女子エペ陣が日本最高峰の大会でも王座に君臨、史上初の五冠を成し遂げた。大会2日目に行われた女子エペと男子フルーレ。女子エペ陣は初戦を接戦の末、白星で飾ると勢いに乗る。決勝では一時7点差まで開いたものの、土壇場で逆転。全日本選手権(全日本)の大舞台でも早大が躍動し、悲願の頂点に立った。一方男子フルーレは1回戦でナショナルメンバーが名を連ねる森永製菓と対戦。序盤こそリードする善戦を見せたが、後半につれて本来の実力を見せてくる相手に歯が立たず、1回戦敗退となった。
男子フルーレ陣の1回戦の相手は森永製菓。今年度モスクワで行われた世界選手権を制した太田雄貴、先日入団した2013年の世界選手権覇者のマイルス・チェムリーワトソン、世界選手権優勝者二人を擁する優勝候補に早大が挑んだ。先陣を切って登場したのは仙葉恭輔(スポ4=秋田南)。「序盤から積極的に攻めよう」(仙葉)。この戦略が見事的中、太田相手に5ー3とリードし次へとつなぐ。続く松山恭助(スポ1=東京・東亜学園)がさらにリードを広げ10ー6とするも、竹田陸人(社1=神奈川・法大二)が規格外の体格であるマイルスを抑えられない。状況は一転して11ー15と大きく引き離された。松山恭こそ二回り目でマイルス相手に差を詰めたが、強豪・森永製菓の牙城を崩すことはかなわず。善戦こそしたものの、1回戦で早大は姿を消した。
強豪相手に奮闘した世界でも活躍する松山恭
圧巻の五冠。今季公式戦負けなしという輝かしい成績を飾った女子エペ陣だったが、今大会も厳しい道のりであった。初戦となった2回戦、勢いのある高校生相手にまさかの苦戦を強いられる。38—31とし最後回りとなったものの、今季ケガで苦しんでいた山根司(スポ4=香川・三本松)が連続失点。45—43となんとか勝利を飾ったが、不安の幕開けとなった。しかしこの接戦での勝利で勢いに乗った早大は朝日大を完全に封じる。ついに全日本学生選手権の決勝で死闘の上勝利をもぎ取った日大戦へと駒を進めた。準決勝、一番の山場を迎えたが序盤から果敢な攻めを見せ点差を広げる。今回は一度も先を譲ることなく日大を圧倒。五冠まであと1勝と迫った。迎えた決勝戦の相手は今季初対決となる法大。攻め切れずに中盤には7点差のビハインドとなる。ここでチームを救ったのが山根司だった。13—20から23—25と2点差にまで詰め寄る。一進一退の攻防で8人目の山村彩和子(教3=岡山・玉野光南)の試合を終え、37—37。ここで勝敗は1年間最後回りとしてチームををけん引し、中盤にもチームを救った山根司に託された。「怖いという気持ちはあったが、不思議と負けることを恐れてはいなかった」(山根)。先に一本目を取った山根は冷静に試合を進める。鳴り響くブザーの音。43—40。山根はホッとした表情を見せる。早大女子エペ陣が長かった戦いを終え、最高の笑顔、最高の成績で今季最後の公式戦を締めくくった。
歓喜に沸く早大女子エペ陣
周囲からの期待、重圧、逆境をはね退け手にした栄光だった。決して圧倒的な戦力を誇っていたわけではない。「五冠を目指してやっていたのではなく、一戦一戦みんなで一生懸命戦ってつかんだ結果」。山根がこのように語る通り、常におごらず高みを目指し続けたからこそつかんだ五冠だった。「このメンバーで戦えてすごく誇りに思います」(山根)。集大成を優勝で彩り、山根司率いた女子エペ陣の戦いは幕を閉じた。
(記事 三上雄大、写真 松本理沙、三上雄大)
集合写真
結果
▽男子フルーレ(団体)
早大〔仙葉(スポ4=秋田南)、松山大(スポ3=東京・東亜学園)、竹田(社1=神奈川・法政二)、松山恭(スポ1=東京・東亜学園)〕
1回戦:●36-45 森永製菓
▽女子エペ
早大〔山根司(スポ4=香川・三本松)、伊藤由佳(スポ3=栃木・宇都宮中央女)、山村彩和子(教3=岡山・玉野光南)、才藤歩夢(スポ1=埼玉栄)〕 優勝
2回戦:○45-43 富山西
準々決勝:○45-37 朝日大
準決勝:○45-34 日大
決勝ː○43-40法大
コメント
山根司(スポ4=香川・三本松)
――優勝おめでとうございます。いまの率直なお気持ちをお聞かせください
すごくうれしいです。久々にフェンシングをやっていて良かったなと思うことができました。
――この大会はどのような思いで挑みましたか
後輩に感謝しようということを目標にしていました。感謝の気持ちを表せられるような試合をしたいなと思っていました。
――初戦の富山西高との戦いはスタートからリードされる展開となってしまいましたが
そうですね。いま考えると気持ちが入っていなくて、どこか勝てるだろうという甘い考えが出てしまったのではないかなと思います。
――準々決勝の朝日大戦を勝ち上がり、準決勝では日大と対戦しました。全日本学生選手権(インカレ)で接戦を繰り広げた相手に対し、今回は大差で勝利することができましたが、何か意識していたことはありましたか
特に意識していたことはなく、いつもやっていることをやるだけという感じでした。今回の試合はいつもの試合よりもみんながしっかりとプラスにしていくことができたので、結構楽に勝てたのかなと思います。
――決勝は今シーズン初めて戦う法大が相手でしたが、注意していた点はありますか
勢いがあるチームだったので、そこの勢いに負けないように自分たちがやることをしっかりと考えてやるだけだと思っていました。
――試合の出だしは相手に先制されてしまいましたが、その勢いに押されてしまったという感じですか
勢いというより負けている展開で試合をするのに慣れていないので、それで点を取りにいってしまって差が開いてしまうという感じでした。
――今回は一時7点差まで開いてしまいましたが、その場面どのようなお気持ちでしたか
7点差ついたことを嘆いてもしょうがないので、プラス1をみんなで重ねていくしかないなと思っていました。もうここまで来たら一番勝てる選択をし続けることが勝ちにつながると思って、それを信じてやっていました。
――山根司選手の二回り目から少しずつ流れを取り戻してきたように感じましたが
初めてやる相手だったので、前の試合とかを見ていてここで取れるのではないかなというところでも無理していかずに自分の感覚を信じてやっていました。それがうまくはまってくれたのが結果的に良かったかなと思います。
――やっぱり初めてやる相手は未知という感じでしたか
そうですね。未知数ですし、結構勢いのある子で乗らせるとすごくムードメーカーになってしまうので、そこはなんとか抑えなければいけないなと思っていました。
――37-37で迎えた最後回りの場面はどのようなお気持ちでしたか
怖いという気持ちはあったのですが、不思議と負けることを恐れてはいなかったかなと思います。同点だったので楽にやろうということと、自分ができることをしっかりと考えて、一番勝てる可能性が高い選択をし続けようと自分の中で思っていました。試合をやっている中でも後ろの声は聞こえていて、自分の感覚も信じつつ後ろの声もよく聞いて戦いました。
――1本目を山根司選手が取れたのは気持ち的に大きかったのではないですか
そうですね、あれは大きかったかなと思います。自然と体が出たなという感じで、良かったです。
――終了のブザーがなったときはホッとしたというような表情を見せていましたが
四冠したあとからずっといろいろな人から五冠、五冠と言われていたので、それを見ないようにしていたのですが、自分自身も五冠したいなという思いがあったり、OBの方に良い報告をしたいと思っていたので、プレッシャーを感じていたのかなと思います。
――いろいろな人から五冠を期待する声もあったということですか
うれしいことなのですが、逆にそれで自分のプレーが壊れるような気持ちの持って行き方は絶対にダメだと思っていたので、勝ちたいという思いを抑えてやっていました。
――初戦の最後回りは点を多く取られてしましましたが、決勝まではどのように切り替えたのですか
1試合目の高校生にまくられた試合から自分にすごく自信が持てなくなってしまいました。それは自分の気持ちが入り切っていない状態で試合に入ってしまうことが原因だなと気付いて、技術うんぬんよりここまできたら気持ちだなと思いました。本当に気持ちだけというところを意識してその後の試合に臨みました。
――いつもは「後輩のおかげで勝てた」とおっしゃっていますが、今回は特に山根司選手の力も大きかったと思いますが
最後の試合だけ見ると同点で回ってきて勝てたのでいいとこ取りさせてもらったなと思うのですが、それまでに点をつなげてくれたのは後輩ですし、自分が悪い中でも点を取ってきてくれたのは後輩だったので、今回も後輩に勝たせてもらったなと思います。
――五冠というのはとても偉大な成績だと思いますが
今季始まって五冠を目指してやっていたのではなく、一戦一戦みんなで一生懸命戦って結果として五冠できたので、誇るべき結果だとは思うのですが、それにおごらずにてんぐにならないようにしたいなと思います。
――いまのメンバーでやってきた3年間を振り返って
このメンバーでやってきてつらいこともいっぱいあったなと振り返ると思うのですが、結果的にそのつらいことがきょうみたいな結果につながるんだなと思います。このメンバーで3年間、そして歩夢を入れて1年間戦えてすごく誇りに思います。
――後輩たちへのメッセージをお願いします
まずは、こんな先輩と一緒に戦ってくれてありがとうということ。そして、今回は五冠したのですが次からは私が抜けるということで、私がいなくなって勝てなくなったと言われるのはすごく嫌だと思うんですよ。他のチームの状況とかも変わってまた一からのスタートとなると思うのですが、いまの後輩たちなら絶対に一からスタートしてもきちんと勝ちに持って行けるような子たちなのでそこは信用して応援したいなと思います。
伊藤由佳(スポ3=栃木・宇都宮中央女)、
――全日本選手権優勝して今の率直なお気持ちは
去年とかはベスト8から上がれていなかったのが、今回優勝できてホッとしたのとうれしい気持ちがあります。
――初戦の富山西高戦ではチームに貢献する良いプレーが出来ていたように見えましたが
自分は気負ってやる役回りでもないのでいかに点数を与えずに点を取っていくのかを意識しました。
――準々決勝以降はベンチからの声掛けとなりましたが
一人一人が出来るだけ自分の持っているものをのびのびと発揮出来るように声掛けしたのと、気持ちが引けてしまっていると感じた時に一番声を出しました。技術的な部分ではなく精神的な部分についての声を出しました。
――今大会で一番の踏ん張りどころはどこでしたか
やはりギリギリの戦いだった法政大戦です。途中までビハインドの展開でそこで焦って負けていたのが1,2年の時の負けパターンだったので我慢してプラス1でもいいからリードして次に繋ごうと意識しました。
――本当におめでとうございます
ありがとうございました。
山村彩和子(教3=岡山・玉野光南)
――全日本選手権優勝おめでとうございます
ありがとうございます
――山村選手は1回戦には出場せずに伊藤由佳選手が出ましたが何か意図があったのですが
自分は強い相手には互角の戦いが出来るのですが、伊藤(由佳、スポ3=栃木・宇都宮中央女)の方が確実に点を取ってきてくれてプレースタイルが崩れないので、仕事をしてくれる伊藤に任せました
――続く準々決勝で山村さんはプレーしましたがどうでしたか
一回戦は出なくて、応援していたのですが高校生相手に結構ギリギリの試合をしていて、自分もチームも気持ちを入れ替えて一からやろうと思っていたので入りは良かったと思います。でも、自分が点数で貢献できていたかというとあまり出来ていなかったと思います。
――続く準決勝の相手はインカレで僅差で勝利した日大でしたが
やはり、富山西高とギリギリな試合をしてしまい朝日大戦で流れに乗ってここまで来たら決勝に行きたいなっていう気持ちもありながら、日大とは今季5度目の対戦なのでそれなら楽しもうと臨みました。試合の入りがみんな良かったと思います。気持ち的に勝とう勝とうというのではなく楽しもうと思ってやれたのが良かったと思います。日大とは試合をやり過ぎて手の内が分かっているので相手をしっかり見ながら自分のペースにもっていくことを心掛けました。
――日大戦に勝利して迎えた決勝戦の法大戦を振り返って
楽しもうと思って臨みました。今季は法大と対戦していない無かったので新鮮な気持ちがしました。
――試合序盤では山村選手が連続失点を喫する場面もありましたが
なんで点を取られたのかっていうのを分からなかった部分がありました。両方突いたと思っていても向こうにしか点が入っていなかったりして、チームメイトもタイミングは良いと言っていたのですが点が入らないことを引きずってしまいました。相手との距離を取ったりすることを考えられたら失点が少なく済んだのではないかと思います。
――二周目では粘りのプレーが見られました
はい。失点しても同じことをしないように、逆に相手から同じ攻めをされたらそこはしっかり自分がしっかりと返すことを意識しました。最初はパパンって点を取られたのですが持ち直せました。
――最後は1点ビハインドという緊迫の場面で回ってきましたが
相手も緊張しているのが分かりました。仲間にはハラハラさせたと思うのですが、最後は何も考えていませんでした。失点してもヤバいというよりも次に切り替えて取り返せました。
――ベンチからは楽しんでいこうという声が聞こえました
集中していました。入りは楽しんでいたのですがプレーしているときは無心でした(笑)。次の司先輩(山根、スポ4=香川・三本松)に回せば大丈夫だと思ったので気持ちは楽でした。
――この優勝で今季5個目のタイトル獲得となりました
率直にうれしいです。最後時間切れで優勝が決まって会場がシーンとなったのが寂しかったです(笑)。勝ったよね?優勝したよね?みたいな感じでした(笑)。これだけ同じ相手に対策されながらも勝ち続けられたのはチーム力があったからだと思います。誰かが悪くても誰かが補うことが出来たので最高のチームだったと思います。
――次は早慶戦と全日本選手権の個人戦があります
あっという間に早慶戦になってしまい、司先輩が抜けてしまうので司先輩が抜けて負けたという事にならないようにみんなで話し合って、チームで勝てるように気合を入れたいです。
才藤歩夢(スポ1=・埼玉栄)
――優勝おめでとうございます。率直な感想を教えてください
きょねんは全日本2位で優勝には届かなかったので、ことしこそはという思いがあってその中での優勝は嬉しいです。
――5冠という結果を成し遂げましたが
決してこれまでの4つの試合も楽にとった優勝というわけではなくて、今回も優勝は目指していましたがうまくいかないかもしれないという思いもあって。やはりチーム全員が役割を果たすこと優勝が見えてくると思っていたので、まずは自分は自分の役割を果たすことを意識していました。優勝という結果を受けてそれができていたのかなと思います。
――チームを振り返ってきょうの試合は
決勝に行くについれてチームが盛り上がっていった点は良かったのですが、最初の試合は本当に危なくて、そこは盛り上がりなどが足りていなかったと反省しています。
――個人を振り返って
自分としてはやることは合っていたと思いますが、そこでうまく点数が入らないことがよく見られました。普段の練習ではできたのに、きょうの試合では発揮し切れなかったという部分もありました。
――きょうの調子は
悪くはなかったです。やはり人によって良かったときや少し悪かったときもありました。
――1試合ずつ振り返っていきます。まず1試合目はなかなか点差を開けられず苦しい展開となりました
向こうが二試合目で自分たちは一試合目ということもあり、最初に流れを持って行かれてしまいました。最後までどうなるか分からない展開になってしまいましたが、これは最初から点数をきちんと取りにいければこんなに点数がギリギリになることはなかったと思います。
――なんとか勝利し、準々決勝の相手は朝日大でしたが順当に勝利を飾りました
自分が一番最初に当たった相手が普段試合で当たっても負けたり、あまり点数が取ることができないという苦手意識のある相手だったのですが、きょうやってみてプラスで点数を取ることができたので成長を感じました。2、3試合目も自分のやるべきことはでき、チームの流れをつくれたと思います。
――準決勝は前回の全日本で敗れた日大、ことしのインカレでも大接戦の末での勝利でした。戦うに当たっての策略などありましたか
いつも通りといいますか、インカレや前の試合でここがやられていたからこれには気を付けようであったり、基本的な動きをしっかりとして、細かいところだけでなくちゃんとしたところもチーム内で話し合っていました。試合中もベンチから声掛けできたことは良かったと思います。
――一最初回りではリードされる展開だったものの、それ以降は徐々に点数を重ねリードする展開に変わったことが勝利に結び付きましたが
やはり学生の試合でも決勝はいつも日大で、だいたい相手もこっちのことを分かっていますし、私たちも相手のことを分かっています。その中で自分がどう戦うかということを大切にしていて、相手がこうするからこうしようということを試合前も試合中も考えていた点は良かったと思います。ただ、ミスももちろんまだあったのでそこについては今後の課題になると思います。
――決勝は今季初対決となる法大との一戦でした
個人個人としては試合で当たっていたりしましたが、団体では初ということで結果的にも危なかったのですが。向こうも向こうで雰囲気も盛り上がっていて観客席でも応援がすごかったので、そこに圧倒されないで自分たちは自分たちでベンチで盛り上げようということは意識していました。細かい部分でも、個人戦で当たったときにここでやられていたというところはみんなで対策を練っていて。試合前にここ気を付けようということを一人一人アドバイスしていて、そこを試合で気を付けられたことが点数につながったのかなと思います。
――一時期7点差にまで差を広げられました
そこまで焦りとかはなくて、大丈夫だろうという気持ちが少しあって。その気持ち通り、徐々に点数を縮められて。たぶんそこで焦っていたら点数を取りに急いで取られてしまうことがあったと思うのですが、全員が落ち着いてできたのが良かったと思います。
――37—37で最後回りの山根選手に勝利の行方が託されました。山根選手はどういった存在でしたか
いままでの試合でも最後回りを全部やっていただいていて、試合を決めてもらっていたので、今回も決めてくれるだろうという思いでベンチで信じていました。勝った瞬間に、本当に心強くすごい先輩、頼れる先輩だなと思います。
――改めて優勝という結果を受けてお気持ちは
やはり全日本優勝ってすごいことだと思うので、インカレで勝ったときも学生日本一だったのですが、全日本で学生以外も出ている中で勝てたことは今後の自信にもつながりますし、学生の試合で勝ったときよりも嬉しかったです。
――早慶戦への意気込みは
4年生と挑む最後の早慶戦なので、今季最高のかたちで終わるためにも確実に勝ちにいきたいと思います。
仙葉恭輔(スポ4=秋田南)
――1回戦の相手を聞いて
日本のトップクラスの選手が多く在籍しているので、楽しもうかなという気持ちが大きかったです。
――どのように戦おうと考えていましたか
実力的には向こうの方が上なので、なんとか食らいついて点数を取ろうという考えではいました。
――相手には世界選手権覇者の入団が先日決まり、出場していましたが戦術は
身長が大きくて日本人ではいないタイプなので、普段通りにやっていても懐が深いので取り残されたりやられてしまうので、自分から行かないで打ち切ったところを攻めようという作戦ではありました。他の二人はこれは駄目ということは決めずに、いいプレーをしようということを話していました。
――実際に対戦してみていかがでしたか
なんじゃそりゃという感じでした(笑)。最後の一個前だったと思いますが、相手の足股から自分の腹上を突かれて。すごく足が長くて驚きました。
――きょうの試合を振り返って
最初はいい展開で後ろに運ぶことができたので、すごく良かったのかなと思います。中盤以降は評判通りの力を発揮してきて。自分たちも勝たなければいけないと思っているし、周囲からも勝てるだろうと思われている中で試合することは緊張もするし、プレッシャーもあると予想していて、序盤に積極的に攻めようと話はしていて、そのおかげもあり序盤に点数を重ねることができたのかなとは思っています。
――ご自身としては序盤に日本代表のエースである太田雄貴選手(森永製菓)相手にプラスで回すことができましたが
やってしまったな、とは思いました。ただテレビなどでたくさん太田選手のプレーを拝見する機会がありますが、その試合とはプレーが違っていたので、緊張されているのかなという印象はありました。
――最終回りでは5点差ほど離れた中で順番が回ってきましたが
そこで食らいついて後ろに回せれば良かったのですが、何もできずといいますか、普通にやられてしまった、相手の方が一枚上手だったなとは思います。
――今回の大会はどのような大会になりましたか
早慶戦はありますが大きい大会は最後ですし、今までやったことをやり切りたいと考
えていました。その中では太田選手にあれだけ点数は取れましたし、うまくできたのかなとは思います。また後輩を含めワセダで組める最後の大会なので楽しもうという気持ちで挑みました。
――最後の団体戦になりますが早慶戦はどのような大会にしたいですか
長年続いてきた伝統を継続していけるようにしていきたいのと、そのためにはフルーレエペサーブルで2勝しなければいけないので、まずはフルーレで1勝して流れを作りたいので、絶対に勝つぞという気持ちです。
――それでは早慶戦への意気込みをお願いします
たくさん公式戦でも対戦していますし、いつも通りやれば負ける試合ではないと思います。なので変に気負わず、自分のプレーをしっかりと発揮していきたいと思います。
松山恭助(スポ1=東京・東亜学園)
――初戦から太田雄貴選手率いる森永製菓と当たりましたが、対戦が決まったときどのようなお気持ちでしたか
すごく楽しみな気持ちでした。あと、自分は前から相手メンバーを知っていたので、メンバーを見たときから、どうせ来るのならやりたいなと思っていました。できればもう少し戦ってから当たりたかったのですが、僕を含めて先輩方も世界の選手とやれたというのは刺激的だったのでそういう意味で戦えたのはよかったなと思います。
――太田選手とは世界の大会などで同じメンバーとして戦っていますが、今回敵という立場でしたが
いつもは団体の練習でやって僕が点を取られる立場であまりイメージとしては良くなかったんですよ。だから試合前、太田さんとやる最後回りはいつもと違うことをやろうということは決めていました。その中でも主導権をこっちから握っていくことによって、やりたい技ができるようになるかなと思っていました。多分公式戦でやるのが初めてだったと思うのですが、太田さんはなかなか日本の大会に出ないので、もしかしたらこれが最初で最後の戦いになったかもしれません。その直接勝負を勝てて良かったと思うのですが、正直なところは個人戦の15本でガチンコ勝負したいなと思っています。
――最後回りは太田選手より5点多く点を取っていましたが、違うことをやってみたことが要因だったのですか
そうだと思いますね。あとは自分の気持ちが練習で負けているということでマイナスに働くと思っていたのですが、意外とそれが逆に働いていました。体も結構よく動いていたし、頭も割とクリアだったので、試合前は意外にいけるかなというところがあって、その気持ちが個人の勝因としては大きかったかなと思います。
――試合全体を振り返ると、最初は早大が先制していました
ああいう強いチームは初戦の特に立ち上がりが苦手だというのは僕の経験上分かっていたことなので、特に全員で立ち上がりからどうこうしようというのは決めていなかったのですが、みんなそれぞれ役割が分かっていてそれを上手く共有できたと思います。もちろん向こうも現世界ランクの太田さんと元世界ランクのチャムリーワトソンがいるので最初うまくいってつまずくのは分かっているのですが、ざっと見た感じですが、一番いい試合、盛り上がる試合をしていたのではないかなと思います。それがなにより大きかったかなと思います。
――チェムリーワトソン選手と対戦してみていかがでしたか
僕は団体戦のみの戦いでやっていてきょうで3回目の対戦でした。手の内は分かっていましたし、アメリカのチームと海外の大会で当たることが予想されているので、日本のナショナルチームで特にチェムリーワトソン選手とどう戦うかということを共有していました。なので本当にこういうところで対戦できたのは良かったです。
――やはり経験になったということですか
経験になりましたね。あと、次の大会に向けてすごく大きな自信につながりました。
――松山恭選手は全選手に対して勝ち越すことができました
僕はここに来る前の土曜日の午前中に僕とオリンピックに出た千田さん(健太、阿部長マーメイド食品)と三宅さん(諒、セイコー)と三人で組んで森永(森永製菓)と戦ったんですよ。僕はそのとき全員から2点ずつしか取れなくてやられていたので、とりあえずやられたときの反省を生かしてきょうは挑みました。
――最終的には36-45という結果となりましたが、この結果に関してはいかがですか
割とやりたいことができたので、今シーズンの中でもベストに近いくらい良かったかなと思います。
――今週末の早慶対抗定期戦(早慶戦)への意気込みをお願いします
どのような雰囲気なのか分からないのでとにかく楽しもうと思っています。先輩方に聞くと結構慶応はガチだよと言っていたので、とりあえず楽しみながらしっかりと勝ちたいです。きょうのような試合をすれば絶対に勝てるので、良い意識のまま、良いイメージのままいければいいなと思います。