ついに最終戦!大学対抗3位に 後藤、孫﨑も表彰台

自転車

 春の菜の花飯山ラウンドを皮切りに全国各地を転戦してきた選手たち。2015年度全日本学生RCS(RCS)は明治神宮外苑で最終戦を迎えた。男子大学生グループ3Bには後藤悠(スポ3=岩手・紫波総合)が出場し、強みのスプリントを生かし3着でフィニッシュ。大学対抗である男子大学生グループ1には伊藤和輝(スポ4=東京・昭和第一学園)、塩田航平(スポ3=埼玉・栄北)、孫﨑大樹(スポ2=京都・北桑田)の3選手が出場し、日大、アムステルダム大(オランダ)に次ぐ3位を獲得。さらに孫﨑はシリーズ年間ランキング3位に輝いた。

 男子大学生グループ3Bに出場した後藤はトラック種目が専門。明治神宮外苑周回コースは1周1.5キロメートルとクリテリウムとしては短く、さらにグループ3は全長も9キロメートルと短い。持久力もさることながらスプリント力も要するロードレースだ。前半は集団の中で足を温存し、残り2周回から集団前方に出てゴールスプリントに注力するプランが功を奏した。「自分に足りない部分をメインに使う種目なので良い練習になりました」(後藤)と専門外の種目ながら3着、クラス2への昇格が決まった。

残り1周回、ペダルを踏み込む後藤

 大学対抗の男子大学生グループ1は各校から3名が出場した。鹿屋体大や朝日大など行田ラウンドでは見られなかった顔触れもそろい、さらにクリテリウムの本場・オランダからアムステルダム大も参加。「強い選手がたくさんいたので、けん制があったり、マークが厳しかったりする点もあった」(孫﨑)と振り返るように、レベルの高いレースとなった。また、各校の意地がぶつかる大学対抗では応援団の声援も一段と大きく、「太鼓の音にびっくりしました」(塩田)と言うほど会場は盛り上りを見せた。早大は塩田5位、伊藤13位、孫﨑22位でゴールし、大学対抗3位に。しかし「(他大の逃げに)乗れていればもっといい順位を取ることができた」と伊藤は悔しさをにじませた。また序盤から集団前方に位置していた孫﨑は後半そのまま逃げに加わりたいところだったが、有力選手の落車の影響で後退。年間ランキングで2位の野本空(明大)を逆転するには及ばなかった。

年間ランキング3位の孫﨑

 最終戦を迎えたが、4月には2016年度RCS初戦が控えている。新入生3人全員がスポーツ推薦入学と、来シーズンは力のある選手が数多くそろう。「それぞれが自分の考えを持って、それを発信してどんどん高められるそんなチームにしていきたい」と森浩輔主将(スポ4=神奈川・横浜)。チームを統べる重圧は想像を絶するが「それぞれが考えていることを理解している主将」と理想の主将像を語る森の下で、2016年が早大自転車部飛躍の年になることを期待する。

(記事 曽祢真衣、写真 平野紘揮、寺脇知佳)


※記事中の学年は新年度のものです。

結果

▽男子大学生グループ3A

森 9位

▽男子大学生グループ3B

後藤 3位

▽男子大学生グループ2A

金子 8位 田中 30位 中井 40位

▽男子大学生グループ2B

手嶋 6位 岩田17位

▽女子クリテリウム

池田 DNS 中嶋 DNF

▽男子大学生グループ1(大学対抗)

塩田 5位 伊藤 13位 孫﨑 22位

▽大学対抗

早大 3位

▽2015年度全日本学生RCS最終ランキング

孫﨑 3位

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コメント

森浩輔主将(スポ4=神奈川・横浜)

――きょうのレースを振り返って

大事な合宿がこの後に控えているので、落車には気を付けるようにして挑みました。

――トラック選手にとって、今回のコースはやりやすいコースだということでしたが

やりやすいと思います。9kmという短い距離なので、なるべく上位を狙って頑張るようにはしました。あとは、クリテリウムは練習にもなるので、そういった意味合いでも出場していました。

――今回のレースが今季最後のレースでしたが、この1年間を振り返っていかがでしょうか

今シーズンは、自分はトラックの試合に出場していてクリテリウムはあまり出場していないんですけど、インカレ(全日本大学対抗選手権)をはじめ目標はほぼ達成できた年になって、2016年度シーズンに向けて良い下地作りにもなったシーズンだったかなと。

――目標とは

例えばインカレで総合6位になるとか、そういったことですね。3年生以下が主体のチームで、4年生がいなかった中で難しいシーズンではあったんですけど、そうした中で伊藤(和輝、スポ4=東京・昭和第一学園)を中心に良かったチームだったと思います。

――個人としての目標は

インカレで表彰台に立つという目標を掲げていたんですけど、それは6位という結果で達成できませんでした。でも、まだ1年あるので、新しい目標に向かって頑張っていきたいです。

――主将に就任してから半年ほど経ちましたが、慣れましたか

慣れたとは言えないです(笑)。主将って何をしたらこれが絶対に正解っていうのがないのでそこで自分が正解を作っていくっていう難しさがあると今は思っていて、そこであまり自信が持てないときとかもあるんですけど、そういったところで難しいなと思います。

――目指している主将像はありますか

迷いなく、自信を持って決断するところは決断をして、なおかつしっかりとコミュニケーションをとっていきながら、それぞれが考えていることを理解している主将ですかね。

――主将として来季はどのようなチーム作りをしていきたいですか

来シーズンは、1年生は3人なんですけど、スポーツ推薦で入学した選手が各学年に2人ずつという部員構成が復活する年なので、言い訳ができない戦力にもなってきました。なので、それぞれが自分の考えを持って、それを発信してどんどん高められるそんなチームにしていきたいです。

――最後に、来期に向けて一言お願いします

やはり最大の目標にしている8月のインカレ、これに向けてそれぞれがしっかりとやるべきことをして、準備をして臨めるように頑張ります。

伊藤和輝(スポ4=東京・昭和第一学園)

――クラス1に昇格した今シーズンを振り返って

まず初戦の飯山クリテリウム(RCS第1戦・第9回菜の花飯山ラウンド)は、1年生のときに出たんですけど雪のせいで2日目の得意のクリテリウムがなくなってしまったので、ことし初レースでした。そこで2日連続で2位をとることができて出だしは良かったんですけど、そのあと完走できなかったレースもありました。度重なるクラス2のレースで2位を重ねてもっと早くクラス1に上がるつもりだったんですけど、9月のけいはんな(RCS第7戦・けいはんなサイクルレース)までかかってしまいましたね。もっと早くクラス1に上がっていればもっとレースの勉強もできますしもっと成長できたのかなと思うんですけど、なかなか上がることができなくて前半は結果として2位は良いんですけど、ちょっと自分の中では苦しい前半でしたね。クラス1に上がってからは行田(RCS第11戦・埼玉クリテリウム行田第2ラウンド)でもクラス1のレースで2位の成績を残すことができて、その点に関しては自分の中でかなり評価しています。でも全体としてはちょっと詰めの甘い部分があって、ゴール前であそこにいたいなと思ったらそこにいたひとがいい順位取ったというパターンはかなりあったので、決断したときに行動したら良かったなと思った一年間でしたね、RCSに関しては。

――点数をつけるとしたら

高校時代のピークを100点としたら、この一年間は67点くらいです。70点にはいかないくらい(笑)。

――年間ランキングも変動したと思うのですが

たぶん4位ですかね。順大の伊藤大地さんがいないって話なので、2ポイント差だったのでたぶん上回ったと思います。

――きょうのレースを振り返って

きょねんはグループ2のほうで走らせてもらったんですけど、比較的車が走る場所以外は道が荒くて、段差とかも激しくてそのせいで落車とかも起きるコースでした。ゴール前の位置取りがすごい重要で、それ以外の場所に関してはコース幅も広いので容易に動けるんですけど、特にゴール前の最終コーナーからゴールにかけてが注意していきたいポイントでした。周回を重ねるごとにだんだん人が減っていってみんなどんな動きをするかというパターンができてきたので、ゴール前のイメージはついてたんですけど、ゴール前300メートルくらいの落車で、まったく人がいなくなってしまって。有力選手が前のほうで逃げてしまったり、あれについていけばという選手がそのまま前で逃げ切ったりしてしまったので、それに乗れていればもっと良い順位がとることができたな、という後悔のあるレースでした。

――レースプランは考えていたのですか

このコースは逃げてもキツいしあまり逃げれる足もないと思ったので、最後のゴールスプリントのほうに懸けていましたね。

――神宮ということで応援もいつもより多かったように思いますが

そうですね、走ってるとき『ワセダいけー』とか、そういう声が多かったですね。コースのいろんなところで声をくださるので励みになりましたし、レース中だれが(応援から)いなくなったとか探してたらちょっと危ない思いもしたり(笑)、そういうこともありましたけど(笑) 。

――では最後に今後の目標をお願いします

やはり最終目標はインカレですね。個人追い抜きで優勝することを目標にやっていきます。あと国体までは引退するつもりはないのであと半年ないくらいですけど、インカレに向けてやっていきます。あとRCSとかTRSとか小さいレースでも練習になりますし、レースでもしっかり成績を取って、一石二鳥じゃないですけどしっかりレースも練習に兼ねて、成績も残して上手くやっていけるように、もっともっと成長していけるように頑張ります。

金子智哉(商4=神奈川・相模原)

――今大会の目標はありましたか

楽しみながら勝ちたいな、と思っていました。

――クラス1に昇格していましたが、今大会はクラス2の試合でした

もともとRCSの結果などから、僕はグループ2に出る予定ではいたのですが。ただ塩田(航平、スポ3=埼玉・栄北)がグループ2で3位以内に入ってクラス2に降格するのを防ぎたいということだったので、変更する予定ではあったのですが、きょう(エントリー変更へ)行ったらできないと言われて。もともとグループ1で走る予定だったんですけど、そのままグループ2で走りました。

――レース展開は

途中で逃げることを試みたのですが決まらず。最後のそれが決まらなかったら中井(琢、スポ3=宮城・仙台第二)をアシストしようと思っていて、一度引いて2、3番手で良い感じにはなっていたのですが、中井がアクシデントに巻き込まれてしまって。不完全燃焼になってしまいましたね。

――ゴールスプリントについては

いつもクラス1なので、それに比べるとまだ戦えた感じはありますね。ただアシストしていた分、足を使っていたので、もがけなかったですね。

――今季を振り返っていかがですか

ことしは夏のインカレまでのシーズンはすごく充実した良い成績を残せたと思っているのですが、そこから気が緩んでしまったというか、一切良い結果を出すことができず、だらだらと終わってしまって反省しています。またこれからシーズンが始まるので、取り返していきたいなと思います。

――来季の目標を教えてください

来季は戦力という点でもスポーツ推薦の選手が増えて充実するので、例年よりさらにみんなで協力して走れらればなと思います。

後藤悠(スポ3=岩手・紫波総合)

――3位おめでとうございます

ありがとうございます。きょねんのこの大会では6位で、うまくいかなかったので、ことしは無駄足を使わずにレースできたので良かったです。

――レースを振り返ってみていかがでしたか

ペースが速かったので、いつの間にか集団の後ろにいってしまっていて、前に出るために少し足を無駄に使ってしまいましたね。そこが反省点だなと思います。

――レースプランはあったのでしょうか

いや、特になかったです。とりあえずなるべく足を使わずに集団についていって、ゴールスプリントを頑張ろうと思っていました。

――いつもはトラック種目がメインですが、きょうはロードでした。走ってみていかがでしたか

種目の性質は全く違うので、すごくきつかったですけど、自分に足りない部分をメインに使う種目なので良い練習になりました。それでも(普段のロードに比べれば)距離は短いので体力は持ったかなと思います。

――寒さなどは影響ありましたか

寒かったですね。でも、きょねんのこの大会は雨が降っていましたし、それよりは良かったかなと思います。

――きょうは今シーズンの最終戦でした。今シーズンを振り返ってみていかがでしたか

思うようにいかなかったこともありましたけど、少しずつ力はつけられたかなと思います。

――特に印象に残っているレースなどはありますか

インカレですね。良いところまでいけると思っていたんですけど、調整がうまくいかなくて思うような結果が出なかったので。悔しかったです。

――来シーズンはどういうシーズンにしていきたいですか

全部の大会で勝ちにいきたいと思ってます。

――今の課題などはありますか

自転車のクランクの長さを変えているんですけど、まだ慣れていないので、まずはそれに慣れていかなきゃな、と思っています。あと、パワーがまだ足りていないと思うので、パワーもつけていきたいですね。

――逆に強みなどはありますか

人の後ろに付いてからの追い込みが他の人よりは優れていると思っているので、それは自信にしていいんじゃないかと思っています。

――繰り返しになりますが、最後に来シーズンに向けて意気込みをお願いします

全部勝ちにいきたいです。

塩田航平(スポ3=埼玉・栄北)

――きょうのレースを振り返っていかがですか

このコースは結構所々危険な箇所があり、落車も周りで何回かあって結構危ない感じのするレースでした。

――具体的にどの箇所が危険でしたか

地面が荒かったりコーナーの途中にマンホールがあったり、あとはヘアピンの路面で、そこまで滑りやすくないですけど、そこで転ぶ人がいたり。

――大学対抗のグループ1では3人で作戦を立てて臨みましたか

いや特に今回は3人での作戦というのはなくて。もともと僕が金子さんと交代して金子さんが1に出る予定だったんですが選手交代ができなかったので直前で僕が走ることになって。話し合うこともなく走りました。

――鹿屋体大やアムステルダム大の選手と走ってみていかがでしたか

鹿屋体大やアムステルダム大の選手は、本場オランダというかクリテリウムの本場の選手ということもあって結構余裕そうに走っていて。あと鹿屋は橋本さんが今回いなかったのであまり漕げていないなというか、そこまで目立った感じではないですね。

――スプリントがレースを決める傾向のあるコースなのでしょうか

きょねんとことしどっちとも逃げが決まっているので逃げやすいコースなのかもしれないですね。逃げやすいコースというか各チーム三人しか出られていないので、どのチームもあまり追うことだけに人数を割けないので、それもあいまって逃げが決まったらなかなか追いかけにくいかもしれないですね。なのでスプリントだけできてもだめかもしれないですね。

――きょうは応援団も多くいましたが雰囲気はいかがでしたか

都心だけあって人が多くていつもとは一味違うなという。あとは応援団の太鼓の音にびっくりしました。にぎやかなレースもたまには良いかなと思いました。

――今シーズンを振り返っていかがですか

表彰台に学連のレースで上がっていないので、正直良い成績を残したシーズンではなかったですね。ただらいねんにつなげられるようなレースも何個かあったので何も成績はなかったですけど収穫はあったかなと思います。

――クラス2に降格と伺いましたがいかがですか

1年生のときはクラス2から上がったのでちょっとスピードが落ちて人数が増えるくらいかなと思います。落車しないように(クラス1に)上がれたら良いかなと思います。

――来シーズンの目標を教えて下さい

来シーズンは個人戦ロード(全日本学生選手権個人ロードレース)で優勝したいですね。

孫崎大樹(スポ2=京都・北桑田)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

前半から前の良い位置にいて、自分の前を走っていた選手をチェックしていました。でもゴール前ラスト5周ほどから、前に上がっていた選手たちが落車などで位置を下げてしまって(自分も)順位が落ちてしまいました。勝てるというか、少なくとも上位に入れる可能性はあったので悔しいです。

――年間ポイントのランキングがかかった最終戦でしたが、どのような思いで臨まれましたか

2位の野本選手(明大)と11ポイント差で、もし2つか3つくらい僕の順位が相手より上だったら逆転できる可能性があったので、それを狙っていたんですけど、だめでした。

――作戦はありましたか

強い選手というか、逃げるだろうと思っていた選手の逃げには必ず乗ることと、チャンスがあれば自分からも仕掛けて逃げのきっかけをつくろうと思っていました。

――試合を終えて、その作戦はどのくらいできましたか

ペースが速かったので、それが緩んだ時に自分からいってみようと思っていたんですけど、逃げがなかなか決まらなかったというのと、集団をちぎるくらいのスピードがまだまだ自分には足りないなと思いました。

――きょうはアムステルダム大学の選手も参加するなどいつもと違う雰囲気がありましたが、いかがでしたか

他の大学からも強い選手が集まっていて、いつもよりレベルが高い中でいつもと展開も違いました。強い選手がたくさんいたので、けん制があったり、マークが厳しかったりする点もあったのですが、楽しいレースができました。

――この冬、練習で乗り込んでいると伺ったのですが、その成果は出せましたか

1、2月のレースと比べて、足の感覚が変わりました。踏んでも疲れにくくなったというか、すぐに回復してまた次へといけるので、状態は上がってきていると思います。

――今季を振り返っていかがでしたか

最近の成績を見てもそうなのですが、どんどん後半にかけて失速してしまっているところがあるので、らいねんは年間を通して安定した結果を出せるようにしていきたいです。

――来季の具体的な目標を教えてください

部にも出した自分の目標として日本一をいうのがあるので、全日本選手権や全日本学生選手権の個人ロードレースとインカレで3冠できればなと思っています。