新体制女子フルーレ、1部返り咲きへ前進

フェンシング

 フェンシング部の新シーズンがスタートした。シーズン初戦となる関東学生リーグ戦(リーグ戦)。各種目2日間で6チームが総当たり戦を行い、上位2校が全日本学生王座決定戦に出場できる。初陣を切ったのは、男女フルーレ。2部スタートとなった女子フルーレは全試合に快勝し、1部との入替戦に臨むこととなった。一方男子フルーレは強豪法大、日大に敗北を喫し、1部3位という成績でリーグ戦を終えた。

★1部昇格へ向け、新入生が大活躍(女子フルーレ)

 リベンジ劇の幕が開けた。昨年入替戦にて惜しくも敗れ、2部スタートとなった女子フルーレ。目標とする1部返り咲きへ向け、メンバー6人中5人が1年生というフレッシュな面々でリーグ戦に挑んだ。その中で特に目覚ましい活躍をしたのが、溝口礼菜(スポ1=千葉・柏陵)である。溝口は1年生にして、狩野愛巳(スポ3=宮城・仙台三)と共に全5試合に出場した。初戦の学習院大戦では、相手に隙を与えず、自身の失点を1点に抑える。大学デビュー戦ながらも緊張した様子は感じられず、軽やかな足取りで物怖じせず果敢に攻める姿を見せた。「試合を重ねるごとに、団体戦での点の取り方が分かってきた」と語る溝口は、その後も攻めのフェンシングで相手を圧倒し、迎えた最終戦。相手東女体大の選手が負傷し試合が一時中断した影響もあり、34−21で溝口の出番がやってきた。しかし溝口はそのようなアクシデントにも動揺せず、落ち着いた様子で相手から6点を奪い、早大を勝利へと導いた。結果溝口ら新入生の活躍により早大は見事全勝し、無事入替戦へと駒を進めた。

攻めのフェンシングを見せる溝口

 入替戦で早大を待ち受ける1部6位のチームは、宿敵慶大。奇しくも、昨年の入替戦にて一本勝負で逆転負けしてしまった相手と、2年連続の対決になった。2年ぶりの1部昇格へ。昨年の雪辱を果たすため、新たなチームは前を見据えている。

(記事、写真 藤岡小雪)

★まさに総力戦!接戦をしのぎ3位(男子フルーレ)

 男子フルーレは接戦が多く、厳しい状況を戦い抜いた。初戦の日大戦では第3セットでの松山大助(スポ5=東京・東亜学園)の7連取でリードを奪うとそのまま試合を優位に運ぶ。しかし第8セットで松山大が相手のスピードと攻撃的なプレーに対応できずまさかの大ブレーキ。自身で奪ったリードをここで帳消しにしてしまう。8点差をひっくり返され、惜しくも初戦を落とした。続く拓大との試合も苦しい展開となる。序盤から徐々に引き離され、あっという間に7点ビハインド。しかし、ここで松山恭(スポ3=東京・東亜学園)が3分間をじっくり使って得点を積み重ね逆転に成功。その後は激しい攻防が続き44-44に。ビデオ判定の末に一本勝負を制し、初勝利を手にした。2日目の初戦となった慶大戦も苦しみながら勝利すると、中大戦を迎えた。序盤から10点差をつけられ大きく出遅れてしまうが、流れが変わったのは第5セット。松山恭が自分のペースに持ち込み一挙13得点を挙げ、鮮やかな逆転劇を展開する。エースの名にふさわしい活躍は早大に勢いをもたらし、続くメンバーも粘りを見せ相手の猛追を振り切った。試合後うれしそうに円陣を組み、この日一番の笑顔を見せていた。しかし最終戦では日本代表を多く擁する法大に手も足も出ず完敗し、3勝2敗。2年連続の全日本学生王座決定戦出場とはならなかった。

中大戦にて、ガッツポーズを決める松山恭

 5試合に6人が出場するというまさに総力を結集させて挑んだ早大。しかし、松山恭頼りの部分もあり、チームとしての不安定さは否めない。一人一人が確実にポイントを取れるよう、全体の底上げを図ることが必要となる。ただ、新体制になっても、誰もがベンチから声を掛け互いを鼓舞し合う早大らしい明るいチームワークは健在だ。この良さを生かしつつ、全員でレベルアップを狙いたい。

(記事、写真 加藤佑紀乃)

※フェンシングの団体戦は3人、または4人の選手が交代で出場し、1試合当たり3分という持ち時間内で争う。あるいは3分以内にどちらかが先に5得点先取すると、そこで次の選手に交替となる。最終的には9試合戦い、45点を先取、または持ち時間が終了した場合は得点が高い方が勝ちとなる。

※フルーレ:頭・両足・両腕を除いた胴体部への突きのみが得点となる。 両者がほぼ同時に突いた場合は、どちらの攻撃が有効だったかを主審が判定する。また、先に攻撃をした方が「攻撃権」を持ち、防御側は攻撃を防御してから攻撃しなければならない。

結果

▽男子フルーレ
早大〔松山大助(スポ5=東京・東亜学園)、北原達也(スポ4=長野・伊那北)、山根周佑(スポ4=埼玉栄)、松山恭助(スポ3=東京・東亜学園)、仲埜匡貴(創理2=東京、早大学院)、奥武大輔(スポ1=大分豊府)〕1部4位
 1試合目:●40−45日大
 2試合目:◯45−44拓大
 3試合目:◯45−40慶大
 4試合目:◯45−41中大
 5試合目:●26−45法大

▽女子フルーレ
早大〔狩野愛巳(スポ3=宮城・仙台三)、遠藤里菜(スポ1=群馬・高崎商大付)、仙葉楓佳(社1=秋田・聖霊女短大付)、千葉朱夏(スポ1=岩手・一関第一)、登尾早奈(スポ1=愛媛・三島)、溝口礼菜(スポ1=千葉・柏陵)〕 2部1位
 1試合目:◯45−11学習院大
 2試合目:◯45−8上智大
 3試合目:◯45−13青学大
 4試合目:◯45−11中大
 5試合目:◯45−25東女体大

コメント

溝口礼菜(スポ1=千葉・柏陵)

――大学デビュー戦でしたが、高校時代と違いはありましたか

高校生のころは団体戦だと自分1人で点を取っていたのですが、大学生になってからは強い先輩をサポートするかたちで競技できました。自分が引っ張る側ではなく、初めて引っ張られる側で団体戦に参加できたと思います。

――試合を振り返って、特に良かったと思うところはどこですか

試合を重ねるごとに、団体戦での点の取り方が分かってきたかな、と思います。個人戦とは少し違うな、と改めて思いました。自分の役割はちゃんと果たせたと思います。

――早大に入学した理由は

雰囲気が良いからです。

――実際入って実感されましたか

先輩も優しく、あたたかな雰囲気で、想像と一緒でした。

――ご自身のフェンシングの強みはどこだと思いますか

守らず攻めに行くところが、自分の強みだと思います。

――最後に入替戦へ向けて意気込みをお願いします

きょねん2部に落ちてしまったので、ことしは1部昇格のためにもチームで1つになって、ワセダに貢献したいと思います。