逆転優勝は厳しいものに…

自転車

 13戦を戦い、年間王者を決める全日本学生ロードレース・カップ・シリーズ(RCS)も佳境を迎え11戦へと突入した。メインレースであるクラス1に出場したのは佐々木勇輔主将(教3=埼玉・早大本庄)、有我行人(スポ3=早稲田渋谷シンガポール校)の2名。現在、シリーズ総合順位を2位につけている佐々木主将は暫定1位である明大・金井誠人との差をなんとしても詰めたいところだったが、6位という結果に。また有我はDNFに終わった。

集団内でレースを進める佐々木主将

 「逆転優勝は現実的に難しい」。そう肩を落として言わざるを得ない結果だった。レースは3kmの平坦なコースを10周回するクリテリウム方式。例年、強風が吹き荒れるコースだが、この日は風が弱く好条件のなか始まった。レースは序盤、東大・浦がアタックを仕掛けると最大約10秒の差が開く。しかし、程なく吸収され集団は一つに。その後はなんとしても金井を勝たせたい明大のアシスト陣を中心に、積極的にレースは繰り広げられた。最終周回を知らせる鐘が鳴っても集団がばらけることはなく、スプリント勝負に持ち込まれる。「スプリント勝負前に市山(譲、明大)が飛び出して僕が追わなければならなかったので、そこで追いかけて脚を使ってしまった」。最後まで明大のチームプレーに阻まれた佐々木主将は、スプリントに絡むことができず6位。金井は優勝し、またしても差を広げられるかたちとなった。

レース後悔しそうにうつむく佐々木

 この日は普段と違い風が弱いという好条件も、佐々木主将にとっては「少し作戦が組立てにくかった」ものとなり、天候を味方につけることはできなかった。差を広げられ、年間王者が厳しいものとなった今シーズンも残り2戦。標準を最終戦である明治神宮クリテリウムに絞り、そこでの優勝を狙うつもりだ。大会規定により早大からも自動的に3名出場できることもあり、チームプレーが可能となる。「神宮での優勝を狙います」。シーズンの最後に花を添えることができるか、注目が集まる。

(記事、写真 目良夕貴)

★金子がクラス2に昇格!

早くも3人に絞られレースを進める金子

 しかし、吉報もある。クラス2に出場した足立一真(文3=東京・早稲田)、手嶋将大(スポ1=千葉・国分)がそれぞれ4、5位とスプリント勝負に絡み入賞を果たす。そして、クラス3には金子智哉(商1=神奈川・相模原)が出場し、2位に。あと一歩のところで昇格を逃し続けていた男が念願のクラス2昇格の切符を手にした。レースは序盤からハイペースで進み、早くも6人に絞られる。その後もペースは変わることなく集団は金子を含んだ3人に。最後は苦手なスプリント勝負に持ち込まれてしまったが、「苦手なスプリントで2位に入れたので成長したなと思いました」。人数が少ない早大にとって、底上げは必須。今後に期待の持てるレースとなった。

結果

▽クラス1 佐々木主将 6位、有我 DNF
▽クラス2 足立 4位、手嶋 5位、谷口 14位、関 DNF
▽クラス3 金子 2位
※金子はクラス2に昇格

▼全日本学生RCS総合成績 佐々木主将 2位

コメント

佐々木勇輔主将(教3=埼玉・早大本庄)

――きょうのレースを振り返っていかがですか

逆転優勝が現実的に無理なので…最悪な結果でした。

――きょうも明大・小林和希選手が金井選手の好アシストをしていました

小林と市山も良い動きをしていました。3対1だったのできつかったです。

――行田にしては風が無いレースだったと思うのですがいかがでしたか

僕としてはどちらかというと風があったほうが有利なので、少し作戦が組立てにくかったですかね。

――当初の作戦としてはどのようなものでしたか

前回というか、だいたいいつもなのですが、先手を打って、人数の差で潰されてというパターンが多かったのであまり自分から動かずに最後に向けて脚をためるのが狙いでした。実際には明治の選手が交互に仕掛けてきて、自分で潰しにいかなければなりませんでした。他の学校の選手も明治が行くときは僕が追ってくれるだろうという打算があったと思うんですけど…それもあってか追ってくれないんですよね。それが結構きつかったです。

――それがあって最後のスプリント勝負に持ち込めなかったのでしょうか

最後ゴール側で見ているとわからなかったと思うんですけど、反対側で市山が飛び出して僕が追わなければならなかったのでそこで追いかけて脚を使ってしまいました。最終コーナーの前で前回と同じように小林が金井を引っ張って出てきたという感じですね。だから、残り半周まで脚を使ってなかったわけではないんですけど、前回みたいに自分からいってはいなかったので前回ほどは使ってはいませんでした。結局、向こうは数がいるので、そこで市山が飛び出して僕の脚を削ってきたという感じですね。

――残り2戦あります。どのように戦っていきますか

逆転優勝は現実的に難しいと思います。練習するといってもこの時期はそれ程差をつけられるようなことはできないので、あと2戦というか。神宮での優勝を狙います。シリーズの逆転は難しいと思うので、とりあえず2月になれば落ち着いて練習もできると思いますし、僕をエースにするかはわからないんですけど、神宮では良い走りができるように頑張ります。

金子智哉(商1=神奈川・相模原)

――クラス2昇格おめでとうございます

ありがとうございます。

――きょうのレースを振り返っていかがでしたか

途中から3人にずっとなっていい感じの展開になりました。上がれるのが2位までなのでそこで2人にしたかったのですが、最後まで3人で行ってしまったので苦手なスプリント勝負に持ち込んでしまったんですけど。その苦手なスプリントで2位に入れたので成長したなと思いました。

――6人になった場面について

全体のペースが速くて、知らないうちに6人になっていました。逃げていた意識はなかったです。

――3人になったのは誰かがアタックを仕掛けたのですか

あれもアタックをかけていないんですけど、東洋の人がわりとがんがん行っていました。それでだんだんちぎれていった感じです。

――クラス2に向けて

変なプレッシャーがないのでのびのびと走りたいです。