力に負けないパワーをつければ、12秒台も自ずと見えてくるだろう。

第2コーナーを曲がる池田

 1日目最終種目のポイントレースは、最終着順1着の小泉が逆転優勝を果たした。序盤は集団内で様子をうかがっていた小泉。タイムトライアル3種目で全て2位以内に入り、総合優勝候補筆頭の岡本二菜(日体大)が、ポイント周回毎に得点を重ねていく。小泉は3回目のポイント周回で1着、5点獲得し3位タイに浮上。得点が倍になる最終着順での逆転を狙う展開に。迎えた最終周回、第3コーナー付近から仕掛けるとホームストレートで岡本らをさし切った。一気に10点を加え優勝し、順位合計14で暫定総合2位につけた。

小泉は大学入学後ポイントレース初タイトルとなった

 修善寺カップ女子は日本学生自転車競技連盟唯一の女子選手だけの大会。女子選手が少ない状況は依然続いているが、ことしは競輪学校より大学進学を選んだ女子選手が多く、ポイントレース出場者も昨年比5人増。レースとしての見ごたえが増した。池田、小泉には大学の垣根を越えて切磋琢磨(せっさたくま)し、女子自転車競技を盛り上げていってほしい。

(記事 曽祢真衣、写真 喜柳純平)

結果

▽スプリント

小泉夢菜 2位 12秒139

池田ゆめこ 13位 13秒51自己新記録

▽500メートルタイムトライアル

小泉夢菜 4位 38秒224

池田ゆめこ 14位 41秒091自己新記録

▽3キロメートルインディビジュアル・パーシュート

小泉夢菜 7位 4分04秒927

池田ゆめこ 19位 4分30秒481自己新記録

▽ポイントレース

小泉夢菜 1位 15点

池田ゆめこ DNF

コメント

池田ゆめこ(スポ3=北海道・札幌旭丘)

――自己新記録を更新しました

200に関しては正直12秒台を狙っていたのですが、ライン取りで外を走りすぎたのでそこが課題かなと思います。技術的な部分はこれから練習すれば改善できると思うので、あとはもっとパワーをつけたいです。でも自己ベストが出たことはほっとしています。

――ライン取りがうまくできればもっと縮められるということですか

そうですね。少しアウトを走る時間が長かったです。もっとインを走れたら0.3秒くらい速かったのかなと。でもそこも今の実力なので、受け止めてそこを意識しながら走っていきたいです。

――200メートルフライングラップのためにどのような練習をしていますか

普段はワットバイクで5秒全開でもがく練習、バンク練習で男子の後ろについてマックススピードを上げる練習をしています。

――500メートルタイムトライアルに関してはいかがですか

準備があわただしくアップできない状態でしたが、500でも自己ベストが出たので調子が悪くても出るんだなと。500も後半の伸びが足りないのでそこを頑張ります。正直40秒前半を狙っていたのでまだまだですし、ただただ悔しいです。

――3キロメートルインディビジュアル・パーシュートはホーム側の選手に追い越されました

(追い越された後)追走するかたちになってしまって、自分の余力を残した状態で若干の車間を空けながらついて行って。でも抜かす力もなくて自分の力を出し切ることができなかったです。でも自己ベストは出ました。3種目とも改善点しかないです。

――ポイントレースは完走できませんでした

ポイントに関しては完全にスタミナ不足ですね。集団内で完走することを目標にしていましたが、中切れが起きて3人で回していましたが、力がなかったです。後輩が優勝したことはうれしかったですが、先輩として結果を残せなかったのはすごく悔しいです。申し訳ないです。

小泉夢菜(スポ1=埼玉・浦和工)

――今大会の位置付けは何ですか

今回は練習だと思ってベロドロームも走れるということで走っていました。。

――調子はいかがでしたか

あまり調子は上がらないのですが、でもハロンではタイムが縮まっていてよかったなと思います。しかし、そのぶん持久力が落ちていて3キロなどもこんなに遅いなら話にならないなという感じだったので、ポイントレースはひとつ頭で勝っていこうと思いました。。

――200メートルタイムトライアルを振り返って

タイムとしては不調が続いていたのできょうは大分良くなっているなと感じましたが、全体的には落ちているなとも思いました。

――ポイントレースではアタックのタイミングはいつしようと考えていましたか

4周回しかポイントがない中で、自分が5点を2回で10点取ったとしても最終ポイントで10点が1位に入るので必ず絶対15点を取らなくてはいけないなと思っていました。また1人がラップして取った場合、15点取ったとしても勝てないなと思っていたので、逃げを徹底的に潰して自分でポイントを取るようにしていこうと考えていました。1周目2周目でできるだけ取りたかったですが、狙える位置になかったので3周目は必ず取って4周目も狙っていこうと思いました。

――後半にかけてポイントを稼ぐ作戦だっだということですか

そうですね。皆あまり考えなしに走っていたと思いますが、絶対初めから動いていた人は後半バテるなと思っていました。しかも強い人が最初から動いていたので、チャンスだなと捉えて後半に動こうと思っていました。

――マークしていた選手はいましたか

そんなにはいませんでしたが、1回目でポイントを取った選手と2回目でポイントを取った選手をマークしていました。その人たちがもし自分が1着をとっても着順に2位、3位で入ったら結局トータルポイントで負けることになるのでそこは考えて走りました。

――優勝という結果についてはどう感じていますか

自分の足で勝ったならいいですけど、結局人を使って勝ったレース展開に恵まれた走りだったのであまり嬉しくはないですけど、まずは1勝できたことはよかったなと思います。

――明日のロードレースにむけて意気込みをお願いします

明日のロードはどうなるかわからないですけど全力で走って表彰台に上がれるように頑張りたいなと思います。