【特集】新主将対談 藤澤将匡「”強い早稲田”を多くの人に」

フェンシング

 12月に行われた早慶戦を境に、森多諒(スポ4=山口・柳井学園)に代わって新しく主将についたのは藤澤将匡(スポ3=宮城・仙台城南)。昨年、藤澤は男子フルーレの団体メンバーとして、王座決定戦(王座)や関東学生選手権での優勝、全日本学生選手権(インカレ)での準優勝に大きく貢献した。絶対的エースである川村京太(スポ4=東京・東亜学園)やダグラス・ビューワ―ニック(スポ3=埼玉・星槎学園)がポイントを重ねる裏で、持ち前の手堅さを武器に大事な場面をしっかり抑えてきた藤澤。特に王座での林祥蓮(法大)との対戦で、一度相手の勢いに呑まれるも最後に2本連続でポイントを奪い、流れを早大に戻して優勝につなげた場面は今でも記者の印象に残っている。今回はそんな藤澤が主将として、チーム早稲田の一員として、この1年間にかける思いや意気込みをお届けする。

※この取材は2月18日に行われたものです。

「“強い早稲田”を多くの人に」

新主将となった藤澤。笑顔が魅力的

――昨シーズンはご自身にとってどんなシーズンだったのでしょうか

 前半は思い通りにいって、後半は思い通りにいかなかったなというのが正直なところです。前半は個人でも大会でベスト8に入れたり、(団体は)王座でも優勝させていただいたんですけど、後半は残念なことに早慶戦でも負けてしまい、全日本でもあまりいい成績を残すことができず、インカレでは惜しくも2位というかたちになってしまったので、前半活躍できた分、それを後半で維持できなかったところが、悔しいところだったと思います。

――後半に見つかった課題を改めて教えてください

 やっぱり前半で勢いに乗って、自分たちが少し天狗になっていたと言ったら言い過ぎかもしれないんですけど、少しあぐらをかいていた部分とか、余裕を持ってしまっていた部分があると思います。あとは1回勝ってしまったがゆえに、それを維持しないといけないというプレッシャーを感じていたので、そういうメンタル面だったりとか、試合に持っていく前のプロセスが後半は甘くなってしまったのかなと思いました。

――主将はどのようにして決まったのでしょうか

 今年なんですけど、同期の中で話し合えと言われまして、同期が今8人いて、その中でこの部室で話し合った結果、自分だろうとなり、ありがたいことに就任させていただくことになりました。

――主将に決まった時の率直な思いを教えてください

 今もそうなんですけど、ちょっと荷が重いなと(笑)やっぱり(立場が)大きいですし、責任などいろんなものを背負わないといけないので、本当に自分が新キャプテンとして背負っていけるのかというのが当然プレッシャーとしてありまして、でもそんな中で自分のできる精一杯のことをやったり、あとは周りを頼ってみんなで良い部活動を作り上げていけるように頑張っていきたいと思っております。

――主将になって3ヶ月ほど経ちますが、いかがですか

 そうですね、早慶戦で代替わりはしたんですけど、そこからオフシーズンになっていて、今現在もそれが続いているので、キャプテンになったけど実質まだそんなに何もしていないという感じですね(笑)

――前主将の森多さんの尊敬しているところや、参考にしたいところがあれば教えてください

 まわりを巻き込んで理想を実現する力というのは、間違いなく自分がここに入ってきてからのキャプテンで一番だったと思います。積極的に自分から動いてまわりを動かしていく、また自分の目標に対してどうまわりを取り込んでいくかという部分で、自分にはないチャレンジ精神や実行力があると思うので、そういったところでキャプテンとして参考にしていけたらなと思います。

――逆に森多さんに勝てるポイントなどはありますか

 勝てると言っていいのかわからないですけど、いい意味でも悪い意味でも手堅いところ、堅実さが自分の強みかなと思っています。森多先輩がいろいろ部のことを変えたり、機材も森多先輩のときに増えたりしたので、そうして変えていってくれた部分をそのまま受け継ぎつつ、後輩たちにもつないでいけるように、盤石な部活動の運営を頑張っていきたいなと思っています。

――高原さん(真央、令3スポ卒)が主将のときは練習時間を増やして、森多さんは逆に短期集中型にしたということですが、そのあたりは藤澤さんはどういうスタイルでやっていく予定ですか

 森多先輩の短いスタイルでいいかなと今のところは考えていて、以前でしたら部員の人数が本当に多かったんですけれども、今現在だと種目によっては3人、4人というところで、当然来れない日もあるので、そういった中でより集中して目的意識を持って練習に高い志で取り組んでもらうためにも、短い時間で、短期集中で頑張っていった方が、今の部活動としては向いているのかなというふうに考えております。

――これからのフェンシング部、どういうチームカラーにしていきたいですか

 難しいですね(笑)でもやっぱり、早慶戦が去年も一昨年も負けて2連敗ということで、聞くところによると史上初の負けをしてしまったので、自分の直近の森多先輩だったり高原先輩だったりはもちろんなんですけど、何よりもっと多くのOBの方々に「今の早稲田も勝てるんだ、強いんだ」ということを見せられるように、“強い早稲田”ですね、改めていろんな方々に見せられるように努力していきたいと思っております。

――男子フルーレについて伺います。川村さんという大きい存在が抜けられますが…

 そうなんですよね(笑)

――団体メンバーにはどの選手が入るのでしょうか

 竹内(隆晟、スポ1=岡山大安寺中教校)です。

――リザーブは決まっていますか

 新入生がこれから…入ると決まっている子もいるんですけど、まだこれから入ってくるかもしれないというのもあるので、まだちょっと何とも言えない状況ですね。リザーブも、もしかしたら他の種目から引っ張ってこないといけないという状況になるかもしれないですけど、そこは竹内くんに乞うご期待ということで、頑張ってもらいたいなと思います。

――竹内選手に期待していることはどんなところでしょう

 今まではリザーブで、よくも悪くも応援だったり先輩の背中を見て育っていくという環境だったんですけれども、それを乗り越えて、自分が新しい主力として頑張っていかないといけないというところで、ダグラスや俺よりもハングリー精神、絶対勝つんだという気持ちと、活躍はしてもしなくても自分たちが頑張るので、そこは気にしないでやってほしいので、何よりも楽しんで伸び伸びと頑張っていってほしいなと思います。

――今チームに足りないもの、重点的に練習しているポイントがあれば教えてください

 男子フルーレで言いましたら、新しくチームのカラーが変わって、お互いの役割だったり、特に自分の役割ですね、今までディフェンス、しのぐだけでよかったという部分があったんですけど、これからは竹内の負担を減らすため、エースのダグラスの負担を減らすためにも、自分が積極的に勝ちにいかないといけないというところで…その役割を全うするための練習がこれからの課題かなと思っております。

――最後に、今年の目標をお願いします!

 個人はもちろん日本一、ダグラスとか強い選手に負けないように頑張っていって、団体の方でも、もちろん日本一を目指して頑張っていきたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 槌田花)


◆藤澤将匡(ふじさわ・しょうま)

2001(平13)年5月14日生まれ。181センチ。宮城・仙台城南高出身。スポーツ科学部3年。最近、道頓堀でありとあらゆる大阪名物を堪能したという藤澤選手。これから食べ歩きが趣味になる予感がすると話してくれました!普段は穏やかで笑顔が素敵な藤澤選手ですが、競技中は相手も尻込みするほど気迫に満ちています。主将として過ごすラストイヤー、より一層輝く1年となるよう応援しています!