インカレ開幕!女子フルーレ永瀬がベスト8

フェンシング

 ついに全日本学生選手権(インカレ)が幕を開けた。今年度最後の学生大会であり、最高峰の戦いが繰り広げられるこの大会。軽快なステップとしなやかな剣さばき。一喜一憂する大歓声。ぶつかり合う意地と意地。この光景がことしも訪れる。大会初日の種目は男子フルーレと女子フルーレの個人戦。早大は女子フルーレの永瀬夏帆(スポ3=宮城学院)がベスト8に入るも準々決勝で敗北してしまう。その他の選手は3回戦までで姿を消す結果となった。

 女子は関東学生選手権(関カレ)で2位に輝いた狩野愛巳(スポ1=宮城・仙台三)が別大会のため欠場。尾上千尋(創理4=東京・田園調布雙葉)と永瀬が出場した。昨年予選落ちをした尾上にとって、苦い思い出が残るこの種目。今回は予選を突破し3回戦まで勝ち進む。一進一退の攻防を続け、熱戦は3セット目までもつれこんだ。しかし終盤に粘り負けしてしまい10-12で敗退する。最後のインカレで初の入賞とはいかなかった。対して、永瀬は順調に勝ち上がり、関カレに引き続きベスト8入りを果たす。一度も勝利したことがないという高橋麗子(専大)に対しチャレンジャーとして挑んだ準々決勝。だが、古くから永瀬を知っている相手は一枚上手だった。仕掛けてもプレーを読まれ、逆に狙われる。最終的には7-15の大差で、ベスト4への道が閉ざされた。

雄たけびをあげる山口

 男子フルーレは今シーズン調子の良い山口理伎(創理4=東京・早大学院)が健闘した。「いつもよりリラックスできた」と緊張せずに試合に入った山口は2回戦を一本勝負に持ち込む。惜しくも勝負は落としたが、「楽しめた」(山口)と大会を振り返り満足感を漂わせた。対照的に昨年ベスト8の仙葉恭輔(スポ4=秋田南)は無念の2回戦敗退に悔しげな表情。だが、男子フルーレ陣にとって希望の光も差し込んだ。竹田陸人(社1=神奈川・法大二)が3回戦で前回覇者と対戦し、序盤に大幅リード。「僕の流れから相手の流れに変わっていった」(竹田)とケガでの中断を機に逆転を許してしまったが、相手に食らい付くパワフルなプレーは今後の活躍を期待させた。

ベスト8に入った永瀬

 初日から各ピストで激戦の火花が散ったインカレ。5日間続くこの大会はまだ始まったばかり。フルーレ個人戦は終わってしまったが、次は団体戦も控えている。実力だけでなくチームワークも必要とする団体戦では下級生のプレーもカギとなる。最上級生にはなむけを――。チーム一丸となって勝利をつかむ。

(記事、写真 松本理沙)

結果

▽男子フルーレ

竹田陸人(社1= 神奈川・法大二) ベスト16

2回戦:○15ー5 矢野征哉(日体大)

3回戦:●11ー15 大石利樹(法大)

仙葉恭輔(スポ4=秋田南) 2回戦敗退

1回戦:○15-11 山本和磨(中大)

2回戦:●11ー15 船本誠志郎(日大)

山口理伎(創理4=東京・早大学院) 2回戦敗退

1回戦:○ 15ー5 山崎凌(愛知工業大)

2回戦:●14ー15 敷根章裕(法大)

松山大助(スポ3=東京・東亜学園)2回戦敗退

2回戦:●12ー15 安部慶輝(拓殖大)

三好修平(社3=愛媛・三島) 2回戦敗退

1回戦:○15ー6 瀬藤久司(近畿大)

2回戦:●9ー15 長島徳幸(法大)

▽女子フルーレ
永瀬夏帆(スポ3=宮城学院) ベスト8

2回戦:○15-7 山﨑有華(東女体大)

3回戦:○15ー9 格地彩花(慶大)

準々決勝:●7-15 高橋風子(専大)

尾上千尋(創理4=東京・田園調布雙葉) ベスト16

2回戦:○15ー4 大場紗季(同志社大)

3回戦:●10ー12 緒方実奈海(法大)

山口理伎(創理4=東京・早大学院)

――今日の率直な感想は

あんまり緊張はしなかったんですけど、最後だな、と思いました。

――いつもと変りなく臨んだという事ですか

はい、むしろいつもよりリラックスして臨めました。

――二回戦では一本勝負の末に敗れましたが

一本勝負にしてしまった自分が悪かったなと思います。最後の一本勝負でああいう手段しかなかったのが自分の実力だったかなと思います。

――一本勝負までもっていってしまった要因は何ですか

同じようなミスが続いていて対策が出来てなかったのが良くなっかたと思います。

――最後の一本勝負は緊張しましたか

正直勝てるかなって思ったんですけど結果負けてしまいました。残念です。

――学生生活最後のインカレはどうでしたか

結構楽しめたので悔いなく卒業できるかなと思います。

竹田陸人(社1=神奈川・法政二)

――試合前の今日の目標は

初めてのインカレという事もあって結果というよりものびのびやろうと思ってました。挑むだけなので何も守るものも無いので全力でやろうと思っていました。予選からそんなに緊張することもなく、トーナメントの当たりも良く結構いけました。でもベスト8には入りたかったので結構悔しいです。

――ベスト8を懸けた試合では足を怪我するというアクシデントもありましたが

結構格上の相手で何回もやっている相手で、挑むつもりでいって最初6-0でリードしていたんですげど、その後追いつかれてその時の事故でした。後々相手に聞いたら治療の10分間が流れを変えたと言っていました。僕の流れから相手の流れへと変わっていった休憩だったので僕にとってはデメリットかなという感じです。逆に相手にとってはメリットになってしまったと思います。

――竹田選手自身も流れが変わったと感じましたか

正直、(中断せず)続けたかったんですけどやはり足が痛かったんでしょうがなかったなと

――団体戦に向けては

関カレの時には2位で悔しかったので、インカレでは優勝を狙えると思うので優勝を狙いたいです。

永瀬夏帆(スポ3=宮城学院)

――ベスト8という結果について感想をお願いします

満足はしていないです。

――今回のフルーレ個人での目標は何でしたか

自分の持っている技が試合で使えるなと関カレ(関東学生選手権)で思えたので今回は優勝を狙っていました。以前はベスト8のカベを越えられないと言っていたのですが、そこから一つランクアップしたときにベスト4へのカベが結構キツイなと感じました。

――2、3回戦は点差を離しての勝利ということで順調に勝ち上がっているように感じましたが

試合が3セットある中で1セット目が自分としては苦手だなと感じまし。相手が何をして来るのか分からない上に、自分勝手にプレーしてしまうので。でもその分後半でそこを修正したりできたのでその部分は良かったなと思いますを

――ベスト8を懸けた3回戦ではその後半の修正が上手くいったのでしょうか

色々なことをやってくる選手ではなかったので、自分もタイミングをつかめたし、自分でうまく修正できたかなと思います。

――準々決勝を振り返っていかがですか

小学校時代から何度も試合で当たっている秋田出身の1歳年上の選手が相手だったのですが、今まで1回も勝ったことがなくて。プール戦での5本勝負では勝てるのですが、15本勝負の試合では勝てたことがなかったので、今回はやることを固めて簡単に点を取られないように意識しました。自分が点を取ることよりもまず取られないということを意識していたのですが、自分のやることが相手に分かっていて、それを見越して相手が来るから、狙われていたなと改めて思います。

――序盤に4失点して流れが相手に傾いてしまったように思いました

切り替えなきゃとは思ったのですが、自分の中でモヤモヤしてしまいました。きちんとリセットしなければいけなかったなと思います。

――相手のペースに飲まれてしまったという感じですか

そうですね。

――しかし3セット目に相手が14点を取ってから何点か点を取ることができましたね

変に狙ってプレーしていたときよりは思いっきりいけたと思います。「中途半端なことをするな、自分が思ったらそれを思いっきりやれ」と後ろで声をかけてもらって、自分もそうしようと思ったのでできました。あと、14点目を取られたときに自分が少ししか点が取れていなかったので、ベスト4懸けの試合なのにこんな点差で終わりたくないと思って、点をもっと取りたいと思ってやっていました。

――この戦いから何か得たことはありましたか

自分が点を取られたところは相手に狙われているところだったのですが、自分はリーグ戦(関東学生リーグ戦)から全然プレーを変えてこなかったんですよ。リーグ戦で取れた点でずっと練習してきたので、相手もそれで分かってしまって。だから、短いスパンでやり方を変えていかなければいけないなと思います。

――相手にも対策されていたということですか

そうですね。ずっと同じことをしていても勝てないなと思います。プール戦でもリーグ戦でたくさん点が取れたのに、今回は取れなくなっているということがよくありました。関東の選手は特に対策されてしまっていたかなと感じました。

――上位の顔ぶれはあまり変わらないと思うのでそういったことはやはり重要なのでしょうか

上位の選手は団体戦のメンバーでもあるから、対戦する回数は多いんですよ。上位になるとお互いに手の内が分かっているので、自分も簡単にプレーを変えられるタイプではないですが、そこできちんと切り替えをするなど、もっと色々なことをできるようにしないといけないなと思いました

――フルーレ団体戦への意気込みをお願いします

優勝します!メンバーもそろっていますし狙えると思います。関カレは勝ちたいという思いから点を取ることにこだわり過ぎてしまったので、点を取るというよりも後ろにつなげるということを意識して全員で勝てればいいなと思います。