全日本学生選手権展望

庭球男子

 ついに本日、学生ナンバーワンテニスプレーヤーを決める戦い、全日本学生選手権(インカレ)が岐阜メモリアルセンターにて開幕する。猛暑の岐阜をさらに熱くする1週間となるだろう。昨年は男子シングルス、男子ダブルス、女子シングルスの3冠を達成した早大。今年は、どんな活躍を見せてくれるだろうか。

★昨年に続き上位独占を狙う・・・男子シングルス

ケガから復帰した千頭は第1シードとしてインカレに臨む

 昨年はベスト8に6人を送り出し、ベスト4を独占した早大の得意種目。8月19日からインドネシアで開催されるアジア競技大会の日本代表に選出された昨年度インカレチャンピオン島袋将(スポ3=三重・四日市工)が欠場するため、今年は本命不在の状況だ。早大からは予選から勝ち上がった3人を含め、全13人が本戦の戦いに挑む。全日本学生室内選手権を制した田中優之介(スポ2=埼玉・秀明英光)、ケガから復帰した千頭昇平(スポ2=愛知・誉)は、万全の状態で臨めれば優勝争いに食い込んできそうだ。関東学生トーナメント(春関)で復調をアピールした小林雅哉(スポ3=千葉・東京学館浦安)も1年時以来2度目のチャンピオンの座を狙う。古田伊蕗副将(スポ4=静岡・浜松市立)ら4年生も最後のインカレで有終の美を飾れるか、注目したい。
 他大からは、春関チャンピオンの川橋勇太(筑波大3年)、学生内でATP世界ランキングトップの望月勇希(中大3年)、早慶定期戦で島袋を破った羽澤慎治(慶大1年)らが優勝候補として挙げられる。3人共に学生大会以外でも結果を残しており、高い技術と連戦を戦い抜くタフさを兼ね備えた怖い存在だ。

★実力伯仲。春関のリベンジなるか・・・男子ダブルス

坂井(右)・田中優組は春関のリベンジに燃えている

 早大からは5組が本戦に出場する。昨年、河野優平(平30スポ卒=現伊予銀行)とのペアでインカレを制した坂井勇仁主将(スポ4=大阪・清風)は、今年は田中優之介(スポ2=埼玉・秀明英光)と組んで最後のインカレに臨む。春関の決勝で敗れた小見山僚(4年)・楠原悠介(3年)組(法大)とは順当に勝ち進めば準決勝で対戦することとなるが、「インカレでは勝つ」(坂井)とリベンジに燃えている。本戦スタートとなる他3組もベスト8は射程圏内であり、勝ち上がるにつれて同士打ちも増えてきそうだ。予選から唯一勝ち上がった佐藤祥次(スポ3=大分舞鶴)・武藤洸希(スポ1=東京・大成)組も勢いそのままに勝ち上がれるか注目だ。
 一昨年の王者・逸崎凱人(4年)・畠山成冴(4年)組(慶大)も最後のインカレに標準を合わせてくるだろう。関西勢にも多くの有力ペアが名を連ねており、勢力は均衡状態だ。

★連覇に挑む清水と絶好調の筑波大・森崎が軸・・・女子シングルス

女子のエース清水。一層成長した姿を見せられるか

 前年度チャンピオン清水映里(スポ2=埼玉・山村学園)はインカレに向け、「(連覇は)頭に入れず、1回戦から地道に一つ一つやっていく」と語った。ルーキーながら全国タイトル2冠と一気に学生テニス界の女王まで登りつめた清水は、いかに平常心でプレーできるかがキーポイントになりそうだ。その脅威となるのが、筑波大の森崎可南子(4年)だ。春関を圧倒的な強さで優勝し、現在絶好調。春関では決勝で森崎に敗れ準優勝だった上唯希副将(スポ4=兵庫・園田学園)も、「私の中では打倒・森崎さん」と過去全敗の相手にインカレの舞台で初勝利を目指し意気込んでいる。早大勢は7人の選手が惜しくも予選で敗退となったが、唯一予選を突破した森川菜花(社3=山口・野田学園)を含め8人が本戦の舞台に挑む。

★大矢・上組は最後のインカレで有終の美を飾れるか・・・女子ダブルス

大矢(右)・上組はラストイヤーに華を添えたいところ

 早大からは5ペアが本戦に出場。優勝候補筆頭は、第1シードの大矢希女子主将(スポ4=愛知・名古屋経大高蔵)・上副将組だろう。春関ではベスト4に終わったが、コンビネーション、ダブルスとしての完成度の高さは依然学生トップレベルだ。春関ではシングルスも含めた連戦で体力が持たなかった反省もあり、夏までにいかにスタミナ強化に成功したかが優勝へのカギとなる。関東学生新進選手権優勝ペアの藤原早気(社2=大阪・城南学園)・米原さくら(スポ2=埼玉・秀明英光)組は、初戦で筑波大の岩井真優(3年)・千村もも花(2年)組と対戦する。筑波大の2番手ペアである相手を破り、チームとして勢いに乗っていきたいところだ。

  春関では15年ぶりの無冠という悔しさを味わった早大。汚名返上、そして覇者のプライドを示すため、インカレの舞台での逆襲に燃えている。「ここまでやってきたことが正しかったかどうか、インカレの結果に出ると思う」(坂井主将)。岐阜の地で、王者・早大の威厳を見せつけることはできるか。覇権奪還へ――早大庭球部の夏が、幕を開ける。

(記事、写真 松澤勇人)

本戦出場選手

▽男子シングルス(13人)

坂井勇仁主将

古田伊蕗副将

町田亮副将

齋藤聖真

古賀大貴

小林雅哉

佐藤祥次

髙村佑樹

安上昂志

木元風哉

田中優之介

千頭昇平

藤井颯大

▽男子ダブルス(5組)

坂井勇仁主将・田中優之介

齋藤聖真・小林雅哉

古賀大貴・安上昂志

髙村佑樹・木元風哉

佐藤祥次・武藤洸希

▽女子シングルス(8人)

大矢希女子主将

上唯希副将

辻紘子

大河真由

森川菜花

倉持美穂

清水映里

下地奈緒

▽女子ダブルス(5組)

大矢希女子主将・上唯希副将

辻紘子・大河真由

?持梓・森川菜花

清水映里・下地奈緒

藤原早気・米原さくら

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