サバイバルレースを完走、伊藤11位

自転車

 琵琶湖に注ぐ愛知川河川敷で全日本学生選手権クリテリウムが開催された。快晴の空の下開けた会場には強風が終日吹き荒れ、体力を消耗する厳しいポイントレースに。早大は男子予選に出場した5名全員が決勝に駒を進めたが、男子決勝では伊藤和輝(スポ4=東京・昭和第一学園)のみが完走。他4名はDNF、伊藤は11位でフィニッシュした。50名が出場した決勝で完走者はわずか12名。完走に意義のある過酷なレースであった。

 男子予選は2組に分かれて行われ、特設コースを10周する20.0キロメートルのポイントレース。ポイントは毎周回ごとに3着まで与えられる。決勝に余力を残すためにも賢いポイント獲得が求められた。予選第1組では孫﨑大樹(スポ2=京都・北桑田)、塩田航平(スポ3=埼玉・栄北)、伊藤の3名が中間スプリントでそれぞれ2位通過し3ポイントを獲得。第2組の岩田宗也(スポ3=広島城北)、初めてのクラス1所属選手とのレースとなった中川拳(スポ1=北海道・帯広三条)も決勝に進出した。

ホームストレート手前のコーナーを曲がる中川

 決勝には50名が出場したが、完走者はわずか12名という厳しいレースとなった。予選の2倍の距離を走る決勝では横風による体力消耗は必至。足切りに遭う選手が続出する中で、「できるだけ集団の前の前の方で脚を使わないように使わないようにと考えてレースを運んでいた結果、なんとかメイン集団に残れた」(伊藤)と、その言葉からは完走の難しさがうかがえる。レースは途中、岡本隼(日大)と小林和希(明大)の逃げが決まり、先頭2名とメイン集団は大きく離れてしまった。岡本、小林は他の追随を許さない圧巻の走りを見せたが「(2名の逃げを)見逃してしまった自分の判断ミス」と孫﨑は悔やむ。しかし悔やんでもいられない。レースを終えると、次の日に控える全日本学生RCS第1戦・菜の花飯山ラウンドのため、早大自転車部は滋賀から長野・飯山市へと向かった。

早大でただ一人完走した伊藤

(記事、写真 曽祢真衣)

結果

▽男子決勝

伊藤 11位

塩田 DNF

岩田 DNF

孫﨑 DNF

中川 DNF

▽男子クラス3

納家 11位

コメント

伊藤和輝(スポ4=東京・昭和第一学園)

――きょうの決勝はどのようなレースプランで臨みましたか

ホームストレートが右前方からのすごい風が吹いていたので間違いなくサバイバルレースになるなと。要するに生き残れるかのレースになるなと思っていたので、できるだけ集団の前の前の方で脚を使わないように使わないようにと考えてレースを運んでいた結果、なんとかメイン集団に残れたのでなんとか完走することができたという感じですね。何か作戦があったというよりも、とりあえず大きい集団にいるということを考えて走っていました。

――後半は岡本選手と小林選手の2人とメイン集団は大きく離れていましたが、その点はいかがでしたか

日大とメイジの小林の2人は次元が違いましたね。予選からあの2人はポイント数がかなり飛び抜けた2人だったので、今の自分には太刀打ちできない強さです。

――11位という結果をご自身ではどう捉えていますか

結果としてはそこまで良いものではないですけど、自分があの場面で設定していた目標としては一応クリアできたので自己評価としては高いですが、結果として見ればまだまだなので、次のレースにつなげていけたらと思います。

孫﨑大樹(スポ2=京都・北桑田)

――きょうのレースを振り返っていかがですか

滋賀は体調が悪くて走りづらかったです。展開的にも逃げに入っていない大学の人たちでうまく集団を回せなくて、前に昨年度のRCS(全日本学生RCS)年間ランキングチャンピオンの小林さんと、神宮(RCS最終戦・第10回明治神宮外苑大学クリテリウム)でも勝って欧州遠征にも参加していた岡本さんという強大な二人が逃げてしまっていて、そこを見逃してしまった自分の判断ミスというか、そこで判断できず、その後(集団)後ろにいて待機で何もできず、悔いの残るレースですね。