岩田、念願の勝利!クラス1へ昇格

自転車

 全日本学生RCS第13戦・埼玉クリテリウム行田第4ラウンドが行われた。天気こそ快晴であったが身を貫くような強風。しかしその強風を岩田宗也(スポ2=広島城北)は物ともせず、自らの強みに変える。その結果クラス2Aで優勝を果たし、クラス1への昇格を決めた。一方、田中英祐(人1=宮城・東北学院)が出場したクラス2B、孫﨑大樹(スポ1=京都・北桑田)らが出場したクラス1では、入賞者は1人にとどまり、悔しさの残るレースとなった。

 「気持ちよく走った」とゴールを振り返る岩田。まさにゴールスプリントで勝負を制した。序盤は集団の中で飛び出す機会をうかがう。7周目に差し掛かり、順大の選手が後続を大きく引き離して先頭に立ち、このまま順大の選手が逃げ切ると思われた。しかし、岩田は追い風を生かしてラスト1周でスプリントをかける。すると、たちまち順位を上げ、先頭を走っていた順大の選手をも抜きそのまま1着でゴール。ゴールラインを越えて自分の勝利を認識し、やっと結果を残すことができたうれしさを力強いガッツポーズに込めた。一方、クラス2に昇格して初めてのレースとなった田中。様子を見ようと後ろに控えていたがクラス2は甘くはない。徐々に集団から遅れを取り、レース半ばにして無念のタイムアウト。DNFに終わり、クラス3との違いを体感した。 

クラス2で優勝を飾り、ガッツポーズをする岩田

 クラス1では伊藤和輝(スポ3=東京・昭和第一学園)、金子智哉(商3=神奈川・相模原)、塩田航平(スポ2=埼玉・栄北)、孫﨑が出場。「前半から積極的に前に出て行こうと思っていました」(孫﨑)と言う通り前に出ようとするが、相手に行く手を阻まれる。レース中盤、独走集団の形成を許してしまい、周を追うごとに差が開いていく。ワセダ勢は最後まで逃げをつぶすことができずに、後続集団に属してのゴールとなった。「自分が足を休めた周に逃げを決められてしまったので、そこに関しては自分のチェック不足だったり実力不足の面もある」と孫﨑は自分の課題を見つめた。

強風の中、コーナーを曲がる孫﨑

 岩田は念願の勝利を果たし、喜びを表すとともに、「積極的に前の方で目立つレースをしたい」と攻める姿勢を示した。一方、孫﨑は今回の試合でRCS年間ランキングで水を空けられてしまった野本空(明大)に対して巻き返しを図り、2位の座を狙う。理想の『攻め』を見せられるか。全日本学生RCS最終戦・第10回明治神宮外苑大学クリテリウムは3月13日に迫っている。

(記事 茂呂紗英香、写真 曽祢真衣)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません

岩田

結果

▽男子クラス1

伊藤 8位、孫﨑 9位、塩田 11位、金子 17位

▽男子クラス2A

岩田 1位

▽男子クラス2B

田中 DNF

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コメント

岩田宗也(スポ2=広島城北)

――昇格おめでとうございます。きょうのレースプランは

きょうは風が強かったので出来るだけ前に出ず、後ろの方で様子をうかがって最後にスプリントに持っていこうとしました。最後のゴールスプリントで追い風だったので早めに長いスプリントを仕掛けて勝負をしようと思いました。

――最終コースで一気に追い上げたと思うのですが、その場面を具体的に教えてください

前半では落車もなかったので後ろの方でこけないように慎重に走って、最後の2周くらいで良い位置というか、後ろに下がりすぎないように意識しながら走りました。そしてラスト1周で3番手4番手になったので心の中でいけると思って最後のストレートに臨み、優勝させてもらうかたちになりました。あと、順大は高校からの同期がいるので、出来るだけ連携して彼が前の方に行っているときは後ろの方で彼を逃がすように配慮しました。

――ゴールスプリントはどのようなものでしたか

きょうは追い風だったのでトップスピードが出る、そして追い風ということは先頭にいってもそんなに力を使わなくてよいということです。そこで思い切って前に出たところ、後ろと少し車間ができたのでこれは追いつかないだろうと思って残り500メートルくらいでは勝利を確信して、気持ちよく走りました。良いゴールスプリントでした。

――強風はレースに影響を与えましたか

自分はパワーがない選手なので少し不安でしたが、集団の中で他の選手たちを風よけに使って上手く走ることができました。

――今回のレースで昇格されましたがクラス1ではどのような走りをしたいですか

クラス2は優勝したらクラス1に上がれるという条件があるのですが、クラス1は勝っても目に見えるものがないレースなので積極的に前の方で目立つレースをしたいと思います。皆さんが喜ぶような走りをしたいと思います。

――次回の最終戦への意気込みを教えてください

きょねんは学校代表としてクラスAに出させてもらったのですが、ことしは学校代表から外れてしまってクラス2Bとして出ることとなりました。距離も短くなりましたし、メインのレースではないのですが父親も来るようなので、彼が喜ぶような走りをしたいと思います。また、金子さん(金子智哉、商3=神奈川・相模原)もクラス2Bで出るので彼を勝たす走りをしようと思っています。

田中英祐(人1=宮城・東北学院)

――きょうのレースを振り返っていかがですか

きょうは初めてクラス2を走るということもあって、集団がどれくらいの速さでどのように走っているのかを見たかったのでずっと後ろの方にいたんですが、それが裏目に出て向かい風のときにちぎれて、足使って追いついて、またちぎれての繰り返しだったんですけれど、完走できなかったので悪かったです。

――クラス2を初めて走っていかがでしたか

やはり走りの上手な人が多いので、集団が(クラス3と比べて)より密集して走っていますし、簡単には前の方には上がれないですね。

――強風が吹いていましたが影響はありましたか

風が強くて本当にもう大変でした。

――ご自身の課題は何だとお考えですか

もっと前に積極的に出てまずは完走して。そこから少しずつレベルアップしていきたいです。

――次は神宮外苑での最終戦(全日本学生RCS最終戦・第10回明治神宮大学クリテリウム)ですが意気込みを教えて下さい

明治神宮は地元の宮城から親が見に来てくれると言っていたので、最悪でも完走したいなと思っています。

孫﨑大樹(スポ1=京都・北桑田)

――本日のレースを振り返って

冬に比べてだいぶ調子が上がってきていて今月はしっかり踏み込んできていたので、前半から積極的に前に出て行こうと思っていました。予定通り積極的に攻めていったのですが、自分が足を休めた周に逃げを決められてしまったので、そこに関しては自分のチェック不足だったり実力不足の面もあるのかなと思います。そのあとも諦めずに単独でブリッジをかけよう(逃げ集団に追いつこう)としたりしていたのですが、日本学生自転車競技連盟RCSランキングトップの小林和希選手(明大)がやはりチェックしてきていてなかなかできなかったのでなんとも言えないのです。

――ご自身としては納得のレースだったということですか

どんどん調子が上がってきているという実感はありますので、来シーズンが自分でも楽しみです。

――具体的なレースプランは

きょうはすごく強いメンバーがレースにいたので、前半から積極的に攻めてそこについていけたらと思っていました。

――ゴールスプリントはいかがでしたか

左側からの追い風が吹いていたので、風が当たりにくいように右にいたんですけれど、そうしたら右がふさがれてしまって、3番手という位置的には良いところにいたんですけどその影響で出遅れてしまいました。そのあとすぐちょっと後ろに下がってかけ出したのですが、さすがに追い付けなくて。その点では失敗だったのですが、次の神宮でもスプリントが予想されるので、そこでは自分がしっかりこげるような位置取りをして、次こそはいい順位で終えたいと思います。

――次回の目標は

RCS年間ランキングではまだ何とか3位を死守していると思うのですが、2位の野本空選手(明大)には大きく離されてしまっています。でも全然追い付けない位置ではないと思っているので、さすがに優勝には点差がつきすぎてしまっているのですがせめてひとつでも順位を上げて2位で終われたらいいなと思っています。野本選手に勝って2位で終われるように頑張ります。