女子エペ、男子サーブル共に2位

フェンシング

 関東学生リーグ戦(リーグ戦)と関西学生リーグ戦を勝ち抜いた上位2校が出場し、学生日本一を決める全日本学生王座決定(王座)が行われた。早大から出場したのは女子エペと男子サーブル。女子エペは、決勝戦で日大と対戦した。序盤からリードを保ち、早大優勢の展開が続く。しかし、最終セットで、日大に追い付かれ惜敗した。また、男子サーブルは、1回戦目を難なく通過。決勝戦で、中大と対戦したが、相手は一枚上手であった。序盤から広げられた点差を縮めることができず敗北を喫する。結果として、男女共に2位に終わった。

☆日大に逆転を許し惜敗(女子エペ)

 リーグ戦を1位通過した女子エペ。1回戦目を30−20で快勝し、決勝戦へと駒を進めた。迎えた決勝戦の相手は、日大。リーグ戦で唯一敗れた相手である。第1セットで才藤歩夢(スポ4=埼玉栄)は、最初の1点を相手に許す。2点ビハインドで次に回すこととなった。だが、続く村上夏希(スポ2=三重・津東)が、4点奪取し、逆転に成功。その後も、早大がリードする展開が続く。第6セットで駒場みなみ(スポ2=富山西)が4連取。点差は7点差となり、日大を一気に引き離した。27−22の5点リードで迎えた最終セット。リーグ戦と同様に、勝敗は再びエース才藤に委ねられた。日大に2点を奪われるが、才藤もエースとして意地を見せる。3点を連続で奪い、粘った。しかし、すぐに日大に3点を献上。点差が徐々に詰まっていった。残り14秒で、ついに同点に追い付かれる。両者譲らない攻防の末、勝敗は延長戦にまでもつれ込んだ。だが、延長戦開始後すぐに、勝敗は決まった。剣で突かれたのは才藤。日大に敗北を喫し、日本一をつかみ取ることはできなかった。

日大に敗れ、呆然と立ち尽くす才藤

 勝利まであと一歩だったが、またもや日大を制することができなかった。「きょうの悔しさを忘れずに秋まで練習したい」と語った才藤。女子エペは次を見据えてスタートを切った。課題点を修正し、秋では栄冠を手にしたい。

(記事 本野日向子、写真 島形桜)

☆今後につながる王座2位(男子サーブル)

 創部史上初の王座出場を決めた早大男子サーブル。記念すべき王座での初戦は、愛知工大との対戦になった。第1セットでは高木良輔(スポ3=埼玉・立教新座)が1点ビハインドで次へとつなぐが、続く小山桂史(スポ2=東京・クラーク)が逆転に成功。その後第4セットで高木が5連取するなど、着実に相手との差を広げていき、45−36で決勝へと駒を進めた。

 迎えた決勝の相手は、強豪・中大。「王座では中大の強い選手が帰ってくるので、チャレンジャー精神を持って臨みたい」(茂木雄大、スポ4=神奈川・法政二)と語っていたように、厳しい戦いが予想された。その予想通り、試合開始から終始相手にリードされた状態が続く。しかしそれでも第5セットまでは点差を5点差以内に抑え、格上を相手にチーム全体で食らいついていった。そして27−35で迎えた第8セット。「どのタイミングで茂木先輩を入れるかというのを考えて、ここぞというときに出場してもらった」(小山)と、リザーブに入っていた茂木をここで投入。しかし右足にケガを抱えていた茂木は本調子ではなく、10点差をつけられた状態で最終セットに挑むことになった。最後回りの小山は奮闘を見せ、一時は39−44まで点差を縮めることに成功する。だが続く一本を相手に取られ、男子サーブル初の王座は2位に終わった。

愛知工大戦にて逆転に成功する小山

 中大には敗北を喫したが、高木、小山、青木貴雅(スポ1=静岡・沼津西)の3人を中心としたメンバーで強豪相手に善戦することができたのは、大きな収穫であろう。小山も「チームとしては、今までにないくらいすごくいい状態だった」と口にしており、リーグ戦を経てチーム全体の力がレベルアップしていることは確かだと思われる。長く好成績を残せていなかった早大男子サーブル陣であるが、2018年での飛躍にこれからも期待していきたい。

(記事 藤岡小雪、写真 島形桜)

閉会式終了後の集合写真

 ※フェンシングの団体戦は3人、または4人の選手が交代で出場し、1試合当たり3分という持ち時間内で争う。あるいは3分以内にどちらかが先に5得点先取すると、そこで次の選手に交替となる。最終的には9試合戦い、45点を先取、または持ち時間が終了した場合は得点が高い方が勝ちとなる。

 ※エペ:全身が有効面となる上に、両選手が同時突きをすると両者にポイントが与えられる。より慎重な攻め方が求められるため、時として両者が睨み合ったまま時間が過ぎることは稀な話ではない。

 ※サーブル:両腕も含む上半身への突きと切り(剣先ではなく剣の胴部分で相手の体に触れること)が得点となる。また、先に攻撃をした方が「攻撃権」を持ち、防御側は相手の攻撃を防御してから攻撃しなければならない。この攻撃権の奪い合いにより、両選手はピスト上を常に前後に往復し合うため、サーブルは3種目の中で最も全身運動が激しい種目だと言える。

結果

▽女子エペ
早大[才藤歩夢(スポ4=埼玉栄)、澤浦美玖(スポ3=群馬・沼田女)、駒場みなみ(スポ2=富山西)、村上夏希(スポ2=三重・津東)、中島美月(スポ1=群馬・沼田女)] 2位
 1回戦:○30−20関学大   決勝:●40−41日大

▽男子サーブル
早大[茂木雄大(スポ4=神奈川・法政二)、高木良輔(スポ3=埼玉・立教新座)、小山桂史(スポ2=東京・クラーク)、青木貴雅(スポ1=静岡・沼津西)] 2位
 1回戦:○45—36愛知工大   決勝:●39−45中大

才藤歩夢(スポ4=埼玉栄)

――2位という結果はどのように受け止めていますか

昨年の全日本(全日本選手権)を優勝したチームで、リーグ戦(関東学生リーグ戦)も優勝していて。このチームは優勝できるチームだし、優勝できるチャンスだと思っていました。それができなくて、素直に悔しいです。

――決勝戦の最終セットは5点リードで回ってきて、その後徐々に点差が詰まっていったがどのような心境でしたか

そうなるなというのは最初から頭には入れていました。楽には勝たせてくれないだろうと思っていました。例えば40点で回ってきた点差だったら楽な試合ができたと思うのですが、点数がロースコアで回ってきて、巻き返されることもあるだろうと思っていました。そういった時にいつもは簡単に行ってしまうのですが、きょうは時間を使うイメージで、守りつつ、取りに行くという形で戦いました。しかし、守りすぎてしまったと終わってから思います。

――反省点はありますか

きょうは私が、全体的に調子が良くなかったです。最終セットが回ってくる時に、40点乗っていて欲しかったのですが、その前の段階で、ロースコアになる試合をしてしまったというのが反省点です。

――秋に向けての意気込みをお願いします

秋も(早大は)同じメンバーで、向こう(日大)も同じメンバーで戦うと思うので、一回切り替えて、しっかり今回の試合を振り返りたいです。そして、関カレ(関東学生選手権)、インカレ(全日本学生選手権)、全日本を全部優勝できるように、きょうの悔しさを忘れずに秋まで練習したいと思います。

小山桂史(スポ2=東京・クラーク)

――2位で大会を終えましたが、今のお気持ちは

結果は2位でしたが、個人としても団体としても1人 1人のフェンシングができたという感じがして、そこは良かったのではないかと思います。もちろん優勝するのが目標ではありましたが、次につながるような試合内容だったので、ポジティブに捉えています。

――愛知工大戦、中大戦でそれぞれ事前に立てていた作戦などはありますか

自分は今韓国に留学しているので、その関係で情報共有が難しい部分があって。それでも先輩方や後輩がしっかり情報を回してくれたので、それはとても参考になりました。そういった点に関しては、大会前からいいチーム作りができていたのではないかと思っていますし、僕自身もすごくありがたかったです。

――普段の練習はずっと韓国でしていて、大会のときだけ日本に帰国しているのですね

はい、そうです。

――留学期間は半年間でしたよね

そうですね。8~9月まで留学する予定です。

――ここ最近のご自身の調子は

向こうのコーチに教わっているのですが、自分がそれに対応できる力がまだ足りなくて。しっかり言われていることに対して応えられていないので、そういった面では(調子が)いいとは言えないのかなと思います。なかなか自分で良くなっているなと実感する部分は少ないですが、それでも昨年出場できなかった王座(全日本学生王座決定戦)で戦っていけるまでは上がってきているのかなと思います。

――今大会では、茂木雄大(スポ4=神奈川・法政二)選手の出場機会がかなり少なかったですが、何か理由はあるのでしょうか

右足の太ももをケガしていたので。茂木先輩に限らず、メンバー全員1人1人少なからずケガをしていて。僕もちょっと肩を痛めていた部分はありましたが、試合のときはあまり気になりませんでした。茂木先輩は流れをきちんと作ってくださるので、どのタイミングで茂木先輩を入れるかというのを考えて、ここぞというときに出場してもらいました。

――チーム全体として、きょう2試合の良かった点と反省点はありますか

基本的に良い点が多かったかなと思っていて。チームとしては今までにないくらいすごくいい状態だったと思うので、個人的には(今回の試合を)良い方向に捉えています。

――具体的にここが良かったなどはありますか

サーブルは用意、始めですぐ結果が決まるので、ちょっとでも心に乱れがあるとずっと(点を)取られてしまう部分があると思います。今回はそういうのがあまり大きく見受けられなくて、自分たちのフェンシングができたというのは、僕だけではなくみんな感じているのではないかと思っています。

――これからの目標をお願いします

団体戦としては今後関カレ(関東学生選手権)、インカレ(全日本学生選手権)があるので、今回の良かった点を秋にしっかりとつなげてどちらも優勝を目指していきたいです。