今季初めての公式戦である関東学生リーグ戦(リーグ戦)。各大学のチームの実力が試される舞台で、男子サーブルと女子エペ種目の戦いが繰り広げられた。昨年度、最下位に沈み入替戦で辛くも1部の座をつなぎ止めた早大男子サーブル陣は、初日の3戦で全て敗れるという幸先の悪いスタートを切る。しかし2日目で立て直し全勝。2勝3敗で4位をつかみとり、躍進への兆しを見せた。
1年前の悪夢がよぎる。甘粕貴大(社5=神奈川・サレジオ学院)、佐々木勇歩(スポ5=静岡・沼津東)、安部凌(スポ4=島根・安来)、茂木雄大(スポ1=神奈川・法大二)のメンバーで挑んだ男子サーブルは初戦、法大に35-45で敗北。続く日大戦では滑り出しに大量リードを獲得し優位に試合を進めるも、最終回りで突如崩れる。35-23の場面で登場した8試合目の佐々木勇が5点差まで詰められ、さらに最後回りの甘粕も悪い流れを断ち切ることができず42-45でまさかの敗戦を喫する。その後の中大戦も中盤まで粘るが最終回りでまたも引き離され敗戦。暗雲垂れ込む3戦全敗で初日を終えた。
明大戦で攻めるルーキー茂木
「気持ちを前面に出していこう」(甘粕)。切り替えて挑んだ2日目。初めに迎えたのは専大だった。最下位脱出に向け絶対に負けられない相手に対し、立ち上がりからポイントを獲得し、着々と点差を広げていく。ベンチだけでなく、観客席からもチームを盛り上げ、試合は早大ムードに。30-20で迎えた最終回りの場面。1日目はここで崩れることが多かったが、この日は違った。茂木、佐々木勇、甘粕が落ち着いて攻め込み確実に点をもぎ取っていく。相手に一度もリードを許すことなく45-29で初勝利を収めた。この流れのままに最終戦の明大にも白星を挙げ、4位という結果で幕を閉じた。
専大戦に勝利し雄叫びを上げる甘粕
ここ数年、成績が振るわなかった男子サーブルにとって、4位という結果は比較的良いものとなった。しかし、「2位以上が目標だった」(甘粕)、「正直もったいない」(茂木)と語るようにこの結果に甘んじる選手はいない。熟練した高学年の選手、チームを盛り上げる中堅、そして期待のルーキー。選手層の厚い男子サーブル陣、いまこそ本領を発揮するとき――。ことしは一味違う成績を残してくれるに違いない。
(記事、写真 松本理沙)
※掲載が遅くなり、申し訳ありません。
結果
▽男子サーブル
早大〔甘粕貴大(社5=神奈川・サレジオ学院)、佐々木勇歩(スポ5=静岡・沼津東)、安部凌(スポ4=島根・安来)、茂木雄大(スポ1=神奈川・法大二)〕
1部4位
1試合目:●35-45法大
2試合目:●42-45日大
3試合目:●35-45中大
4試合目:○45-29専大
5試合目:○19-45明大
コメント
甘粕貴大(社5=神奈川・サレジオ学院)
――昨年の関東学生リーグ戦は全敗という結果だったが今年はどのような意気込みで臨んだか
強い一年生が入ってきたこともあり、2位以上は目標にしていました。
――今大会を振り返って
毎年5、6位を争っていたため周りからは頑張ったと思われるが自分達としては凄い悔しい結果です。初日の全敗が痛かったです。
――逆転敗けを喫した初日の日大戦や中大戦を振り返って
1年生が頑張っているのに5年生の自分達が足を引っ張ってしまいました。精神面に問題があると感じたので2日目は気持ちを全面に出していこうと思いました。
――1年生の茂木選手を起用した意図について
単純に強いので出しました。
――今大会を振り返って、チームとして良かったことと課題はありますか
2日目に2試合勝てたことです。課題はやはり初日に全敗を喫してしまったことです。気持ちの面が大事だと思います。
――今後の目標をお願いします
今大回ふがいない結果に終わってしまったので関東学生選手権(関カレ)、全日本学生選手権(インカレ)で上位進出、優勝を目指します。
茂木雄大(スポ1=神奈川・法大二)
――3番手として出場した今大会を振り返って
4位という結果は正直もったいないと感じています。日大戦は勝ちきらなければいけない試合だったと思います。中大や法政大にも勝ちたかったが実力が足りなかったと思います。
――2日目の自身のプレーを振り返って
自分としてはあまり良い動きだったとは思えません。もっと丁寧にプレー出来たら良かったなと感じました。
――丁寧なプレーとは
ミスで点が取れないなど取りこぼしの無いプレーです。
――今後の意気込みをお願いします
今大会あまり良い結果を残せなかったので関カレでは優勝する気持ちで、また個人としては日本代表の選考会も取れるように頑張りたいです。