「チャンス」が少なく苦しい結果に

航空

 8月30日~9月6日、新チームにとっての初戦となった第18回東京六大学対抗競技会が行われた。早大は大会4日目まで得点者なし、大会後半は加点を続けるもそれを上回る得点のあった上位3校との点差が開いたままで、最終日を迎える。広がった点差を思うように埋めることは出来ず、今大会は団体4位という結果に終わった。個人では、大熊勇生(基理4=埼玉・早大本庄)が4位に、田中努(先理4=広島・修道)が8位に入った。

 大会序盤は雨でノーコンテストになるなど、練習フライトを含め飛行できない日が続いた。その間選手たちは、英気を養い天候の回復を祈るばかりであった。「チャンスが少ない大会だった」(坂田真衣子、基理4=愛知・時習館)と言うように、思うようなフライトができなかったようだ。また悪天候の影響を受けたのは早大だけでなく、どの出場校も同様に苦戦を強いられ周回者が多く出て得点が動き出したのは5日目のことだった。

早大のエース機WP機

 「いかに後半で力を発揮できるかということをチームで考えながら挑んだ」(小長谷礼美主将、基理4=東京・渋谷教育渋谷)との言葉通り、大会後半がカギとなった今大会。条件がそろわない中で奮闘を見せたのは4年生だった。5日目に大熊が周回を達成、田中も得点を挙げこの日終了時点で4位につけた。7日目も4選手が得点を挙げるが上位チームには届かない。4位のまま迎えた最終日も天候に影響され無得点。中盤でリードを許した他大学に追いつくことなく全日程を終えた。

離陸するWW機

 この大会は「ワセダとしてあってはならない結果だと思っています」(坂田)と言うように、なんとも歯がゆさが残る結果となった。「ことしは主力級のエースがいない」(小長谷)と経験豊富な部員が卒業し新体制の初陣となった今大会。大会初出場の選手も多く、おのおのが思うような結果を残すことは出来なかった。今後の大会で上位進出を目指すにはチームの底上げも求められる。10月の全日本新人競技大会での新たな戦力の活躍、12月の関東学生競技会、そしてらいねんの全日本学生選手権に向けて今後の活動に期待したい。

(記事 冨田千瑛、写真 竹田真優、石川諒)

大熊が個人4位入賞を果たした

大会の全日程を終えた部員たち

結果

▽団体 早大 4位 3568点

▽個人 大熊 4位 1759点

コメント

小長谷礼美主将(基理4=東京・渋谷教育渋谷)

――今大会を振り返っていかがですか

今大会は大会が始まる前からずっと天気が悪くて後半勝負になることは分かっていたので、いかに後半で力を発揮できるかということをチームで考えながら挑んだのですが、私たちのチームがことしは主力級のエースがいないということもあって、一発勝負になった時に少し弱いのではないかということは不安でした。案の定結果としては他大学のエースが周回する中でうちだけおいて行かれるという場面がありまして、団体4位というふがいない結果を残してしまいました。

――悪天候の際、集中力を切らさないために意識したことはありますか

競技に対して気持ちを切らさないという意味では、昨年度の大会の振り返りをしたりルールの確認などを行ったりした一方で、ずっと気を張り詰めているのも疲れてしまうので適宜外に出てご飯を食べたりお風呂に入ったりして過ごしました。

――今大会が新チーム初戦となりましたが

正直に申し上げてまだチームの力を100パーセント発揮できる環境を整えられなかったのは主将としてふがいなく思っているので、次の大会が関東大会(関東学生競技会)でおよそ3か月あるので、この期間で4年生を中心に全力でチームの立て直しというか底力をどのように上げるのかということを話し合っていきたいと思います。

――今大会に向けてどのような調整を行いましたか

直前に合宿があったのでそこでのトレーニング、あとは8月の頭に違う滑空場でトレーニングがあったのでそこで3、4年生を中心に力を上げられるように日程を組んでやっていました。

――見つかった課題はありますか

一発勝負になったときに負けを取らないようなチームを作るということが課題としてありました。

――今後に向けて意気込みをお願いします

あと3か月間残り関東、全国(全日本学生選手権)と本格的に大会が詰まっていくのでそれに向けてチームの総力を挙げて挑みたいと思います。

大熊勇生(基理4=埼玉・早大本庄)

――今大会を振り返っていかがですか

大会が始まる前から悪天候なのはわかっていたので、後半の勝負になると予想していました。4日間での体調管理や過ごし方に気を付けたので、フライトは乱すことなく落

ち着いてできました。それが今回の成績につながったと思います。チームとしては団体優

勝を狙っていたので4位に終わったのは悔しいし、個人としても最終日で順位が落ちてし

まいました。他大学のうまい選手と差が出てしまったところだと思います。

――課題はありますか

他大学は2機共に得点ができているなかで早稲田は1機のみの得点、もしくは得点なしとなり徐々に差がついてしまいました。他大学が回れたり得点できるところで落としてしまった、というのが課題です。

――最上級生として何を思いましたか

六大戦(東京六大学対抗競技会)は勝って当たり前みたいな風潮もあったのでそれに向かってチーム一同で頑張りましたが、勝つことができず悔しいです。

――個人4位という成績についてはいかがですか

最終日に3位から4位に落ちて、他大学の選手との差がでてしまったと思います。限られた大会期間のなかで色々なトラブルもあり運もありますが、グライダーはそういう競技です。関東、全国に向け、今後準備をしてもっと頑張りたいと思います。

――最後に一言お願いします

まだまだ伸びしろのあるチームなのでこれからも頑張ります、よろしくお願いします。

坂田真衣子(基理4=愛知・時習館)

――今大会を振り返っていかがですか

今大会団体4位に終わってしまった原因としては、私はウイスキーウイスキーチームの1番手だったのですが、1番手が回るべき時間帯に回れずに得点できず次の選手に回せなかったというのが敗因だと思っているので、本当に自分がふがいないなと思っています。

――団体4位という結果に対して率直な感想はいかがですか

ワセダとしてあってはならない結果だと思っています。

――今大会が新チーム初戦となりましたが

まずは4年生が絶対に周回して3年生に回すという気持ちで臨んでいたのですが、結局それができずに3年生に良い経験を積ませることもできなかったので反省しています。

――大会序盤は悪天候が続きましたが

六大戦(東京六大学対抗競技会)としては天気が悪くて半分以上(日程が)つぶれてしまった上に、残った条件のある日もそこまで(条件が)良いという日は少なかったので飛べる日が少なかった、チャンスが少なかったというのと、うちは選手が多くて選手層が厚いので、条件がすごく良ければ必ずみんな回ってきてもっと得点を重ねることができただろうということもあって、ちょっとチャンスが少ない大会だったと思います。

――今大会に向けてどのような調整をして臨みましたか

大会に向けては基本なのですが、2個上の先輩ですごいエースパイロットの方がいて、その方が作ってくれた資料を何回も読んだり、GPSでログを見れるので過去の大会のログを見てどういうルートがいいかとかどこで上げればいいかというのを自分なりに研究して臨みました。

――見つかった課題はありますか

自分が回れなかった時間帯にしてしまった判断ミスというのが大体毎回同じようなミスをしていたので、次の関東大会までに必ず修正して1番手として自分の役割を果たせるようにしたいと思います。

――今後に向けて意気込みをお願いします

自分の弱いところとして判断が遅くて上がりの良いところに行けなかったりとか、上がりきらずにちゃんとした作戦なしに前に出てしまうということがあったので、周りを広く見て飛ぶ力というのを、これから単座だけではなくて複座でもそういう力を強化していけるようにしたいと思います。

田中努(先理4=広島・修道)

――今大会を振り返っていかがですか

私にとって2回目の六大戦(東京六大学対抗競技会)です。4年生になって初めての大会ということで、思うところもありました。前半の4日間が雨でしたが、試合開始のDAY5までの過ごし方で調子を落とすような印象はなかったです。しかし実際飛んでみると、思うようにいかない部分があり、焦りがでました。良いフライトができずに得点が重ねられず、大熊(勇生、基理4=埼玉・早大本庄)と順番を変えたりして、DAY7でやっと良い形でチームのフライトができました。ここで終わってしまうのは悔しいです。もっと続けていれば、もっと良いフライトができると思いました。

――新チームになって初めての大会でしたが、チーム全体ではどのような準

備をし、どのような意気込みで臨みましたか

選手になる可能性のあるメンバーでフライトを重ね、粗が出れば、こうすべき、ああ

すべきと後輩とも話をしました。目標はもちろん団体優勝でした。

――今大会収穫はありましたか

初出場の3年生が得点してくれたことです。これから伸び盛りだし、彼らの気合いやこれからに向けての熱い気持ちが見られたのはすごく良かったです。

――最上級生として何を思いましたか

六大戦は全国の中でも強いチームが揃っているので彼らのフライトや自分たちとの実

力差を見て、そしてその中でどのような戦いができるのか楽しみにしていました。あくまでも狙うのは団体優勝で、それ以外はあまり考えていませんでした。

――個人8位という成績についてはいかがですか

全員が良い条件で飛べるとは限りません。私は大熊と同じ機体で飛ぶのですが、前半自分が良い結果を残せずに降りて、その間に条件も変わって良い状態で大熊に回せなかったところがありました。私がしっかり得点をして、流れをつくっていれば大熊ももっと良い順位がとれたと思います。

――最後に一言お願いします

次は不甲斐ないフライトにならないよう、必ず良い結果を残します。

明妻裕也(教3=市千葉)

――今大会を振り返っていかかですか

航空部の大会は天候に左右されることが多いということもあり、一週間という長い期間の中で行われるのですが、今回の大会は長い期間をかけての開催が必要だということがすごく実感出来ました。前半が悪天候だということは初めからわかっていたので、いかに4、5、6日の3日間にベストコンディションを持っていけるか集中してチームとしての強さを持っていけるかが大切だと思いました。4年生、3年生が各自得点出来て良かったと思います。自分としては点の取り方としては反省すべき点がたくさんあって得点すべきところで得点できなかったので、そこが反省点です。

――悪天候の際、気持ちを切り替えるためにしていたことはありますか

部屋の中にこもるのではなくなるべく外に行って、体がなまらないようにバッティングセンターに行ったりして体を動かしています。今も筋肉痛になってるくらいです(笑)。部屋でじっとしていると皆イライラしたりしてしまうので、銭湯やご飯を食べに行ったりもしてリフレッシュしています。

――新チームとしての初戦、意識していたことなどありましたか

新しい体制を知ってすぐの大会だったので深くは考えていませんでしたが、正直結果としては思った通りではありました。

――今大会を通して見つかった課題などありますか

普段の訓練が大会に直結してくるのだなということが実感出来て、普段の訓練のことをすごく考えるようになりました。試合の勝利に直結するようなトレーニングをもう少ししたらいいのかなと思いました。

――今後に向けての意気込みをお願いします

勝つのは当然なのですが、勝ち方をもう少し考えないとなと思いました。まだ漫然と訓練して、漫然と試合に臨んでいる気がします。まだ作れていないのですが、もっとどんどん上手くなっていくというステップが作れたらなと。個人としては、部の活動の中で僕が活躍できるのであれば、そこに組み込んでいただけたらなと思います。

浦西雄哉(政経3=東京・海城)

――今大会を振り返っていかがですか

後半は晴れて競技ができたのですが、なかなか調子が出るまでに時間がかかってしまって、他の大学に少し遅れるという形で終わってしまいました。

――今大会が新チーム初戦となりましたが

やはり最初が肝心だと思って絶対勝ちにいくぞという強い気持ちで臨みました。

――悪天候の際、集中力を切らさないために意識したことはありますか

飛べてないもどかしさを忘れるために話し合ったり、他のことを考えたりしていました。

――団体4位という結果に対して率直な感想はいかがですか

ふがいなかったなという感じがします。他のチームメイトで大会に出れてない人がいる中で、自分は選手として得点したり色々どうにかできる立場で、ワセダは4位とかあまり取らないので申し訳ないという気持ちです。

――見つかった課題はありますか

もっと効率よく距離を伸ばして得点を伸ばせたかなということは思いました。あと他の大学の選手の技術を見て本当にうまいし自分はまだまだだな、努力しないといけないなと思いました。

――今後に向けて意気込みをお願いします

この後関東(学生競技会)、全国(全日本学生選手権)、早慶戦(早慶対抗競技会)とあるのですが、そこでは必ず最高の結果を残せるようにこれから頑張っていきたいと思います。

土居原悠史(人3=東京・高輪)

――今大会を振り返っていかがですか

前半は雨で飛べない時が多くて、結構選手もフラストレーションがたまっている中で飛んだ4年生の方はプレッシャーもあって大変だっただろうなという気持ちはしました。

――悪天候の際、集中力を切らさないために意識したことはありますか

雨が降っていたので、その時は体を動かしてリフレッシュするようにはしていました。

――今大会が新チーム初戦となりましたが

1年生に強いワセダというのを見せたかったのですが、そこが達成できなくて残念です。

――今大会に向けてどのような調整を行いましたか

今は選手数が多くてその中で厳選された選手ということで、大会前からずっとトレーニングをしてきたので普段と変わらないことを意識しました。

――団体4位という結果に対して率直な感想はいかがですか

今までにないくらい弱かったです。反省は多いと思います。

――見つかった課題はありますか

もっとチーム内でコミュニケーションというか空の様子とかを話し合えたら良かったなと思います。少し選手が凝り固まったというか、この選手だけが話をするというのが多かったので、もっとそういうのを共有できれば良かったのではないかと思います。

――初めての大会の雰囲気はいかがでしたか

それなりの緊張はありましたけど、4年生のおかげで楽しんでやることができました。

――今後に向けて意気込みをお願いします

初めての大会だったのですが、3年生が引っ張っていけるようにこれから頑張っていきたいと思います。

山田ゆり(文構3=東京・日出)

――今大会を振り返っていかがですか

今大会前半は雨で全然飛べなくて後半3日間が勝負だったのですが、その3日間の内私が飛んだのが最後のラストチャンスのみで全然飛べなくて、その時に得点はできたのですが3日間の内の(残りの)2日間も飛びたかったなという気持ちがあって、結構地上で見ていることが多かったのでもどかしいというかそういう気持ちの方が大きかったです。

――今大会が新チーム初戦となりましたが

ことしのチームは他大に比べて周回経験が少なくて結構ビハインドがある大会で、その中でも周回できる条件がある日はあったので他大のフライトを見てうまく飛び方を盗んだりだとか、うまい人についていくというのをしていれば絶対周回はできるだろう考えていて、結果私が飛んだ時はそれをできたのですが結構実力差が出てしまっていて、今大会は滞空できる機体と滞空できない機体というのが完全に分かれてしまうような天気で、そこがワセダとしてはふがいない結果となってしまってこれからどういう風に練習していくかと考えるような最初の大会だったと思います。

――団体4位という結果について率直な感想はいかがですか

順当だなという感じがします。東大と慶大と法大が三つ巴でお互い順位が毎日入れ替わって3校で戦っている状態で、そのだいぶ下にワセダがいて正直法大があんなに強いとは思っていなかったのですが慶大、東大との差はだいぶあるなと感じていたので順当だと思います。

――見つかった課題はありますか

課題としては周回経験が少なくて他大の人はいっぱい周回している中で失敗とかを反省して次のフライトにつなげてというようにどんどん磨きをかけていってそれを大会にぶつけてきているのですが、(早大は)まだ磨き上げるという段階に至っていなくて周回経験1週とか2周とかの状態でまだ模索している状態のままで大会に臨んだということで、今後の大会を優勝するためには周回を重ねてブラッシュアップしていかないと今後勝つのは難しいなと思いました。

――今後に向けて意気込みをお願いします

まだ3年生でそんなに(大会に)出れていなかったのですが、今回ちゃんと得点するべきところで得点できたのは大きい収穫だったと思っていて、他の大学の機体とも一緒に飛んでいて私が得点しているときに相手が得点できていなかったり、また私が上がれてない中他の機体が上がっていたりしていて、良い面もあったのですが悪い面もあって、それをどんどんつぶしていけば今後は結構成長するのではないかなという自信は得たので、今後の訓練でも頑張っていきたいなと思います。