前日の全日本学生選手権チーム・ロード・タイムトライアル(チームTT)から一夜明け、会場を同じくして全日本学生選手権個人ロードタイムトライアル(個人TT)が開催された。往復約30キロのコースでは、復路で強い向かい風が吹き選手たちを翻弄(ほんろう)した。中川拳(スポ1=北海道・帯広三条)が18位、岩田宗也(スポ3=広島城北)が51位で大会を終えた。
中川にとってTTは一番の得意種目。「一人で淡々と踏むほうが僕には合っている」と言い、今大会では10位以内に入ることを目標に臨んだ。1人ずつスタートするレース形式で、先にゴールした選手から復路の向かい風が強いという情報を得ていた。復路に余力を残すため、往路でペースを上げすぎないよう意識して出走。ところが走り終えてみると「本当に今ある全力を出し切れたかというと、もっと出せたのではないか、追い込めたのではないか」と中川。『出し切る』という点においては反省が残り、目標の10位には届かなかった。しかしクラス2所属の中川がクラス1との合同レースで102人中18位という結果は決して悪いものではなく、タイムも昨年度大会であれば6位に相当する。しかし1位池邉聖(慶大)とのタイム差について「30キロの中で2分20秒くらい離されるというのはかなり大きい数字」と得意種目ゆえに厳しい自己評価を下した。
フィニッシュラインめがけてダンシングする中川
一方の岩田は平均時速42キロ上回ることを目標に出走した。前日のチームTT開催時と比べて気温が高かったが「寒さには弱いですが暑さは別に苦手ではない」と岩田。しかし体調が万全でない中でのレースであったことに加えて、復路では向かい風に気勢をそがれてしまう。平均時速40.57キロで42キロには届かず悔しい結果となった。岩田、中川共に自身の目標達成はかなわなかったが、2週間後には全日本学生選手権個人ロードレース(個人ロード)が控えている。最後のツール・ド・北海道選考レースとなる次戦、181キロにも及ぶロードレースは過酷そのものだ。現時点で推薦順位は7位と厳しい状況ではあるが、ワセダは決して諦めない。「チームのために少しでも良い順位を」(中川)。まずは完走し、そして一つでも良い順位でゴールしたい。チームへの思いをペダルに込め、選手たちは戦いに挑む。
空気抵抗を抑えた体勢をとる岩田
(記事、写真 曽祢真衣)
結果
中川拳 18位 43分06秒142 平均時速42.87キロ
岩田宗也 51位 45分33秒352 平均時速40.57キロ
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コメント
※このインタビューは結果が発表される前に行われたものです
岩田宗也(スポ3=広島城北)
――きょうのTTを振り返っていかがですか
とてもタフでストレスフルな2日間でした。間違いなく僕にとってのバッドデーです。
――きのうより暑くなりましたが、風など自然条件はいかがでしたか
風向きはきのうとちがって追い風、帰りはとても強い向かい風でしたね。帰りの向かい風はとてもハードでした。
――暑さについてはいかがでしたか
僕は寒さには弱いですが暑さは別に苦手ではないのでとても気持ち良く走れました。
――ご自身の手ごたえを教えてください
きのうのチームTTでとても疲労していたんですけど、きょう出る予定でしたがきのうのTTで調子を崩してしまって出場できなかった納家くん(一樹、スポ1=東京・八王子桑志)に捧げられるような走りをしようと思いましたが、最後の向かい風で心が折れてしまって少し順位を落としてしまったかなと思いました。
――きょうの目標はありましたか
目標としていたタイムは2年前の自分のタイムです。2年前僕は1年生の時42キロアベレージで走っていたんですけどそれよりも速くゴールできていたら成長しているのですが結果は41キロとなり2年前の自分に敗北してしまうかたちとなってしまいました。
――次のレースを教えてください
次のレースは個人ロードです。僕はまだ100キロ以上のロードレースを完走したことがないので完走できるようにきのうきょうしっかり追い込んだんで最後まで走れるように頑張りたいと思います。
中川拳(スポ1=北海道・帯広三条)
――きょうのTTを振り返っていかがですか
TTは一番自分の得意とする種目なので、今ある自分の力を最大限発揮して自分が学連の選手の中でどれくらいの力があるのかということを確かめるべく、出し切ろうと思ってスタートを切りました。振り返ってみると、ゴールした選手から復路の向かい風がきついという風に聞いていたので、行きは追い風だったのであまり踏みつつもあまり踏み過ぎないように、帰りの分もしっかり踏み切れるようにペース配分をしたつもりだったんですけど、最後ゴールした時にもう少し出し切れたのかなということを感じました。まだ結果が出ていないのでどういう順位なのか分からないんですが、本当に今ある全力を出し切れたかというともっと出せたのではないか、追い込めたのではないかなと感じますね。
――後半のために少し脚を残し過ぎたということでしょうか
そうですね。前半からもっと踏んでいって良かったかなという風に感じました。
――きのうのチームTTと比較していかがですか
きのうはチームTTということで実際に自分が踏む時間は前に出た時だけなので、同じTTでも性格が違ってきょうは淡々と自分の力で踏み続ける、耐えるという感じでした。きょうみたいな一人で淡々と踏むほうが僕には合っている一人で淡々と踏むほうが僕には合っているのかなと感じました。
――2日間で感じたことはありますか
きょうは結果が出ていないのでまだ分からないんですけど、きのうはチームのために走ってきょうは自分のために走ったんですけど、やはりまだまだ強くなりたいなと感じました。
――きょうは暑さがきのうより厳しかったと思いますがその点はいかがですか
暑さ対策としては走る前に水を浴びて、少し体温を下げるような感じで出走しました。暑さはそんなに問題のあるように感じませんでした。
――目標としていた時速はありますか
いや、きょうは時速というかトップ10に入りたいという気持ちでスタートを切ったんですけど、おそらく入れていないので残念な気持ちです。まだまだ頑張らなければならないなという風に感じました。トップとは2分20秒くらい離されていて、やはり30キロの中で2分20秒離されるというのはかなり大きい数字なので、まだまだ実力不足を痛感しました。
――次のレースについて教えてください
次のレースは長野で行われる個人ロードなので、チームのために少しでも良い順位を届けられればなと思います。