男女それぞれ、悔しさにじむベスト4

フェンシング

 2日目を迎えた関東学生選手権(関カレ)は、男女フルーレ団体が決勝まで行われた。男子は2位、女子は4位と共にベスト4には入ったものの、悔しさのにじむ結果となった。

☆厚い法大のカベ…2年連続及ばず2位に(男子フルーレ団体)

 ことしも法大の牙城を崩すことはかなわなかった。男子フルーレ団体は、決勝まで勝ち上がり昨年と同じく法大と対戦するも惨敗。2年連続2位で関カレを終えた。

 準決勝では、春の関東学生リーグ戦で惜しくも敗北した日大と対戦。第1セットでは早大のエース松山恭助(スポ3=東京・東亜学園)が最初から苦戦を強いられ、2点ビハインドで第2セットに回すことになる。その後もなかなか点差をひっくり返すことができずにいたが、第5セットにて松山恭が第1セットの借りを返すかのように逆転。エースとしての意地を見せた。しかしその後の早大は追いついたり追いつかれたりを繰り返し、36ー40で最終セットへ。最後回りの松山恭は5連取に成功するなどその役割をきちんと果たし、44ー44まで日大を追い込んだ。そして得意の一本勝負。ここで1点を確実に取るのが、一本勝負の化身と言われたるゆえんだ。見事春に敗れた日大に勝利を果たし、決勝へと駒を進めた。

松山大助(スポ5=東京・東亜学園)は最上級生として、プレーでチームを引っ張った

 しかし迎えた決勝では、終始昨年王者法大のペースにのまれてしまう。結果として1度もリードする展開に持ち込むことはできず、19−45という大差での敗北となった。「向こうの方が戦術について深く考えている選手が多いと思いました」。チーム最上級生の松山大は、試合後冷静にそう分析した。今大会での反省を生かし、インカレでのリベンジを。早大フルーレ陣は静かに燃えている。

(記事 藤岡小雪、写真 佐藤萌)

☆残り2秒の悪夢も…一歩及ばず悔しいベスト4(女子フルーレ団体)

 春の関東学生リーグ戦で1部昇格を果たした女子フルーレは、準決勝で昨年の全日本選手権で当時高校生ながら銀メダルに輝いた東莉央擁する日体大と対戦。競り合いが続く中第7セットでわずかにリードを得るが、最終セットの残り2秒で逆転を許し決勝進出とはならず。3位決定戦でも思うようにリードを奪えず、悔しい4位に終わった。

 一本に泣いた。最後回りを務めた溝口礼菜(スポ1=千葉・柏陵)は「しっかり技を決められていれば、まだ変わっていたかもしれない」と振り返った。27-24と3点リードで迎えた最終セット、序盤は取りつ取られつの時間が続く。しかし、残り1分を切ると相手エースの東が猛攻を仕掛けた。「怖がって全然前に出ることができなくて」。みるみるうちに点差は縮まり、流れは一気に相手に傾いた。そして残り2秒で逆転を許してしまう。終始接戦であっただけに一本の重みを痛感したゲームとなった。

ハイタッチを交わす女子フルーレ陣。今後もチームワークがカギとなる

 全体的に勝ち切れずに終わってしまった。ベンチに入りアドバイスを送り続けたエース狩野愛巳(スポ3=宮城・仙台三)からはその原因について「相手チームより練習量やフィジカルが足りないから」という指摘を受けたという。また、メンバー全員が1年生でありチームとしての未熟さがあることは否めないだろう。互いに声を掛け合う場面もあまり見られず、周りからは「ベンチがお葬式をしているみたい」という声も。団体戦は個人の能力だけでなく、チームとしてどう戦うかという力が試される。チームで戦うことの意義を再確認することが、敗れた2校との差を埋める1つのカギになるだろう。

(記事 加藤佑紀乃、写真 加藤千咲)

※フェンシングの団体戦は3人、または4人の選手が交代で出場し、1試合当たり3分という持ち時間内で争う。あるいは3分以内にどちらかが先に5得点先取すると、そこで次の選手に交替となる。最終的には9試合戦い、45点を先取、または持ち時間が終了した場合は得点が高い方が勝ちとなる。

※フルーレ:頭・両足・両腕を除いた胴体部への突きのみが得点となる。 両者がほぼ同時に突いた場合は、どちらの攻撃が有効だったかを主審が判定する。また、先に攻撃をした方が「攻撃権」を持ち、防御側は攻撃を防御してから攻撃しなければならない。

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結果

▽男子フルーレ
早大〔松山大助(スポ5=東京・東亜学園)、北原達也(スポ4=長野・伊那北)、山根周佑(スポ4=埼玉栄)、松山恭助(スポ3=東京・東亜学園)、奥武大輔(スポ1=大分豊府)〕 2位
準々決勝:○45—38明大
準決勝:○45—44日大
決勝:●19—45法大
▽女子フルーレ
早大〔遠藤里菜(スポ1=群馬・高崎商大付)、千葉朱夏(スポ1=岩手・一関第一)、登尾早奈(スポ1=愛媛・三島)、溝口礼菜(スポ1=千葉・柏陵)〕 4位
1回戦:○45−18学習院大
準々決勝:○45−40日女体大
準決勝:●35−42日体大
3位決定戦:●41—45法大

コメント

松山大助(スポ5=東京・東亜学園)

――きょうの団体戦の目標を教えてください

優勝を目指していましたが、最低でも決勝には行くということでやっていました。

――結果としては2位になりましたが、どう受け止めていますか

決勝で戦った法大との差がすごくあって、今のままだと次に戦っても駄目だなと危機感を感じました。

――実際に法大と戦って、法大にあって早大に無いものを感じることはありましたか

うちに比べて、向こうの方が戦術について深く考えている選手が多いと思いました。エースである僕の弟の恭助(松山恭助、スポ3=東京・東亜学園)はそれができているのであれだけ強いのですが、チームの中で法大選手と同じぐらいそれができている選手が、僕を含めてあまりいなかったかなと思います。

――今後どのように練習して、その部分も改善していきたいですか

自分がこういう動きをしたら、相手はこうやってくるだろうと予想を立てながら、日頃から戦術を意識して対策していきたいです。

――最上級生としてチームを引っ張ることが多かったと思いますが、特に意識していたことはありますか

まず1つは、絶対に結果を出すということですね。最上級生なので、結果を出さないと恥ずかしいと言いますかすごくチームに申し訳ないので…。負けるにしても、なるべく点数を取るということを意識しました。もう1つは、負けてしまった時もテンションをなるべく落とさないようにしていました。

――この2日間のご自身の調子はいかがでしたか

すごく良くもなく、悪くもなく、普通で自然体でした。

――最後に、全日本学生選手権(インカレ)に向けて意気込みをお願い致します。

個人戦ではベスト8に入ったことがないので、ベスト8に入るというのを最低目標にしています。できるだけ上を目指して、できれば優勝したいです。団体戦の方は、きょうの反省を活かしながら優勝できるチームを作って、全員で一丸となって優勝を目指していきたいです。

溝口礼菜(スポ1=千葉・柏陵)

――ベスト4という結果をどのように感じていますか

1年生チームだったのですが、実力は1位を取ってもおかしくないチームだったので、その分悔しさのほうが大きいですね。

――2回戦の日女体大との試合を振り返っていかがですか

1回目をほぼ同点で回してしまって、2回目に当たる人は得意な選手だったので、そこで流れを変えようと試合する前からイメージしました。ポイントを重ねていって、流れを変えることができたのかなと思います。

――準決勝の日体大との試合で、27ー24で回ってきましたが、そのときはどのような気持ちで臨まれましたか

最後が自分で、試合をしないといけないのは分かっていたのですが、怖がってしまって全然前に出ることができず、相手の得意なアタックのプレーにやられてしまいました。

――準決勝では残り1分で相手が猛攻をしかけてきて、最後は残り2秒で1点取られて終わってしまいました

同点だった場合、1分間でじっくり戦えるはずだったのですが、最後の2秒で突かれてしまいました。しっかり技を決められていれば、また変わっていたかもしれないです。そこで怖がって後ろに下がってしまったので、相手の得意なアタックで入れられてしまいました。

――準決勝から3位決定戦の間にチームで話し合ったことはありますか

OGの先輩が見にきてくださっていて、試合の感想を聞きに行ったときにベンチがお葬式をしているみたいと言われました。それで結婚式みたいに盛り上げようと同期で話し合ったのですが、やっぱりまだ慣れていないところもあり、静かに試合をしてしまいました。そういうところが経験のある相手チームには及ばなかったのかなと思います。

――ベンチにいらっしゃった狩野愛巳選手(スポ3=宮城・仙台三)からはどのようなアドバイスを受けましたか

1点取られる、取るたびに声をかけてくれて心強い先輩だと思いました。また全体を通して、あと少しのところで勝つことができないのは相手チームより練習量やフィジカルが足りないからだと言われました。普段、スタートの線関係なしにエンドラインからスタートする練習をしたほうがいいといった、自分では思いつかないようなことを色々と言っていただきました。

――試合を見ていて、溝口選手はフットワークが軽いと感じたのですが、フットワークに自信はありますか

ないです。でも登尾(早奈、スポ1=愛媛・三島)もフットワークが軽いフェンシングで、この2人は同期の中でも特に脚力があるような気がします。

――全日本学生選手権(インカレ)に向けて個人、団体それぞれの目標を教えてください

個人は優勝を目指して頑張りたいのですが、そのためにただ頑張るのではなくて、何をしたら優勝できるのかということをインカレまで考えてまた1から頑張っていきたいです。団体は何をしたらベンチが盛り上がるかとか、競ったところでどうするかなどを自分1人ではなく、団体戦なのでみんなで話し合って頑張っていきたいです。