男女フルーレ健闘!

フェンシング

 全日本学生選手権(インカレ)4日目。この日は男女ともにフルーレの団体戦が行われた。女子は準決勝で関東学生選手権(関カレ)王者の法大を破るも優勝には届かず2位に終わる。一方男子は準決勝で敗れたものの3位決定戦では終盤に力の差を見せつけ、第3位となった。

 女子フルーレの1回戦では機械トラブルや剣が折れるなど、アクシデントがありながらも尾上千尋(創理4=東京・田園調布雙葉)の活躍が光り45-26で慶大を下す。ベスト4を懸けた東女体大戦では試合序盤に永瀬夏帆(スポ3=宮城学院)がつくったリードをほとんど崩さず勝利。続く、準決勝は関カレ王者・法大との一戦。強豪相手に、序盤から早大が優勢な状況で試合を進めるが終盤に34-34と追いつかれる。試合の決着は最後回りの狩野愛巳(スポ1=宮城・仙台三)にたくされることに。一時35-37とリードを許したがここで世界を舞台にして戦う百戦錬磨の狩野が反撃。地力の差を見せつけ45-39で勝利し決勝へと駒を進めた。専大との決勝戦は、じわじわと点差を広げられる苦しい展開となる。チーム一丸となって応戦するも試合の流れをつかめず33-45で敗戦。2位という結果に納得しつつも「もう一歩及ばなかった」(尾上)と、悔しさも残った。

大活躍の狩野

 2回戦で明大を45-29で破り、準々決勝の慶大戦も順当に勝ち上がってきた男子フルーレ陣。中大との準決勝では、後半に竹田陸人(社1=神奈川・法大二)が4連続ポイントを奪うなど粘りを見せるも35-45で敗北。続く3位決定戦では、フルーレの強豪校である日大と競り合い、あと2人を残し35-32とリードはわずかに3点。手に汗握る接戦でまず出てきた仙葉恭輔(スポ4=秋田南)が無傷で5連続ポイントを奪い自分の仕事を果たすと最後周りの松山恭助(スポ1=東京・東亜学園)も相手を寄せ付けないプレーを見せ、終わってみれば45-33の圧勝。ダブル『きょうすけ』の活躍で団体戦を勝利で締めくくった。

最後回りで活躍した松山恭

 上級生とルーキーが絶妙に噛み合い、お互いの良いところを引き出しあいながら試合をこなしていく。早大フルーレ陣の強みが発揮された試合であったに違いない。そして注目すべきは男女ともに1年生が最後回りを務めているということだ。新しい風を感じさせたフルーレ陣の次なる戦いに期待したい。

(記事 大浦帆乃佳、写真 松本理沙)

結果

▽男子フルーレ(団体)
3位
早大〔仙葉(スポ4=秋田南)、松山大(スポ3=東京・東亜学園)、竹田(社1=神奈川・法政二)、松山恭

(スポ1=東京・東亜学園)〕

2回戦:○45-29 明大

準々決勝:○45-38 慶大

準決勝:●35―45 中大

3位決定戦:○45―34 日大

▽女子フルーレ(団体)準優勝
早大〔尾上(創理4=東京・田園調布雙葉)、永瀬(スポ3=宮城学院)、狩野(スポ1=宮城・仙台三)〕
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1回戦:○45-26 慶大

準々決勝:○45-30 東女体大

準決勝:○45-39法大

決勝:●33-45専大

コメント

尾上千尋(創理4=東京・田園調布雙葉)

――お疲れ様でした。女子フルーレ団体2位という結果についていかがでしょうか

いままでよりは良い結果だったのですが、もう一歩及ばなかったのは悔しいです。

――1回戦、2回戦と順調に勝ち進みましたが、準決勝の法大戦は厳しい戦いとなりました。その戦いを振り返っていかがですか

法大戦は最初から良いゲームメイクができていました。関カレ(関東学生選手権)でも当たったので、そのときの反省を生かせたかなと思います。最初から手堅くやっていって、点差を広げることなく最後まで行くことができたので、それが勝ちという結果に結びついたのだと思います。

――関カレのときと同メンバーで今回の法大戦にも挑んだと思いますが、どのようなことをチームで対策していましたか

この間の法大戦でどこを取られたか、どこをもっと我慢できたかというようなことを話していて、そのゲームの中でどこを我慢して、どこを取りに行けたら取りに行くというような戦い方の話をしていました。

――決勝戦を振り返って

やっぱり厳しい戦いになるとは予想していたのですが、序盤、中盤の粘りがもう少し出せたらゲームの流れとしても良かったと思います。やっぱり序盤や中盤で点を取り急いでしまったので、ゲームの流れ的に少しいけなかったかなと思います。

――試合終了直後は悔しげな表情を見せていましたが

本当に優勝することを目指してやっていたので、悔しかったです。

――このチームで挑む学生大会は最後だったと思いますが、それに関してはいかがですか

チームとして春から成長できていたのでその面に関してはすごく良かったのですが、最後に結果が出し切れなかったというのは悔しいですね。

――団体については以上になりますが、フルーレ個人の試合を振り返っていかがでしょうか

やっぱりあと一歩というところで勝てなかったです。今回プール戦も試合運びがうまくできて自分の中では調子が悪いということはなかったですし、2回戦も自分の思うとおりに試合ができたのでそこまでは良かったです。3回戦も試合の内容自体は悪くないと思ったのですが負けてしまって、最後に勝ち切れないことが課題だなと感じました。

――尾上選手にとって最後のインカレですが、残す種目はあと一種目となりました。女子サーブル団体に向けて意気込みをお願いします

インカレ(全日本学生選手権)まではどうしてもフルーレメインの練習になってしまうのであまりサーブルの練習ができていないのですが、最後ということもありますし、思い切ってみんなでできれば良いなと思います。

仙葉恭輔(スポ4=秋田南)

――今大会にはどのようなお気持ちで挑みましたか

4年間の集大成ということで勝って終われたら最高だなと思って臨みました。

――フルーレ団体を終えての感想をお願いします

3位ということでしたが、とりあえず全国の中での3位なので良い成績を残せたのではないかなと思います。でもやっぱり優勝したかったので、残念というか、悔しい気持ちがあります。

――チームを組んでいた1年生の松山恭助選手(スポ1=東京・東亜学園)と竹田陸人選手(社1=神奈川・法大二)の戦いぶりはいかかがでしたか

リーグ戦(関東学生リーグ戦)、関カレ(関東学生選手権)、インカレ(全日本学生選手権)と通して戦って、1年生の竹田くんの成長がすごくチーム全体の力になったと思っています。最後回りをやっていた松山恭助くんは有無を言わさずチームで一番強いので、今大会も関カレでも、いま持てる最高のパフォーマンスをしてくれたのではないかなと思います。

――33-45で敗北した準決勝を振り返って

中大戦は特に中回りがうまくいかなかったというのはすごく感じますね。

――うまくいかなかった原因はなんだったのでしょうか

中大は勢いのあるチームでトリッキーな選手も多いので全員がうまく対応し切れなかったところはあるのかなという風には思います。

――トリッキーな選手の多いという意味で中大は戦いにくいのでしょうか

そうですね、やりづらいのは多少あります。でも見ていてすごくおもしろいフェンシングをしていると思いますね。観客を楽しませるのはスポーツの魅力でもあるので、そういう意味ではすごく良いチームなのではないかなと思います。

――一夜明けて3位決定戦となりましたが、挑む上で意識していたことはありましたか

自分自身、朝アップしたときに体が疲れていて全然動かなくて、きょうはちょっとやばいぞという感じでした。だからこそ基本に忠実に、いままでやってきたことを反すうして持っているものをしっかり出そうということを意識してできたのが、逆に良かったのかもしれません。なので体のコンディションは決して良かったわけではありません。

――では気持ちの面でプレーをしていた部分があったのでしょうか

そうですね。やっぱり最後は気持ちでした。

――3位決定戦についてチームの面から振り返っていかがでしょうか

こういう形で勝てるといいねという理想としていた形で全員回すことができましたね。途中多く失点してしまう場面はあったのですが、そこは僕と恭ちゃん(松山恭助)のダブルきょうすけで耐えて、最終的には理想としているスコアで回せたのかなと思います。

――理想としていた展開というのはどのような展開ですか

理想としては1試合ごとにプラス1できたら良いと思っていました。そうしたら最終的には9点差になるので、そういった展開が理想だよね、と話していました。結果的に45-33とそれぐらいの点数になったので、良いときも悪いときも試合の中で流れがありましたが、最終的な形としては理想としていたゴールだったのではないかなという話は恭助ともしていました。

――では個人としてはいかがでしたか

個人としては良い仕事をしたのではないかなと思います。

――仙葉選手が個人戦で負けた選手も相手メンバーにいたようですが

そうですね。個人戦で当たって長く試合をしたからこそ、見ているだけでは分からない、剣を交えなければ分からない情報を自分が持っていたのでそれをうまく利用して試合をできれば良いなと思っていました。それをうまく使えたのは良かったです。

――フルーレ団体3位という結果に関しての感想をお願いします

やはり優勝して終わりたかったので残念な気持ちもあるのですが、最後に試合を勝って終われたというのはすごく良いことだと思います。

――続いて男子エペ団体を振り返ります。仙葉選手は専大戦で序盤に出場していましたがどのような意図で起用されたのでしょうか

1年生の小野(真英、スポ1=埼玉栄)があまり西本くん(勇斗、専大)が得意でないということで他の二人(津江碧主将、スポ4=山口・岩国工、小野弘貴、社4=東京・早稲田)が相談して僕だったら意外と剣も合うのではないかということで当たることになりました。関カレのときもそんな感じでやったので同じ感じでした。

――エペ団体の結果に関してはいかがですか

個人としてはビハインドの状態で逆転して後ろに回せたので、個人的には上出来だったのかなと思います。

――フルーレの個人戦を振り返って

昨年の自分を超えられなかったというのが残念だし、色々努力してきたつもりだったのですが、それがつもりで終わってしまったというのは非常に残念です。

――今大会は仙葉選手にとって最後のインカレとなりました

特別意識したことはないですが、予選とかで本来であれば勝てそうな相手に結果として負けてしまったりしたのでそういう意識していないところで硬くなってしまったところはあったかもしれません。でも結局実力だと思うので。その日持てるものを出してその結果だったので、いろいろやってきたことがうまく出せなかったのかなという風にしか思わなかったです。一生懸命頑張れたから良いかなというか。まあそこまで軽い感じでもないですが…。でも目標には届かなかったのでそういった意味では残念な気持ちはあります。

――次の全日本選手権(全日本)や早慶対抗定期戦(早慶戦)への意気込みをお願いします

12月に全日本の団体、早慶戦、全日本の個人があります。団体戦は大きな大会である全日本と早慶戦がこのチームでできる最後の大会です。そこへ向けて一戦ずつ勝ちも負けもうまく吸収して12月20日の早慶戦にベストなチームで臨めるように仕上げていきたいです。