中大に屈辱の全敗

ボクシング

  第66回関東大学リーグ戦(リーグ戦)は折り返しの第3節を迎え、早大は強豪・中大と対戦した。主将の原田優樹(文4=埼玉・開智)をはじめ3名のレギュラー選手を負傷などで欠く早大は、中大相手に1勝も挙げることが出来ず、1―7で敗戦した。

新戦力ながらレギュラーを張る淡海

 1回戦のライトフライ級に出場した佐藤雄介(政経3=宮城・泉館山)は2R2分47秒のRSC負けを喫すると、続くフライ級・矢野亮(スポ3=広島・広陵)も納得のいくボクシングが出来ず4-11というスコアで敗れた。3回戦、バンタム級には江口礼(スポ1=栃木・作新学院)がリングに上がったものの、「調整不足で勢いがなかった」(高橋宏和監督、昭61理工卒=岐阜・多治見北)と苦しい試合運びを展開。4-14という個人としてリーグ戦最大の大差で敗戦。この時点で早大の勝利は消えた。4回戦のライト級には山崎柊(教3=東京・早実)。この日は相手のパンチを受け続け、3R途中1分58秒に主審から2回目のダウンを宣告されRSC負け。主力が戻る次節以降の出場には更なるアピールが必要だろう。

 続く5回戦にはライト級・淡海昇太(教1=神奈川・浅野)が登場。体の大きい相手に対してジャブをついて右を当てる展開を描いていたものの、「相手にうまく回られて、相手の方が自分のボクシングをしていた」(淡海)と言うように2-13とこちらも大差で敗れた。6回戦は出場予定選手が負傷で棄権し、最終7回戦。中大に一矢報いるべく、リーグ戦全勝を目指すウェルター級のヤバシチャータイ(スポ1=愛知・名古屋工学院専門学校)に会場の視線が集まった。しかし5日間で10kgの減量を強いられたため、「いつもの自分ではなかった」と明らかな体調不良が試合に影響した。対戦相手もヤバシと同じく高校時代に総体優勝を経験した強敵だったが、「素材的には負けるような相手ではないので非常に残念ですし、本人に猛省を促したい」と高橋監督のヤバシに対する期待は大きい。

リーグ戦全勝の夢が早くも散ったヤバシ

 結果は全敗。勝利に手が届きかけた選手もいなかった。淡海が「早大もチーム全体として戦っている」としながらも、「中大は全員強くて、チーム全体として一丸となって戦っている」と評せば、高橋監督も「ボクシングに対する姿勢の差」を課題に挙げた。次節は2週間後の日体大戦。日体大も中大に引けを取らない強敵だが、しばらく欠場していたレギュラー選手が全員戻ってくる早大は重い空気を跳ね除け、なんとか挽回したいところだ。

(記事 佐藤裕樹、写真 栗田麻里奈)

 

関東大学リーグ戦第3節
階 級 早 大 スコア 中 大
LF 佐藤 雄介 ●RSC(2R2分47秒)○ 鬼原 陸
矢野 亮 ●4―11○ 川浦 龍生
江口 礼 ●4―14○ 内山 雄平
山崎 柊 ●RSC(3R1分58秒)○ 三代 大訓
淡海 昇太 ●2―13○ 窪井 将志
LW       ●W.O(棄権)○ 保田 克也
ヤバシ・チャ―タイ ●4―12○ 西條 貴陽
※監督は高橋宏和監督(昭61理工卒=岐阜・多治見北)
コメント

高橋宏和監督(昭61理工卒=岐阜・多治見北)

――強豪・中大相手に1勝も出来ませんでしたが、率直な感想をお願いします

悔しいというか情けないというか。それだけです。

――一番惜しかった選手を挙げるとしたら

誰も惜しくなかったです。動きの差、体全体のスピードの差、手数いずれも劣っていて、普段の練習の質や内容の差がそのまま試合に出たのではないかと感じました。

――早大は主力選手が欠場していましたが、それを踏まえても中大との差を感じましたか

感じました。まず一つにボクシングに対する姿勢の差と考えて良いかと思います。その姿勢が本当に強くなろうという気持ちが足りないから練習も甘くなるし工夫もしなくなるということが結果に出たのだと思います。

――前節終了時に如何に濃い練習をするかというお話を頂きましたが、この2週間はあまり良くなかったということでしょうか

2週間練習を少しやったから直るというものではありませんし、1週間は調整になってしまいますからもっと時間をかけて本当に苦しんでやらないと身に付かないです。

――全勝を狙っていたヤバシ選手が敗戦してしまいました

ヤバシの場合は急激な減量、体調管理が出来ていないために試合前からすごく調子が悪いと言っていて、実際動きも悪かったです。しかし素材的には負けるような相手ではないですし、非常に残念ですし、本人に猛省を促したいというところです。

――他の選手もそういったところがあったのでしょうか

いえ、よくやった選手もいます。バンタム級の江口も調整不足で勢いがなかったと思います。

――次節も強豪・日体大との対戦ですが、どういった戦いを望みますか

きょうは3人のレギュラーが出られませんでした。次はレギュラーも全員出られます。3人のレギュラーが出て、全勝での勝利を目指します。可能性はないわけではないと思います。

ヤバシ・チャータイ(スポ1=愛知・名古屋工学院専門学校)

――ここまで全勝の中、きょうの試合に負けてしまいましたが、今のお気持ちをお聞かせください

しょうがないと思っています。言い訳にしかならないですけど、減量とかに失敗してしまって、元々の体重が78kgなので69kgまで落として、落とし方も5日間でそれを落としたので失敗になってしまいました。手も足も出なかったですし、いつもの自分ではなかったですね。

――敗因は減量ということですか

そうですね。減量の失敗ですね。

――相手の印象はいかがでしたか

相手は自分より上ですけど、総体覇者で自分も総体覇者ですけど、そんなに思ったよりは(強く)なかったです。自分が動けなかったのが一番ですね。

――これから2試合どのような戦いをしていきますか

減量を失敗しないように、体重を増やさないようにしていきます。

――次の日体大との対戦に向けての意気込みをお願いします

いまのままで良いと思っていますが、体重の落とし方をもう少しうまく落とせば、いけると思っています。