前回とは打って変わり、風が吹き荒れる中始まった今大会。選手たちも「いままでで一番の強風」と口をそろえ、クラス1完走者5名、クラス2完走者3名という結果は厳しいレースであったことを物語っている。早大からは完走者を出すことができず、全員がDNFという結果に終わった。
集団内で走行する足立
クラス2に出場したのは4名。「集団の前の方で走って他大学の逃げを作らせないようにしたいと話し合っていたが、風が強すぎてそれどころじゃなかった」(足立一真、文3=東京・早稲田)。そう言うように、強風により集団は早々にばらけてしまう。先頭から約1分でタイムアウトという苛酷な条件もあいまって早大は次々と下ろされていく。ここ最近、同大会で上位成績を残している足立も粘りを見せたがDNFをくらい、早大からの完走者はゼロとなった。
クラス2のスタート3分後に始まったクラス1には全日本学生ロードレース・カップ・シリーズ(RCS)総合2位につけている佐々木勇輔主将(教3=埼玉・早大本庄)、三浦康崇(スポ4=青森・八戸工)が出場した。序盤、強風に慣れていない隙をつき、佐々木主将がアタックを仕掛ける。「決まる確率がかなり高いパターンだと思ったので行くべきだと思った」(佐々木主将)。しかし、すぐに吸収されてしまう。その後は集団内で走行するも練習を積めていなかったこともあり、力尽きた佐々木主将はDNFとなった。
序盤、アタックを仕掛けた佐々木主将
年間王者を決めるRCSも終盤を迎え、残りの試合は1試合となった。今年度最後の大会である明治神宮外苑大学クリテリウムには、インカレ総合優勝を果たした鹿屋体大やオーストラリアからの派遣もあり、厳しいレースとなるだろう。しかし、「チャンスはあると思います」(佐々木主将)、「クラス2の優勝を狙っていきたい」(足立)と意気込みは十分。有終の美を飾り、1年間を笑顔で締めくくることができるか。
(記事 目良夕貴、写真 高柳龍太郎)
結果
▽クラス1 佐々木主将、三浦 DNF
▽クラス2 足立、関、金子、手嶋 DNF
▼全日本学生RCS総合成績 佐々木主将 2位
コメント
佐々木勇輔主将(教3=埼玉・早大本庄)
――きょうは風の強い中でのレースとなりましたがいかがでしたか
きょうは強すぎでした。みんな転ばないようにするので精一杯だったと思います。向かい風で自転車が進まないというものではなくて、コースから落とされるレベルの風でした。全体を通して、風が一定でなかったのでとにかく転ばないように走りました。
――きょうはレース展開よりも走りきるレースだったということですか
でもレース展開が一応あります。金井(誠人、明大)を引き離した時はいいなと思ったんですけど…。完全に私情なのですが、教職の介護体験できのうと3日前入っていて、しかもいま試験期間で全然練習ができてなくていませんでした。金井を引き離したところまでは良かったんですけど、その後力尽きてしまったのと、転ばないためにあまり人の後ろにつけてなくて、車間空けていたら離れたっていう感じですね。
――レース展開とは最初にアタックをかけたことですか
はいそうです。金井が慎重になっていて前と車間を開けて離れそうだったので、離そうと思って仕掛けました。それ自体はうまくいったと思います。ただ最後までもたなかったという感じです。
――いま試験期間、介護体験があったと仰っていましたが練習はどのくらいされたのですか
その前までは少し乗っていましたが、この3日間はゼロです。
――その中でアタックを仕掛けようと思ったのはなぜですか
僕はですけど、持つか持たないかは大事なのですが、自分の体力と相談してアタックをするかしないかということはほとんどありません。決まる確率がかなり高いパターンだと思ったので行くべきだと思ったんです。決まるべき場面でやるべき動きをするのが大事なので、自分が走れるか走れないかはそんな気にしていなかったです。最後、もちろん持たなくてダメになりましたけど、何もしないで走っても、当然練習していないわけですからもっと勝てないわけなので、決まる場面では行くしかないと思ったからです。
――神宮が最終戦になります
その頃にはそれなりに練習していると思うので、戻せる時間はあると思います。戻せるだけ戻して、臨みたいと思います。メンバーもクラス1に伊藤が入って、明治に対抗できるようになると思うので、得点の逆転は難しいと思うんですけど、鹿屋とかオーストラリアの選手が入ってよけい混戦になると思うので逆に良い順位が狙えるのではないかと思っています。チャンスはあると思います。
足立一真(文3=東京・早稲田)
――非常に強い風の中でのレースとなりましたがいかがでしたか
いままで埼玉のクリテリウムには10回ほど参加してきたんですが、その中でも一番の強風でした。風にむらがあって、まっすぐ走っていても左右にぶれてしまいました。
――風は苦手だとお聞きしましたが
体重が軽いので風であおられてしまうんですが、それよりもきょうは集団の中で走っているときに風の影響で接触しそうになったのが怖かったですね。
――レースプランは組み立てていましたか
ワセダはクラス2に4人出場していたので、集団の前の方で走って他大学の逃げを作らせないようにしたいと話し合っていたんですが、風が強すぎてそれどころじゃなかったです。
――今回は残念な結果となりましたが、最近の試合では上位に絡む走りが出来ているのではないでしょうか
自分の能力自体はそれほど上がっていないと思うのですが、レースを走り慣れてきたかなと思います。そのおかげで最後のスプリントに絡むのもうまくなってきたんだと感じています。なので次の神宮でのクリテリウムは本気で狙っています。
――最後に次戦への意気込みを改めてお願いします
神宮は次で3度目になるんですが、自分の中でコース的にも時期的にも相性がいいと思っています。いま良い走りが出来てきているので、クラス2の優勝を狙っていきたいです。