全日本選手権 初日は悔しさ残す

自転車

 5月13日・14日宮城県自転車競技場で日本一を決める全日本選手権トラックが開催された。気温が低く、強風、豪雨の悪条件の中大会初日は女子500メートルタイムトライアルに小泉夢菜(スポ1=埼玉・浦和工)、男子チームスプリントに中井琢(スポ4=宮城・仙台二)、田中克尚(スポ2=岡山工)、後藤悠(スポ4=岩手・紫波総合)組、男子スクラッチには孫崎大樹(スポ3=京都・北桑田)が出場した。男子チームスプリント、スクラッチは共に全国の厚い壁に阻まれ予選敗退を喫したが、小泉が全日本の舞台でルーキーながら2位となり表彰台に上った。

アタックを仕掛ける孫崎

 全日本選手権トラック早大勢から先陣を切って出場したのが男子チームスプリント。最初から同走の法政大学が飛ばし、リードされる展開になるが選手たちは焦ることはなく、隊列を崩さず走行する。相手がうまくスピードに乗り切れないでいるなか、徐々に加速していく。ラストになってもテンポが落ちることはなくコンマ数秒となった接戦を制した。しかし、タイム上位2組の決勝進出枠に入ることは出来ず予選敗退となった。スクラッチに出場した孫崎は調子が良かったこともあり序盤から積極的にアタックを仕掛けていくが、なかなか決まり切らず後続を引き離せない。後半になり他の選手がアタックの仕掛けが始まると孫崎は集団の後方に位置をとる。「脚は全然きつくなくて余裕だった」(孫崎)。最終盤まで余力は残していたが後方に位置していたことが不運となり、残り1周からのスプリント勝負では前に出られず、こちらも決勝進出は逃した。

 女子500メートルタイムトライアルには小泉が出走。全日本トラックをことしの最も重要視していた大会と位置付け臨んだ。レースではこぎ出しから加速までは順調にいったが、後半になると思うようにスピードに乗り切れない。目標タイムとしていた36秒台には大きく遅れ38秒台でのフィニッシュとなった。「1位でなければ意味がない」(小泉)。初の全日本選手権トラックでの2位という結果にも悔しさをあらわにした。

表彰台に上る小泉

 
 実業団や関西の大学から実力者が集まった全日本選手権トラック。初日からレベルの高いレースが展開され、上位陣に食い込むことは難しい。だが、ワセダの選手が実力は決して劣っているわけではなく、展開や運に恵まれなかった部分もある。2日目に巻き返す力は十分に残っている。初日の反省を生かし2日目のレースでどこまで修正できるかに注目だ。

(記事、写真 喜柳純平)

結果

▽500メートルタイムトライアル

小泉夢菜 2位 38秒429 

▽男子スクラッチ予選

孫崎大樹 16位 予選敗退

▽男子チーム・スプリント予選

田中克尚 中井琢 後藤悠 8位 1分5秒477 予選敗退

コメント

小泉夢菜(スポ1=埼玉・浦和工)

――今大会の位置付けは

自分の中では1年の中では最も重視していた大会でした。

――調子はいかがでしたか

今出せる力は出せたと思うので、ただただ実力不足だったと思います。

――雨が強かったですが走りにくさはありましたか

雨は走りにくいといえば走りにくいのですが、路面は軽かったですしそんなには気にしてなかったです。

――500メートルタイムトライアルを振り返って

全体的に足が重いなという感じだったので後半伸びないだけですが、やはり練習不足かなと思いました。

――目標タイムはありましたか

36秒台を出して自己ベストを更新することでしたが、本調子にまだ戻っていないのでどうにかして戻さないといけないなと思います。

――全日本選手権トラックでの2位という結果に関してはいかがですか

いや別に2位も3位もそれほど変わらないですし、1位でなければ意味がないのでチャンピオンジャージを着たかったので、それがすごい悔しいです。

――次走にむけて

次は当分試合に出ないで大事な試合にむけて調整していきたいなと思っているので、まずはとにかく調子を戻していこうという部分から始めたいなと思います。

孫崎大樹(スポ3=京都・北桑田)

――今大会の位置付けは

そうですね。やはり日本一を決める大会ですので、元々僕は出場する予定ではなかったですが団体種目の方で学連選発ということで出る可能性があったので、どうせ出るなら個人種目でも狙ってみようかなという形ですね。

――コンディションはいかがでしたか

コンディションはすごく良かったです。

――雨の影響はありましたか

いや僕は雨とわかっていたので、アップも雨の対応ができるようなアップをして、アップオイルという温かいものを体全体に塗って冷めないようにしていたので、全然問題はなかったですね。

――レースプランはありましたか

プランはいつも通り、そんなには明確には決めずに逃げたら逃げて、安全に予選上がってゴールスプリントになったらゴールスプリントで、前の方でしっかりいてゴールまでなだれ込むというのは決めていました。

――最初からアタックを仕掛けていました

そうですね。結構逃げているメンバーが良かったので、逃げれるのであればそのまま逃げようと思って前に合流しました。

――最後はスプリント勝負になりましたが余裕はありましたか

そうですね。脚は全然きつくなくて余裕だったのですが、最後はゴール前精彩を欠いてしまって1番後ろまで下がってしまったのでそこが少し大変でしたね。

――明日にむけて

明日は団体追抜きに出る可能性があるので、団体追抜きに関しては日本一を狙えるチームですので、そこでしっかりと優勝して帰りたいと思います。