岐阜県にある木曽川滑空場で行われた全日本学生グライダー新人競技大会(新人戦)。通常の大会とは異なり、採点する教官が同乗し基本操作の完成度が審査されるこの大会。早大からは中澤寛人(基理2=東京・早実)と村松卓(政経2=千葉・渋谷教育幕張)の二人が挑んだ。普段とは違う環境での競技、慣れない機体に「戸惑ってしまった場面」(中澤)があり、少ないチャンスを生かしきれないまま大会は終了。前年に続き団体連覇を狙っていたが、表彰台には届かず。悔しさを残す結果となった。
普段は妻沼滑空場で訓練する早大にとっては、慣れない機体、会場での戦いになる今大会。そんな状況にも「滑空場の地図を読み込んで地形を覚えて」(村松)準備は十分。しかし、大会初日から早くも出鼻をくじかれる。木曽川滑空場で飛ぶことに慣れていない関東のチームのために予定されていた練習日が、雨のため中止に。天候の影響により飛ぶことができなくなることは、空を相手に戦うグライダー競技にはつきものだ。気持ちを切らすことなくフライトのイメージトレーニングをして、翌日からの競技開始に向け備える。
大会で使われた機体の前に集まる全選手
二日目以降は晴れ間もあり競技フライトを行うことができた日も。しかし、機体の数に対する出場選手数の多さや、悪天候による発航順のずれ込みによりなかなか飛ぶ機会が回ってこない。納得のいくフライトをすることはできないまま、表彰台を逃し大会は終了。わずかな発航のチャンスを生かせず、「悔いが残る内容」(村松)であった。今回の大会から「一発で決めるということが次の課題」(中澤)というように今後修正しなければいけない点は見つかった。だが、全国から集まった他大学の選手たちとの交流により自分のフライトに生かせる点を見つけたことや、励みあえる仲間と出会えたことなどから収穫も多い大会であったといえる。
大会に出場した村松と中澤
今回のように、悪天候によるノーコンテストなどからフライトできなくなることも少なくないのがグライダー競技だ。発航のチャンスが少ないときに、一つ一つを正確に飛ぶことができれば今後の大会でも勝ちにつながるだろう。連覇を目指していた二人にとって、結果は悔いの残るものであったが、若き力の戦いはまだまだ始まったばかり。今大会から得たものを訓練に生かし、これからの大会で活躍する姿を見られることに期待したい。
(記事 冨田千瑛、写真 石川諒)
結果
▽団体
早稲田 147.0点 15位
▽個人
中澤寛人 74.0点 26位
村松卓 73.0点 28位
コメント
中澤寛人(基理2=東京・早実)
――今日の大会に向けてどんな練習をされてきましたか
去年の大会に出た先輩方から色々教わって、いつも練習している妻沼滑空場で、基礎基本を1から積み重ねるように練習してきました。
――今回の大会に向けての目標はありましたか
目標は団体の連覇だったんですけども、悔いの残る結果となってしまいました。
――大会全体を振り返っていかがでしたか
慣れない滑空場で、慣れない機体での競技となって、けっこう戸惑った場面もあったので。そこが敗因なのかなと思っています。
――天候の影響でフライトできない日がありましたが、そういった日は何をして過ごされていましたか
フライトに向けてイメージトレーニングをしたりしていました。
――大会中、他大学の方と交流されたりしましたか
色んな大学と仲良く喋ったり、昨晩はみんなでBBQをしたりして仲良くなれて。次は全国で会おうみたいな話もしました。
――他大学の方と交流されて、刺激を受けたことは
かなり受けました。次の合宿からはさらに頑張って、全国で会えるようやっていきたいです。
――今回の大会から見つかった課題はありましたか
今大会は一発しかフライトすることができなかったんですが、そういった一発で決めるということが次の課題かなと思います。
――今後の目標を教えてください
まずは着実に基礎を重ねていって、教官から色々教わって、次の六大戦で選手としてしっかりと活躍できるようにしていきたいです。
村松卓(政経2=千葉・渋谷教育幕張)
――今大会の目標は
前年度に個人2位、3位に入って団体優勝していたので、その上をいこうと二人で目指してたんですけど、結果として個人、団体共に入賞できなかったので悔しい結果になりました。
――どのような準備をして臨みましたか
新人戦で使用する機体で飛んで慣れるようにしたり、滑空場の地図を読み込んで地形を覚えて大会に臨みました。
――部の方から何かアドバイスなどは
昨年出た先輩の方から色々教えていただきました。
――競技を振り返っていかがですか
全体的に悔いが残る内容になったと思います。
――今後に向け生かせる点は
他大のフライトを見て、自分の良いところ、悪いところの違いがよくわかったので今後に生かしていけると思います。
――航空部での今後の目標はありますか
自分たちが次に出る大会は来年の六大戦(東京六大学対抗競技会)になると思うので、そこで借りを返したいと思います。