追い上げ及ばず…無念の3部降格

ボクシング

 関東大学リーグ戦(リーグ戦)2部を5戦全敗で終えた早大。この日は残留を懸け、3部優勝の専大との入れ替え戦に臨んだ。ライトフライ級では早大が欠場のため不戦敗となり、ビハインドから始まったこの試合。立て続けに2人が敗れ、いきなり窮地に追い込まれる。その後は意地を見せ、逆王手をかけるまで猛追するも、あと一歩が及ばず。3-4で敗れた早大は、リーグ戦3部への降格が決定した。

 1試合目が不戦敗となり、追いかける状況でまず登場したのはフライ級・花立修平(文4=東京・早稲田)。序盤から打ち合いとなるが、なかなか有効なパンチが繰り出せず、苦戦を強いられる。後がない第3ラウンド(R)には積極的に攻撃を試みるも反撃及ばず、0-3で敗れた。続くバンダム級・江口礼(スポ3=栃木・作新学院)は専大の乙川祐太主将の気迫のボクシングの前にリズムをつかめずに判定負け。この時点でチーム成績は0-3となり、残留に向け一敗すら許されなくなってしまった。

ルーキーながら実力を見せつけた土田

 しかし、早大はここから本領を発揮する。ライト級・淡海昇太(教3=神奈川・浅野)が「どこかで強引に倒しにいくと最初から決めていた」と話すように、2Rに右ストレートでダウンを奪うなど相手を圧倒。チームに初白星をもたらすと、続くルーキーのライト級・土田大輔(教1=富山・呉羽)は冷静ながらも着実にパンチを浴びせ続け、見事勝利を収める。流れを完全に引き寄せ、勝てば逆王手、負ければ降格決定という大事な場面でリングに上がったのは、今季のリーグ戦で未勝利のライトウェルター級・赤井雄介副将(政経4=兵庫・六甲)。「これで勝たないと4年でも副将でもない」。その並々ならぬ思いがプレーに表れる。左利きの相手に対応したボクシングでリズムをつかむと、相手に疲れが見えた3Rにはストレートやフックがさく裂。気持ちで上回った赤井は、3Rともに29-28という僅差で貴重な勝利をもぎ取った。

勝利し、会場の声援に応える赤井

 最後に登場したウェルター級・東真也(基理2=東京・新宿)が敗れ、最終的には3部降格という結果となった早大。それでも、「いまは部としていい雰囲気でまとまってきている」と赤井が話すように、この日も岩田翔吉(スポ2=東京・日出)ら主力選手を欠くという苦境のなかで、チーム一丸となり戦う姿勢が見て取れた。また、「このチームだったら絶対来年また2部に戻れる」(淡海)という言葉からも、5月から始まったリーグ戦を通じ、選手たちは間違いなく成長を実感している。悔しい敗戦のなかで得た確かな自信。来年この場所に戻って来ることを信じて――。早大の逆襲への旅が、始まろうとしている。

(記事 菅原拓人、写真 寒竹咲月)

 

関東大学リーグ戦入れ替え戦
階 級 早 大 スコア 専 大
LF ●(早大が欠場のため不戦勝)○
花立 修平 ●0(27-29  27-29  28-29)3○ 加藤洸太郎
江口 礼 ●0(27-30  27-30  27-30)3○ 乙川 祐太
淡海 昇太 ○3(30-27  29-28  29-27)● 岩澤 翔
土田 大輔 ○3(30-27  29-28  30-27)0● 中田 耕右
LW ◎赤井 雄介 ○3(29-28  29-28  29-28)0● 小野 洸平
東 真也 ●1(27-30  27-30  29-28)2○ 森下 泰尊
※◎はゲームキャプテン、監督は遠藤寛治(昭60商卒=東京・早大学院)
コメント

赤井雄介副将(政経4=兵庫・六甲)

――この試合の自身の戦いについて感想を聞かせてください

相手がサウスポーだったので、サウスポー相手にすべきコンビネーションしか打ちませんでした。結果として、それが効果的だったと思います。

――後がない状況でしたがどのような気持ちでリングに上がりましたか

僕はリーグ戦で4敗し足を引っ張っていたので、絶対に3-3で東(ウェルター級・東真也、基理2=東京・新宿)でつなぐことだけ考えていました。

――チームも連勝のなか、仲間から大きな声援が飛んでいましたが、聞こえていましたか

めっちゃ後押しされましたね。本当に大好きな部員たちです。

――4年生として、副将としてこの試合に懸ける思いは人一倍だったのではないでしょうか

めちゃくちゃありました。これで勝たないと4年でも副将でもないなと。本当に人生を懸けて戦いました。

――残念ながら3部に降格となりましたが、その点についての思いを聞かせてください

非常に残念ですが、また1年で必ず2部に上がってきます。いまは部としていい雰囲気でまとまってきているので、すぐに上がって、いまの2年生に2部リーグで戦ってほしいと思います。

――夏から秋にかけてはどのような取り組みをしていきますか

リーグ戦の最中は練習が個人的になっていたので、夏以降はみんなで一つの練習をして、さらにチームの輪を強めていきたいと思います。

淡海昇太(教3=神奈川・浅野)

――きょうの試合を振り返って

きょうは昨年負けていた相手だったので、なんとしてもリベンジしたかったし、自分の勝利がチームの勝利に繋がると信じて絶対負けられないなと思って臨みました。

――ダウンについてはいかがでしたか

今回、リーグ戦でやっぱり強引に圧倒的にじゃないと勝てないとわかったので、どこかで強引に倒しにいくと最初から決めていました。2Rの最初にパンチが結構効いたのでこのままズルズルいったらまずいと思って強引に攻めました。

――0-3と、あとがない状況での試合でしたが、緊張などされましたか

特に気にすることもなく、とにかく楽しもうと思って。色んな方に支えられていているなか今回最終戦で、楽しんで自分のボクシングをやれば結果はついてくると思っていたのでそれだけですね。

――早大としては、3部降格となってしまいましたが

本当にいい試合が多くて、最後の東(真也、基理2=東京・新宿)の試合も気合いが感じられて、このチームだったら絶対来年また2部戻れますし、あまり落ち込まずに反省するところは反省して、また来年に向けてみんなで頑張っていきたいです。

――今後どのようなことに重点を置いて練習する予定ですか

チームの力の底上げをしようと思っていて、全体が強くならないとやはりワセダは勝っていけないので、大学から始めた人も後楽園のリングの上で勝てるように一致団結してやっていきたいです。