女子エペ優勝!男子サーブル2位!共に王座進出

フェンシング

 関東学生リーグ戦(リーグ戦)の3、4日目は、男子サーブル、女子エペの試合が行われた。男子サーブルは、強豪中大に敗れるものの、残りの試合を全て制し2位。また、女子エペは、4勝1敗で、優勝をつかみ取った。男子サーブルは創部史上初、女子エペは2年ぶりの全日本学生王座決定戦(王座)への出場となった。

☆日本一に向けて好発進!(女子エペ)

 「最低1位か2位で王座出場」(才藤歩夢、スポ4=埼玉栄)と意気込んで今大会に臨んだ女子エペ団体。初戦の専大戦では、相手に一歩もリードを譲らずに圧勝した。2日目の2試合目は、強豪日大と対戦。序盤から相手にリードを許してしまい、追う展開となった。第5セット、村上夏希(スポ2=三重・津東)が点差を1点差にまで縮める。しかし、村上は奮闘するが、相手が一枚上手だった。結局、4点ビハインドで次にバトンをつなぐことになる。その後も差はなかなか縮まらない。34−34の同点で迎えた最終セット。勝敗はエース才藤に託された。同時突きが2連続し、両者に積み上がっていくポイント。しかし、駆け引きに敗れ、突かれる。相手に1点、2点と追加点を与えてしまった。才藤も1点を返すものの、気づけば43−44。次の瞬間、光ったランプは両者。同時突きで、相手のスコアが45になった。善戦するも、敗北。しかし、日大以外の試合では、大差をつけて勝利を収めた。結果、リーグ優勝を飾り、王座への出場を果たす。2年ぶりの快挙となった。

華麗な1本を決める才藤

 昨年、なかなか結果がついてこなかったが、全日本選手権でやっと栄光をつかみ取った女子エペ団体。今、ますます強さが加速し、勢いに乗っている。6月の王座で、日本一をつかみ取るのは早大に違いない。

(記事、写真 本野日向子)

☆中大との接戦に敗れるも、早大サーブル史上初の王座出場権を獲得(男子サーブル)

 「王座で優勝したいです。戦力的には十分いけると思うので」。昨年の全日本選手権団体にて2回戦敗退後、武山達(創理4=東京・早大学院)はこう述べた。今年で68回目の開催となる王座だが、男子サーブルはこれまで1度もそこに駒を進められていない。しかし今年は1年間の留学から茂木雄大(スポ4=神奈川・法政二)が帰還し、高校総体ベスト8の実績を持つ青木貴雅(スポ1=静岡・沼津西)が新たに加入。初の王座出場、その先の優勝が決して無謀な夢ではないほど、戦力はそろっていた。

 3勝で迎えたヤマ場中大戦。白井寛夢や後藤駿弥などの強豪選手が卒業し、エース渡邊裕斗が海外遠征で不在という状況であったが、それでもやはり昨年度学生主要大会4冠を果たした中大の強さは健在だった。そんな中大に早大も必死に食らい付き、リードを許しては逆転、という展開が第4セットまで続く。しかし第5セット以降はなかなか相手に追い付くことができない。第8セットで茂木が1点差まで詰め寄るが、勝利をつかむことはできなかった。

日大戦で雄叫びをあげた茂木

 中大戦は悔しい敗戦となったが、日体大戦や日大戦では激闘を制し、着実に4勝を確保。長年の目標であった王座への出場権を、今年ついに獲得した。今大会で2つもの接戦をものにすることができたのは、昨年度僅差で敗れることが多かった早大が冬を経て着実に成長してきた証拠であろう。またチーム内の雰囲気も特に良く、「普段からアドバイスしてくださる先輩方の一番良いところが、試合のときに出ている」(青木)と新1年生も語る。王座では中大の渡邊がチームに復帰し、今回以上に厳しい戦いとなるが、「チャレンジャー精神を持って臨んでいきたい」(茂木)と気合は十分だ。王座にて新たな歴史を刻んでいく男子サーブル陣を、とくとご覧あれ。

(記事 藤岡小雪、写真 柴田侑佳)

 ※フェンシングの団体戦は3人、または4人の選手が交代で出場し、1試合当たり3分という持ち時間内で争う。あるいは3分以内にどちらかが先に5得点先取すると、そこで次の選手に交替となる。最終的には9試合戦い、45点を先取、または持ち時間が終了した場合は得点が高い方が勝ちとなる。

 ※エペ:全身が有効面となる上に、両選手が同時突きをすると両者にポイントが与えられる。より慎重な攻め方が求められるため、時として両者が睨み合ったまま時間が過ぎることは稀な話ではない。

 ※サーブル:両腕も含む上半身への突きと切り(剣先ではなく剣の胴部分で相手の体に触れること)が得点となる。また、先に攻撃をした方が「攻撃権」を持ち、防御側は相手の攻撃を防御してから攻撃しなければならない。この攻撃権の奪い合いにより、両選手はピスト上を常に前後に往復し合うため、サーブルは3種目の中で最も全身運動が激しい種目だと言える。

結果

▽女子エペ
早大[才藤歩夢(スポ4=埼玉栄)、澤浦美玖(スポ3=群馬・沼田女)、駒場みなみ(スポ2=富山西)、村上夏希(スポ2=三重・津東)、中島美月(スポ1=群馬・沼田女)] 1部優勝
 1試合目:○45−24専大
 2試合目:○45−33法大
 3試合目:○45−27明大
 4試合目:●43−45日大
 5試合目:○45−31慶大

▽男子サーブル
早大[茂木雄大(スポ4=神奈川・法政二)、高木良輔(スポ3=埼玉・立教新座)、小山桂史(スポ2=東京・クラーク)、青木貴雅(スポ1=静岡・沼津西)] 1部2位
 1試合目:○45−42日体大
 2試合目:○45−31法大
 3試合目:○45−40日大
 4試合目:●41−45中大
 5試合目:○45−37専大

才藤歩夢(スポ4=埼玉栄)

――2日間を振り返っていかがでしたか

最初からどこも接戦になることは分かっていたので、勝つのは前提で相手の得点を抑えて勝つというのを意識してやっていました

 

――今大会の目標は

 

最低1位か2位で王座出場。できたら優勝という目標でした。

 

――日大戦の最終セットは34−34の同点で順番が回ってきましたがどのような気持ちで臨まれましたか

日大は昨日1敗していて、早大は全勝だったのですが、次の慶大戦を楽に戦うためには負けても5点以内に抑えようと思っていました。なので絶対勝とう!というよりは確実に点を取ろう!という感じでした。

 

――日大戦で勝てなかった理由としてはチーム そして才藤選手個人ではどのようなものが挙げられると思いますか

 

接戦となることは最初から分かっていたので、チームとしては悪くなかったと思います。去年の全日本優勝した時も日大とは当たらなかったので、日大と最後に当たったのはいつだろうという状況でした。そんな中で「接戦に出来たらいいな」という感じだったので、無理をしない、ロースコアで行くというのはみんなで決めていました。それぞれが、自分が取れる状況で点を取っていましたのでそれはできていたなと思います。最後はみんなが同点で出番を回してきてくれたので勝ちたかったのですが…そうですね、もう少し絶対勝ってやるという気持ちが足りなかったのかと思います。

 

――まだ順位が確定していない状態ではありますが、優勝がほぼ確実な状況です。この結果についてはどう思われますか

 

とりあえず王座が決まったことが嬉しいです。今回良かった点、悪かった点をみんなでしっかり話して良かった点は王座までにより伸ばして、悪かった点はしっかり修正して王座に挑みたいと思います。

 

――王座決定戦進出が決まりましたが具体的な目標や意気込みがあれば教えてください

 

王座は2試合しか無いので、最初から気を抜かずにやっていきたいです。特に早大は最初から負けて入るとそのまま負けてしまいます。逆に最初から勝っているとそのまま勝てるので、序盤にリードを奪われないということを意識してやっていきたいです。

茂木雄大(スポ4=神奈川・法政二)

――留学から帰ってきて久々の団体公式戦となりましたが

一言で言うと、楽しかったです。久々に大学を背負って試合に出られたことは誇りに思います。早大のサーブルは王座(日本学生王座決定戦)に行ったことがなかったのですが、結果も2位で、今まで誰も成し遂げることができなかったことを全員で成し遂げることができて、本当にうれしかったです。

――2位という結果はうれしいという気持ちが大きいですか

いやぁ…。

――やはり悔しいですかね

そうですね。中大の強い選手が1人今抜けている状態で勝負して負けてしまったので、そこは力不足だったと思います。

――帰国してからご自身の調子はいかがですか

留学中にそこまでフェンシングはしていなくて。帰ってきてから練習を積みながら調整していたのですが、先週のランキングマッチで肉離れを起こしてしまって…。体は結構ボロボロな状態でしたが、気合で乗り切りました。あと僕はフェンシングをやる上で楽しむということを大事にしているので、それを念頭に置いて試合に臨みました。

――試合を終えましたが、現在の足の調子は

…結構痛いです(笑)。2週間は安静にしろと言われているので、しっかりリカバリーして王座に向けて準備していきたいです。

――今年のサーブルチームの印象は

一昨年と比べて違うところは、下級生の自信がみなぎっていて、絶対試合に勝つ、そして楽しむ、ということを大切にしていると思います。そんな下級生を上級生はしっかりと上から支えてあげられていることができているのではないかと思います。

――王座に向けて、チームとして中大戦の反省点はありますか

まだ経験が浅いというのと、大事なときに1点取られてしまっていて、1点の重みが足りなかったのかなと思います。中大戦だと、細かい失点があって。4点差で負けましたが、4点というのはすごく大きいと思うので、王座までにはそこを詰めていきたいと思います。また王座では中大の強い選手が帰ってくるので、チャレンジャー精神を持って臨んでいきたいです。(王座まで)あと1カ月しかないので、しっかり体を休めて当日はフェンシングを楽しみつつ全力で戦っていきます。

 青木貴雅(スポ1=静岡・沼津西) 

――大学での団体公式戦は出場は初めてだったと思うのですが、緊張しましたか

 

緊張しました。先輩方の足を引っ張らないように頑張ろうと思ってやっていました。

――高校と大学の団体戦では戦い方に違いを感じますか

 

そうですね、失敗したときに後ろから声を掛けていただいたり、先輩が次の試合で流れを変えてくれたりと1人で戦うのではなく全員で戦っている感じが高校に比べてすごく高くなっていると思いました。

 

――試合中に点を取った後喜びを表に出していた印象があるのですが、試合中に喜怒哀楽をはっきりと出すタイプですか

 

自分は結構出すタイプだと思います。

 

――早大に入学した理由はありますか

 

早大でフェンシングがしたくて入学しました。

 

――入学前に練習に参加された時の印象を教えてください

 

自分達で行動して、強い部活を作り上げていくという先輩達の姿を高校生の時に見て、自分も自分自身で工夫して強くなりたいなと思いました。

――実際入部してみて部の雰囲気はどう感じますか

 

本当に先輩方がすごく優しくて、普段からアドバイスしてくださります。試合の時は一番良いところが出ていると思うのですが、負けてしまった時も「よくやった、次切り替えよう」という風に声を掛けてくださいます。部全体の空気を盛り上げて勝ちに向かっていくいい感じだと思います。

――4年間の目標を教えてください

インカレ(全日本学生選手権)で優勝です!