7月8日、ついに関東大学トーナメント決勝が開催され、早大ボクシング部からは我らがエース、フライ級・岩田翔吉(スポ4=東京・日出)が、ボクシングの聖地、後楽園ホールのリングに立ち、勝利を収めた。今大会での優勝で、関東大学トーナメント・リーグ戦4年連続優勝を果たした岩田。その記念すべき試合模様をみていこう。
大学最後の後楽園ホールでの試合である今回も確実に勝利を収め、4年連続優勝を飾ろうと意気込んで臨んだ岩田。岩田が本来属する階級(ライトフライ級)より1つ上の、フライ級での試合であり、対戦相手は、日体大の、全日本ランキングにもその名を連ねる強敵であった。岩田は1R目から軽やかなステップを披露し、巧みに相手の攻撃を避けながら、冷静にパンチを繰り出す。その強打に削り取られていくかのように消耗する相手選手は、クリンチ(相手にしがみつくこと)で岩田の動きを止め、必死に自分のペースを取り戻そうとする。そのため途中思うように動けない場面もあったようだが、岩田は相手に叩き込むパンチに手応えを感じながら、黙々と闘い続けた。
強烈なボディを叩き込む岩田(右)
今試合前にアメリカのラスベガスに出向き、独自に練習を積んだ岩田。本場のボクシングを体感し、ステップ、足の位置取りなどに日本で学んだそれとの違いを感じながら、一方で、アメリカでも通じる自らのボクシングに自信を持つことができたという。 試合中も、その経験を生かしながら、相手選手からの不測のバッティング(頭突き)やローブロー(ベルトラインより下部への攻撃)に動じることもなく、安定して自身のボクシングスタイルを貫き、3R闘い続けた。試合結果は、3-2の判定勝ちであった。
優勝した岩田(右)。王者の風格を感じさせる
ボクシングを始めて今年で12年目となる岩田は、「技術面も勿論のことだが、特にメンタル面で自身の成長を感じた」という。勝ち続けるエースには、単純な緊張や不安だけでなく、今回も勝ってくれるだろうという周囲の期待が伴ったに違いない。だからこそ、それらに打ち勝ち成し遂げた4年連続優勝は、大変な快挙であり、「(達成できて)ほっとしたが、欲を言えばKOしたかった」と語った岩田。王者の風格を感じさせる一方で、その言葉から、岩田がさらなる高みを目指していることが伝わってくる。 次の舞台は12月の早慶戦、岩田がどんな活躍をみせてくれるのか。今後も、エース岩田から目が離せない。
(記事 庄司笑顔、写真 佐藤慎太郎、茂呂紗英香)
※掲載が遅くなり、申し訳ありません
結果
▽決勝
フライ級 ○岩田翔吉 3-2(30-27、30-27、29-28、28-29、27-30)
コメント
岩田翔吉(スポ4=東京・日出)
――試合にはどのような気持ちで臨まれましたか
大学リーグ4年間全勝がかかっていたので、やはり思いは大きかったです。
――相手選手や試合の全体的な印象はいかがでしたか
相手はクリンチやバッティング、ローブローもあり、ラフな印象もありましたが、相手も必死でしたでしょうし、自分は得意なパンチを当てられました。始終有利に試合を運べたと思います。勝ててほっとしましたが、欲を言えばKOしたかったですね。
――今日までにどのような練習をしてきましたか
基本的には今まで通りですが、アメリカのラスベガスに行って練習し、現地のトレーナーに絶賛されたことは大きな自信になりました。
――具体的にはどのような練習を
日本で習うものとは違う、本場のステップや、足の位置取りを学びました。試合にも生かすことができると思います。
――4年間で自身に成長を感じた点はありますか
ボクシングを始めて12年目になりますが、技術面は勿論ですが、メンタル面で大きな成長を感じました。減量などで毎試合きちんとコンディションを整え、『勝ち続ける』ことで、強い精神力が身につけられたと思いますし、それを達成できたことは大きな自信になりました。
――緊張やプレッシャーを感じることはありませんでしたか
勿論ありますが、自分の好きなことをやっているわけですから、試合を楽しもうという気持ちで臨んでいます。
――今後の抱負、目標などございましたら、教えてください
将来はプロでの活動を考えています。早稲田初の世界チャンピオンを目指しているので、これからも頑張っていきたいです。
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