足立が入賞も、クラス1は逃す

自転車

 比較的暖かい陽気の中、埼玉・行田市でRCSの第2戦が行われた。ワセダはクラス2に足立一真(文4=東京・早稲田)、八田衛(スポ1=鳥取・倉吉東)、井上渓太(創理3=東京・早大学院)の3名がエントリー。第1戦と同様に、クラス1に上がれるかどうかが期待されるレース展開となった。足立と八田は最終周回までメイン集団の上位争いが予想される位置をキープ。レース終盤まで脚を温存していたが、それでもハイペースの中で脚を削られる。逃げの集団についていける余力はなく、最後の追い上げはかなわなかった。

前回の行田クリテリウムから大きく順位を伸ばした八田

 またしてもクラス1に昇格する者は現れず。序盤から集団のペースは早く、足立と八田はまずは集団の中央を走る。全体的なスピードとしては速めの積極的なレースが繰り広げられた。井上は大きく離され、6周目でDNF。コーナリングや位置取りの感覚の改善を図ろうとした足立は意識的に前に出ていた。時折集団の後方に位置したこともあったが、振り落とされることはない。意地でもメイン集団の先頭に出る狙いは、後ろにいけばいくほど前と開いた差が後ろにも影響してしまうのを避けるためである。足立と八田は、互いにコミュニケーションを取りながら先頭をキープすることを心がけていたと話した。そしてレース終盤、次第に疲れが見え始めてはいたが、ここまでは非常にうまいレースを見せる。しかしその後法大がメイン集団から逃げを見せた。「ハイペースの中だったため、脚がなくついていける状況ではなかった」と振り返るように、先頭にいた足立は優勝争いのところには絡めず、第2集団のスプリント勝負に臨む。最終的に、足立が6位、八田が12位でフィニッシュを決めた。

第2集団でゴールスプリントを終える足立

 八田は試合を振り返り、「クリテリウムには積極的に参加できるようになった」と話す。しかし、クラス1に上がるためにはより一層の積極性が必要となる。脚に自信がなく、終盤は集団内に止まっていた八田は、「自信を裏付ける練習量が必要」と意気込んだ。一方の足立は、「ワセダから優勝者を出してクラス1の人数を一人でも増やしたい」とワセダへ貢献する気持ちを語った。残るは行田での第3戦、第4戦と明治神宮でのシーズン最終戦。まだチャンスはある。ワセダのチームプレーを発揮し、何としてでもクラス1を獲得したい。

(記事 寺脇知佳、写真 目良夕貴)

結果

▽クラス3 森 DNF

▽クラス2 足立 6位、八田 12位、井上 DNF

コメント

足立一真(文4=東京・早稲田)

――6位という結果について率直な感想をお願いします

入賞できて良かったなというのはあるんですけれど、やっぱりもう四年生でしかもクラス2に出ていて、自分の中ではもうワセダの中から優勝者を出すことか自分が3位以内に入ることしか目標としていなかったので6位という結果に嬉しいという思いもあるんですけど、まだ一歩足りなかったかなというのが正直なところです。

――前回のレースからの修正点はありますか

前回はワセダから5名も出ていたというのもあって人数も多かった上に上手く走れて結果も良かったんですけど、今回はちょっとクラス2の出場者が3人ということで前回とは大きく変わっていて、走り方を修正できるというか前回と同じような結果を出せるかという不安の方が大きかったです。今回と合わせてまだ2回しか走ったことがないコースだったのでコーナリングの感じとか位置取りの感覚とかを前回より突き詰めて、自分が楽に走ることができるように前の方で走れるように心がけて走りました。

――集団前方をキープしていた狙いは

やっぱりロードレース、特にクリテリウムだとコーナーがあって立ち上がりがあるんですけれども、後ろに行けば行くほど前と開いた差が後ろにも影響してきて詰まってしまうので前にいた方が絶対良いというのは前提でして、自分が前にいても常に横から選手が来るのではないかと警戒しておいて常に周りをよく見るということを心がけていました。

――試合中、八田衛選手(スポ1=鳥取・倉吉東)との声かけなどはしましたか

今回も積極的にしましたね。やっぱり何度か法大とか順大とか集団から飛び出していく場面があって、そのときにワセダも1名入っておかないと後から追うという展開になった時に不利になってしまうので、やっぱり八田くんが近くにいたときは、お前が行けとか自分が行くとかの声かけはしていました。

――終盤に法大が逃げた時は追いつけそうでしたか

その時は自分ちょうど前にいて、追おうと思えば実際追えた位置にはいたんですね、ただ、それまでが結構ハイペースで、法政の選手が逃げようとした時も結構ハイペースの中行って、正直脚がなくてついていけるような状況ではなかったです。そのときはもう追わないで後ろの集団にいて後で追いつくことに賭けようと。あえて追おうと思えば追えたんですけど追えませんでした。

――2月の、3月の予定は

自分はもう四年生なので一応全日本大学対抗選手権が終わってもう引退というかたちになっているのですが自分は明治神宮(全日本RCS最終戦・第9回明治神宮外苑クリテリウム)まで走ろうかなということで現在も走っております。ちょっとまだ未定なんですけれども、もし出るとしたら第三戦と第四戦よりも多分今回が成人式とも重なって一番人数が少なかったので、次は一年生も二年生も強い選手が出てくるので協力して、自分が優勝とかではなくワセダから優勝者を出してクラス1の人数を一人でも増やしたいと思います。

八田衛(スポ1=鳥取・倉吉東)

――きょうの行田クリテリウム(行田)はいかがでしたか

風が強いと聞いていたんですが、やはりちょっと風も強くて、後は法大が全体的に強いと感じましたね。

――レース前に想定していたプランはありましたか

残り5周くらいの段階で脚があれば前に出ようとする人を追おうと考えていたので、実際そういう感じで行ったんですが、最終的には荒井佑太(法大)を含む3人に逃げてしまって、それを追えずに…。あそこで追う脚があれば、って感じだったんですが、そういう考えで実際に走れたのでまあ良かったかなと思います。後は脚の問題という感じです。

――今回は足立選手と2人で序盤からメイン集団の前方をキープできていたのでは

前の主将の佐々木さん(佐々木勇輔、スポ4=埼玉・早大本庄)に言われた通り、クリテリウムに積極的に参加するようになったら位置取りはだいぶうまくなって、足立さんとかと前に行くことができました。前の10人に行くことを考えて走っていたらだいぶ楽になりました。

――終盤までは非常にうまくレースを運べていたのではないでしょうか

最後もうちょっと後ろで我慢してたらよかったかなと思うんですけど、最後は脚が無かったので練習あるのみかなと思います。

――2人で並走している時間も多かったと思いますが、何かコミュニケーションも取っていたのでしょうか

そうですね。途中逃げができそうになると足立先輩から「前に行け」と言っていただいたり。やっぱり集団内に同じジャージーがいると安心するので、足立さんの存在は助かりますね。

――やはり終盤で法大が前に出て行ったシーンが重要な場面だったと思いますが、あのシーンを振り返って

あそこでダッシュかけようかと思ったんですが、ちょっと脚に自信が無くて集団内にいることにしたんですね。それがやっぱり決定打というか、自信が無いということはまだ練習が足りてないのかなと思いますし、そこはもう練習するしかないのかなと思いますし、もっと積極的に行くには自信を裏付ける練習量が必要だと思います。これからもっと乗り込んだりしていきたいと思います。

――平地のクリテリウムと長距離ロードレースならばどちらの方がより得意なんでしょうか

僕の感じだとこっちの方がやりやすいです。上りにまだ苦手意識があったり、実際上りは遅くなってしまうのでやっぱりこっちの方がいいんですけど、上りも克服しようと思っているのでこれから練習しかないなと思っています。

――この後の行田は出られるのでしょうか

この後の行田は全部出るつもりです。佐々木さんに、僕がコーナーとかが苦手だって言ったら、もう出るしかないと言われたので、とりあえず出ようかなという感じです。

――するとクラス1も狙っていきたいところですね

そうですね。とんでもない落車とか起きたらチャンスありますし、とりあえず前回よりも順位が上がったので、次はさらに順位を上げていこうかと思います。やっぱりクラス1に上がりたいですし、ワセダにも貢献したいのでチームとしての動きもしたいということで、練習あるのみです。