【連載】『令和3年度卒業記念特集』第17回 岡村泰靖/ボクシング

ボクシング

全力で過ごした4年間

 「人生で最も消費カロリーの多い4年間だったと思います」。ボクシング部で過ごした日々をこう振り返った岡村泰靖主将(商4=東京・早実)。いかにしてボクシングと出会ったのか。ボクシング部で仲間と過ごした時間で、何を感じ、何を思ったのか。岡村の4年間を振り返る。

 岡村がボクシングと出会ったのは中学生の時。「強さを追求している人の姿はかっこよく、美しい」。テレビで見たボクシングの試合はとても刺激的だった。それから「一度は格闘技をやりたい」と夢ができた。そして大学への進学を機に、「思い切り打ち込める最後のチャンス」とボクシング部への入部を決意する。

 憧れていた格闘技の世界は、決して輝かしいだけの舞台だったわけではない。苦しいことや、つらいこともたくさん経験した。関東大学ボクシングトーナメントでは、あと一歩のところで昇格を逃してきた。「毎年そこにかけてやってきた」。それほどの思いを胸に臨んだ早慶戦。4年間を通して、ついに勝つことはかなわなかった。それでも、主将として臨み、自身にとって最後となった早慶戦では、仲間が涙を流しながらリングを見つめていた。岡村にとって「4年間やってきて良かったと心から思えた」と努力が報われた瞬間だった。

 最後の早慶戦で奮闘する岡村

 「もう一度同じことをできるかと聞かれれば、絶対に出来ないと断言できるくらい出し切りました」。それほどまでに全力でボクシングと向き合い、仲間と過ごした4年間は岡村を大きく成長させた。特に成長したと自身で感じるのは「礼儀」。「大人と接する機会が多いことや、先輩後輩関係から学ぶことがたくさんありました。また、対戦相手や試合の運営に携わってくださる方などへの感謝を忘れずにやってきました」。ボクシングを通じて、選手としてだけでなく、人としても成長することができた。

 「日々の積み重ねが成長につながることを社会人になっても意識していきたいと思います。また、あと一歩の悔しい思いをした経験から、勝負強い大人になりたいと思います」。

 ボクシング部での経験を胸に、新たなステージでも戦い続ける。

(記事、写真 栗田優大)