【連載】『栄光はみどりの風に』 第2回 大熊勇生×坂田真衣子×山下大貴

航空

 両校の威信をかけた早慶対抗競技会(早慶戦)。これが4年生にとって最後の大会になる。ここまで最上級生としてチームを支えてきた大熊勇生(基理4=埼玉・早大本庄)、坂田真衣子(基理4=愛知・時習館)、山下大貴(基理4=東京・駒場東邦)の3人は決戦を前に何を思うのか。航空部での4年間を振り返ると共に、早慶戦への意気込みを伺った。

※この取材は2月26日に行われたものです。

今季を振り返って

左から坂田、大熊、山下

――今季をチームとして振り返っていかがですか

坂田 ことしのチームは突出したエースがいないチームで、みんなある程度の技量はあるんですけど、勝負の時にぱっと得点できるような選手がいなくて結果があまり振るわなかったです。そのことを何度かチーム全体で話し合ったり、練習後に振り返りの時間をたくさんつくって意見を出し合って反省するようにしてきました。チームとしてはよくまとまったチームになったと思います。

大熊 きょねんの4月から1年間フルで練習できた人はおそらくいないと思います。それは部内でトラブルがあったり、練習に制限がかかった状態でスタートしたからというのもあるんですけど、そういう意味では1年間を振り返ると、下級生の進度はとても良いんですけど、上級生の練習がなかなかできない1年間だったのかなと思います。それがなければと言うのもあれですが、もう少し大会でも上まで行けたのかなと思います。来年は良いスタートが切れそうなので、期待しています。

山下 突出したエースがいないという点は坂田と同意見です。ただ、全体の選手数で言えばワセダはトップクラスに多いほうですので、ある程度の技量を持つ選手を育てられたのはチームとして大きいと思います。いまの2、3年生が来年度成長して、また次の選手を育てるというサイクルは他大に比べて良い流れでできていると思います。

――個人としては1年間を振り返っていかがですか

坂田 ことしは4年生ということで卒業論文が忙しかったり、重要な役職についていたので、部活の訓練以外に労力を割かれてしまって、「もっといろいろできたのに」と思うことはあります。でもきょねんと比べて幹部同士で話し合う時間も増えてお互いが何を考えているのか分かるようになったので、そこはすごく良かったと思います。

大熊 関東大会(関東学生競技会)の前に体調を崩し、そのまま手術や入院をしてしまいまして関東、全国(全日本学生選手権)、早慶戦と出られなくなってしまいました。4年間の締めがなくなってしまったことが自分としては残念なんですが、部の一人として最後まで頑張りたいと思います。

山下 関東大会には選手として出場することができて、全国は会社の研修と重なってしまって出場できないんですが、競技に関してはスタンダード機に移行してフライトとしては満足のいくものができたかなと思います、でも競技としては得点につながるようなフライトができていないですし、そこは早慶戦に向けた目標としてもっと高めていきたいと思います。

――先日行われた合宿ではどんなことに重点を置いて取り組みましたか

坂田 大会直前ということで、実際の大会の競技開始時間に合わせて大会で飛ぶ順番に飛んで、本番にできるだけ近いかたちでトレーニングをしました。その上でその日の夜に自分のフライトについて反省したり他の人からも意見をもらって、次の日につなげていけるようにしました。本番もその日のうちに反省して意見をもらってということをするので、大会での過ごし方の練習も行いました。

――みなさんは全国大会には出場されませんが、気持ちの切り替えはできていますか

坂田 全国大会に出ることは航空部に入った時からの目標でもあったので、残念に思うところはあります。でも航空部で一番大きな大会は早慶戦だと思っていてことしは史上初の3連覇も懸かっているので、このメンバーで3連覇したいと思っています。

大熊 関東大会の時点で出られないというのは分かっていたので、地上でできることを精いっぱいやって選手がリラックスして大会期間をベストで過ごせるようなサポートをできればと思っています。

山下 全国で飛びたいかと言われれば飛びたいというのが素直な気持ちなんですけど、全国のメンバーもすごく信頼している同期ですので彼らに頑張ってほしいと思います。航空部の一番大きな大会として早慶戦も控えていて、ことしは慶大さんは関東で振るわなかった分すごく盛り上げてきていますので、そういう意味では早慶共に全力を尽くした勝負ができそうなので、早慶戦の期待値はすごく高まっていますね。

――大きな大会が近づいていますが、チームの雰囲気はいかがですか

坂田 いまは3年生が中心となって部の運営をしているんですが、いろいろ工夫してやっています。下級生もそれに意見を出したり声を出してついていったりしていて、チームの雰囲気はすごく良いと思います。実際に飛ぶのは選手だけなんですけど、地上のクルーもすごくやる気を持ってやってくれていると思うので、選手もフライトに集中できると思います。

大熊 大会前の1週間の合宿で選手を中心として充実したフライトができているように感じました。勢いが良くなっているタイミングですので、このまま全国、早慶戦と良い流れでいけると思いますね。

山下 3年生を中心に下級生もしっかりと動き出せるようになっています。残りは大会しかないので部員全員の目標がすごく明確になる時期ですから、下級生に部の運営を任せて、僕らとしても安心して大会に臨めるかなと思います。

――新体制についてはどのような印象をお持ちですか

坂田 新しい取り組みをたくさんしているなという印象です。目標を全員で共有しているので、それに向かって全員が同じように動くことができているなと思います。

大熊 主将の明妻(祐也、教3=千葉)もすごく人柄がよくてみんなに信頼されています。幹部として動いている人が私たちの代に比べるとすごく少ないんですけど、明妻を中心に副将の浦西(雄哉、政経3=東京・海城)だったり主務の土居原(悠史、人3=東京・高輪)だったりみんな頼もしい人ばかりなので、新体制としても4月から良いスタートが切れると思います。

山下 主将の明妻くんがしっかりしてますし、その他の幹部も積極的に自分の意見を言ってくれるので、一人の意見でトップダウンではなくてそれぞれが自分の考えを全体に伝えて、またフィードバックがあって。すごく視野の広いチームになれると思うので、そういう意味では4月からの活躍に期待したいですね。

――先ほど新しい取り組みという話がありましたが、具体的に挙げることはできますか

坂田 訓練の前の日に目標を明確に全員で共有して、実際の訓練中にも「いま何発で、あと1時間で何発飛ばせば目標達成できる」というのを共有しています。訓練後のミーティングもいままでは各自でメモを取るだけだったんですが、いまは全員が記入できるようにスプレッドシートを使ってデータ化して残しています。反省点も共有できるし、何年後かの後輩たちにもデータとして残せるようになりました。

――最上級生として心掛けていることはありますか

坂田 下級生の見本となるような生活態度だったり地上作業だったり、後輩に真似してもらえるような行動を心がけています。

大熊 3月で卒部ということで活動できる期間がどんどん短くなっていきますので、自分が航空部で得たものを後輩に残せるように意識して活動していますね。

山下 いままで4年間やってきて幹部に教えなきゃいけないこともありますし、こうしたらいいんじゃないかと伝えることもあるんですけど、自分の経験を彼らに押し付けることで彼らを縛っちゃいけないなと思っているので、彼らが何を考えてどうしたいのかというところは尊重しようと心掛けています。

「自分の思った通りに空という空間を使える」(山下)

入学前から航空部の存在を知っていた山下。早慶戦にかける思いは強い

――航空部に入部したきっかけを教えてください

坂田 もともと空を飛ぶことに興味があって、パラグライダーサークルとかも見てみたんですけど、新歓の時に航空部のパンフレットをもらって興味を持ちました。説明会にも行って、体験搭乗もして、そこで入部を決めました。

大熊 昔から飛行機や空が好きで、新歓の時期にいろんな部活やサークルが新歓活動をやっている中で航空部の看板やチラシを見て、4年間やってみようと検討して入りました。

山下 飛行機は昔から好きだったんですけど、高校の先輩が慶大(航空部)で主将をされていて大学に入る前からいろいろと話は聞いてたんですね。ただ「お金かかるぞ」とか「時間なくなるぞ」って悪い面なんかも話は聞いていたので、迷いもあったんですけど、体験搭乗をして「これだ」と決めましたね。

――入部前と比べて航空部の印象は変わりましたか

坂田 名前だけ聞いた時は舗装された滑走路で、趣味の範囲で楽しくやっているのかなと思っていました。でも実際に入ってみると、夏はすごく暑いし冬は風が強くて、厳しい気象条件の中で朝から日没まで走り回っているような部活で結構イメージしているものとは違いました。

大熊 僕もグライダーってもうちょっときれいなスポーツっていう印象があったんですけど、妻沼に限って言えばすごく泥だらけになる部活です。他のスポーツの方が環境としては整っている気がします。それが悪いとかではないんですけど、入部前と後で一番大きな差を感じたのはそういうところですね。それで4年間鍛えられるのは良いところでもあると思います。

山下 環境自体の違和感はあまりなかったんですけど、飛ぶこと以外に運営で頭を使う時間が多いなと入ってから思いました。

――学業との両立で苦労されることも多いですか

坂田 金土日で合宿をやっていて、木曜日から合宿所に行くので週のほとんどを部活に捧げている状態です。平日も夜はミーティングや座学があってかなり時間を取られてしまって、勉強する時間をつくろうと思えばつくれると思うんですけど、私は部活に逃げてしまって勉強がちゃんとできなかったりというのがありました。

大熊 基本的に土日が訓練なんですけど平日もミーティングがあって、活動するためにはアルバイトをする必要もあります。それに時間が取られて学業に力を入れるタイミングがなくて、それもあって来年も大学に通うんですけど(笑)。そういう意味だと僕の場合はあまりモデルケースにはならないかな(笑)。ただそれだけ部活動に時間をかけて後悔はしていませんし、グライダー自体は5年目も他の団体でもできますから。もっとうまくできたのかなという気持ちもあります(笑)。

山下 勉強に費やす時間は他の学生よりも圧倒的に短いだろうなとはずっと思っていました。僕もあまり褒められた成績じゃないんですが、部の同期とテスト前に試験範囲やレポートについて相談したりしました、良い意味で開き直っていたところもあるかなと思います(笑)。

――グライダーの魅力は何ですか

坂田 空を飛ぶためには航空局や近隣の基地といろいろ打ち合わせが必要なんですけど、(魅力は)普通の大学生が手続きを全部やって空を飛べることです。あとは、どこに行くかを自分で判断して、自分が行きたいところに行けること。風の力だけで飛んでいるので静かで、乗っていてすごく気持ちいいです。

大熊 自分よりも大きな機体を操って、自分の力で空を飛べる事だと思います。パイロットって少し遠いイメージがするんですけど、グライダーに関してはとても身近で取りやすい資格だと思いますし、大学2、3年生でも取れてしまうような資格なので、空を身近にしてくれるのが魅力かなと思います。

山下 グライダーって本当に空を飛ぶことしかできないんですよ。どこかに行くためにどうしようという機体じゃないので、本当に自分の操作一つで高く飛ぶことも遠くに行くこともできるし、逆に自分の操作で他の人よりも飛べなくなってしまうこともあるので、自分の判断でどんどん高みを目指すこともできるし、自分の思った通りに空という空間を使えるのが魅力ですかね。ちょっと言葉にするのは難しいんですけど(笑)。

主務を務めていた坂田。運営を通して貴重な体験ができたと振り返る

――引退後もグライダーと関わっていきますか

坂田 はい。引退したら社会人クラブに入って、学生時代は競技フライトっていう決められたコースを飛ぶことばかりをしてきたんですけど、卒業後はクロスカントリーといって何十キロ、何百キロと遠いところまで飛ぶフライトをやりたいなと思っています。あと余裕があったらアクロバット飛行もやってみたいです。教育証明を取って、今度は教える側として訓練に関わっていきたいとも思っています。

大熊 早稲田大学航空部OBを中心とした社会人の団体があるので、そこに入ったり他の団体も検討しています。グライダーってゴールがないスポーツでどこまでも突き詰めていけるスポーツなので、そういう意味では一生やっていこうかなと思っています。

山下 まだ具体的なプランは考えていないんですけど、ずるずると逃げられんじゃないかなと思います(笑)。あとはパイロットライセンスではなくて、整備士の資格を取るんじゃないかなと思います。

――4年間航空部で過ごされてきて、印象に残っていることはありますか

坂田 私は主務として部の運営をメインにやってきました。その中で社会人や大学関係者、業者の方とやり取りすることが多くて、すごく社会勉強になりました。航空部の予算は中小企業と同じくらいなので、そんな大金を回すという一学生がなかなかできない体験ができたなと思います。

大熊 グライダーというスポーツは結構強烈なイメージを残すスポーツなので、印象がだいぶ薄れちゃうんですけど(笑)。昨年の早慶戦でだいぶ低い高度で飛んで、命からがら滑空場に帰ってきたという経験がありました。もう少し低かったら川に落ちていたという経験をしたんですけど、それが一番印象に残ってますね。それを思うとこれからどんなことがあっても命は取られないだろうとか、そういうポジティブな考え方ができるようになるのかなと思います(笑)。

山下 フライトに関して言えば、ちょうどきょねんのいまごろにシングルで飛んでいたときにふと下を見るといつも使っているバスが見えて、それまでも空を飛んでいる実感はあったんですけど「自分が普段立っているところの上にいるんだ」っていう感覚が自分の中に落ち込んできたというのがあります。その日は条件が良くてすごく高くまで上がったんですけど空気が動いていたせいか局所的に虹がかかっていて、上から虹を見るのが初めての経験だったので、あのフライトはすごく印象に残っています。

――航空部に入って成長したと思うことは何ですか

坂田 合宿形式でやっているので、お互いがお互いを信頼できないといけないということで、いままでの友達とは全然違って何でも言い合える関係を築けたことがすごく良かったです。あとは社会人の方と関わることがすごく多く、社会経験豊富な方にいろいろ教えていただけるので、いままで知らなかったこととか社会常識を教えていただくことができました。

大熊 私は3年生からきょねんの10月まで訓練主任をやっていました。その仕事で部員の技量管理だったり知識の教育を担当しておりまして、それを1年間やっている中でいろんな人のフライトを観察して、それぞれどんなやり方が良いのか考える必要があるので、人それぞれに合ったやり方を考える力が身に付いたと思います。

山下 この部活は区域だとか書類だとか、いろいろ守らなきゃいけないことも多いですし、そういうところをちゃんとしないと怒られることも多いんですけど、怒られ慣れてメンタルが強くなったというのもあります(笑)。あとは絶対に守らなきゃいけないことを守るためにどうしたらいいのか、どう行動すればいいのかを考える癖がついたのは成長したところだと思います。

「早慶戦は戦争」(大熊)

チームのサポート役に徹する大熊。「最後まで楽しみたい」と話す

――他の大会と早慶戦はやはり雰囲気の違いがありますか

坂田 そうですね。早慶戦は総力戦と言われます。普段の大会だと宿泊費の関係で選手とサポート数名って感じなんですけど、早慶戦は早大も慶大も部員全員妻沼に集まって一緒に戦うという点で違うと思います。毎年伝統があるんですけど、選手が上がっていく最中は地上にいるクルー全員が肩を組んで応援歌を歌って送り出すという伝統があって、それがチームの一体感を高めているなと思います。

大熊 早慶戦と他の大会の違いで言いますと、他の大会はいろんな大学が参加してるので、いろんな考え方があって、雰囲気としては和やかで紳士的な大会になるんですけど、早慶戦は戦争とも言える感じで(笑)。さっきもあったんですけど、応援の時に『紺碧の空』を歌ったり、おそらく学生グライダーの中では一番地味で過酷な大会をやっていると思います。そういう意味では大学でグライダーをやることを徹底している大会だと思います。

山下 全国だと「ワセダがんばって」「選手がんばって」という感じなんですけど、早慶戦は両校が全員いて、自分たちも本気で応援しますし、向こうが本気なのも伝わってきます。「自分たちが勝ちたい」という気持ちもあるんですけど、それとはまた別に「慶大さんも頑張っているなぁ」と否応なしに伝わってくるのは他の大会にはない独特の雰囲気なのかなと思いますね。あとは大熊が言った通り、たぶん一番泥臭い大会なので。ひたすら飛ばし続けて、ひたすら得点を取り続けて、かなり特殊な大会なのかなと思います。

――ルール作りから行われているとお聞きしましたが

坂田 他の大会は日本学生航空連盟がルールを作っているんですけど、早慶戦は早慶の学生が年に何回も集まって「ルールをこうしたい」と話し合って、OBから寄付を募ったり、大会中の審判も含めて運営はすべて自分たちで行なっています。

――大会が続き、長丁場になりますが

坂田 特に2月は長期合宿も2回あって、2月3月はずっと航空部の人と顔を突き合わせている状態で、4年間の最後に航空部漬けの生活が送れて自分としては結構楽しんでいます。

大熊 2月3月は大会が多くて密度が濃い時期なので、4年目でこれが最後になるので、最後まで楽しみたいと思います。

山下 確かに長いんですけど、4年間やってきたのであと2週間しか妻沼にいられないのかと思うと、実はそんなに長くないなとも思っています。残り2週間弱、出せるものは出し切ってやり残しがないようにしたいです。

――早慶両校共に全国出場は1チームのみですが、それだけに早慶戦に懸ける思いも大きくなりますか

坂田 全国大会では飛べる選手が3名のみになってしまったんですが、早慶戦は選手資格がある人は全員飛べるので選手全員が得点する勢いでみんなトレーニングに励んでいます。

大熊 片方のチームが全国大会に出られないとなるとネガティブな印象があるんですけど、逆に捉えると全国大会と早慶戦はコースが全然違うので、より多くの選手が早慶戦のコースに集中してトレーニングできるというメリットもあると思います。今回は早慶共に全国出場が1チームずつで条件がイーブンで、早慶戦に集中してトレーニングする選手が例年より多い大会になるので、白熱した大会になるかなと思います。

山下 全国や関東のように出場機数が多い大会はどうしても飛んだ時のタイミングで差が出てくるところもありますし、ガイドラインが厳しめにつくられているので、そういった制約がない早慶戦に向けてトレーニングできている選手が多いという意味でも(慶大は)例年以上に早慶戦に向けてしっかり準備してくるんだろうなとも思いますし、僕たちとしてもそれに応えていきたいと思います。

――早慶戦勝利に必要なことは何ですか

坂田 まずは1番手の選手が早い時間に周回して、それに他の選手も続いて良いペースで周回して、それを地上にいる全員でサポートすることが必要になると思います。

大熊 グライダーは個人の技量だけでなく天候の運に左右されるスポーツなので、2週間という長い期間を部員全員が折れないメンタルを保って、たとえビハインドを背負ってもメンタルが崩れたらそこで終わりですから、後半盛り返そうと強い気持ちを大会期間中は選手だけじゃなく部員全員が保つことが必要かなと思います。

山下 大熊の言っていたことと結構かぶるんですけど、勝っていても負けていても、何が何でも点を取り続けるんだと言う気持ちを部員全員がキープして、クルーも選手に「頑張ってください」というのをフィードバックできるような一丸となった気持ちを保ち続けられるかが大事だと思います。

――最後に早慶戦に向けて、意気込みをお願いします

坂田 早慶戦は3連覇という目標を達成するのが一番大きいんですけど、部員全員が一つの目標に向かって一丸となって戦いたいです。

大熊 4年間の最後なので、悔いのないように自分ができることをやりたいです。

山下 勝ちたいですし、何よりも楽しみたいです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 稲満美也、難波亮誠)

3連覇となれば早大史上初。チーム一丸となり戦います

◆大熊勇生(おおくま・ゆうき)(※写真右)

1994(平6)年3月11日生まれ。埼玉・早大本庄高出身。基幹理工学部4年。3年時から大会に出場し、チームを引っ張ってきました。選手としての出場は叶いませんが、最後の大会でも早大の勝利に貢献します

◆坂田真衣子(さかた・まいこ)(※写真中央)

1992(平4)年7月7日生まれ。愛知・時習館高出身。基幹理工学部4年。主務として運営の中心を担ってきました。様々な面で成長を感じた4年間。早慶戦では航空部での集大成を発揮してくれるでしょう

◆山下大貴(やました・ひろたか)(※写真左)

1992(平4)年4月30日生まれ。東京・駒場東邦高出身。基幹理工学部4年。グライダーの魅力を語ってくれた山下選手。残りわずかとなった競技生活ですが、『楽しむ』気持ちを胸に空へと飛び立ちます