佐々木 ケガを乗り越えベスト8!男子フルーレは最終決戦へ

フェンシング

 数々の偉業達成から一夜明け、全日本学生選手権(インカレ)3日目は女子サーブル個人、男子エペ個人、男女フルーレ団体が行われた。女子サーブルでは佐々木陽菜(社2=東京・大原学園)が6位、木村結がベスト16と二人とも関東学生選手権(関カレ)から順位を上げた。男子エペでは小野真英(スポ2=埼玉栄)が強豪に惜敗しベスト16。また団体は、女子フルーレは1回戦で敗れてしまうが、男子フルーレは決勝進出を決めた。19日、男子フルーレは決勝戦を行う。

★佐々木 ベスト8で力を出し切るも「やっぱりすごい悔しい」(女子サーブル個人)

ベスト8を決めた直後に笑顔を見せた佐々木

 女子サーブル個人は、若手の二人が躍動した。木村は1回戦では気迫のこもった攻めで白星を挙げる。続く2回戦では、前半に失点を許し巻き返しが難しい状況に。途中3連取と反撃を試みるが、7-15で敗れベスト16で初のインカレを終えた。一方、佐々木は3回戦でシーソーゲームにもつれこむ。しかしインターバルで気持ちの切り替えがうまくいったのかその後は得点を量産しベスト8を決め、ほっとした表情を見せた。準々決勝では先制点を得るが4失点し主導権を相手に渡してしまう。なかなか下がろうとしない相手に苦戦し、ベスト4進出は果たせなかった。「勝てるかなどうかなというマイナスな要素があると、試合にもそれが出て自信のないプレーにつながる」(佐々木)と準決勝を振り返る。ケガを乗り越えたベスト8、しかし本当は欲しかったのはメダルだっただけに悔しさは残った。ただそこまでの道のりは確実に縮まっている。

★小野、強敵に健闘もベスト8に一歩届かず(男子エペ個人)

3回戦では接近戦での勝負が相次いだ

 男子エペ個人のトーナメントに進出したのは小野真英(スポ2=埼玉栄)。3回戦で対戦したのは関カレ王者の山田優(日大)。小野は最初から得点を重ね9-7で第1セットを終える。しかし相手も黙っていない。第2セット開始直後に2失点し同点に。その直後に1点を返すが、相手に単発で4点を献上し10-13。ここで点差を離されてしまったのが最終的に響き敗れた。しかし、王者を相手に内容としては善戦。この成果を最終日の男子エペ団体の結果につなげたい。

★同点になっても「気持ち!」で耐えた 王者との決戦へ(男子フルーレ団体、1回戦~準決勝)

第5セット、同点に持ち込みガッツポーズする三好。同点が続いた大事なセットで逆転した

 男子フルーレは初戦を45-13で快勝すると、続く準々決勝でもワセダペースで勝利。このまま順調に勝ち進めるかと思いきや、準決勝は予想外の展開に。4点リードで迎えた第3セット、三好修平主将(社4=愛媛・三島)の突きがなかなか入らず12-12の同点に。続く第4セットで竹田陸人(社2=神奈川・法政二)も取って取られての状況に。3連続失点を許すが、気持ちを切り替え丁寧に一本ずつ取り19-20でバトンをつなげる。そしてそれを受けた三好はたびたび自身の太ももをたたき気合を入れ直して粘る。この重要な場面を3点プラスで回し、チームに勢いをつけた。続く松山恭助(スポ2=東京・東亜学園)が点差を5まで広げると、その後は追随を立ち切ることに成功し決勝進出を決めた。決勝の相手は、やはり今季決勝で3回対戦し3回とも敗れた法大だ。法大は三枚看板が揃っており倒すことは決して簡単ではない。しかしこのインカレ、メンバー同士励まし合い鼓舞し合う姿が何度も見られた。三好にとっては最後のインカレ、4人がこれまで以上に勝ちたいという思いの強さがゲームの雰囲気から現れている。ワセダ全員の力を結集させ、そのチーム力で王者の四冠を阻止できるか。いざ、最終決戦へ。

★目の前に立ちはばかる大きなカベ…専大を前に屈する(女子フルーレ団体)

木村は女子サーブル個人の後に女子フルーレ団体に出場。粘りを見せた

 女子フルーレは1回戦で専大と対戦した。第2セット、狩野愛巳(スポ2=宮城・仙台三)が積極的な前進、素早いアタックで5連続得点を決め2点のリードを得る。その次を受けた木村が女子フルーレ個人で関カレ、インカレの二冠を成し遂げた菊地小巻(専大)の攻撃をかわし切れず13-15に。しかし、バトンを受けた永瀬夏帆(スポ4=宮城学院)は相手に1点しか与えないファインプレーで逆転。その後も競り合いが続き、第7セット終了時点で34-34となる。第8セット、相手にペースをつかまれ35-40と最終セットを前に5点差がついた。しかしここで最後回りの狩野が4連取し39-40と詰め寄るも、相手に逃げ切られ41-45で敗退となる。思えば女子フルーレは、わずかに一勝に届かなかった。層の厚い他大に対し、他種目を専門とするメンバーも含めて戦ってきた今季。次に迎える団体戦は早慶戦。まずは一本、そして一勝へ。今までの涙を、悔しさを、力に変えたい。

(記事、写真 加藤佑紀乃)

7位に入賞した佐々木

※フェンシングの団体戦は3人、または4人の選手が交代で出場し、1試合当たり3分という持ち時間内で争う。あるいは3分以内にどちらかが先に5得点先取すると、そこで次の選手に交替となる。最終的には9試合戦い、45点を先取、または持ち時間が終了した場合は得点が高い方が勝ちとなる。

※フルーレ:頭・両足・両腕を除いた胴体部への突きのみが得点となる。 両者がほぼ同時に突いた場合は、どちらの攻撃が有効だったかを主審が判定する。また、先に攻撃をした方が「攻撃権」を持ち、防御側は攻撃を防御してから攻撃しなければならない。

※エペ:全身が有効面となる上に、両選手が同時突きをすると両者にポイントが与えられる。より慎重な攻め方が求められるため、時として両者が睨み合ったまま時間が過ぎることは稀な話ではない。

※サーブル:両腕も含む上半身への突きと切り(剣先ではなく剣の胴部分で相手の体に触れること)が得点となる。また、先に攻撃をした方が「攻撃権」を持ち、防御側は相手の攻撃を防御してから攻撃しなければならない。この攻撃権の奪い合いにより、両選手はピスト上を常に前後に往復し合うため、サーブルは3種目の中で最も全身運動が激しい種目だと言える。

結果

▽女子サーブル個人

佐々木陽菜(社2=東京・大原学園) ベスト8

2回戦:○15-11 高木杏菜(日体大) 

3回戦:〇15―8 飯田ひかり(専大)

準々決勝:●10―15 小栗千沙絵(日大)


木村結(社1=山口・柳井学園) ベスト16

2回戦:〇15-9 谷麻也夏(慶大)

3回戦:●7-15 福島史帆実(法大)


▽男子エペ個人

小野真英(スポ2=埼玉栄)ベスト16

3回戦:●8-15 山田優(中大)


北原達也(スポ3=長野・伊那北)予選敗退


工藤功輝(社3=東京・早大学院)予選敗退


三好修平主将(社4=愛媛・三島) 棄権



▽男子フルーレ ※決勝戦は19日
早大〔三好修平主将(社4=愛媛・三島)、北原達也(スポ3=長野・伊那北)、竹田陸人(社2=神奈川・法政二)、松山恭助(スポ2=東京・東亜学園)〕 
 1回戦:○45-13関大
 2回戦:○45-27拓大
 準決勝:〇45-37明大
 
▽女子フルーレ
早大〔永瀬夏帆(スポ4=宮城学院)、山村彩和子(教4=岡山・玉野光南)、才藤歩夢(スポ2=埼玉栄)、木村結(社1=山口・柳井学園)〕 1回戦敗退
 1回戦:●41-45専大

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コメント

佐々木陽菜(社2=東京・大原学園)

――ベスト8となりましたが、今の率直なお気持ちはいかがですか

やっぱりすごい悔しいのですが、きょうは最近の試合と比べたら自分の力は出せたほうかなと思います。

――3回戦は関東学生選手権(関カレ)で敗れた相手でしたが、当たると分かった時はどのような思いでしたか

関カレの時よりも自分のケガの調子も良かったので、試合前からそんなに心配はしていなかったです。

――きょうは緊張していないように見えました

予選の時にあまり集中し切れていなかったのですが、トーナメント入って動いているうちに緊張はしていたのですが、それ以上に集中できていたのでいい動きができたかなと思います。

――準々決勝を振り返っていかがですか

なかなか相手が下がってくれなくて、下がってくれない相手に対して自分は簡単に下がってしまいました。もう少し相手を下がらせる動きができたら良かったのかなと思います。

――きょうの試合での収穫はありましたか

試合をやる前から勝てるかなどうかなというマイナスな要素があると、試合にもそれが出て自信のないプレーにつながるので、そういうところが3回戦の後半と準々決勝のプレーの差に出てきたんじゃないかなと思っています。自信があれば点差があまりなくても、その後焦ることなく相手との点数を離すことができます。逆に準々決勝では知らないうちにどんどん点数が離れてしまって、最後まであまり自信を持ってできなかったので気持ちの面は大きいなと思います。

――団体戦がありますが、意気込みをお願いします

団体では一本一本丁寧に、みんなと力を合わせて1試合、1試合やっていきたいと思います。